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プロフィール
コメント数 1317
性別 男性
ホームページ http://minrou.seesaa.net/
年齢 36歳
メールアドレス baker221b@live.jp
自己紹介 全体的に甘めの評価になりがちです。
当然映画のジャンルによって評価にバラつきがあります。以下参考までに……。

評価が高くなりやすいジャンル:ミュージカル、B級アクション、ロマコメ、バカコメディ
評価が低くなりやすいジャンル:ミステリー、サスペンス、ラブロマンス

基本的に過激な映画が好きです。暴力的な意味でも、性描写的にも、人間性の描き方でも
どれだけ感動的な映画であっても尖った所が無い映画より、過激な表現がある映画の方を評価しています。

13.4.27(追記)……TOHOシネマズが6月1日から高校生料金を1,000円にするとのこと。
今は若い方が映画館に少ない状態なので大変素晴らしいと思います。
(日本の料金はそもそも海外に比べて高すぎる。価格も一律で決められているから劇場間の競合も生まれにくい)
でももうちょっとシネコン自体が上映する映画のラインナップを改めた方が良いのでは。
客が集まる邦画をバンバンかけるのは経営としては正しいけれど、いつか必ずしっぺ返しが来るのは判り切っていることなのに。

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101.  トロピック・サンダー/史上最低の作戦 《ネタバレ》 ハリウッドの裏側を描いた映画としては出色の出来の作品かと思います。しかしちょっと嫌な言い方をすれば「映画ファン初心者お断り映画」でもあります。勿論、映画が好きなら誰でも映画ファンな訳で、そこに疑問の余地は勿論無いのですが、少なくとも『地獄の黙示録』『プラトーン』の二本は観とかないと絶対に面白さ(と言うか劇中のギャグの数々)が理解できない。逆に言うと、それに加えて、劇中で言及される数々の映画、出演している役者陣、劇中劇のキャラクターたちのモデル、プロデューサーのモデルと政治的スタンス、等々に詳しければ面白さは倍増すること間違いなしです。 但し、最後に戦場に駆けつける主人公の親友役は、やっぱりベン・スティラーの実生活の親友でもあるオーウェン・ウィルソンに演じて欲しかったところ。自殺未遂によりマシュー・マコノヒーにバトンタッチとなったのはやや残念でした。マコノヒーの演技も面白かったですが。 最後にこのインチキベトナム戦争映画のドキュメントでオスカーを主人公が受賞するのは、明らかに『ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録』のパロディですが、こんな複雑なパロディをやらかしたベン・スティラーのセンスはやっぱりアメリカのコメディー界でも突出していると思います。 こういう評価は偉そうで申し訳ないけど、ハッキリ言って「分かる奴には分かるし、分からない奴には分からない映画」と言えるでしょう。[映画館(字幕)] 6点(2014-02-15 10:41:51)《改行有》

102.  虹を掴む男(1947) 《ネタバレ》 空想と現実が織り成すコメディの良作。空想癖のある主人公の行動が、彼の現実での出来事なのか、単なるかれの妄想の産物なのかを曖昧にして、観客までも混乱させてクライマックスまで持っていく展開はお見事でした。 但し毎度毎度の空想シーンがやけに長く、本筋のテンポがやや悪いと感じてしまった部分もありました。あとは瑣末なツッコミどころ(都合よく目を覚ますヒロイン、数々の奇行を殆ど放置する周囲)に目を瞑れば十分楽しめるかなと思います。[DVD(字幕)] 7点(2014-02-08 13:13:01)《改行有》

