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プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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321.  ヒューゴの不思議な発明 《ネタバレ》 少年の冒険ファンタジー的な邦題が付いている。でも、子供が観て面白い映画だとは思えない。テーマは少年の冒険ではなく、世間から忘れ去られた映画監督の人生なのだから。なのでこの邦題には疑問符を付けたい。冒頭は散漫に感じられたストーリーだけど、月にロケットが衝突する絵が現れて、まるで謎解きのように物語が焦点を結ぶ。商業映画の創成期、「特撮」的な手法で観客を喜ばせた人、ジョルジュ・メリエス。彼の代表作である「月世界旅行」の有名なカットだ。この映画のクライマックスはベン・キングスレーが演じるメリエスが自らの半生を振り返るシーンだと思う。手品師だった彼は映画に魅了され映画監督へ転身する。ふたつの仕事に共通するのは観客を驚かせて楽しませることだ。さしずめ、20世紀初頭のスピルバーグ。でも戦争(一次大戦)が状況を変えた。私の印象に残ったのは「人々は現実を見すぎて、映画を見なくなった」というメリエスの台詞(3D吹替え版)でした。つい1年前、大震災を目の当たりにしたこの国でも、映画館から足が遠のいた。映像の中で夢の世界を追求したメリエスの作品は、時代の重さに呑み込まれ忘れられて行った。メリエスは長い映画の歴史において、時代と闘って敗れた最初の映画人だったのだろう。本作は回顧的な意味合いだけで創成期の映画と映画人たちに横顔を与えたのではないと思います。現代の商業映画に関わる誰もが直面する宿命に、1世紀以上も昔にぶち当たった人物に対するスコセッシの親近感と敬意を感じました。[映画館(吹替)] 5点(2012-03-09 16:21:51)(良:1票)

322.  アンダーワールド 覚醒 普通にレビューするなら突っ込みどころも少なくない映画なのでしょうが、全くそんな気が起こらないのはファンだから。ケイト・ベッキンセールの。痩身にボンテージ。綺麗でカッコいい。最高です。さほど長くもない尺の作品だけど、彼女が出ているシーンが多くて満足です。観たかったものは観させてもらいました。内容を語る気にならないのは、たぶんアイドルの追っかけをやっているファン心理と同じなのでしょう。[映画館(字幕)] 7点(2012-02-28 10:54:29)

323.  ゲーム(1997) 《ネタバレ》 観ている間は興味深く追って行けるのだけど、さすがにこのオチは無いだろうということでマイナスされる。仕掛ける側は念入りな打ち合わせで事を運べても、仕掛けられた側がどんな行動に出るかを完全に読み切ることは不可能でしょう。そういう意味では壮大なご都合主義的映画である。ただ、着眼はとても面白いと思う。仕事にしろ恋愛にしろ、どん底に落ちている時は「これが夢だったら…」とか「夢であってくれ」と思う。誰しも、そんなシチュエーションを一度や二度は経験している。それを「はい、夢でした」という結末で実体験させてくれるゲーム。思い上がった奴への「荒療治」として、コンセプトには賛同できるんですけどね。ストーリーには無理があります。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-14 02:03:36)(良:1票)

324.  ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版 《ネタバレ》 「ディレクターズカット完全版」と、この「ダリオ・アルジェント監修版」の違いの意義が良く分からない。カットできるところをカットして音楽を変えています。観易くしたかったのでしょうか? あまり必然を感じません。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-14 01:44:03)

