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プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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601.  ミラーズ(2008) 《ネタバレ》 なんだ、結局は悪魔か。でも、修道院で余生を送るばあさんに銃を突き付けて連れ出し、悪魔を憑依させることこそ悪魔の所業。例のシリーズはちゃんと観ていないが、あの主人公も今作のように自分勝手な奴だよね。後味悪い。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-05-02 07:08:46)(良:1票)

602.  007/ユア・アイズ・オンリー 《ネタバレ》 「ムーンレイカー」の馬鹿らしさを反省したのか、とても真っ当なスパイものでした。妻の墓参りで始めたのは反省の証だろう。冒頭の車椅子はブロフェルド? つまり「ダイヤモンドは永遠に」のラストを、怪我を負いながらも生き延びたってことか。さて今作。行く先々で協力者と接触し、情報を集め、目的に近づく地道な諜報活動。ベッドシーンも情報収集の為と解釈できる。スケーターの女の子をたしなめる言動は過去のボンドに無かった良識。アクションも特撮などは使わず、ロケで撮影できる範囲に限って行われている。特に一連のウインタースポーツアクションには生身の人がやれることの限界を見極めるような探求心が感じられ、CGに慣れた目を刮目させてくれる。スタントマンに拍手。水中を引きずられたボンドが怪我をして血を流すことも新鮮。ラストの敵アジトの襲撃も、酷似した状況で「女王陛下の007」ではヘリで強襲していたが、こちらは地味にロック・クライミングで死角から近づこうとする。デタント(緊張緩和)って死語がオチになっているのもこのシリーズにしては渋い。そうそう、ボンドガールもお色気優先ではなく知的美人でした。いや、彼女は美しいです。そんなこんなで大手術を施した作品だったけど、面白いかというと微妙。この姿勢は買うが、役者の演技と演出のタッチが軽めで変わり映えしない為に、重厚なスパイものには成り得ない。007映画として物足りない感想が多いのは、そんな理由だろう。ダニエル・クレイグ版を観た後だから思うことだけど、これ程に方向性を変えるのであれば、ボンド役も一緒に変えるべきだったってことかな。でも、私は好きですよ。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-02 06:32:23)

603.  ザ・ムーン 何事にも「最初」というものはある訳だが、アポロ計画がもの凄く綱渡りな計画だったことが良く分かるドキュメンタリーだった。かなり場当たり的な一発勝負をいくつもクリアしてアームストロング氏は月に降り立ったという印象。結果から振り返ると、当時の科学力・技術力で、よく月まで行けたものだというのが実感である。様々な問題を当時の人智を結集して解決し、命の危険を顧みずに達成されたこの事業は、まさに偉業と言える。■ちょっとレビューから逸れます。人はなぜ月を目指したのか。その意義がはっきりと定義されないと、ギネス記録のひとつで終わる。アポロ計画までは驀進していた宇宙開発が、以降40年近くの月日が経過するなかで順調に進んで来たかと云うと、まさにロケットから自転車に乗り換えたようにペースダウンしている印象である。アメリカでは、ロケットを飛ばす金があるなら福祉に回せという世論もあるようだ。月への到達によって児戯に等しかった米ソの競争に決着が付いたからといって、この事業のアクセルが緩められたことはとても残念だし、その原因は先述した事業意義の定義が曖昧だったことも一因だと考える。カール・セーガン氏が30年以上前の著書「コスモス」(←TVでドキュメンタリーにもなりました)の中で、宇宙開発予算に関して触れています。当時、米ソの予算の10年分が原子力潜水艦1~2隻と同額だと氏は嘆いている。現在はどうか? NASAの予算が1兆6000億円、それに対し米国の軍事予算が約63兆円(1$=100円で換算)。米国に関して云うと、軍事費1年分でNASAの40年分が賄える。よその国のことながら、何か間違っていないか? 「コスモス」のなかで、カール・セーガン氏は言う。「私たちは死の為ではなく、生のための事業にエネルギーを注ぎ込むべきである」■このドキュメンタリーは見応えがありました。でも、過去の計画を振り返り、その偉業を褒め称えるより、具体的に未来に向いた視線が欲しかった。ちなみに日本の宇宙開発予算は1925億円。その方面の事業に使われるなら、宇宙開発税が新設されても私は文句を言いません。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-28 00:50:21)