103.  ケーブル・ガイ 《ネタバレ》 怖い!!この映画は怖い!コメディと言うよりホラーな気がします。 まずジム・キャリーの何時ものオーバーアクトが笑えるどころか逆に恐ろしい。どこからどう見ても頭のネジが全部すっ飛んで脳味噌どっか行っちゃった位のイカレ野郎。そんな奴が悪意では無く善意で迫ってくるのだから普通のホラー映画では味わえない怖さがあります。「友達になってよ」という善意の一言がここまで恐ろしい言葉に思えるとは……。なんかスティーヴン・キングの『ミザリー』を思い出しました。 この映画は冷静に私たち(映画ファン)を分析している映画でもあると思います。ケーブル・ガイはテレビや映画のことしか頭に無い。なんでも映画に結びつけて考える根っからのメディア中毒人間。そんな彼のたった一つの願望は"友達が欲しい"こと。これはどう考えても彼のコミュニケーションの仕方の問題でもあって、劇中でもスティーヴンに忠告されます。でも彼は度の過ぎたプレゼントや明らかに違法な方法、捻じ曲がった愛情表現でそれを成し遂げようとする。テレビや映画に縛られて本当のコミュニケーションを忘れてしまう恐怖を観客に提示している映画なのだと思います。ここら辺、監督のベン・スティラーは映画の作り手サイドなのに本当に鋭い視点を備えているなぁと思います。 ただ要所要所のコメディならではの適当さもあるのが難点とも言えます。特にラストの電波塔での戦いの場面ですが、ロビンと態々親密な関係を築いたにも関わらずその関係をあっという間に崩壊させる理由がありません。しかもスティーヴンがケーブル・ガイに逆転する方法も取ってつけたようなもので、かなり納得し辛い展開でした。[DVD(字幕)] 8点(2014-02-07 22:30:52)《改行有》

104.  ラッシュ/プライドと友情 《ネタバレ》 「天才肌と努力型」、「軽薄さと不器用さ」、「対照的なレーサー同士の戦いと友情」……こう書くと如何にもありきたりな展開に終始し凡庸な作品になりそうなものですが、そこをクリアして堂々たる良作に仕上げてしまう辺りの手腕が、流石はハリウッド派の巨匠、ロン・ハワード。 実際に観終わって考えてみると、なんら奇をてらった展開は無いんですよね。張られた伏線を余すところなく回収し、人物描写の丁寧かつ的確でキャラクターの行動一つ一つに納得がいく。そして観客がアガるレースの場面を適度なテンポで挿入する。しかしこれだけの丁寧な演出、脚本は普通の監督には出来ません。正にお手本の様な映画。その模範解答の様な出来をありきたりと取るか、優秀と取るかは人それぞれですが、私は良い映画だと思います。 また、私は車輪がついているモノには基本的に興味がない男らしくない人間なのですが、そんな私でもレースの場面には結構テンション上がりました。やっぱりアクションの魅せ方が上手いのでしょうね。普段は「全部おんなじやん」と思ってしまうハンス・ジマーの音楽も、F1カーの唸り声を上げるエンジン音と同期している様な感じで、素晴らしかったです。 主人公二人の人生はどちらも恰好いいのですが、やっぱりニッキー・ラウダの生き様に惹かれますね。鑑賞後に調べてみたのですが、ウィペディアに載っている彼のストイック&非名声欲な姿勢からの数々の武勇伝が凄く面白いです。地元のガソリン・スタンドで代金の代わりに優勝トロフィーあげたとかイケメン過ぎる。[映画館(字幕)] 8点(2014-02-07 18:35:22)(良:1票) 《改行有》

105.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 とにかく最高に楽しくて楽しくて仕方がありませんでした!レオナルド・ディカプリオとジョナ・ヒルのアッパー系のドラッグをやってる時のラリラリ演技は超面白いし、オネエちゃんのオッパイもバンバン映るし(下品で済みません)、軽快な音楽に合わせてテンポも抜群、所々「どうやって撮ったの?」っていうシーンも多くて画的にも全然飽きない。以前に『ヒューゴ』と作品賞を争った『アーティスト』のジャン・デュジャルダンを起用するなんて全く粋なことしますねぇ。 ストーリーも個人的には申し分無い物だったと思います。この映画の肝は意図した物かは解りませんが、ニーチェの「超人思想」なのではないでしょうか。キリスト教が存在する以前、世の中は"強者こそ正義、弱者こそ悪"でした。強いマッチョメンが人体の理想型だし、金は無いより有る方が正しい。古代ギリシャ時代やルネサンス期なんか見ると正にその通りです。生物学的には疑いもなく正しい理屈です。でもキリスト教の出現でヨーロッパ圏は逆に"弱き者を助けるのが正義。金儲けばっかり考えてる奴は悪!"となってしまいました。その思想が今も続いている。 本作のウォール街の証券マン、特に主人公ジョーダンは弱者から金を吸い取ってでも金儲けがしたい、今の価値観ではクソの様な連中として描かれます。如何にゴミ株式に投資させるかを嗅ぎ回る正に狼(ウルフ)共。実際の証券マンがどうかは知りませんが(個人的にはそう違いは無いと思ってますけど)、とにかくこの映画ではそういう人種として描かれている。彼等はニーチェが言うところの超人そのものです。「金儲けして何が悪いの?自分が底辺から這い上がる為に弱者を踏みにじるのが悪い事なの?」と。嘗て証券マンを夢見ながらFBIにいるデナム捜査官は観客が投影されているキャラクターなのでしょう。彼は金儲けの世界に一瞬惹かれている様な素振りを見せるし、ジョーダンの逮捕が確定した時も嬉しそうな表情を浮かべない。 最後に映されるデナムが地下鉄で茫と見つめる貧困に喘いでる人々、ジョーダンのセミナーに参加して何の価値もないペンの売り方を必死に考える人々。金持になる為に他者を騙し、蹴落とす事が間違いなのか。どちらの生き方が正しいかは観客が決めなければいけない事なのだ。 ……、いや私はそんな生き方は御免ですがね。[映画館(字幕)] 9点(2014-02-01 23:08:27)(良:4票) 《改行有》

