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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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681.  フライトプラン 《ネタバレ》 食傷気味の妄想・夢オチ系で無かったことにまず一安心。主人公が娘の存在を確信してからは、スリリングで見応えがありました。“空飛ぶ密室”の特殊性は活かされていましたし、娘が誘拐された理由にも納得できました。ただ設定ゆえ仕方がないのですが、もう少し画にメリハリが欲しいと思いました。娘の居場所にも意外性が無かった。主人公のキャラ付けは、ややキツイ気がしました。“母は強し”というよりも“ジョディは強し”。普段は弱い人間が、娘のためになら強くなれるほうが好みです。あらぬ疑いをかけたアラブ人に、謝罪のひとつもないのは残念でした(最後にせっかくチャンスがあったのに!)。でもワンアイデアをコンパクトにまとめていて、観易かったです。自分の中ではスマッシュヒット。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-03-08 18:11:27)(良:1票)

682.  ジャイアント・ピーチ 《ネタバレ》 空飛ぶ巨大なピーチ、擬人化した虫たち、人形に変わった主人公。全て“魔法”で説明がつきます。機械の大魚も、ナイトメアのジャック登場にも違和感はありません。それは主人公の視点で物語が進んでいるから。実写→アニメへの移行は、世界が客観(現実)から主観(非現実)に移ったことも意味していると思います。主観の世界でなら、何が起こっても不思議ではありません。ニューヨークに到着して、主人公の魔法は解けます。実写に戻るのは、現実に戻るということ。アニメ世界の住人たちも、主人公同様に魔法が解けて、在るべき姿に戻るはず。蜘蛛女はクモに、天道虫おばさんはテントウムシに。それが暗黙のルールだと思っていました。しかしこの予想は外れます。擬人化した虫たちはそのまんま。意地悪おばさんに至っては、車で海底を走ってきたという。ということは、作品の世界全てが現実・非現実の区別のないファンタジーだったのか?いや、そうではありません。巨大な桃は見物料が取れるほど特別なものだった。虫たちもニュースになる存在。本作にも“非現実”の概念はあります。つまり、“非現実から現実に戻ること”よりも“非現実を現実に変えよう”。それが本作の主張です。アニメの世界を現実に変えよう。車は海底を走れないなんて誰が決めたの。“見方を変える”とは、こういうことだと思いました。もちろん不幸な境遇にだって当てはまります。前向きなメッセージだと思いました。なお、スタッフロール終了後、もうひとつ“見方を変える”サンプルがあります。少々悪趣味な遊び心が、ティム・バートンっぽいです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-03-07 17:56:24)

683.  ライアー 《ネタバレ》 救急車の隊員、大金を掴んだ太っちょ刑事、火葬、ラストカット。ネタばらしは丁寧なので、つくりとして不親切ではないのでしょう。ただ、思ったほど驚きがありませんでした。ご指摘の方もおられるように同系列『ユージュアル~』には及ばないと思いました。また謎として残った殺人事件の真相についても、あれこれと思いを巡らせようとは思いません。本作の要はそこにはありません。事件そのものに興味を持たせる工夫が欲しいと思いました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-03-04 17:59:53)

684.  フォーリング・ダウン 《ネタバレ》 小さなイライラの積み重ね。溜まったストレスの大きさは自分では案外分からないものです。キレるきっかけは僅かな事でいい。瞬間的にキレた場合は、すぐ我に帰ることが出来ます。しかし“タガが外れた”時はそうはいきません。本作の主人公はこのケース。ただし車を捨てた時点で、完全に外れている訳ではありません。ちゃんと段階を踏んでいます。破壊を実行するごとに、その内容もアイテムもエスカレート。そして殺人という一線を越えます。高いハードル。「プレゼントを壊された」「相手がナチス信仰者」という2つの要因が彼の背中を押しています。砕け散ったのは、プレゼントだけではありません。とてもリアルに感じました。自分が本作の主人公にならないとは言い切れない。ですから彼には、“失業していた”とか“もともと短気だった”“精神的に病んでいた”という設定は必要無かった気がします。主人公と対比される存在が退職間際の刑事。嫌味な上司にアホな同僚。不安定な妻。彼もまた、いつキレてもおかしくない状況です。しかし彼は決してキレたりしません。つまり普通の人はキレたりしないという意味。これも不要です。普通の人がキレるから、誰の身の上にも起こりうるから怖いのだと思います。主人公が特別な存在になってしまったことで、少し醒めてしまいました。残念。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-28 18:05:00)(良:1票)