325.  ゾンビ/ディレクターズカット完全版 《ネタバレ》 ゾンビ映画の源流である本作を初めて鑑賞。ちょっと意外でした。ゾンビの群れとそこから逃げる人というシンプルな構成かと思っていたら、登場人物たちの内面の描写に重点が置かれているから。最初はゾンビの頭を撃ち抜くことに涙していた者も、やがて躊躇が無くなり、逆にハンティングを楽しむような風情になって行く。人間でさえ、自分たちに危害を加える者は撃ち殺す。ショッピングセンターへ暴徒が侵入した段では、ゾンビの存在は背景でしか無くなっていました。本作のゾンビはスローな動きや虚ろな眼つきが特徴的で、凶悪と言うよりは哀れな存在です。車両で蹴散らされ、のろのろと人に縋ってくるだけ。顎の力には目を瞠るものがありますが、用心して行動すれば取り付かれることはことは滅多に無い。だから尚更、ゾンビに対応する人間側の姿勢が浮き彫りになる。つまり、ゾンビをリトマス紙にした人間性の問いかけです。人を描こうとした映画だったのだと思います。また同時に、その後のゾンビ映画の可能性を示している作品でもあります。登場人物の性格や性別や職業のバリエーションをゾンビ群に放り込むだけでいくらでも物語を作ることが出来る。ゾンビの動きや能力も変更可能なので、それこそ順列組合せの理屈でゾンビワールドが拡がります。後出しジャンケンみたいな言い方ですが、本作後のゾンビ映画の拡がりはまさにその通りだったと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-14 01:33:59)(良:1票)

326.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 原作は読んでいませんが、オリジナルは観ています。なので、ストーリーや犯人は最初から分かっている。私の見どころは主演の二人、特にリスベットを演じるルーニー・マーラがどこまで行けるかに絞られていました。それほどに、オリジナルのリスベットは鮮烈でした。ルーニー・マーラは頑張っていました。リスベットを演じることには相当の度胸と覚悟が必要で、そこは評価したい。でも、オリジナルに比べて特段に優れているという訳でもなかったというのが正直な感想です。映像への拘りはフィンチャーらしく力があります。しかし、脚本上の変更部分はリスベットを理解しようとするうえで悪い方向へ働いています。虐げられた生い立ち部分にほとんど言及しないので、変態後見人への対応が「異常者」のやり過ぎに見えてしまう。ミカエルとの共同捜査も、オリジナルではミカエルのPCへハッキングして女性の連続虐殺事件を知ったリスベットの方からアプローチして来ました。チェイスシーンの変更が象徴的で、横転した車両へ手を伸ばせば救える犯人の命をリスベットは見殺しにしますが、本作ではあくまで事故死扱いでした。オリジナルは一貫して「女性の敵」に対する敵愾心を明晰な頭脳と行動力で表現していましたが、本作にはそこに鮮明さが無く、彼女の存在に芯が通っていない印象です。このアレンジはいただけない。リスベットから「復讐」的なネガな感情を出来るだけ排除したかったようです。逆に、彼女が最初の後見人を敬っている描写や生まれて初めて芽生えた男性への想いを失恋させるシナリオはオリジナルにはありません。あの優しさや切なさでリスベットがオリジナルよりも体温のあるキャラになりました。それ自体は悪くない。でも、二者択一だったとすれば失ったものの方が大きかったという意見です。[映画館(字幕)] 6点(2012-02-14 01:07:36)(良:4票)

327.  ローマの休日 《ネタバレ》 「奇跡的」。本作を最も相応しく形容する言葉はこれだと思います。映画の魅力は多々ありますが、概してキャスティングが嵌る作品は見応えがあり、そして多くはありません。そんな作品の中でも、本作におけるヘプバーンの魅力は映画の魅力を代表する力があります。製作から60年近く経ても、全く色褪せない。いや、価値が増して行くのではないかと思えるほど輝いています。名匠ウィリアム・ワイラーの丁寧で見せどころを外さない演出。名優グレゴリー・ペックが醸す切ない情感。これらも「奇跡的」な要素です。映画は「非日常」を提供して楽しませるものですが、派手なアクションや爆発で部分的に作られた非日常ではなく、王女様の冒険が全編を通した自然な非日常として機能し、観客を魅了し続けます。その冒険を「ホリディ」とタイトルするセンスにも畏れ入る。これらの邂逅が「奇跡的」なのです。そんな本作にはもうひとつ、「永遠の名画」と云う形容も相応しいと思います。[地上波(吹替)] 10点(2012-02-06 06:23:08)(良:4票)