106.  アメリカン・ハッスル 《ネタバレ》 先ず目に付くのが豪華キャストの面々。オスカー受賞&ノミネートの常連が名を連ねており、この顔ぶれを観て唸らない映画ファンは少ないでしょう。実際に『オーシャンズ11』の様な単に豪華キャストという訳ではなく、それぞれの役者が素晴らしい演技を見せてくれる。特にクリスチャン・ベールの役作りはトンデモないレベルで、『マシニスト』→『バットマン』→『ザ・ファイター』→『アメリカン・ハッスル』と激太り⇔激痩せを律儀に繰り返す役者根性は唯々凄いとしか言えません。その内体壊すんじゃないかしら。 映画の内容は非常にマーティン・スコセッシの映画、ハッキリ言うと『グッド・フェローズ』に似ていると思いました。流行りのナンバーがサンプリングの様に次々と流れる音楽などは特にそう。デ・ニーロもしっかり出てますし。スコセッシの映画と言えば臆病な奴と無鉄砲な奴が出て来て臆病な奴が泣きを見るって話が多いですが、本作のアーヴィンとリッチーの関係性はそれに近いかなと思います。劇中でリッチーとロザリンの無鉄砲さに終始困り続けるアーヴィンの姿には心の中で大笑いしてしまいました。その辺り、私はコメディー映画としてこの映画はとても優れていたと思います。 但し、釈然としない点も多々ありました。ここでは全て書き切れませんが、例えば音楽について。詐欺師二人の出会いはデューク・エリントンでした。ここでシドニーは「彼には何度も人生を救われた」とまで言うし、彼女が辛い人生を送ってきた事はなんとなく示されますが、最後まで別にデューク・エリントンに大した意味は見い出せない。次にセロニアス・モンクの「Straight No Chaser」が流れる場面。このスタンダード・ナンバーは題名の通り「チェイサー無しで酒をストレートで」という曲なのですが、画面を見ていても別に必然性は感じられない(因みに送金係が仲間に加わる場面です。あの送金係の件とか削っても話繋がりますよね)。思い返してみると、結構「これ必要か?」と思える音楽や場面が多く、やり方次第では2時間以内にも収められる内容だったと思います。 あと個人的には、演技は上手いのでしょうが肌のツヤからどう見ても20代に見えてしまうジェニファー・ローレンスよりも、ケツは見せるわ股は開くわ乳はこぼれそうになるわ女優根性を見せたエイミー・アダムスの演技の方が頭一つ抜けていたと思います。[映画館(字幕)] 8点(2014-02-01 00:21:27)(笑:1票) 《改行有》

