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1.  死霊の盆踊り 《ネタバレ》 “Orgy Of The Dead”『死者の乱交騒ぎ』。オージィは古代ギリシャやローマの“酒の神”を祭る秘儀。狂喜乱舞、酒池肉林の宴会騒ぎがモトのようです。それを盆踊りって…まぁ、大昔は『盆踊り禁止令』が出たくらいなイベントだったようです。 盆踊り好きですか?道民の場合、夏の夕方に「そよろ そ~よ風 牧~場に 街~に~♪」(♯子供盆おどり唄)って唄が流れてくると「あぁ、夏だなぁ~~」って、子供の頃の楽しい思い出がしみじみと思い出される方も多いかと思います。私も盆踊り大好きです。あの唄が聞こえてくると、ついつい会場に向かってしまいます。 公園の真ん中に簡単なやぐらが組まれてて、屋台では焼きそばやらおでんやら…すごく夏。…でも最近では踊る人って少ないです。時代だからかなぁ?私もいつも、会場を見るだけで満足して、踊らずに10分くらい見て帰ります。私が子供の頃は延々と踊らされましたっけ。もう10分くらいで踊り飽きてるんだけど、最後にお菓子の詰め合わせが貰えるから、およそ1時間、頑張って踊ってました。 そう考えると、昔も今も、私は盆踊りを本当に楽しんでいたんでしょうか?ただ夏のあの時期の雰囲気が好きなのであって、盆踊りが楽しいか?って言われると、どうなんでしょう?…怪しくなってきました。 さて映画の話。死霊の盆踊り好きですか?映画好きなら「嫌い」という人は少ない気がします。私も映画史上最低の作品だと思っていますが、「好きとは言えない」けど、嫌いか?というと「嫌いじゃない」って答えるでしょう。 公開当時、ポルノ映画ではなく一般の映画で女のヌードを出すには、ポルノじゃないよって逃げ道が必要だったみたいです。例えば“登場人物自身は服を脱がないが、主人公の妄想の中で彼女が裸になってしまう”って理由。なるほど、登場人物は実際脱いでない。妄想なら仕方ないよね?って感じでしょうか。実に男の子らしい発想です。 本作では“夜の帝王の開いた宴にて、現世を彷徨う女の死霊が、永遠の地獄に突き落とされないよう、帝王を満足させるため、裸になって必死に踊る”って逃げ道。なるほど、裸なのは女自身でなく、その女の『霊魂』か…だったら仕方ないよね?って感じでしょうか。これは驚きです。死霊って事にすれば一般映画でもヌード出し放題。これってアダルトゲーの、どう見てもロリキャラだけど112歳の老魔女だからオッケー!と同じくらいの大発明です。 「また適当に話し膨らませて…」ってお思いかもしれないが、その証拠に、作中のまだ生きてる女・シャーリーは、闇の女王に脱がされそうになるけど、間一髪で助かります(※片乳ポロリはしています)。 この映画は、当時の一般映画の逃げ道ルールを守ったうえで、男どもが大好きなおっぱいを、92分間の中で目一杯プルンプルンさせた、意欲的な映画だったのです。 …まぁ、出来上がったモノは、思った以上に退屈な作品です。十人十色の美女たちの裸踊り、実際目にすると、こんなにも退屈なんて…踊りが始まり10分くらいで飽きてました。これって本当の盆踊りに似ていますね。 夏にあの唄を聞くとワクワクが止まらないのに、実際10分でおなか一杯になり、満足してしまう。子供の頃は最後のお菓子に釣られて頑張って踊ったんです。そして今の私は、レビューを書くため、この映画を再度観たんです、わざわざDVD買って(これで4回目の視聴)。 この変な義務感。そして変な達成感。あとなんか知らんワクワク感。子供の頃も、大人になった今も、な~んも変わってないや。 今まで映画は観るだけだった私に、多くの気付きを与えてくれた『みんなのシネマレビュー』。当サイトが書籍化された当時『死霊の盆踊り』は11件くらいしかレビューが無かった(たぶん本に載せるには選外扱いだった)みたいです。※ちなみにワースト1は『北京原人』で、31件・1.19点。 後発レビュワーの私にしたら、サイトの最盛期に、読む側でなく書く側として、皆さんと一緒に盛り上がれなかったのが心残りでした。 レビューを書く私の目標のうちの2つが、映画レビューを大台の1000本ぶん書くこと。と、死霊の盆踊りに0点を付けること。でした。製作者の作品愛を考えると、0点は付かないハズ。このサイトの0点は、死霊の盆踊りの為だけにある点数、様式美に思えます。 稚拙ながらやっと1000本目のレビューが書けました。そして私が観た映画の中で、唯一の0点をここに刻めました。これで何も思い残すことはありません。 今までありがとう、みんなのシネマレビュー。[インターネット(字幕)] 0点(2025-03-30 14:17:18)(良:1票) 《改行有》

2.  HACHI/約束の犬 《ネタバレ》 "Hachiko: A Dog's Story"『ハチコー:ある犬の物語』。ハチのフルネームがハチコー。字幕では当然『ハチ公』ですが、日本語の公(動物に“さん”とか"ちゃん"と同様に、親しみを込めて付ける接尾語)って意味では、無いんじゃないかなぁ? 物語は、飼われたキッカケは少々ドラマチックになってますが、私たちが良く知った『忠犬ハチ公』のそのまんまアメリカ版です。リメイクするときに名前とか展開とかアメリカナイズするところ、名前をそのまま「ハチ」にしたのは、スウェーデン人・ラッセ監督の良心に思えます。 大正~昭和の古き良き物語を、どうやって現代劇にするのか?日本の話ですが、ここ40年で野犬というものが居なくなり、ここ30年で外の犬小屋で飼われる犬というのも見なくなりました。そんな部分にリアルを求める作品ではないんですが、ハチ生きていけるんだろうか?って部分。無理に現代版にすることなく、新しすぎず古すぎずな架空の駅で、絶体絶命のピンチもなく、心根の優しい駅長や売店の人々に遠巻きに守られている様子が、普遍的な物語として完成しているんじゃないでしょうか? リチャード・ギアを配しながら、主役をしっかり犬のハチのしてるのが良いですね。ハチを見守る人間話に時間を割いてしまいがちですが、物語の根幹がしっかり犬の話になっています。娘の家を脱走したのではなく、許可を得て出ていくところも良いですね。そして白い雌犬と会話にならぬ会話をするシーンが何故か印象深かった。ラッキーは何を思い、ハチは何を思ったのか?想像するしかないですが、この辺りもしっかり犬の映画であり、"忠犬"の物語でした。 余談ですが本家『ハチ公物語』との私の点数差ですが、犬への演技指導の差を大きく感じました。本作では三匹の秋田犬を使い分けているそうで、映画として犬の感情が伝わるように創られていますね。そして犬好きが創った犬の映画…という感じがひしひしと伝わります。この同じ題材の2作品、22年という期間で、犬の扱いも変化したんでしょうね。[DVD(字幕)] 7点(2025-03-30 12:33:31)《改行有》