328.  ターミネーター3 《ネタバレ》 キャストに魅力が無い。役柄としても、役者としても。特にジョン・コナー。アホ面です。画面に映る度に映画が「ターミネーター」じゃ無くなって行きました。例えば「1」のカイル・リース(=マイケル・ビーン)は、みすぼらしい格好をして辛い未来の記憶を振り返る時の弱気な表情などは情けないんだけど、サラ・コナーが惚れるような色気がありました。でも、本作のジョン・コナーにはそんな色気が微塵もありません。見映えだけでこんなにイラつく主人公は稀です。ヒロインはジョン・コナーよりはマシだけど、制作側は彼女を魅力的に見せようと思っていたのだろうか? 状況を理解できずに騒ぐ芝居を長々と引っ張り、事情を知ってる鑑賞側のイライラを募らせる。静かになるのは婚約者が死んだから。その直後にジョン・コナーに色目を使って(るように見えて)さらに幻滅。決め手はエンディングのオチ。この魅力のないヒーローとヒロインはなんで結婚することになったのか? 何ヶ月も密室に二人でいたからだよ。[映画館(字幕)] 3点(2012-01-28 01:09:04)(良:1票)

329.  コンゴ たぶん、クライトンの原作はもう少し賢そうに書かれてあるのでしょう。中央アフリカの政情不安と豊富な鉱物資源、部族ごとに習慣が違う原住民たちなど…。それを小学生向けに映画化した作品です。<R-10向き>。[CS・衛星(字幕)] 2点(2012-01-21 00:41:15)

330.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 銃を所持していることがあの国の社会を歪めている原因ではなく、銃が必要という意識を煽るマスコミや政府の扇動が問題であると説く。日本と違って現在進行形で戦争や紛争に関わる国では民意の統合はとても重要な政策で、銃社会はその副産物という理屈。マイケル・ムーアなりの演出があったとしても、体制側の扇動への警告としては、申し分の無いメッセージでした。カナダの人が家に鍵を掛けない習慣を持っていることは驚きでした。日本は平和な国だと思っていましたが鍵はかける。(もしかして、私が住んでいる都市部だけ?) カナダは日本より、さらに精神的に無防備でも許される空気なんですかね。最近は個人情報への過剰な警報や、習い事をさせると必ず送迎する親が目に付きますが、この警戒心の強まりも、何か大きな方向へ国民を扇動する一環なのかもしれない、なんてことが思い浮かびました。 9/11で亡くなった方の数と、過去にあの国が関わった戦争や紛争で亡くなった相手国側の一般市民の数の対比は驚く資料でした。でも、Kマートに被害者を連れて行くやり方は反則ですね。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-19 23:20:49)

331.  さまよう魂たち 《ネタバレ》 ぬるくって風邪をひきそうです。女医がMJフォックスを信頼する根拠とか、MJフォックスの周りで殺人が起こる理由とか、たいして描写されずにどんでん返し的扱いで大暴れする殺人鬼おばちゃんとか、無駄にへんてこりんなFBI捜査官とか。説明せずに流しているエピソードや、伏線も無く種明かしされるような展開が多すぎる。コメディとして楽しめってことなのか? 霊体と実体の接触も法則がある訳では無く、シーンごとの都合で組み立てている。何となくそれらしい企画を外面だけでまとめたような作品でした。こんなテイストは嫌いです。墓場の軍曹だけは楽しませてもらいましたが、マシンガンは反則。あくまで罵詈雑言だけで勝負して欲しかったです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-01-19 22:47:34)(良:1票)

332.  ロリータ(1997) 《ネタバレ》 キューブリック版を観た直後だからか、ロリータ役の少女が魅力的に見えなかった。そのおかげで、偏執的な愛情を注ぐ男というテーマは浮かび上がって見えました。でも、今度は主人公の情熱が遠くなって、共感しにくい。ロリータを連れ去った男に対する怒りがあれほど大きかったのは、別れの原因を作ったからというだけではなく、奴が同族だからでしょう。「俺とロリータの関係を分かっているお前が連れ去るのか!」ってことです。そこで感じたのは、対象との年齢差を除けば普通の片思いの恋愛感情と同じということ。主人公が哀れに見えるのはそんな理由でしょう。だからって、同情はしませんが。でも、ロリータを連れ去った男は金に任せて色々なことをしていたようなので、細々とロリ趣味に沈潜する主人公とは方向性が違っていましたね。どっちが正しいロリコンなんですか? 言葉の定義が良く分かってないかもしれない。実は本作で最も嫌悪を感じたのは、机の鍵を壊して他人の日記を読むおばちゃんの独占欲でした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-18 22:14:03)