685.  ザスーラ 《ネタバレ》 ゲームの存在理由について、一切説明が無いのが凄い。もちろん『ジュマンジ』ありきという部分もあるのでしょうが、変に言い訳するよりも「世の中には不思議なことがある」で押し切る強引さが素敵です。テーマはベタ。エピソードも想定内とはいえ、ちゃんと伏線を張った展開に好感が持てました。宇宙飛行士の正体のサプライズも良。思っていた以上に楽しめました。映画館の大スクリーン向けの作品だと思います。ラストがやけにアッサリしていたので、もうひと押し欲しいところ。ザスーラを離婚した両親にやらせてみるとか、間違えてもう一回スタートボタンを押してしまうとか。それでも家族で安心して観られる娯楽SFとして、利用価値のある作品だと思いました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-26 18:02:49)

686.  フィッシャー・キング 《ネタバレ》 罪の意識を負いながら、罰が与えらないこと。贖罪が叶わぬことは、罪の重さを知る者にとっては最大の罰です。理不尽な形で愛する者を失うこと。これもまた神から罰を与えられたようなもの。ジャックはともかく、バリーには何ら非がありません。しかしこういった悲劇が突如降り掛かるのも現実です。重い罰を与えられた2人の出会いは、単なる偶然か、あるいは神の配剤か。いずれにしてもこの出会いが、2人の人生を動かします。瀕死の状態の彼らを救った“癒し”。それは聖杯に象徴されます。もちろんウソ聖杯にその力はありません。彼らにとっての聖杯は、恋人の支えであり、友情でした。心を傷つけるのも人なら、癒すのもまた人。もっともジャックは後悔の念を、バリーは妻を失った悲しみを、一生負い続けるのは変わりません。真のハッピーエンドは、本作には存在しないのだと思います。しかし2人は罪に対する“許し”を得ました。僅かな許し。でもそれが生きる力になるのだと思います。重いテーマでありながら、自分は楽しく、そして正面から物語と向き合えました。脚本が抜群に素晴らしい。駅の舞踏会、夜の公園シーンを、忘れることはないでしょう。[DVD(字幕)] 9点(2007-02-25 00:19:04)

687.  モダン・タイムス チャップリンの動きは相変わらずキレがあります。また、本作のテーマにあたる“機械化する社会への警鐘”部分も、うなずけます。特に作品紹介の際などで象徴的に引用される“歯車に巻き込まれる人間”は映画史に残る名シーンだと思います。ただ作品全体としてみた場合はどうでしょうか。チャップリン作品の特色である、切なさや憂いといった人情部分の描写は弱かったように思います。自分はチャップリンに対し、単純に笑えてホロリとさせられる、そんな娯楽性を求めてしまいます。その観点からすると、物足りなさがありました。自分には少々高尚すぎたのかもしれません。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-24 21:11:13)

688.  トレジャー・ハンターズ マトリックスやスターウォーズなど各種オマージュ(パロディ)が楽しい。無茶な展開満載ですが、それがイイ。大いに笑いました。結末は無難にまとめた感はありますが、気楽に観られて良いのではないかと。教訓、熊に襲われたら胎児の姿勢で乗り切れ(嘘)。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-24 18:58:13)