604.  ワイルド・スピード 《ネタバレ》 日本車のオンパレードだった。元が安い車をベースにチューンする方が効率が良いってことですな。結局、トレーラー強盗の犯人はヴィン・ディーゼルたちだったってことで、その事実に特にオチが無いという点でストーリー的な見どころはほとんどゼロ。車の描写にも迫力を感じない。車を走らせることがメインの映画にしてはお寒い内容だろう。自分が過去に最もスピードを感じた映画は「マッドマックス」だけど、シンプルでもああいう撮り方の方が断然迫力を感じるのだが…。それにしても、ショットガンがあるならブレーキを踏んでトレーラーを停めた方が族を撃退しやすいんじゃないか(笑)。自分にとってお馴染みの車がたくさん出てくれたのでプラス1点。[DVD(字幕)] 4点(2010-04-25 22:52:21)(良:1票)

605.  バガー・ヴァンスの伝説 《ネタバレ》 競技としてのスポーツはメンタル面が結果に影響することは事実だと思うが、何かを背負っているからといって結果が良くなるような描写は出来すぎの欺瞞だと常々思っている。その辺りに多少は気を遣って「プレー(遊び)するだけ」なんて台詞もあったけど、やはり特に何も言っていないストーリー。レッドフォードの映画らしく、爽やかさが素通りして行くような作品でした。ちなみに、キャディがあんな謎かけみたいなことを言ったらスコアは落ちるぞ。少なくとも私は絶対にOBかスリーパットする。そんなキャディに金は払いたくない。結局、伝説とはなんだ?[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-04-25 19:51:22)(良:1票)

606.  わらの犬(1971) 《ネタバレ》 タイトルは良く耳にしたけれど、これまで観ていなかった映画。サム・ペキンパーって暴力表現に定評のある監督という認識だったから、イジメはあっても暴力がないなぁ、などと思いながらラスト近くまで何が言いたいのか分からず退屈だった。でも、いきなり暴風雨が吹き荒れた。全編を通じて非暴力主義を貫いていた主人公が、攻撃に転ずるあたりが山場か。現代の言葉ではキレるという奴ですな。当時、ここまで徹底して見せる映画は少なかったと思えるので、衝撃的な作品だったことは充分に理解できるけれど、キレるという言葉が市民権を得ている現代では特に感慨なし。この嫁さん、よくあんな冴えない男と結婚したよなぁと変な部分に感心。その昔に観ていたら、たぶん倍くらいの点数を付けたと思う。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-25 19:32:19)

607.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 何とも人を食った映画だ。国家機密っぽいファイルを入手し、それをネタに金儲けを画策するフランシス・マクドーマンドとブラピ。その失笑を誘う遣り方に「お前ら、スパイ映画の見過ぎだよ」って言いたくなるが、映画の世界を真似るおバカな庶民を映画にした一種の二重構造。しかもタイトルが「読んだら燃やしなさい」。これは機密文書の漏洩防止と云うよりは、この映画の見方の指南です。↓【TANTO】さんも仰っているが「観終わったら忘れていいよ」と云う製作者からのメッセージだろう。どこへ転がって行くかは見えないが、その割にドキドキもハラハラもしないストーリー。そんな自虐気味なお話を豪華俳優を揃えてしっかり撮るんだから、さすがに前作でアカデミーを獲った余裕が感じられる一作。健康バカのブラピが見せ場なく撃ち殺され、それが却って妙な存在感となって残る。面白いかどうかは別にして作家性は出ています。個人的にはもう少し突っ込んでも欲しいところもあったが、それはたぶんこの作品の個性を損ないます。そんな変な映画です。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-25 17:49:06)