3.  ザ・カー 《ネタバレ》 "The Car"『あの車』。中古のDVDが200円で売っていました。ザ・カーですよ?そりゃ買っちゃいますよね。 正体不明のあの車が人を襲う…同世代で、子供の頃にロードショーで観て、なんか覚えてるって方も多いかと思います。改めて観ると案外地味な映画で、やはり最後のインパクトが大きかったようです。 私も『人を襲う』って記憶が薄っすらあった程度で、『どう襲ったか?』は全然記憶にありませんでした。覚えているのは大爆発の最後です。爆発の炎で車に化けてた悪魔が姿を現し、舌を伸ばす…このシーンは記憶に残りますね。 本作はスピルバーグの激突!('71)を意識した映画だと思います。ホラーじゃないけど、無機質な車が人を襲うって衝撃が大きかったんでしょう。そして激突!では敢えて濁した『ドライバーは誰だ?』。本作はその部分をサスペンス仕立てで引っ張り、『ドライバーの正体がこんなヤツだったら納得じゃないか?』を映像化した、-激突!の消化不良部分を補完する-ホントそこを狙った作品だったんじゃないでしょうか? 崖から落ちるってシチュエーションも類似していて、一時期、激突!の最後とザ・カーの最後がアタマの中でごちゃ混ぜになってました。 だから、ザ・カーが大破してもメキメキ自己修復するんだっけ?いやいやシャキーン!と瞬時に復活するんじゃ…なんて、途中の内容全然覚えてなかったんですね。ザ・カーはチョットやソットじゃ壊れない車でした。 さてザ・カーの正体は悪魔です。結構インパクトのあるデザインですが、ベースはリンカーン・コンチネンタルだそうです。リンカーンに悪魔的で不気味なデザインを加味しているんですが、ジーっと見てると、どこかで見たようなデザインです。 "モスマン"に似てると思いませんか?モスマンはネッシーやビッグフットみたいな未確認生物で、アメリカでは'66年に登場した新種のUMAです。車に悪魔デザインを落とし込むにあたり、近年流行ったモスマンを取り入れてみた。…ってのはどうでしょうか?[地上波(吹替)] 5点(2025-03-30 11:07:31)《改行有》

4.  ベイビー・ドライバー 《ネタバレ》 "Baby Driver"邦題まま。サイモン&ガーファンクルの同名曲からの命名だそう。 こういうシンプルな映画も好きです。登場する車か、劇中掛かるロックがビビッと来たら楽しめます。私は最初の車がインプレッサだった為に、アッサリ楽しんでしまいました。かっこえぇ~。 選曲も結構ツボで、フォーカスのホーカス・ポーカスが流れてきた時は「あ!昔フェイセズと間違って買ったアルバムの曲だ!」って驚いてしまいました。よくこんなドマイナーな曲を…※後から調べたら秘かに流行ってたんですね。 銀行強盗を逃がす天才ドライバーと言えば、ザ・ドライバーからドライヴまで、けっこう種類豊富ですが、主人公がボーっとした少年で、日本車を乗り回す姿から、『これはハリウッド版イニシャルDだ!』って思いました。“85号線の亡霊”なんて二つ名を出してくるあたり、絶対“秋名のハチロク”意識してるよ。ダウンヒルでもヒルクライムでもなくクライムサスペンスにしてる辺りがハリウッド。トランスポーターでもワイルドスピードでもない、この味付けは新鮮だったわ。 映画はベイビーの最後から1つ前の犯罪から始まります。最初の犯行からとか、長々クドクド描かないのがイイ感じ。デボラ可愛いし、バディ&ダーリンのコンビは魅力的だし、バッツは良い塩梅で憎たらしい。このいちいち説明しないでも観てりゃ解る感がナイス。展開早いしご都合主義だし。詰め込み過ぎてないから分かり易くて、結末も真っ当。とても後味の悪くない映画でした。[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-26 22:26:22)《改行有》

5.  17歳のカルテ 《ネタバレ》 “GIRL, INTERRUPTED”『(成長を)中断された(状態)。少女。』のような意味のようです。 映画ではスザンナ達が17歳かどうかは解りませんから、邦題は独自の意訳です。でも17歳と18歳で、少女から女性に扱いが変わる時期でもあるため『17歳の少女の時に精神病院に入り、人生が止まった状態』みたいに解釈できますね。良い邦題だと思います。 作中、性的だったり人種差別的だったりと、かなり過激な言葉を使っていますが、字幕は相当表現が柔らかめです。 アンジーってこんなに可愛い女の子だったんですね。彼女の事はトゥームレイダー辺りから認識したので、峰不二子みたいな誰から観ても大人の女性…って印象を持っていました。それがこんなギャルを演じていたってのが、とっても新鮮でした。まだ少女なんだけど、大人びていて、それでいて繊細で壊れやすい。序盤の活発な姿と、後半の廃人状態の姿。とても良く表現できていたと思います。 一方スザンナは境界性人格障害という病名だけど、彼女は“精神病院に入れられた普通の人”の視点で描かれます。患者の行動に振り回される人という立ち位置でしょうか。彼女自身の障害で苦しむ姿は入院前の回想に集中しているように思えます。 患者の症状を丁寧に描きつつ、地下の遊戯施設やアイスクリーム店で心地よい一体感を感じさせる展開が巧いですね。恋のダウンタウン弾き語りのルール違反も心地よかったです。 そして持ち上げて落とす。デイジーの死と、それを見たリサの反応。本当の死と、信じた友達の受け入れられない部分。ここが彼女の社会復帰のトリガーになったんですね。 「1年を無駄にした」スザンナにこの入院生活が本当に必要だったかは疑問です。[DVD(字幕)] 6点(2025-03-24 07:29:43)《改行有》