107.  トーク・レディオ 《ネタバレ》 ラジオ・パーソナリティがリスナーと延々と議論を繰り広げる映画と聞いて、限定状況下での話とは面白そうだな!と思い軽い気持ちで鑑賞したのですが、予想の遥かに上を行く恐ろしい映画でした。 主人公のバリーはあるジレンマを抱えている。全国ネットで自分の番組を持つことはパーソナリティーにとって非常に大きなステータス、しかし彼の信念は"何でも言える番組"だ。大企業がバックに付いたからといって、放送内容に規制が入ることを彼は頑として拒否する。 しかしその自由奔放なトーク内容によって育ち上がったのは端的に言うと極右思想だ。「ユダヤ人虐殺はでっち上げだ」「ユダヤ人は首吊りにしてやる」「白人のカネがよそ者(移民)の助成金に使われるのは我慢ならん」「ホモは地獄に行け」「言うことを聞かないガキはベルトでメッタ打ちにする」「近所に住む移民が気持ち悪い」etc...聞くに堪えない戯言が毎日の様に彼のラジオには電話でかかってくる。 物語の主張が明確になってくるのは、ケントがゲストとしてスタジオに登場してからだ。バリーは彼に「今日のテーマはアメリカついてだ」と言い様々な話題を振るが、如何にも80年代のノー天気なロックに嵌っている風貌のケントはちゃらんぽらんな回答を繰り返す。その後、他のリスナーに話を振っても返ってっくる言葉は「あんたイカスぜ!」「大ファンなのよ!」等、バリーが求めるリスナーの姿からは程遠い。彼の番組はリスナーと同様に計らずとも空虚な存在に成り下がっていた。この時のバリーの絶望感といったら筆舌に尽くし難い。ラジオとは言え表現の発信者としてこれ程打ちのめされる展開も中々ないだろう。 その度にバリーは彼等に同様の汚い言葉を浴びせかけ、罵り、糾弾する。最後のメッセージは「お前等は何者でもない。考える脳味噌もなく、権力もなく、未来もなく、希望もない!何もない!」という台詞だ。頭にあるのは気に食わない人間を見つけ、執着し、攻撃し続ける事だけ。最終的には対象の命を狙う。しかもこれはデンバーで実際に起きた殺人事件を元にしているらしい。何と恐ろしい話だろう。 違う意見を持つ者を攻撃し続ける不特定多数の悪意を描いた傑作です。観終わってからフト気づいた。「あれ?これ今の日本じゃね?」[DVD(字幕)] 9点(2014-01-29 00:28:50)(良:1票) 《改行有》

108.  プラトーン 《ネタバレ》 ベトナム戦争への監督の怒り・葛藤をそのまま映像化した戦争映画の傑作。オリバー・ストーン監督は実際にベトナム戦争に参加した経験もあり、脚本から監督までに関わったオリバー・ストーンはスクリーンにその怒りをぶちまけた。現地民の虐殺・強姦、誤爆、上官殺し・友軍殺し、アメリカ人には直視したくはないであろう真実を見せつけられます。この映画がアメリカ国内で大ヒットし、アカデミー賞作品賞を受賞したという事実は、如何に泥沼と化していたベトナム戦争が当時のアメリカ人にショックを与え、内省化せざるを得なかったかを表していると思います。 今観ると非常に豪華キャストの面々ですが、その表情には死と隣り合わせの戦場での狂気が表れている。特に最重要キャラクターであるバーンズを演じたトム・ベレンジャー、エリアスを演じたウィレム・デフォーの演技は白眉。 貧乏人の息子のみが戦地に赴き、金持ちは金儲けに夢中になってる現状に反目して一兵卒として参加した主人公が、最後に「僕はバーンズとエリアスの間に生まれた様な存在」と独白するシーンには色々と考えさせられます。誰が悪で、誰が戦争を生み、泥沼に突き進んだのか。答えは出ませんが考え続ける必要はあるのだと思います。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-25 15:27:47)《改行有》