689.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 姉への嫌がらせというレベルから、殺人にまで事態はエスカレートします。ジェーン破滅への道が本作のストーリー。2時間超という長尺が上手く活かされています。展開が緩やかなので、状況の正確な見極めが難しい。泥沼に沈むかの如く、気付いたら最悪の局面を迎えています。展開は巧みです。そして最も秀逸なのがタイトル。“ジェーンは何を起こしたか”ではなく、“ジェーンに何が起こったか”。最後にタイトルの真意が明かされます。本作の要所は現在進行形の事件にあるのではなく、数十年前の自動車事故にあった。いやベイビー・ジェーンと呼ばれていた少女時代にまで遡るのかもしれません。殺人事件の元凶はどこにあるのか。自動車事故の真実、幼い頃の家庭環境。加害者と思われたジェーンが被害者に変わります。これはサスペンスから悲劇への転換も意味します。もちろんジェーンの責任は間逃れない。しかし彼女を取り巻いた人達、ベイビー・ジェーンを作り上げた人達にも等しくその罪が問われるはずです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-22 18:15:23)

690.  悪魔の棲む家(2005) 《ネタバレ》 義父が盛んに言う「悪いのは家じゃない。罪を犯すのは人間だ。」という台詞。義父を凶行に駆らせたのは確かに悪魔の仕業。しかし何故悪魔の代理人に彼が選ばれたのでしょう。先の事例から察するに、成人男性だった(悪魔の原型に近い)という理由もあるでしょう。でもそれだけではない気がします。同じ物を食べても、食あたりを起こす人と平気な人がいるのと同じ。彼が選ばれたのは、心の闇に付け込まれたからだと思います。血の繋がりの有無を見せつけられたよう。ここが一番残酷かも。結果的に被害は犬一匹に止まりましたが、家族の間に出来た溝は深い。おそらくずっと埋まることはないでしょう。この手のジャンルとしては奇跡的な被害の少なさ。恐怖の質も即時的なものなので気軽に観られると思います。[CS・衛星(字幕)] 5点(2007-02-20 18:16:36)(良:1票)

691.  ミッドナイト・エクスプレス(1978) 《ネタバレ》 「監視状況下での脱出計画の面白さ」と「脱出成功時のカタルシス」。それが“脱獄もの”の面白さだと思います。閉鎖空間がもたらす濃密な空気。秘密裡に事を進行させるという緊張感。設定そのものが秀逸です。その見地からすると、本作は“脱獄もの”とは言えません。そもそも脱獄に重点が置かれていません。刑務所内の緊張感も希薄。主人公に同情は出来るものの、基本的には自業自得という話。カタルシスは小さいです。でも観客に訴えかけるメッセージは痛烈でした。主人公に突きつけられたもの。それは貴重な時を奪われる、人生を無駄にするという現実です。即効性の恐怖ではありません。しかし一度意識してしまうとダメです。その焦燥と不安たるや絶大。人格を崩壊させるほどの威力を持ちます。本作では、あくどい世話人への暴行、面会での自慰行為という形で端的に表現されています。誰でも同じような恐れを感じたことがあるはずです。皆、時間に囚われている。本作はそのことを再認識させます。時を奪われることは、命を奪われること。時間はかくも尊い。[DVD(字幕)] 7点(2007-02-19 18:25:17)(良:1票)

692.  50回目のファースト・キス(2004) 《ネタバレ》 自分はいわゆる“難病もの”というのが苦手です。設定で泣けるのは何となくずるい気がするから。悲しい結末が予想できるからです。そのため、そういう雰囲気を漂わせている作品は敬遠しがちになります。本作についても躊躇はありました。でも思い切って鑑賞することに。衝撃的でした。自分の抱いていた“難病もの”の定義が覆りました。徹底して明るいつくり。終始一貫ラブコメディ。気持ちよく笑えました。その分当事者の苦しみ、周りの人の悩み葛藤は描けていないのかもしれません。しかし、全てをありのまま描くのが、いつも良いとは限りません。病気は理解して欲しい。けど同情して欲しくはない。同じ悩みを抱える人たちも、こんな明るい作品を望んでいる気がします。“毎回ファーストキスなんてステキ”。見方を変えれば、感じ方も変わる。いろんなことに当てはまります。とっても前向き、爽やかにハッピー。いいお話でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-18 18:11:40)(良:2票)