6.  ブルーサンダー 《ネタバレ》 “Blue Thunder”邦題まま。架空の攻撃ヘリの名前で『青い雷鳴』の意味。 子供の頃「ブルーサンダーかエアウルフか?」論争が起きてました。ヘリ、テーマソングの格好良さは甲乙付け難く、渋いロイ・シャイダーと寡黙なJ・M・ビンセントもどちらもアリ。でもリアル路線でアメリカのセブンイレブンが映るブルーサンダーの勝利だったかと。 さて、テレビで大きなボカシの入っていたセクシーお姉さんのストレッチが、DVD版は完全ノーカットで入っていて驚きました。あぁ、こんなにアップで映ってたんだ。長生きはするものですね。 暗視カメラと収音マイク、ウィスパーモードの組み合わせは、都市型犯罪にヘリがどれだけ有用かを見せ付けてくれました。カッコイイ。そして怖い。映画公開から一年後に控えるロス・オリンピック。その警戒用に開発されたこの機体。頭の向きと機関砲が連動する装置など、一部は当時でも実用化(AH-64アパッチ攻撃ヘリ)されていた技術のようです。 恐らく当時のアメリカは、世界最高峰の攻撃ヘリの技術を持っていて、東西冷戦下、その技術の全容はベールに包んでいたと思われます。本作のような映画で、実際の技術と架空の技術を織り交ぜ、仮想敵国に対し、とにかくアメリカは敵に回したら怖いんだぞって、そんな印象を植え付けていったのかもしれません。 映画は単純なヘリ・アクションではなく、サスペンス要素が高く、結構見応えがあります。敵に捕まったライマングッドが可哀想で… そして後半は怒涛の空戦シーンの連続。警察ヘリにF-16、軍用の重武装ヘリと、いろんな敵と戦ってちょっと長すぎるくらいのエア・アクションを観せてくれます。F-16との空戦はモロ“当時の特撮”ですが、それにしても結構がんばっている方です。都市部でジェット戦闘機が暴れる映画って、他にあまり無かったと思います。 CG全盛期の時代ですが、本物はやっぱり迫力がありますね。ヘリの実機と模型、特撮を駆使した撮影技術に、当時の撮影クルーの知恵と技術と適度な妥協が感じられます。警官に捕まったケイトを助けるブルーサンダーの画。この機体案外小さいのに、この迫力。どんなに時間とお金を掛けたCGでも創り出せない、本物の力強さと美しさがありますね。[地上波(邦画)] 7点(2025-03-11 22:28:24)《改行有》

7.  ビフォア・サンセット 《ネタバレ》 “Before Sunset”『日没まえ』。おやおや、半年後でなく9年後ですか。って事は、あの半年後は… 思うに、半年後に会っていたら、ジェシーとセリーヌの恋物語は劇的な最終回を迎えていたんでしょう。そこで映画は終わり。 そうでなく、9年後の再会としたところに、本作の妙があります。お互い当時の面影を残しつつ、実際に9年間の歳を重ねた姿を映す。それぞれ違う道を歩みつつも、お互いの事を思い続けていた。 今回の再会は時間が短い。上映時間も短い。2人が再会してから、9年前の続きのようにず~~~~~っと喋ってる。ジェシーは家庭を持ち、セリーヌはいろんな男と付き合ってきた。けど思い出すのは9年前の一晩の思い出。まるであの時からやり直したいが如く、会話を重ねるけど、微妙な距離感が感じられる。 距離を縮めたいけど、グイっといけないジェシーと、ちょっとした事で熱が入って距離を取ろうとするセリーヌ…って感じに観えたのよ。 恐らく、会えなかった期間、ジェシーは現実が理想と違い過ぎて、セリーヌとの再会を求めていて、セリーヌは再会が望めないジェシーに代わる相手を求めていたんでしょう。この違いが、夢見がちな男と、現実路線の女の違いに思えたわ。 ストレートに一緒に居る時間を稼ぎたいジェシーと、言葉を一言間違えると消えてしまいそうなセリーヌの…駆け引き?散々喋ってきた2人の、部屋の中の沈黙。歌と音楽が素晴らしい。 「ベイビー!飛行機が~行っちゃうわよ~」その後どうなったんでしょうね?想像するに、前作は別れで終わったので、本作もこれで別れた。いやいや、前作は『日の出まえ』にセックスしてたんで、本作では『日没まえ』にセックスした。続編で答えは出てるでしょうが、この2人にはいつまでも、お互いを求め合っていてほしいですね。…ん?それって、いつまでも一緒になれないって事?[CS・衛星(字幕)] 7点(2025-03-05 23:16:07)《改行有》

8.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 “The Shining”『輝き』。未来予知やテレパシーと言った能力で、その能力の事を、料理長はハロランが『シャイニング』と名付けていました。 本作を観たのは高校生の頃かな?当時ビビりだった私は、ホラーはあまり得意ではなかったです。特に当時主流だった“急に画面に出てきて驚かせる”ような、心臓に悪いタイプのホラーは大嫌いでした。血は割と大丈夫でも、内臓グチャグチャとかのグロいホラーも苦手でしたね。 でも本作のホラー表現…“深層心理で怖いものと認識している物を観せるホラー”には感心させられました。『滑らかにホテル内を走る三輪車。角を曲がった先に同じ服を着た双子が立ってる。』これだけで怖いんです。だって家族以外居ないホテルで、双子の子供が立ってるんだから、怨念渦巻く心霊写真を見たときのように身の毛がゾワゾワしました。そして一瞬映る双子の惨殺死体。また立ってる双子。今では割と使われる手法だけど、二人がこの世の者ではないことが映像から伝わってきて怖さ倍増。こういうホラーを待っていました。 人が居ないホテルも怖いものですね。家族旅行で言ったホテルや旅館を夜中に探検するときの、ちょっと怖い気持ちがよみがえります。楽しいはずのホテルの、昼とは違う夜の顔。人が多い時間と居ない時間の別な顔。そんなホテルでこんなモノ見たら怖いだろうな…って思っていたのが“着ぐるみ男と紳士”でした。「え?何?私いま、何を観た??」着ぐるみの犬(熊?)と紳士がベッドで何かしてる。何やら観てはいけない行為を観てしまった気持ちと、それがとても気持ちの悪い事と察知して、気になるんだけど、巻き戻してまた観たいとは思えませんでした。このシーンの意味を理解したくて、原作本を読みました。 Sキングは原作とは違う展開の本作を相当嫌っていたようで、原作はもっと怖いのかな?と思ったけど、なんか、つまんなかったです。内容ほとんど覚えていませんが、動物の植木が動いたりしたような…なんか私の考えるホラーとはズレてました。で、犬男も役割が違ってて、あの行為は何だったのか、解らず。あの2人はホモ行為に及んでた…というのは後から知ったこと。映画版は素晴らしいセンスです。 また本作では意図的に“左右対称”や、“同じ2つのモノ”を入れてきます。でも、パッと観は左右対称や同じ2つだけど、実は微妙に違うんです。ホテルの廊下の景色。血まみれになるエレベーター。ハロランの部屋。双子。上空から見た生垣の迷路。グレイディという管理人と給仕係。ダニーとトニー。現在のジャックと1921年のジャック。 同じのが2つあったり、左右で同じだったりが、人間の深層心理で怖い・不気味だと思うってことを、この映画が明確に掘り起こしたんだと思います。[ビデオ(字幕)] 9点(2025-03-05 22:09:52)《改行有》