109.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 アカデミー賞も受賞したポール・ハギス監督の脚本は見事です。群像劇でありながら無用なキャラクターが一切なく、それぞれが悩みを抱え他人と衝突(クラッシュ)し、悲劇と救いを生み出していく。いくつかの話の中で特に印象に残ったのが、人種差別主義者の警察であるライアンが事故車から奥さんを助け出す場面、それから黒人窃盗団の一人が以前「バスの窓があんなに広いのはオレ達を見下すためだ」と決めつけていたのに、いざバスに乗ってみると車内に座っていたのは自分と何ら違わないマイノリティの人々だったという場面でした。 ただ初監督作品としてどうだったと考えるとやや苦言を呈さない訳にはいきません。素晴らしい脚本に対し、劇的な瞬間をカメラに捉える手際が野暮ったい感は可也あります。例えば、真面目なドア修理人の男に逆恨みしたペルシャ系の親父さんが発砲してしまう場面。ここは状況的には凄く盛り上がるはずだし、監督もそうしようとしているのでしょうが、娘が飛び出してきて発砲を受ける瞬間の捉え方には明らかに素人臭さを感じてしまいます。リックの奥さんが階段で足を踏み外す場面も同様で、足が滑る瞬間をスローモーションで単にアップで映しているのには笑ってしまいました。スローである瞬間を映すのがドラマチックとでも勘違いしているのかな? それから群像劇として脚本が素晴らしいと前述しましたが、物語の核でもある人種差別描写が映画の物語の構成上無理矢理入れたとしか思えないんですよね。ロスと言っても正直登場人物の殆ど全員があからさまな台詞を吐き過ぎだと思います。もっと自然ににじみ出るような人種への憎しみが見たかったです。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 00:29:47)《改行有》

110.  インシディアス 《ネタバレ》 大ヒットした傑作スリラー『ソウ』のジェームズ・ワンとリー・ワネルのコンビと聞くと誰もが「あのソウを作った監督の映画!?」と期待値が高くなってしまうのも分かりますが、この二人、どちらかと言うと『ソウ』が出世作にして異色作であり、その後のホラー映画では本作と同じ様な簡単に言ってしまうとアホらしい作風が地の持ち味です。 『デッド・サイレンス』でもジャパニーズ・ホラーらしい展開を期待させておいて、終盤では死人を登場させて「オバケだぞー!」ってやってました。本作はそれに『シャイニング』らしいホラー表現を足したってところでしょうか。"彼方の世界"でアックマンみたいな悪魔が出てくるから更にアホ度は高くなっていると言って良いかも知れません。加えて突っ込ませて貰うならば、この悪魔、劇中では「世の中で最も邪悪な存在」とまで言われながらやる事といえばチンケな嫌がらせ行為のみ。やっすい悪魔ですなぁ。 本気で怖がる気で観ると間違いなく肩透かしを喰らうと思いますが、監督のアホな驚かせ方が素直に楽しめるなら満足度は高いでしょう。[DVD(字幕)] 5点(2014-01-15 22:50:22)《改行有》

111.  くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密 《ネタバレ》 前作がかなり従来の子ども向けアニメから脱却した作品だったので、今回も期待して鑑賞。その子ども向けと大人向けのギャグが混在したセンスは健在だったので、その点に関しては楽しめました。フード・アニマルが可愛いとか劇中では言われてますけど、やっぱり食べ物が動物化して食材を貪り食うシーンはかなり異様の雰囲気を漂わせている。 あとは至るところの構図・演出が完全に『ジュラシック・パーク』そのもので、同作のファンとしては嬉しいことでもあるのですが、それが作品に上手く活きていたかと問われると疑問ではありました。 あと非常に残念だったのが、前作ではハッキリ軸としてあった物語のテーマが一貫していないことでしょうか。「友人を信じ抜くこと」と「動物乱獲・動物実験」という二つの話に主人公が葛藤する。その二つのテーマが絡み合って解決されるという展開なら兎も角、別々に適当に解決されてしまうので、全体に話が上手く纏まっていない気がしました。 それから日本吹き替え訳のセンスが余り宜しくなかった点も勿体がない。この手の訳は難しいのは分かりますが、フード・アニマルの名前はもう少し工夫して欲しかった。言葉遊びでも、例えば「Cut The Cheese(チーズを切る):オナラをする」と言ったギャグも特に何の工夫もなく訳しては子どもにはギャグの意味が絶対に通じないのでは?配給会社はこのシリーズが大人向けのブラックなギャグ満載の映画であることを理解して配給して欲しいです。[映画館(吹替)] 6点(2014-01-14 13:15:47)《改行有》