608.  ペーパー・ムーン 《ネタバレ》 何度も観ているんだけど、観るたびに新しい発見や楽しさを与えてくれる。これはもうテイタム・オニール演じるアディのキャラクターに尽きる。幼くして母を亡くした寂しさを決して口にせず、詐欺を学んでモーゼと共犯することでコミュニケーションを深めて行く。その姿には湿ったところが微塵もない。自らの意思で、自らの幸せを模索する前向きな姿勢を強く感じます。でも、他者との絆を希求する心情がタイトルでもある「ペーパームーン」に表れる。機転が利き、憎まれ口もたたく気丈夫の裏側にある歳相応の心細さが、笑いを交えながらもしっかりと描かれる。エンディングで、バックミラーの中を駆けて来るアディ。映像的には可愛いカットだけど、時間の飛ばし方は一種のどんでん返しで、引っ張った不安を安堵へ、さらに大きな情感へと開放する名シーンでしょう。坂道を転がり始めた車に先に飛び乗ったモーゼがアディに手を差し伸べるところが大好きです。もうこの際、本当の父娘かどうかは問題ではない。遠く地平線まで続くでこぼこ道が、分かりやすく二人の行く末を暗示します。ベタベタした表現や台詞を一切使わずに、歳の離れた男女のユニークな親愛を描いた傑作。結論を台詞で言いたがる映画は今作を参考にして欲しい。[映画館(字幕)] 9点(2010-04-25 17:17:53)(良:2票)

609.  第9地区 《ネタバレ》 すごく面白かった。最近に観た映画の中では、最も幸せな2時間だったかも。正体不明のものをしっかりとストーリーに組み込めれば、面白い映画ができ上がる。それはフィクション創作物の本質であり、醍醐味だろう。平均的なエビ偏見を持っていたヴィカスの心情描写と、エビであるクリストファーの「人道的」スタンスの絡み合いが今作の骨格。特に「3年待て」と言うクリストファーを殴り倒したヴィカスより、必ず人間に戻してやると言い続けるクリストファーに、醜悪な容姿を越えて感情移入させる構成が見事です。あえて難点をあげるなら、クリストファーが人間的過ぎたところだろうか。地球外生命体が、人間と同様の道徳基準を持っていることにストーリーのご都合を感じます。もう少しエビなりの思考構造があったら、もっと痺れたと思います。でも、SFとして、アクションとして、そして倫理的な視点を持つドラマとして、ハイレベルにまとまっている傑作。差別や偏見などの社会問題に、通常とは違った次元と角度から光を当てることもSFの使命です。こんなのが観たかったんだ。3年後、クリストファーは仲間を引き連れて戻って来るはず。彼は、実験台になっている仲間を救出する前に、ヴィカスを捜すはず。さて、その時ヴィカスは人間に戻ることに同意するだろうか?[映画館(字幕)] 9点(2010-04-14 19:01:19)

610.  ハート・ロッカー 《ネタバレ》 こりゃ、久しぶりに0点だ。何でって、画面がブレ過ぎて頭が痛くなり観賞どころじゃ無くなったから。それだけでマイナス点にしたいくらい。演出として手持ちカメラのブレを活かすのは流行かもしれないけど、これは明らかにやり過ぎ。比較的スクリーンの近くに座ったことも関係しているのだろうが、今回ほど早く終わってくれと願った映画は初めてだった。あえて、そのブレに関して言っておくと、アクション系のシーンだけでなく全編を通じて無理矢理に動かしている。しかも、被写体だけではなく、その背景をブラすことを狙って焦点距離の長いレンズを選択していた。まるで動体視力の訓練だ。臨場感の演出の前に、自分には拷問だった。かろうじてストーリーは追っていたが、そんな状態だったもので、どうしても感情的な意見になる。あんなイカレた奴は極々少数派だろうし、中味はパチンコ中毒と同じだぞ。足に重症を負ったエルドリッジ君と同じ気持ちだ。どうも、例のアメリカの賞は戦争で精神に変調を来たす映画に甘い点をつける傾向があるようだ。ひと昔前のベトナムものは理解できても、これはいただけない。[映画館(字幕)] 0点(2010-04-11 02:02:57)(良:3票)

611.  それでも恋するバルセロナ 《ネタバレ》 ひと夏だけが舞台の映画とは思えないほどに、起伏があった印象。たっぷりと前置きしてから登場したペネロペの存在感は圧倒的。振り切れている。この映画の彼女こそ「猟奇的な…」と呼ぶに相応しいのではないだろうか。彼女主演のスピンオフを観たい衝動に駆られます。ウッデイ・アレンの映画は久しぶりだったけど、おどけた語り口のなかに、どこか真面目な空気が流れている作風は健在。ヨハンソンが居なければ続かないスペイン人の元夫婦の関係っていうのが可笑しかった。そういえば男声で入るご丁寧な解説も、なんだかウッディ・アレンぽくて嬉しかったなぁ。恋愛模様自体には特に共感することは無かったけれど、笑う映画ですよね、これ。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-05 22:39:55)(良:1票)