9.  デス・レース2000年 《ネタバレ》 “Death Race 2000”『デス・レース』という架空のカー・レースの2000年版、邦題ままですね。 出てくるマシンが…格好イイというより、どこかユーモラスで、チキチキマシン猛レースの実写版のようです。初見時は中学生くらいかな?当時はハリウッドのゴージャスな映画に目が肥えていたため、ユーモラスなマシンだけでなく、作品全体から漂うチープさに、何故かホッとしてしまいました。 それでいて“未来の殺人レース”って題材がぶっ飛んでます。人を轢き殺したらポイントが入るという背徳感。競争相手のレーサーたちだけでなく、主人公(フランケンシュタイン)までも人を轢き殺す。娯楽映画らしい、悪事に手を染めない主人公が出てこないのが、ショッキングでした。フランケンのファンクラブの、生贄みたいな子がアッサリ殺されるのが衝撃的。何やかや殺さないと思っていたのに。こんな辺りが時代の先を行っていたような気がしないでもないです。 スタローンが出ているのも話題だったし、一周回ってライバルのマシンガン・ジョーが、何か胸のすく活躍をするかと言えば、終始小悪党らしい活躍と最期を迎えましたね。出場者が横並びで全裸マッサージを受けるサービスシーン、何とも意味不明だけど、バイオレンスとカーアクションだけでなく、エロ要素も入れてきたと考えると、暇つぶしB級映画のチェックポイントは残さず通過って所でしょうか?手慣れていますね。 プロットはとても素晴らしい。けど、じっくりお金と時間を掛けてこの題材の映画を創っても、きっとここまで面白くは出来ないと思います。私が観た’80年代後半、既にカルト的な人気の映画でしたが、この映画はそんな評価を期待して創られた作品でも無かった事でしょう。きっととんでもない低予算と、恐らくカツカツの制作期限と、製作者たちのその場の勢いで創られた、公開時にお客さんにウケればそれでOK!な快作だったと思われます。[地上波(字幕)] 6点(2025-02-28 23:07:13)《改行有》

10.  ビバリーヒルズ・コップ 《ネタバレ》 “Beverly Hills Cop”原題まま。ロサンゼルス郡にあるセレブの多く住む独特な都市で、郡警察に属さない、ビバリーヒルズ独自の警察組織を持っているんだって。セレブが多い事もあって治安が良いため、アクセルの居たデトロイトなんかと比べると、重犯罪率も低いんでしょう。 ビカビカの最新ファッションに身を包んだセレブ達…なんだけど、'80sなのが近未来チックでもあり、懐かしくもありますね。一方でジーンズにトレーナーの普段着ルックなアクセル。当時のアメリカン・カジュアルで、普遍的だけに流行り廃りも無かった、とても楽なファッションです。現在50~60代のお父さんで、普段着がアクセルっぽい人ってまだまだ居ますよね。 さてエディ・マーフィに注目です。彼は“単独でお客を集められる、グローバルな黒人映画俳優”の第一人者です。このポジションの前任者は恐らくシドニー・ポアチエでしょう。でもポアチエ観たさにお客が呼べたかというと、どうでしょう?俳優より映画の内容だったかと思います。 やはりエディ・マーフィからなんですよ。エディは実力派俳優というより、コメディ俳優として世間に広く認知されたのが、彼のスターダムの原動力だったんでしょうね。当時の人種に対する壁を超えることが出来たのは、マシンガントークと笑顔という、彼の最大の持ち味が活かされたからでしょう。 エディ以降、'90年代に入り、デンゼル・ワシントンやウィル・スミスといった、世界的に売れた黒人スターが出てきますが、黒人が主役の映画の歴史って、案外浅いことを、ここにきて再認識しました。 そして映画では人種差別について、ほとんど触れられていません。当時はまだ黒人スターでお客が入るか手探りだった時代なのに、安易に黒人差別ネタを入れることなく、単にデトロイトとビバリーヒルズの生活レベルの差として、登場人物がみんな自然に接しているのが、本作がとても成熟した作品に感じさせます。やはりエディ・マーフィには、それだけ人を引き付ける魅力があったんです。当時まだ22歳ですよ。 この時代の、エディの脂の乗り具合は素晴らしいです。本作はそんなエディの格好良さと面白さ、彼の魅力の全部が詰まった一作でした。 …全然ネタバレ・レビューになってないですね。[ビデオ(字幕)] 7点(2025-02-17 22:57:11)《改行有》

11.  ロッキー・ザ・ファイナル 《ネタバレ》 “Rocky Balboa”ご存じロッキーのフルネームです。タイトルにローマ数字が入らないのは、1作目と本作のみ。邦題は『ザ・ファイナル』なので、シリーズの最後を意味していますが、私には2~5のシリーズ作品をすっ飛ばした、ロッキーの後日談に思えました。 舞台はフィラデルフィア。シリーズで“ロッキー豪邸”とか紆余曲折あって、結局モトの家に戻ってきた流れだけど、1からずーっとココに住んでいたようにも見えます。エイドリアンと結婚し、一人息子を授かったまではシリーズと一緒ですが、どちらにも採れるように、敢えてエイドリアンを故人とし、アポロとの友情も描かずに、時間軸がぼやけるように創られてます。 そして登場人物は1に出てきた人たちだけで固められています。過去の試合のダイジェストでラングやドラゴも出てきますが、本筋には一切絡みません。スパイダー・リコは未だに“まぐれで勝った”って言ってますね。確かにあの試合でスパイダーが勝っていたら、歴史は変わっていたかもしれません。リトル・マリー、有名人に言われた言葉は本人以上に覚えているものです。そしてカフとリンク。まだ生きてたんだなぁ。エイドリアンの気を引くために買った亀。一匹じゃ可哀想だからもう一匹買ってきたってところが、ロッキーらしい。スタローン曰く、本当に当時の二匹だそうで、今でも大事に飼っているそう。 本作はロッキーのその後の人生を語る作品であり、またスタローン自身の“今”を語る作品になっています。ロッキーとランボーの成功で、アメリカを背負うスーパースターになり、'90年代からコレといったヒット作に恵まれず、ライバルのアクション俳優に2歩も3歩も置いて行かれ、マンネリを打破できず、新境地も見つからず、もがき苦しんだあげく“過去の人”となったスタローン自身の映画になっています。 自身の栄光の過去に囲まれたレストラン“エイドリアンズ”で、お客に過去の試合の秘話を話し、一緒に写真を撮る。当時のスタローンって、本当にそんな生活してそうでした。'97年のコップランド以降、主演作と言えば、'01年のドリヴンくらいしか記憶にありません。そんな彼が、再びリングに上がる映画を創るなんて、無茶というもの。それも現役の世界チャンピオンと対戦するシナリオなんて… 張りのある若いディクソンの身体と、鍛えられているけど年齢を隠せないロッキーの身体。1作目を彷彿とさせるドキュメンタリー風のカメラ。あのロッキーが、また戦っている。まだ戦っている。ロッキー・バルボアの決して消えない闘志に、観ていてこちらまで熱いものが込み上げてきます。 判定を聞かずにリングを後にするロッキーの勇姿。チャンピオンに勝つことではなく、最後まで立って戦い続けることが、ロッキーの戦い方であり、ロッキーの、シルベスター・スタローンの人生なんですね。 「エイドリアン、俺たちは勝ったんだ、俺たちで」エイドリアンの墓にバラを置き、過去に生きるのではなく、これからを生きる決意をした姿にホロリ。スタローンはその後、ランボーの続編に成功し、エクスペンダブルズという、彼にしか創れないヒット作で素晴らしい返り咲きを観せてくれました。 エンディングのロッキー・ステップを駆けてガッツポーズするファンと子供たちの姿に、また涙。みんなロッキーが大好きなんだなぁ。私もロッキー大好きだよ。[DVD(字幕)] 8点(2025-02-11 23:17:43)《改行有》