112.  なんちゃって家族 《ネタバレ》 近年のアメリカンコメディ王道らしく「下ネタ」「エロ」「悪い言葉(Bad Language)」を詰め込み、加えて「近親相姦ネタ」「(オチの)葉っぱネタ」等もあり、大変教育上良くない仕上がりになっています。 映画の肝心の出来は、一言で言っちゃうと"くっだらない"映画。しかしこれは褒め言葉です。観ながら「くっだらね~!」と腹を抱えながら気持ち良く笑える映画なのです。この感覚を得るには話運びのスピード感が絶対不可欠。この映画はそこのテンポが抜群に良いと思います。オープニングから主要4人の人柄を描きつつストーリーを展開させ、サッサと飛行機→国境→メキシコ→国境と舞台が転換し各シーンを間延びさせない。最後にはアメリカ映画の伝統らしく主人公の成長もチッキリ(やや義務的ではありますが)描く。実に正しいアメリカのバカ映画の形です。 その上、各所でつるべ打ちでギャグを重ねているのですから、本当に脚本や編集、細かい演出が上手いのだと思います。下手なコメディ映画だったらギャグの場面は物語が止まってしまうことが往々にありますからね。 特に笑わせてもらった場面は、ジェスチャーゲームでのジェニファー・アニストンのチ○コ連呼、ウィル・ポールターの晴れ上がったタ○キン、期せずして始まるスワッピング(但し嫁×嫁)、姉と母にキスの手ほどきを受けさせられるウィル・ポールター、等等です。 ホントにくっだらねー映画。でも好きです。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2014-01-06 21:43:18)(良:1票) 《改行有》

113.  REDリターンズ 《ネタバレ》 大スターが大挙して出演している事を除けば、とても見れたもんじゃない作品であることは間違いないかと思います。でもこういうオールスターキャスト映画にありがちなように、ブルース・ウィリスのあからさまに適当な演技、ヘレン・ミレンのキャリアを自虐したギャグ、ジョン・マルコビッチの楽しそうな顔、(ファン以外には)不必要なイ・ビョンホンの全裸、「そんな退場の仕方ならそんな仕事断れよ!」と言いたくなるキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、熟女に目覚めそうになるくらい可愛いメアリー=ルイーズ・パーカー、怖い演技をしたらキッチリ怖いアンソニー・ホプキンス、彼等を観ていると下らない内容も許せてしまうからズルいです。 敢えて特に酷かった点を言うならば、前作もそうでしたが、引退した凄腕エージェントがメチャ強いんではなくて、単に追っ手が弱すぎると思えることでしょうか。足元のプリングルスに気づかない突入部隊ってどーよ。ブルース・ウィリスに殺される前に転職を考えるべきだったな。[映画館(字幕)] 4点(2013-12-30 19:31:23)《改行有》

114.  ラストスタンド 《ネタバレ》 不満点は山ほどあります。B級映画のお約束通りプロの殺し屋にしては余りに杜撰な行動、ラスボスのインパクトの弱さ、生きようが死のうがどうでもよくなってしまう程の魅力的でないキャラクター達、時速300km超を叩き出す化け物自動車に田舎市長の車で追いついてしまう、……等々例を挙げるとキリがありません。 但しシュワちゃんのアイドル映画としてはかなり高水準な映画なのではないでしょうか。昔から出来不出来関わらず彼のアクション映画をテレビで観ていた身としては、オープニングタイトルの後に彼が主役として姿を見せた画だけで、つい嬉しくなってしまう。なんだかんだでラストバトルは殴り合いという展開にも「それそれ!待ってました!」と言いたくなる。しかも絶妙にアクションのキレが無くなってしまっている様が可愛かったです(とても見れないレベルではない)。 ただやっぱり映画としては凡庸、もしくはそれ以下の代物であることは間違いないと思いますし、韓国映画界でも数々のヒットメーカーであるキム・ジウンもハリウッドに行くとこういう出来の映画に成り下がってしまうのかと、ハリウッドの怖さを感じました。因みにキム・ジウンは『グッド・バッド・ウィアード』『悪魔を見た』等の監督で、本来はアクション、残酷シーンの演出が大変素晴らしい方です。[DVD(吹替)] 5点(2013-12-22 06:16:49)《改行有》

115.  デストラップ/死の罠 《ネタバレ》 物語の中心はタイトル通り"デストラップ(死の罠)"。この劇中劇がこの映画の中で演じられているのを私達は観る、という虚実皮膜が何重かに張り巡らされた何とも凝った作りなのですが、オチに意外性が乏しく(単に魅せ方が悪いということもあるかと)、全編に渡って軽妙な雰囲気であるので、それほど面白くなかったというのが正直なところです。[DVD(字幕)] 5点(2013-12-20 13:25:43)