612.  007/慰めの報酬 続編の体裁を取ったけど、ボンドはヴェスパーの仇は取ったのか? 実は良く分からなかった。そこが分からないと、続編の意味が半減するんじゃなかろうか…。さらに、ストーリーが見えなくなると、頑張ってるはずのアクションも、散発の打ち上げ花火か、温度の低い間欠泉みたいでした。前作のボンドガールに比べて評価低めのオルガ・キュリレンコだけど、私にはとっても魅力的でした。ちょっとキャサリン・ゼタ=ジョーンズに似てますなぁ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-05 01:36:55)

613.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 過去にボンド役が変わるたびにイメージを変えていたボンド像の変更が全てマイナーチェンジだったと思えるくらいに、今作のボンドは衝撃的だった。ひと言でいうなら、アブナイ奴です。でも、もの凄く魅力的でした。冒頭の追いかけっこの後、大使館に押し入り銃口に囲まれた時の不敵な態度。あれで期待感が一気に高まり、それは最後まで裏切られなかった。暴走の魅力、とでも言うのだろうか。同時に、ポーカーの休憩中に大立ち回りを演じた後、部屋で強い酒をあおり懸命に落ち着きを取り戻そうとするあたりに、ただのスーパーマンではなく、ナマの人間を表現しようという努力も感じられた。アクションも、元祖アクション映画シリーズの誇りにかけて頑張ったって印象だった。これまでのボンド像を否定はしないが、もう後戻りできないくらいにやってくれました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-04-05 01:13:34)(良:1票)

614.  或る夜の出来事 《ネタバレ》 安心して観ていられるラブコメだった。今となっては真新しさは感じないけど、当時のアカデミーの主要部門を総なめにした作品らしく、要所は上手く締めている。1万ドルとか10万ドルとか、威勢の良い数字が飛び交うたびに、実感を得るため1ドル=360円で日本円に換算し、60年以上前の貨幣価値でさらに桁を増やすような計算をしていたんだけど、オチに使われた金額は39ドル60セント。 あれも一種のどんでん返しで、その額面で多くの問題を一気に解決する。男は金目当てじゃなかったこと。女に男の真意が伝わったこと。頑固親父に男を認めさせたこと。そして、この映画をブルジョア限定のお話ではなく、庶民の恋物語にしてくれました。何度も出てくる具体的な金額は伏線だったってことね。余談だけど、今作のヒロインの眠そうなタレ目とふっくらした頬は大昔の化粧品のポスターのようでした。今となっては個性的な顔ですが、あれが流行だった、ってことなんですね。今から60年後は、ニコール・キッドマンもそんなふうに言われるのかな。[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-05 00:37:42)

615.  私がクマにキレた理由 センスが良いのか悪いのか、かなり微妙な邦題だと思ったけれど、映画自体のセンスはかなり高い。観終わった後はその邦題もすんなりと受け入れました。主人公の周囲のキャラの設定がステレオタイプでストーリーもありがちな自分探しだけど、全体が心地良くまとまっていて好感を覚える。最後は言うべきことをしっかり言って、スッキリって印象。スカーレット・ヨハンソンの、ちょっと間の抜けた可愛いさが、この映画にお似合いでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-03 12:42:18)

616.  海底二万哩 《ネタバレ》 日本が黒船来航で騒いでいた直後あたりの設定なので、ノーチラス号の性能は突出していたことでしょう。あれは絶対に原子力潜水艦ですな。でも、ネモ船長の描写がよろしくない。自分の過去に起こった不幸の腹いせに、無差別に船を沈めているように見える。乗組員全員を道連れにする決断もいただけない。せっかくの特撮も、ノーチラス号のデザインも、グレーに霞んでしまった。子供の頃に読んだ原作はこんな殺伐とした話ではなく、もっと夢のある海洋冒険譚だった記憶がある。そのギャップのせいか、あまり楽しめなかった。ストーリーとは別に、カーク・ダグラスという役者が息子よりずっと演技の幅の広い人だったことは良く分かった。1954年は第一作「ゴジラ」が製作された年でもあって、テーマが微妙に被っているところが面白い。特撮比べという視点で観ても面白いが、どちらが優れているかは言いません。[地上波(吹替)] 4点(2010-03-31 22:57:46)