12.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 “Don't Breathe”『息をするな』。“Don't breathe a word”で『一言も漏らすな』になります。 どうぞ私に構わず、お互い好き勝手にやってください。で片付けたくなってしまう人物設定ですね。 アレックスはそこそこ裕福な家庭なのに、片思いしてる女のために空き巣に手を染める。でもロッキーにとってアレックスは、自分に気のある単なる飯のタネでしかない。ロッキーの恋人マネーは空き巣に入った家で、花瓶割ったり放尿したりと好き放題。金のために盗むだけなら解るけど、なんか許せん。 ヒロインのロッキー。幼い妹の幸せと、デトロイトの泥沼生活から抜け出すために、空き巣を重ねる?許されんでしょう。今はまだ可愛い容姿だけど、10年もしたら全身タトゥーだらけの“そっち系の人”になってるだろう。 この3人が、金持ち専門の義賊的な空き巣集団なら百歩譲ってって所だけど、今回は大金に目がくらみ、盲目の老人から金を奪い取ろうと行動した時点で、同情の余地が無い。更にその金が娘を失った示談金だと知っていて奪うんだから、私らどの立場でこの映画を楽しめばいいんだろう?ってなるよね。 『1万ドル以上で重窃盗罪』って法律が実際にあるのか解らなかったけど、現行法で950ドル(14万円くらい)以下の窃盗は軽犯罪扱いみたいです。多くの人が銃を持ってるし、アメリカから犯罪が無くならないわけだ。 囚われの身のシンディ。本来コッチがヒロイン枠だろうけど、女の子を轢き殺して、親の金で示談に持ち込み自由を得ようとした、なんか本来は許すのが難しい立場。彼女が「あの事故はもう示談成立したのよ~、私は自由よ~」なんて、報道のVTR入れておけば、彼女のクズっぷりも増しただろうに。掘り下げ不足で事件中一番の善人枠です。 そして盲目の老人。だ。戦争で目を失い、愛娘を事故で失い、近所に誰も住んでないゴーストタウンで孤独に生きる老人。…イラク戦争で“老人”って、少し未来の話なのかな? で、この老人。サイコパスです。だけど両目と娘を失ったら、おかしくなっても不思議は無い気がします。 スポイト精子がもう、キモ過ぎ!なんか毛があ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙… でも、あれで妊娠するんだろうか?適当に冷凍した精子を適当に解凍して…素人考えだけど、きっと無理です。シンディは何か月経っても妊娠はおろか出産もしません。だから彼女は、(不可能な)妊娠をするまで、延々とスポイトレイプをされ続けたんでしょう。 『2人組の強盗を撃退し、何も奪われず』どういう意味でしょう?警察を使わず、自ら追い掛けるぞ!って意味でしょうか?盲目で彼女に繋がるヒントもなく、さして嗅覚が優れているとも思えない老人が、彼女を追えるでしょうか?靴を置いて行っているので、犬を使って追う?う~ん…恐らくは、作中出てきた“警察か金か”“金で沈黙を買う”話。老人からの『一言も漏らすな』ってメッセージの方でしょう。 これだけ不快なキャラを揃えておきながら“鬼ごっこホラー”として、きちんと観られる作品に仕上げています。ハリウッド映画がマンネリ化して斜陽に突入した時代に、純粋なホラーとしてオリジナリティを出してきた点は評価したいです。[DVD(字幕)] 6点(2025-02-11 12:35:48)《改行有》

13.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 “Jojo Rabbit”『兎のジョジョ』。ものの受け取り方次第で『臆病者の~』にも『勇敢な~』にもなる。 吊るされたドイツ人は「何をしたの」か?母親は「出来ることを」と答えた。ぶらりとした足と、もう地面を歩くことのない靴。 靴を履いて、靴紐を正しくしっかり結んだら、どこにでも自由に行くことが出来る。平和にダンスのステップを踏むことも出来るし、臆病者を踏みつけて脅すことも出来る。 ナチスを崇拝する当時のドイツの普通の少年が、手榴弾で半身フランケンシュタインになり、インゲの幽霊=ユダヤ人の普通の少女エルサと交流する。隠し部屋の中のエルサは最初裸足だった。ジョジョと親交を深めていく過程で、エルサは靴下を履いてる。彼女が歩けるのは安全な家の中だけ。エルサが靴を履いたのは家にゲシュタポが来たとき。アーリア人を演じ「ハイル・ヒトラー」と挨拶する。自由とは真逆、嘘をつくために履いた靴。 宙に浮いた母の靴。もう二度と地面を歩く事も、自由にダンスを踊ることも出来ない靴。ガツンと叩かれたようなショックと、母の靴紐を結ぼうとするジョジョに涙が溢れました。ここから先、涙が溢れっぱなし。 ジョジョの、綺麗なままの右半身(ナチ崇拝)と、傷だらけの左半身(母とエルサが好き)の葛藤。家族を守るためのナイフを右手に持ち、力無くエルサを刺すジョジョ。自分に向けられたナイフを払うでなく、止めるだけのエルサ。恐らくロージーがゲシュタポに連れ去られたのを聞いていたんだろう。「あなた(エルサ)か息子かを選ぶとしたら…」どちらも守りきったロージー。 戦争が終わり、自由を得たエルサ。彼女が自由になると独りぼっちになるジョジョの葛藤。白紙の手紙。心のアドルフ。『ウサギの耳をシッポに巻いて、しっかり縛って穴に戻す』母の教えを思い出し、エルサの靴ひもを結んであげるジョジョ。 「外は危険?」「とってもね」頼れる男を演じ、危険な場所からの脱出を試みる二人…路上のエルサと、玄関の2段あるステップの、一番上にいるジョジョとの身長差。ステップを一歩だけ降りて「脱出成功」の時の2人の身長差。そして… 観終わって、続けざまにもう一度最初から観ました。[DVD(字幕)] 10点(2025-02-11 10:57:44)《改行有》