116.  キューティ・ブロンド 《ネタバレ》 リース・ウィザースプーンは本作で発揮している通り稀有な資質の持ち主だと思います。ちゃきちゃきのブロンドお馬鹿女にピッタリの外見をしながらも、表情に強い意志と聡明さを感じさせる。『カラー・オブ・ハート』や『ハイスクール白書/優等生ギャルに気をつけろ!』でも嵌り役でしたが、本作も前述した作品と同じくそんな彼女にピッタリな役柄でした。 ワーナーの彼女役として実質的な悪役を演じるセルマ・ブレアの魅力も忘れ難い。意地の悪い女を見事に演じ切っておきながら、主人公と和解した後では思いやりや優しさを感じられる表情を見せてくれる。主人公がワーナーと4時間風呂に入っていたエピソードをバラした時、ヤキモチを焼いている表情もたいへん可愛く、『ヘルボーイ』の役柄といいそういう演技で映える方なのでしょうね。 それだけ役者陣が魅力的でありながら監督・脚本の手腕不足かかなりの部分が適当な作りだったのは残念でした。ティーン向け映画ならではの適当さと言うか、あらゆるところで「まあこんな緩い感じでいんんじゃね?」という作り手の志の低さを感じます。 例えば、主人公とヴィヴィアンの和解なんか物語の核として重要なこと。もっと丁寧に描いたほうが終盤の展開でも活きた筈です。レズビアンのクラスメイトや、ムカつく女教授もいつの間にか彼女に好意を持ってしまっていて、明らかに尺が足りていない。それからオープニングの酷さもどうかと思います。「お前らそこにカメラがあるって知ってるだろ!」とつい思ってしまうほど不自然などんちゃん騒ぎ。役者を撮りたいから全員をカメラの方向に向かせるって……、もっと自然に寮生活を描けんのか。 中盤のネイルサロンでの意味不明なダンスと、心底しょうもない理屈で進む裁判シーンは、あそこまで巫山戯てやってくれれば文句ないかな。 最後に、こういうティーンの女の子向け映画(露骨なセックス描写やリースの露出が極端に少ないことから)で、「お馬鹿セレブより賢い弁護士、金持ちバカ男より聡明な彼氏!」という結論に至る映画が作られ大ヒットするアメリカはやっぱり偉いなと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2013-12-16 09:56:27)《改行有》

117.  キャプテン・フィリップス 《ネタバレ》 ポーン・グリーングラス監督らしいブレるカメラ、無線機や電話等の小道具を舐めるように捉えるカット、それに伴う緊張感を堪能できるアクション映画です。ただ、前々作の『ボーン・アルティメイタム』、前作の『グリーン・ゾーン』と比較すると画面の揺れの度合いは控えめになっているし、カットの数もかなり少なくなっているように感じました。一部の人々には同監督の作品は「目が疲れるから嫌い!」と言われていますけど、この作品はそういう人たちにも薦められるのではないかと思います。 ソマリアの海賊から助かった勇気ある船長という話でありながら、単なるアメリカ万歳映画では無く、ソマリア海賊側の言い分や現状も描かれているのがフェアだと思います。最後にはあのフィリップスを気遣っていた男の子まで無残に射殺されてしまったのには仕方が無いとは言え呆然となってしまいました。[映画館(字幕)] 7点(2013-12-15 06:55:58)《改行有》