333.  カッコーの巣の上で これは若いときに観て魂を揺さぶられた一本です。冷静に検証するなら、偶然と蓋然を上手くミックスさせてマクマーフィを危険な精神異常者という立場へ追い込んで行く展開が上手です。彼が他の患者と違っていたのは、主体的に物事を進める態度です。上手く機能すれば最も称賛される能力であり、美徳とも言える。でも、あの種の病院では評価されないどころか、疎んじられて蓋をされる。それが悔しく映ります。最悪の相性が看護師長のおばちゃん。自分が敷いたルールしか認めない偏狭と、それが患者たちの為と信じる傲慢な正義感を持っている。ビリーの自殺は彼女の方針の結果。憎ったらしい。あれがオスカー級の憎らしさです。あのおばちゃんは私の近くにも何人か被る人がいるからか、彼女の首を絞める「ジャック・ニコルソン」を応援してしまった。私が危険人物ですね。おばちゃんはマニュアル的には何も間違っていないんだと思う。だから、ビリーの自殺にも、マクマーフィの処置にも、泰然としていられる。例えば病院関係者が本作を観たら、おばちゃんに共感するんだろうか…? はっきり言って、この作品における自由意思は敗北しています。でも、マクマーフィの遺志を継いだチーフが豊かな自然へ走り去るラストカットは、問題意識を残しつつ鑑賞者を慰める上手い締め方でした。精神病理の治療に関する知識が無いので、ロボトミー手術の信憑性に疑問符を付けてしまう。やや強引かな、と。そこが1点のマイナスです。[映画館(字幕)] 9点(2012-01-14 22:42:06)

334.  夜の大捜査線 《ネタバレ》 いまだに良く分からないのが米国白人社会の黒人に対する差別意識の内実。表面上は、そんなものは無いという装い。最近の映画を観ていても、白人と黒人は仲良くやっている。でも、米国に留学した友人の話を聞くと、黒人と云うより黄色を含む有色人種に対する差別的態度は残っていると言う。南北戦争は1861-1865年、リンカーンによる奴隷解放宣言は1862年、そして、本作の製作年度が1967年。つまりこの作品は、南北戦争の終結からちょうど100年後に製作された。今から45年前である。本作の見どころははっきり言って「差別表現」だと思う。南部の警官や住人たちの黒人に対するあからさまな差別態度や言葉の端々に挿入されるに差別的な言い回し。それが絶え間なく続く。現代の学校や会社における「イジメ」とは違い、白人たちが発する「自分たちより劣った種類の人間」といった表現に隔世の感が強い。身の程を知らない者に「お仕置き」してあげるって口調だ。南北戦争から100年も経過しているのだから、世代も3つ以上は変わっているはず。なぜそんな習慣が続くのか。綿花農園で多くの黒人が働いているシーンを見て、「農園労働者=奴隷」的な空気が差別風習を残している理由じゃないかと思った。ラストシーン、警察署長と黒人刑事は本作の中で初めて笑顔を交わして別れる。でも、あれは本当に分かり合ったとか、差別が無くなったということじゃない。あくまで個人的に「こいつは見どころがある」くらいの関係です。同時に、根強い差別観はそんなところから溶かして行く以外に手段が無いとも取れるエンディングでした。約30年ぶりの鑑賞でした。サスペンスとしての出来栄えは特筆するほどではないが、これは歴史的な意義を持つ作品だと思います。余談ですが、初見は地上波放送で、某家電メーカーの提供で深夜に「ノーカット・CMなし・字幕放送」という形態で放送していました。CSやレンタルが無い時代に、とても有難かった記憶があります。[地上波(字幕)] 6点(2012-01-14 14:52:11)