14.  ロッキー5/最後のドラマ 《ネタバレ》 頂点を極めたアクションスター・スタローンが、ライバルのシュワルツェネッガー人気にどんどん後れを取っていき、一番迷走していた時の作品です。マンネリ、不人気、低迷…何を撮ってもダメな時期に、恐らく起死回生の意味で、自身をスターダムに押し上げた『ロッキー』の続編を投じてきました。 自身が活躍するスーパーヒーロー路線は頭打ちなので、原点回帰を図るヒューマンドラマ路線にしました。監督もアビルドセンを起用し、年齢から、自身が戦うのではなく、トレーナーとして若手を育てるドラマに方向転換してきました。 あの時期にこの映画を、ロッキーⅣの続編を、スタローンの新作を、誰が観たいと思ったんでしょうか? ロッキー・シリーズと言えば、掴んだものを失って、また這い上がってくるのがパターンです。掴んだ大金、父親代わりのミッキー、ライバルにして親友のアポロ。そして今度は…。財産という意味ではⅡと被りますが、Ⅴでロッキーが失ったのは“アメリカンドリーム”でした。 ロッキー=アメリカンドリームと言っても過言ではない存在なのに、ロッキーこそみんなが憧れる成功者のモデルなのに、あんな一瞬で、あんなアッサリと掴んだ成功の全てを失ってしまったことに、このシリーズ全体さえ、虚しさに近いものを感じてしまいました。ロッキーが這い上がるための障害と言えば聞こえは良いけど、今回の破産は、映画の制作側の御都合主義にしか思えません。またペットショップで働きだすエイドリアンなんて、もうコントです。こんなロッキーの最後を、誰が観たいと思ったんでしょうか? ロッキー達は昔の安アパートに住み、ミッキーの残したジムで、才能ある若者トミーを育てます。だけどどうにも彼に魅力を感じません。スパーリングでガンガン行くファイトスタイルも、デュークに丸め込まれてロッキーを捨てるのも、マスコミに認められないからってロッキーに対決を求めるのも、トミーのやってる事の全部が嫌いです。生まれた環境の悪さがチラッと出てきましたが、それ以上の掘り下げが無く、彼に魅力を感じる要素がゼロでした。 そして、着々と勝利を重ねて、遂にケインに勝ってチャンピオンになったトミー。彼を全否定するマスコミは、ある意味私たちの留飲を下げてはくれますが、一方でトミーの掴んだアメリカンドリームを批判しています。ロッキーで言えば、Ⅲでミッキーが仕組んだ好カードで連戦連勝し、強敵クラバーにも勝った状態が、今のトミーです。それを認めないマスコミって、何なんでしょうかね?こんなアメリカンドリームの終焉なんて、誰が観たいんでしょうね? 最後は八つ当たりで喰って掛かるトミーと、ポーリーを殴られて怒ったロッキーのストリートファイトです。殴る、蹴る(!?)、投げ飛ばす(!!)。ボクサー同士の戦いとは思えません。死闘の末トミーを倒すロッキー…。…だから何だってんだ!? ここが映画の中盤で、またトミーと組んで頂点を目指すとかなら良いさ。でもジュニアとの信頼を取り戻しておしまい。って、そもそもトミーが居なきゃ、ロッキーが変にトミーに肩入れしてなきゃ、もともと家族仲は悪くなかったじゃない。この場に及んでトミーに勝ったからって、どうだってんだ?? この後もスタローンは、スター街道を転げ落ちていきます。虎の子の『ロッキー』をこんな作品にしてしまい、どんどん迷走していきます。こんなスタローン、いったい誰が観たかったんでしょう?[ビデオ(字幕)] 3点(2025-02-04 22:48:07)《改行有》

15.  ファイヤーフォックス 《ネタバレ》 “Firefox”レッサーパンダの別名だそうだ。劇中の架空の戦闘機Mig-31のコードネーム。ソ連の戦闘機(Fighter)は頭文字が“F”から始まります。フロッガーとかファルクラムとか。その法則から劇中のファイヤーフォックスは正解なんだけど、頭文字Fで始まるコードネームはNATO軍が勝手に付けた呼称で、ソ連側では呼びません。ガンダムで言うと『スカート付き』みたいな名称です。 ステルス機が世に出る以前の作品だけど、XB-70バルキリーを溶かして小さくしたようなフォルムは中々カッコイイです。ボタンを押さなくても、考えただけでミサイルを撃てるなんて、謎の超大国ソ連らしいです。当時ソ連には、超能力を使うエスパー部隊がいる!なんて、何かで読んだ気がします。ホント、何やってるのか解らない国でした。 子供の頃、テレビで何度か放送されてましたね。結構みんな観ていましたよ。もしかしたら、ダーティハリーより先に観たイーストウッド作品かもしれません。今思うと、イーストウッド主演で特撮の戦闘機ものってのが、一種独特です。前半はスパイもので、後半は空戦アクション。割合は5:5くらいですが、当時の印象だと3:7くらいに思えてて、同型機の空戦の記憶ばっかり残ってます。で、今の目で観ると、8:2くらいで、飛行機は最後にチョットだけで良いんじゃないかなぁ?なんて、作品の本質をぶち壊してしまう感想を持ってしまいます。だって後半の逃走劇が単調なんだもの… 特撮は当時の標準レベルですが、誤魔化しの利く宇宙空間ではなく、観慣れた青空と特撮飛行機は、相性があまり良くないですね。背景との相性が悪く飛行機が浮いちゃってます。 スパイものの部分は、まぁ悪くないかなって思います。ガントが演技がまるでダメなのが、ハラハラはしなかったけど、味わいがありました。任務のために無関係の密売人を殺すところとこか、命より任務を重んじる協力者たちに、冷戦状態は決して平和な状態じゃないことを暗示させます。 ガントのトラウマ、ナパームで焼け死ぬ少女。印象的でしたが、この映画の中で克服するでもなく、きっと一生背負っていくんだなって思いました。 最後は思った以上にあっさりした終わり方でした。どうしてこの映画が、同年代の多くの人の印象に残っているのか、解るようで解りません。。。[地上波(吹替)] 5点(2025-02-03 22:28:57)《改行有》