617.  シン・レッド・ライン 《ネタバレ》 戦争さえ無ければ人が来ることも無いような峠やジャングルで戦闘が行われる。悠久の時の流れの中で、束の間、怒号と悲鳴と銃声と血しぶきが飛び交い、その後はまた元通りの時間が流れ出す。人の営みの無常の先に、時の流れの恒常を感じさせようとした映画…、なのかな? そうとでも考えないと、21世紀間近になって、二次大戦の、しかもガダルカナルを舞台にした戦争ものを作った意図を咀嚼できない。でも、登場人物の個性を平板に並べ、善悪や正誤も鑑賞者に委ねているような演出は、大きなテーマを感じさせる前に作品自体を薄味にしている。少なくとも自分には、戦死することよりも戦地で妻から別れの手紙を貰うことの方が100倍悲惨に見える、バランスの悪い映画でした。戦争を材料にして、普遍的で壮大なことを言おうとしてすべった印象です。戦争映画である必然にも疑問符が付く。[CS・衛星(字幕)] 3点(2010-03-31 20:45:31)

618.  レオン(1994) 《ネタバレ》 久しぶりに観て、当時13歳のナタリー・ポートマンが今よりずっと魅力的に見えて驚いた。成長途上の体とマセた精神。微妙な狭間の年齢の彼女が、とにかく絵になっていて最後まで飽きさせない。彼女の映画だと思いました。一方のジャン・レノ。人を殺すこと以外は品行方正なレオンの設定が、彼の個性的な風貌に絶妙な味わいを与えていたと思う。まだメジャーの少し手前にいた彼のポジションも、得体の知れない殺し屋像作りに格好でした。それに見劣りしないゲイリー・オールドマンのキレ方は、未だにこの種のキャラで並ぶものが思いつかないくらいに突き抜けていた。一歩間違えばコメディに転落しかねない3人の絡み合いが、役者たちの個性のおかげで見事なハーモニーを奏でた映画だった。その後のリュック・ベッソン凋落ぶりを見ると、奇跡的なキャスティングとタイミングだったのかも知れない。[ビデオ(字幕)] 7点(2010-03-30 23:44:57)

619.  戦場からの脱出 《ネタバレ》 ベトナム戦争映画でもなければ、反戦映画でもない。余分なものを削ぎ落とし、役者の体重を削ぎ落とし、人の生存欲求の本質に迫ろうという試みと解釈しました。死にたくない。そんな魂の戦いの物語です。この実話の映画化には、相当の役者魂が必要だったことは一目瞭然。主人公が母隊である空母へ帰還するシーンには、素直に感動させてもらいました。奇人ヘルツォークは「東京画」の中で、映画のテーマを見つけるためなら戦場へだって行く、と息巻いていましたが、その具現がこれなのかと納得しました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-30 00:04:43)

620.  愛と哀しみの果て 《ネタバレ》 公開時に劇場で観ましたが、当時は盛り上がりに欠ける大河ドラマって印象でした。先日久しぶりに観て評価が上がった。自分の歳が多少は人生を俯瞰できるようになったからだと思う。まず、主人公はアフリカの大地だと思いました。原住民、疫病、植生、野生動物、などなど。常にアフリカを意識させられ、最後は愛しい場所に思えてしまう。薄味のストーリーが、舞台のおかげで化学変化を起こしたような印象でした。そこで気丈に生きた女性の半生よりも、私はデニス(レッドフォード)に興味が行った。自由でいたい、と云うより孤独を愛していると言った方が適切。だけど、好きになった女性の側にも居たいという相克。ひとりで悩んでいるうちはまだ良いんだけど女性から責められると、俺は束縛しないんだからそっちも束縛するな、と言ってしまう。理屈は分かるけど、自分勝手ですな。彼は無理に家庭に納まるとすぐに噴火&崩壊するタイプなので、出張が多い仕事(笑)だったのが幸いしたと思います。いや、私は彼の生き方に共感してるのですが…。一人の女性以外には、何にも縛られずに生きていた。とてもアフリカの広さが似合うキャラクターで、その生き方に単純に憧れてしまう。彼の墓の周りにライオンが集まって来るというエピソードは、孤高の魂が魅かれ合っているように思えて感慨深かった。マサイ族は未来のことが考えられない、と言ってました。彼もたぶん同類でしょう。[映画館(字幕)] 7点(2010-03-27 00:58:30)(良:2票)

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