みんなのシネマレビュー |
| スポンサーリンク
【製作国 : アメリカ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
スポンサーリンク
2. チョコレート(2001) 《ネタバレ》 健全な人間であれば愚考を代が堆積する度に苛立ちを益して活き、先代を反駁するだろう。悪循環の中で心の瓦解を誘発させれば危険な厭世観が訪れ人の無償の愛を渇望するだろう。もしそれが不可能であれば、生きることができない。それが祖父と父の目の前で銃殺した息子なのである。目の前で息子を失った白人男性がこれを境に感情が生まれる。遣る瀬無い心境で奇遇にも同じく息子と哀別した反黒人女性と出逢う。異形の死でも虚空に抜かれた心は同じであるため、懊悩を抑制できないまま感情の相互が享受し合い、感官を充溢させ極限の愛を知ることとなる。しかしその背面には危険ともいえる依存の暗闇が怒濤の勢いで闖入してくる。艱難であればある程それは勢いを増して逝き孤独がもっとも恐れるものとなる。その後では皮肉な境遇を知り分恚しても彼を呵責することはできない。それを揣摩した彼は弁疏なく3つの墓が一望できる段へ彼女を誘い出すのである。それは彼と舅が家族に対し残酷な無為で死なせたことを暗示するものである。茫漠な星影の下で二人は共有のチョコレートを口し、行く末の老練を願う。この映画は今までにない男女の異質で複雑な情交を感佩させる恋愛物語といえる。8点(2004-05-16 06:37:26) 3. ファイブ・イージー・ピーセス 《ネタバレ》 迷妄と現実を相克しながら、ボビーは彷徨い続ける。子は親をけしては越えてはいけない。崇高なる存在を失うとき純粋な心は脆く頽落していく。節操に峻拒しても思想的煩悶は拭い捨てることはできない。すでに形而上の実存に囚われたボビーには畢竟な生活から逃避することしかできない。8点(2004-01-14 13:32:18) 4. M★A★S★H/マッシュ 生と死を行き来する戦場の中でホークアイとトラッパーは、執拗までに生に対して貪欲である。ブラックユーモアの中にもそれは顕在な形で組み込まれている。ラジカルな展開との調和で爽快な気分と敬虔な思いに耽させてくれる。9点(2004-01-13 15:27:41) 5. カッコーの巣の上で 《ネタバレ》 マックマーフィは最初は野蛮な人間だと思われる人がいると思うが私はそうは思わない。彼は院長に言った「100%で協力する」を彼なりに実行した。規律を無視して患者に勇気と喜びを与えた。彼は迫害されながらもチーフと青年を救おうとした。もしも野暮で野蛮な人間ならば、人の嘆きさえも感じることはできないであろう。青年の自殺のシーンは私にとって耐え難いものになっている。自制できないまま恐ろしい空間へ迷ったとき、それが深ければ深いほど精を維持することは困難である。8点(2004-01-13 10:28:50)
|