16.  白と黒のナイフ 《ネタバレ》 “Jagged Edge”『先端がギザギザの(刃)』事件の凶器、狩猟用のナイフの特徴を表現する言葉であり、評決を左右する重要な証拠品になりました。ランボーのナイフとか一般的にギザギザは刃の根元の方にあると思うんですが、このナイフは刃の先にギザギザがある、一度見たら忘れないレアなスタイルをしているんですね。そこを犯人は、ロッカーを使って効果的に利用しています。 邦題は法廷&サスペンスものらしい、ミステリアスな雰囲気があって、とても“伝わるタイトル”だと思います。 ぼんやりとデ・パルマの作品だと思っていましたが、『ジェダイの復讐』のマーカンド監督の作品でした。名前だけの監督かと思いきや、『針の目』の監督とのことで、ミステリに男女の愛憎模様を絡めるのがとても上手い監督だったと見受けられます。以降の活躍が無いと思ったら'87年に若くして亡くなっていたんですね。残念です。 ネタバレ・レビューですが、この事件を逆算すると、ジャックは新聞王の孫娘の婿という立場で、どうやって財を独り占めするか。そのために邪魔な夫人を殺し、如何に自分を冤罪に見せ、優秀な弁護士に冤罪を証明させ、無罪を勝ち取るか。少なくとも24か月前のから実行に移された計画殺人です。 一番最初に出てくる主要人物がクラズニー検事で、彼はテディが検事補時代に、スタイルス事件の冤罪の証拠を掴んでいたのに、もみ消しています。新聞社の編集長ジャックはその情報も、テディがその件で検察官から弁護士になり刑事事件を降りたという情報も掴んでいたんでしょう。 ジャックは、クラズニーの上院出馬の野心と、クラズニーに批判的な新聞社への不満から、必ず自分を有罪に持ち込もうとすることと、テディが冤罪の証拠を掴んだら、クラズニーとの確執から、自分を無罪に持っていくことも計算ずくで、テディに弁護させるようハーデスティを誘導してます。更に自分に恋愛感情を抱くよう、弱さ、強さ、魅力を最大限見せてテディを誘導しています。 ジャックは、24か月前から半年間、計画的に愛人アイリーンを作って捨てて、18か月前に計画的にジュリー(近隣住人)を襲い、血で“BITCH”の文字を残します。6か月前にバージニア(妻の親友)のラブレターを故意に夫人に観せ、“誠実に生まれ変わった夫”を演じ、ジュリーと同じ手口で夫人を襲って殺害します。 夫人と不倫していたスレイド。彼の女性をののしる口癖が「BITCH!」で、駐車場でテディを待ち伏せして以降、行方不明になっています。ジャックにまんまと利用されたスレイドは、夫人殺しの真犯人として指名手配されましたが、恐らくジャックに殺されてるんでしょう。 “t”の字が跳ね上がったコロナ製タイプライター。敢えてテディに見つかる場所に置いて、自分が真犯人だと気付かせます。仕上げとして、スレイドの犯行に見せかけて、テディを殺害する。スタイルス事件で、何も出来ずに検察から逃げたような女なので、信じた男に裏切られる絶望を与えれば、再告発せずに死を受け入れるだろう…と、ここまでがジャックの計画です。残忍で手が込んでます。 夜まで待って、電話で冷静に「愛してる」と、恋人を演じ続けるジャックが怖い。テディを襲う時も一切無言。ここでもし、ジャックが“犯行のネタバレ”をしていたら、普通の法廷サスペンスの良作で終わっていたでしょう。けど法廷の中で“犯行のネタバレ”は大方済ませてます。 テディは自分を利用したジャックを撃つ。最初の2発で動きを止めるのに成功したけど、無言でもう2発撃って、確実に殺すことを選んでます。この2回の銃撃の“僅かな間”が、彼女の心情、“利用された屈辱”と“愛憎”を感じさせます。 この時テディも冷静だったんです。ジャックが自分を殺しに来るのをわかって、サムが警察を呼んだりしないよう、意味深なメッセージに留めています。万に一つ、ジャックが「顔を見せて」いたら、テディは殺せなかったかもしれません。でも4発撃ち、弾倉には1発残しています。冷静なんです。とどめ用の1発かもしれないし、自殺用かもしれない。撃ち終わった後、『コトッ』って銃を置く音で(音だけで)、ジャックは息絶え、テディは自殺もしないことを伝えてます。サムの「クソ男だ、忘れろ」が、テディを救ってますね。 法廷サスペンスとしても充分に面白いですが、この時代らしい、強い女の愛憎劇として、もう一段上を行く作品です。 邦題の『白と黒のナイフ』ですが、最後の戦いの場面の2人の姿を表しているように思えます。全身黒装束のジャックと、白いナイトガウンのテディ。弱い女が一方的に被害者になる時代から、男に対し反撃する時代に。男だけでなく、女もナイフになるんだよ。って、そんな意味に思えました。[地上波(吹替)] 8点(2025-02-02 11:11:48)《改行有》

17.  ロッキー4/炎の友情 《ネタバレ》 ロッキーシリーズは4が直撃の世代です。私が初めて買った壁掛けのカレンダーが、このロッキー4のやつでした。この時のスタローンの肉体には、ホント惚れ惚れします。あぁ懐かしい。本当に、カッコいい。 シリーズとしては、一番オカシナ方向に行ってしまった感があります。ロッキーはアメリカの成功者として、国を背負って戦います。…いや、ノンタイトルマッチなので、個人的な試合なんですが、国旗のトランクス履いて最後は星条旗を背負ってガッツポーズ。これって、トランプ大統領が目指す『偉大なアメリカ』そのものですよね。確かにカッコいいんですよ。 時代は東西冷戦下。ライバルはソ連の巨人イワン・ドラゴ。解りやすいほど米ソの代理戦争の図式です。オープニングの国旗を模したグローブが衝突して爆発するくらい。あ、このシーン、スローで観ると、ソ連のグローブだけ大破してました。負けず嫌いですね。 アメリカ人が一番燃えるシチュエーションが“復讐劇”です。シンプルにアポロの敵討ちです。これって、真珠湾攻撃を模してるんだと思いました。一方的に敵が攻めてきて、圧倒的火力で、旧式戦艦(アリゾナ=アポロ)を滅多打ちにして帰っていく。先に手を出したのは奴ら。リメンバー・パールハーバー!さぁ反撃だ!! そもそも、アポロが会見場で必要以上にドラゴを挑発したのも悪いのに、そんな事より復讐なんですよ。“先に手を出させて、徹底的に叩き潰す”この国は今も昔も変わらないですね。こういうのが、彼らにはカッコいいんですよ。 過去作と大きく違う点は、ビル・コンティの有名なスコアを使わないで、ノリの良いロックが全編流れてます。このサントラも当時、私の周りみんな持ってました。もちろんダビングしたカセットテープですが、当時の“みんなが持っていた3大洋画サントラ”と言えば『トップガン』『ロッキー4』『オーバーザトップ』…かなぁ? サバイバーの“Burning Heart”がメイン・タイトルだと思うけど、一曲丸々入ってる“No Easy Way Out”も捨てがたい。凄いんですよ、この曲の間、ロッキーはただ、夜の道をランボルギーニに乗って走ってるだけなんです。そりゃアポロの死を悲しんだり、ドラゴへの闘志を燃やしたりしてるんだろうけど、映像は、ランボルギーニと、運転するロッキーと、さっき観たばかりのアポロが負けるシーンと、1~3のダイジェスト。全部アポロ絡みなら解るけど、エイドリアンとのラブラブシーンとか必要性のない回想も入ってます。でもロッキーのイメージビデオとして、カッコいいですけど。 僅か91分の映画に、過去一番の長さのボクシング&トレーニングシーン。過去一番の長さのロックシーン。過去一番の長さの回想シーン。こう書くと、どれだけ内容が薄っぺらいか伝わると思います。更にペッパー君みたいな給仕ロボットまで出てきます。久しぶりに観たとき、このロボットの事すっかり忘れてて、吹き出してしまいました。ボクシングの映画なのに、あれ何だったんでしょうかね? ジェームズ・ブラウン(本人役)にゴルバチョフ(そっくりさん)も出てきて、更に賑やかです。 当時の私は、社会派の戦争映画『プラトーン』にショックを受けてました。そのため、社会派の対極にある、本作のような単純な娯楽映画に対し、何か悪い点ばかりを突いて観ていたような気がします。でも年を重ねると、こういうキラキラしたお祭りのような映画も、カッコいいよね。って思えるようになりました。[ビデオ(字幕)] 5点(2025-01-29 23:16:46)(良:3票) 《改行有》