693.  暗黒の恐怖 肺ペスト(黒死病)を扱った社会派サスペンス。その題材ゆえ、緊張感が途切れないのが強みです。自分の正義を信じ突っ走る主人公。その懸命さは分かるのですが、独断ぶりも鼻に付きます。彼は職務を全うしようとするあまり、周りが見えていません。しかし様々な障害が彼に教えます。人には立場があること。見方によって物事の捉え方が変わること。そして協力無くして大事は成せぬことを。一人の男の成長物語でもありました。(主人公は妻も子ある男。社会的には立派な大人。そんな彼でも成長できる。成長は子供や若者の専売特許ではないことに勇気づけられました。)手がかりゼロの状態から感染経路を追っていく過程は見応えあり。ただペストの恐怖がイマイチ実感として沸きません。それだけ今は恵まれているという事なのでしょう。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-16 18:28:15)(良:1票)

694.  X-メン 続編ありきという前提で本作を観るなら、満足度はかなり高いです。プロローグの役目(世界観やキャラクター説明)は十分ですし、次回作へ期待を持たせる仕掛けも忘れていません。単品としてもクライマックスを設けているので、それなりに楽しめます。“ミュータントの苦悩”は掘り下げれば深いテーマとなり得ます。本作を観る限りでは、その扱い方の方向性までは見えません。アクション主体の娯楽作品へ向かうのか、ヒューマンドラマの要素を強めるのか。いずれにしても滑り出しは上々だと思いました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-02-12 18:42:41)

695.  波止場(1954) 《ネタバレ》 暴君による支配体制を打破すべく立ち上がる民衆。構成はまるで市民革命。勇気ある行動、弱き者の団結は胸を打ちます。しかし本作はストレートな感動作ではありませんでした。まず主人公について。彼はヒーローではありません。ただのならず者。それに甘ったれです。不正の告発に至ったのも、良心の呵責や正義感からではありません。きっかけは“好きな女を自分のものにするため”。さらに兄を殺されたことに対する“復讐心”から。そこに弱者の味方としての視点は一切ありません。彼を取り巻く2人のキーパーソンにしてもそう。牧師はただ宗教家としての倫理を振りかざすのみ。女も彼と恋仲になるや、不正の告発はそっちのけで一緒に逃げようと言う始末。結局主要キャストを含め、みんな自分の事しか考えていません。正義の味方はいないのです。(本来ヒーローとなるべき2人の男は、あっけなく殺されています。)多分それが現実。でも革命は起こりました。たった一人の意地によって。革命に英雄は必要ない。崇高な理念も信念もいらない。ただ行動あれ。それが多数の心を捉えれば事は成される。そんなふうに感じました。ですからエンディングに予定調和の爽快さはありません。しかしそれがいい。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-11 18:36:27)

696.  スペシャリスト(1994) 《ネタバレ》 復讐劇としてのカタルシスは皆無と言っていいです。あえて爆殺を選んだ理由付けが欲しいと思いました。(一応作中で語られているのですが、理由になっていません。)初期設定でつまづいている気がします。スタローンとシャロンのキャラ設定も激しく魅力に欠けます。スタローンの“いい人”描写は度を越えていますし、振る舞いも玄人らしくない。シャロンも仇に抱かれる必然性を感じませんでした。また肝心の仇役も小物ぶりを発揮し、復讐のスケールダウンに貢献しています。スタローンの筋肉美アピール、シャロンのお色気シーンにも意味を感じませんでした。シャロンがエイドリアンと名乗った時点で、本作の方向性は見えましたが、それにしても安っぽく感じました。自分の基準だと1~2点相当ですが、ツッコミどころがそれなりに楽しめたので+1点でお願いします。[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-02-10 20:30:00)

697.  テレフォン 《ネタバレ》 本作の要は、テロ実行の仕組みにあります。ただ、早々にネタバレ。というより最初からネタを隠そうという気がありません。ある意味潔い。でもその後の展開は退屈でした。催眠状態の演技も低調。“受話器を元に戻すことが出来ない”という一様の表現に閉口しました。“テロを行う場所の特定”という謎解き要素はあるものの、真相のしょぼさにガックリ。一気に物語がスケールダウンします。オチの台詞にしても気が利いているようで、単に品を下げているように感じました。アイデアは面白いです。でもアイデアのみに頼ってしまった気がします。[CS・衛星(字幕)] 4点(2007-02-10 11:04:49)