335.  フライトナイト/恐怖の夜 《ネタバレ》 久しぶりに劇場で由緒正しいB級を観たって気分です。これ、25年ほど前のオリジナルも劇場で観ていて、つい先日観直したばかりだったので比べ易いんだけど、オリジナルにあったコメディテイストが低減され、シリアス色が強調されています。序盤のストレスが溜まる煮え切らない展開はオリジナルと同じですが、早々に隣人(=ヴァンパイア)の正体が割れてアクションムービーの趣きが強くなる。主人公がヴァンパイアとの決戦に臨んで武装を固めるあたりはテンションが上がります。助っ人に来る「舞台役者としてのヴァンパイア・ハンター」がただのまがい物では無く、両親を同じヴァンパイアに殺された過去を持っている事がアレンジとしては効果的だったと思います。ヴァンパイアの虜になった主人公の彼女が、主人公の目の前で憎きヴァンパイアとキスしたり血を吸い合ったりします。そのシーンはオリジナルにもありますが、シリアスに展開している本作の方がSM的なテイストが募ってかなり強烈な見え方になっています。涙を流しながらその悔しさをバネにヴァンパイアへ向かう主人公の特攻は力強かった。本作の「B級」とは世界観に偏りがあることです。狭い地域で多くの人が行方不明になれば警察が黙っているはずがありません。主人公の家が燃やされた段階で、ヴァンパイアはお縄になるのが普通です。入院した母や壊れた車、道路の血痕などは明確な事件性の証拠のはず。でも、本作では誰も見向きもせず、主人公の周りだけで物語が進行します。そのいい加減さに目をつむるのがB級映画の鑑賞態度。ホラーという意味では、私はこれっぽっちも怖くないんですが、スプラッタと程良いCGと若者の一途さと控えめなお色気を楽しみました。[映画館(字幕)] 5点(2012-01-08 01:34:34)(良:1票)

336.  突撃(1957) 《ネタバレ》 反戦映画とは思わなかったですね。国によって違いはあるのでしょうが、軍隊という組織の「軍隊的な性質」を批判した映画という印象です。私は戦場へ出たことが無いから実情は分りませんが、戦争映画の兵隊さんたちが銃弾や砲弾が飛び交う最前線で「突撃」できることが不思議でした。やっぱり本当は恐くて突撃なんかしたくないんですね。本作を観て少し安心しました。でも、戦場では「突撃」命令に背くと色々と面倒が起こる。本作はその面倒を描いた映画。結局は芋づる式に軍隊の偉い人たちの無理強いという構造が改めて明らかになって行く訳だが、上官を批判することを断固として認めない組織だから本当に面倒。カーク・ダグラス大佐の弁護も虚しく、見せしめに殺される兵士たちの気の毒な描写には救いが無い。ラストシーン。そんな殺伐とした場所に身を置いて硬く凝り固まった兵隊さんの心身を、美しい乙女の歌声が解きほぐす。歌の上手下手の話ではない。「状況」によって堰き止められていた涙が流れる。戦争ではありませんが、自分も同種の涙を流しことがあるので気持ちが分かりました。あれは、やせ我慢の決壊ですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-07 06:23:26)(良:2票)

337.  フルメタル・ジャケット 《ネタバレ》 横道から入りますが、米国兵士が戦場で敵兵と鉢合わせした際に銃の引き金を引く割合を語っている小説がありました。二次大戦では20%(低い!)。たとえ戦場でも、目の前の人を殺せる者は少ないってことです。それがベトナム戦争では95%に跳ね上がる。二次大戦の引き金率の低さを問題視した軍部が、改善(?)策を施したからです。前々から、ベトナム戦の兵士のPTSDを扱った映画はたくさんあるが、二次大戦には無いことが不思議でした。二次大戦の兵士がPTSDに罹らなかったと云うより、ベトナム戦の兵士に特筆されるほど多かったからでしょうが、本作の前半の描写がその疑問への回答です。戦闘マシ―ンの養成パート。内実は人格を奪うことです。出兵する前に、すでに心的外傷の因子を充分に植え付けられている。後半はその戦闘マシーンが実戦に配備されると何が起こるかの証明パート。引き金率の高さは勿論ですが、それ以外にも色々な異常が見られます。まず、言ってることがみんな変。前線にまともな会話はありません。ヘリから無差別にベトナム市民を銃撃する兵士を誰も咎めない。そして、あの少女狙撃兵ひとりを殺す為に何発の銃弾を使ったのだろう。1000発? 1万発? 散った命を含めて戦闘が極めて非効率です。戦果を実感できない戦闘に戦争の大義が失われて行く。キューブリックなりに演出されたドライな映像が、概念的な意味性を排除して愚かしいことをそのまま愚かしく見せる。心を蝕まれた兵士の後日談ではなく、「完全徹甲弾」になった兵士たちの戦場での「不経済」が描かれる。面白いかどうかは別にして、ベトナム戦を扱った映画の中では最も実像に迫っているのではないだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2012-01-07 05:37:13)(良:2票)