118.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 驚異の映像体験だったと言わざるを得ません。観客は宇宙空間に放り出されたライアンと完全に一体となって宇宙で漂流する恐怖を疑似体験する。冒頭の船外作業からスペースデブリの襲来、ライアンの一人称視点による漂流に至るまでは本当に息が出来ないような臨場感でした。しかも特殊効果を用いて上手く繋いでいるとは言え、ここまでをロングテイクで撮ってしまうとは恐れ入ります。また編集の技術もとんでもない。ライアンが完全に一人で宇宙空間に放り出されるシーンでは一人称視点と三人称視点が入り混じったりする。画面構成もすごい。普通の映画では当然シーン毎に写したい対象は決まっており、それはこの映画でも同じなのですが、例えばスペースデブリがシャトルに衝突するシーン等では画面全体で明らかに観客が一回の観賞では処理できない情報量が描き込まれている。多分、何度観ても画面で色々な発見ができる作品だと思います。 では映像の凄さだけなのかと思っていたら全然そんなことは無くストーリーも素晴らしい。中盤のライアンがソユーズの中で死を受け入れようとした辺りから次第に人生の意味を問いかける様な展開を見せていく。マットの「宇宙空間は静かで孤独だ。しかしならばどこに生きる意味がある?生きて地球に還るんだ!」という台詞はあらゆる人の励みになる言葉だと思います。だからラストシーンでライアンが土を掴み、大地を踏みしめる姿は大変感動的でした。無重力・水中を経て彼女は陸への帰還を果たす。これは進化であり、再生であり、誕生の物語なのでしょう。 アルフォンソ・キュアロン監督は『トゥモロー・ワールド』に引き続き映像・ストーリー共に類い稀な傑作を撮ってしまった。彼の作品をリアルタイムで劇場の大画面で観られることを本当に幸運に思います。[映画館(字幕)] 9点(2013-12-14 08:31:46)(良:5票) 《改行有》

119.  キャリー(2013) 《ネタバレ》 名作やカルト作品のリメイクは本当に難しいモンだと思います。原形を残してないとファンが怒るし、リスクを恐れて冒険をしないと凡庸な作品に成り下がってしまう。本作は完全に後者だと思います。 個人的に心配だったクロエ・グレース・モレッツは頑張っていたと思います。そもそもオリジナルのシシー・スペイセクが奇跡のバランスで成り立っていた配役だったのでそれを越えられないのは仕方が無い。しかし彼女のパフォーマンスが100%の力を発揮していたとはどうしても思えませんでした。それは周りの役者もそうで、モレッツの本来の演技が100ならば本作では良いトコ70程度しか発揮できていなかったと感じたし、周りの役者はそれに倣うと50が20程度だったと思う。 それはやっぱり監督の力量不足というか役者のコントロールが出来ていないのだと強く感じました。今時、あからさまに"目を泳がせ"たり、"顔を背け"たりする演技ってどうなんでしょう。また監督が今回『キャリー』をリメイクするに際し「何をしたかったか」が全く見えません。プロムナイトに代表されるデ・パルマの映像美は消えて貧乏臭い画になっているし、忠実に作ることを考えすぎてオリジナルの良さは消え、監督のオリジナリティは消えてしまっていると思います。 それでもキャリーがプロムナイトで暴れだした後は結構楽しかった。やっぱりモレッツはちょっとイっちゃってるキャラが似合うのでしょう、燃え上がる炎をバックに超能力を爆発させる場面は見ごたえがありました。クリスのフロントガラスへロケット頭突きにも大いに笑わせてもらいました。 そこまでの時点では「5点くらいの映画かなー」と思っていたのですが、センス0点のラストカットと底抜けに明るい調子のエンディング曲でマイナス1点。[映画館(字幕)] 4点(2013-12-02 06:49:29)(良:1票) 《改行有》

120.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 いやー、良い意味で裏切られました。舞台は政治的に保守的なカラーが根強いとされるテキサス。中盤まではカウボーイ風の男が記者二人を付け狙い、死刑制度反対派のゲイルは制度賛成派の右翼団体に嵌められた可能性を示唆する。この中盤まで「また豪く一方的に偏った内容だなぁ」と思ってました。いかにもゲイルが何らかの陰謀に巻き込まれた様にミスディレクションしていますからね。 しかし最後に明らかになるのは全く別方向の真相でした。この映画は死刑制度について「こっちが正しい!こっちは間違ってる!」と結論づけてはいない。ただ"冤罪の人間が死刑になる可能性もありうる"という当たり前の事実を示しているだけです。但し、観客への問題提起にもキチンとなっている。そういうバランス感覚も魅力の一つかと思います。 因みに私は最後までしっかり騙されました。観客の心情はともかくゲイル自身は納得してあの最期を受け入れた訳で、個人的には爽快感のある良いラストだと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-23 14:14:52)(良:1票) 《改行有》

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