698.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 勝元たちが戦った理由付けが曖昧だと感じました。“それが武士道だから”で片付けられていたような。誇りを守るため。死に場所を見つけるため。それだけの戦いに見えました。(明治初頭の士族の反乱は、士族がその権益、すなわち生活の術を守るためのもの。いわば生きるための戦いです。死を前提とする本作のような戦いとは別物では。)そもそも武士道とは何でしょう。文字どおり士族階級独特の道徳、倫理観です。名を重んじ、主君への忠誠を誓うこと。日本人の大多数を占めた農民、工商人には関係のない思想です。(しかもこの思想は徳川の治世になって植え付けられたもの。その方が体制維持に便利であったから。)徳川以前の武士を含め、多くの日本人のベースとなる精神があるとすれば、それは“家”の観念です。個よりも血を優先する考え方。家を守る(子孫を絶やさぬ)ことが重要。そのためには、耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍ぶ。地べたを這いつくばっても家族を守る。この精神のほうが尊く、美しいと感じます。ですから、現代の私たちが抱く“武士道”の概念とは、遺伝子に組み込まれたような元からある類のものではなく、近代文化の中で整理されたものだと思います。“礼節を重んじること”や“潔しを宗とすること”ではないかと。私たちが世界に誇れる“武士道”とは、そういうことだと思います。決して捕虜にツバを吐きかけたり、負け戦において一人でも多く道連れにするような戦いを肯定するものでは無いはずです。生きることを前提としない戦い、守るべき家族をないがしろにする戦いに、美しさはありません。ただの自己満足だと思います。例えば勝元が自らの首を差し出して事態が収束するのであれば、迷わずそうするべきです。否定的な意見を述べましたが、渡辺謙がハリウッド進出の足がかりを掴んだことについては、素直に嬉しいですし、一娯楽作品としての出来が悪いとは思いません。外国で賞賛されるのなら分かります。[地上波(吹替)] 5点(2007-02-10 10:58:22)(良:1票)

699.  シンデレラ(1950) まずキャラクターの設定が秀逸です。ヒロインの凛としたたたずまい、継母+姉妹の悪役ぶり、動物キャラも楽しい。演出もエンターテイメント性に溢れ、かつ丁寧な仕事ぶりが伺えます。そして映像が抜群に素晴らしい。鮮やかな色彩と緻密な作画。華やかさだけではない、“絵”の魅力がありました。うっとりして、ちょっと泣きそうになるくらい。名作と呼ばれるものの中には、“当時にしては”と注釈が付く場合があります。映像技術は日進月歩。この部分では、近年の作品にアドバンテージがあるのは明らかです。しかし本作はそのような気遣いを必要としません。完成度は驚くほど高い。誰もが知る有名な童話、馴染みのあるディズニーキャラクター。そのため自分のように、“何となく観たような”気になっている方もおられるかもしれません。でもご注意ください。本作を観ないのは本当にもったいないです。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-06 18:08:24)

700.  ウォール街 《ネタバレ》 思い出したのはフジテレビのドラマ『お金が無い!』。マイケル・ダグラス=石橋凌。チャーリー・シーン=織田裕二。ヘアスタイルまでソックリ。本作が元ネタなのでしょうか。証券市場のシーンは迫力があります。売り買いをしている人間が見えると、マネーゲームの生々しさが伝わります。本作の結末からは、“人間の本質は変わらない”というメッセージを感じます。いや、“変われない”か。人格者の父を持つバド。彼もまた父親と同じような生き方を選んだようです。勝ち組になるために必要なもの。また捨てなければならないもの。“勝ち”の定義をどう捉えるかで、答えは変わってきます。バドは勝ったのか、負けたのか。あるいはどちらでもないのかも。その判断は観る人に委ねられている気がしました。後味は悪くありません。でも無難な着地点を選んだなという気もします。個人的には、人の業はもっと深いと思います。バドとの別れ際、恋人が言った台詞もまた、人間の本質を表していると思います。[CS・衛星(字幕)] 6点(2007-02-04 17:25:33)

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