338.  JAWS/ジョーズ 《ネタバレ》 久しぶりに鑑賞。やっぱりスピルバーグは上手い人だなぁ、というのが素直な感想。例えば海中から初めて頭部を現したホオジロザメの巨体を目の当たりにしたロイ・シャイダーが後ずさりしながら「(この船では)小さすぎる」とつぶやくシーンや、反目していたリチャード・ドレイファスとロバート・ショウが樽を3つ打ち込まれたまま潜水するホオジロザメに「信じられない」と口を揃えるシーン。ストーリーの展開に併せて、強調すべきことを印象付ける手法が上手い。だから「ヒト対サメ」という単純構造が説得力を持った大捕り物に変身する。単純なものに変化を付けて面白く見せるという意味では「激突!」もこの類いだ。サメ退治に赴く3人の個性も見事に描き分ける。とりわけ、ロバート・ショウの変人ぶりは輝いている。注目を集めるために黒板を爪で引っ掻く奴(笑)。若くして亡くなったこの名優は「ロシアより愛をこめて」「スティング」、そして本作の3作品で私の映画史に強く刻まれています。[地上波(吹替)] 9点(2012-01-02 15:55:01)(良:1票)

339.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 もちろん彼らがやっていることには感心しませんが、人間ドラマとしてこれほど真に迫ってくる作品は本当に稀だと思います。映画には発砲シーンが付きもので、ほとんどの作品ではエンタテイメントの要素ですが、本作の銃弾は重さが違う。撃たれたら本当に死にますね。この作品が醸し出す空気がそのように見せていることは明らかです。イタリア系マフィアの起源には詳しくないのですが、移民として自分たちの家族を守ることに端を発した組織なのでしょう。だからなのか、組織も家族と同様に「ファミリー」と呼称するところが啓示的です。老いて行く棟梁、やる気は充分だったが直情型で資質が伴わなかった長男、そして堅気として登場し、次第に自らの才能に目覚めて行く弟。この3人の対置がストーリーの流れを作り、同時に大河的な趣きを形成します。特にアル・パチーノ=マイケルの変貌には目を瞠りました。病院で無防備な父を守った初仕事で、おどおどしながら非凡な判断力を見せる。次はいきなり敵対マフィアの暗殺という大仕事。シチリアに逃亡して現地の娘と結婚するが、ニューヨークの抗争が飛び火して妻を失う。マイケルの変化を決定づけたのは、敵対マフィアの暗殺では無く、最初の妻の爆死だったと思う。大切なものを失わない為には何をすべきか。それが彼の行動原理になりました。多くのフィクションでマフィアの抗争劇は観てきました。その抗争のほとんどは権勢や金銭欲が動機になっていましたが、本作からは不思議とその匂いがしません。その代わりに、家族=「ファミリー」を守るという動機を強烈に感じます。それが製作から40年を経ても、この作品が特別な場所にいる理由だと思います。家族を守るのは父親=ファーザーの勤め。改めて「ゴッドファーザー」というタイトルの重みに思い至りました。30年ぶりの鑑賞でしたが、やはりこれには傑作という言葉がふさわしい。日本の同業者たちも昔は「○○一家」でしたが、そんな呼び方しなくなりました。[映画館(字幕)] 10点(2012-01-02 04:11:02)(良:1票)

340.  ナイト ミュージアム きっとくだらないんだろうなぁと思って観たんだけど、予想通りにくだらなかったです。腹を立てるほどでは無いんですが。ニューヨークの「自然史博物館」には20年くらい前に行ったことがあって、その興味で最後まで付き合いました。昔はもっと渋い博物館でしたね。[CS・衛星(字幕)] 3点(2011-12-30 01:49:07)

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