18.  チャイナ・シンドローム 《ネタバレ》 “The China Syndrome”直訳だと『中国症候群』。「アメリカで炉心融解(メルトダウン)が起きたら、高熱の核燃料は原子炉容器を貫通(メルトスルー)して、地球の裏側の中国まで行くんじゃないか?」って、当時の研究者のブラック・ジョークなんだって。 公開直後にスリーマイル島原発事故(公開12日後!!)があり、映画と原発に、良くも悪くも世間の関心が高まるという相乗効果が生まれています。福島の炉心って、どこに行ったんだろう? 映画の架空の事件・事故が、現実世界の事件・事故とリンクする事があります。'70年代を全盛期に、パニック映画が大ブームで、ビル火災、大地震、航空機事故、豪華客船の沈没…そんな、自分は遭いたくないけど、どんななるか観たい欲求を満たす映画の一環として、多少なりとも本作も話題になったんじゃないかな?って思います。でも本作はパニックモノではなく、隠ぺい工作のサスペンス映画でした。 いい加減に作られた設備に計器。執拗に行われた調査から導き出された『〇〇だから今回の事故は問題ありませんでした』という、結論ありきの調査報告。原子力発電という、ちょっとしたミスで制御不能になる、危なっかしいエネルギーに頼る現状と、イザという時には現場の人が“一か八か”でどうするかを決める。そして事なきを得たら根拠のない安全性の主張。公開から30年以上たって、福島で原発事故の恐ろしさと、この映画と全然変わってない現場任せの対応、結論ありきの調査報告に、安全性の主張。当時とはパソコンと携帯電話があるだけで、やってる事がほとんど変わってないのが怖い。[DVD(字幕)] 7点(2025-01-27 12:18:09)《改行有》

19.  逃走迷路 《ネタバレ》 “Saboteur”『破壊活動員』。“Sabotageは”妨害工作や破壊活動を意味するんだけど、日本語ではサボる=怠けるって意味合いが強いから、別な邦題にしたのかと。あとヒッチコックの『サボタージュ』('36)って作品があるため、ややこしいから区別の意味もあるんでしょう。 '80年代の中盤に、確か金曜ロードショーとかで放送されたと思います。当時ヒッチコックの作品はよく流れていましたが、私が小中学生の頃、ゴールデンタイムに昔のモノクロ映画を流したのは、本作とローマの休日くらいしか記憶にありません。それだけ有名というか、ヒッチコックの中でも重要な作品なんだと思っていましたが…そんな訳でもないのかな?あの放送は、どのような意図があったんでしょうかね?番組スタッフの“推し”だったんでしょうか?ちなみに私のモノクロ映画デビュー作です。思い返せば、工場火災で友人が焼け死ぬシーンでさえ怖かった記憶があります。当時私は何歳だったんだろう?相当幼かったのかなぁ?でもテンポが良くて面白かったなぁ。 初視聴から20年以上経って、BSで観た時も、内容全然覚えてなかったけど楽しめました。手錠をしたままのバリーが盲目の紳士に助けられるシーンはハラハラしたし、全てを見通してバリーを助けることにしたこと、サーカスの見世物にされている人達が彼らを助けることを選んだのもホロリとさせられます。要所要所で出てくるパットの看板もシャレが効いています。 劇場での映画のセリフとシンクロした銃撃戦や、自由の女神の追跡シーンもインパクトが大きいですね。自由の女神、案外小さいような気もしますが、実物大のセットなんでしょうかね?頭の部分の展望室、あの広さだと現地に行っても混んでて登れなさそう。腕の先まで登れるとは驚き。 ヒッチコックの初期作品って、アイデアがたくさん詰まってて、それを1作品に惜しげもなく注ぎ込んでる感じがして、大好きです。[地上波(吹替)] 7点(2025-01-27 11:14:37)《改行有》

20.  ロッキー3 《ネタバレ》 ボクサーのヒューマンドラマから、ボクシングのアクション映画に生まれ変わったのが本作からで、シリーズ化されたロッキーのイメージは、この作品で完成されています。 この映画のために創られたサバイバーの『アイ オブ ザ タイガー』は、公開から40年以上経った今でも、ボクシングのイメージソングと言える歌です。オープニングのロッキーの試合ダイジェストと、ノリの良いロックの組み合わせは、当時人気急上昇のMTVにも通ずるものでした。 Ⅰ、Ⅱの不器用でクソ真面目なロッキーが、Ⅲでは饒舌でチャラいキャラクターになっています。Ⅱでも『大金持たせたら、後先考えずロクな事に使わない』姿は描かれていましたが、いつの間にか世渡り上手になっていて、どんどん稼いでどんどん使ってます。ミッキーのマネジメント能力ってとてつもないですね。 子供の頃、映画も観てないのに“ロッキー豪邸”って言葉は知っていたし、奥さんのエイドリアンがどんどん派手になっていくってのも知っていたくらいだから、ロッキーもスタローンも超有名人。アメリカンドリームの体現者。世界のスーパーヒーローでしたね。 このボクシング映画のヒーローが、当時大人気のプロレスラー、ハルク・ホーガンと戦うなんて、もう滅茶苦茶です。近年のバットマンVSスーパーマンとかアベンジャーズ並みの夢の対決を、この時代に実現していました。もちろん世界観がぶっ壊れないようにチャリティマッチって断り入れてますが、思いっきりブレーンバスターとか嚙ましてるし場外に投げ飛ばすし…。もしかしたら、'76年のアリVS猪木(他にも有名な異種格闘戦があったのかもしれない)のガチ試合を、もっとエンタメ寄りに再現してみたのかもしれませんね。 だけどⅠで引退しようかどうしようか、Ⅱで最後の試合だくらいな感じだった中年のベテラン・ボクサーだったのに、どこにこれだけのバイタリティーが??でもヒーロー物として楽しく観させてもらいました。 そして「飛行機だけは勘弁な(※特攻野郎Aチーム)」のコングことミスター・T。この人レスラーもやってたんですね。見た目的にも解りやすいラスボス感。見た目のインパクトが強すぎて、人物像の掘り下げがイマイチで、シリーズを通してのインパクトはあまり高くないように思えます。 でもⅠでは一切使わなかった、ボクサー目線のカメラ(ロッキーから見た自分を攻撃してくるクラバー)が多用されていて、臨場感が増しているのと、自分自身がこんな相手と戦ったら、怖いなぁって思えるようになってます。(※このカメラ位置はⅡで既に使われてます) 「虎の目を取り戻せ」本作品は、当初3部作の完結編の意味合いで創られたらしく、アポロとのライバル関係が、トレーニングを通して友情として昇華する過程は観応えがありました。リズム感の無いロッキーに“こんなのがどうしてチャンピオンになれたんだ?”なんて思いつつも、アポロとロッキーのステップがシンクロする様子や、一緒に砂浜を全力疾走する様子、星条旗のトランクスを貸すところは、観てて心地良かったです。ここのトレーニングのモンタージュでは『アイ オブ ザ タイガー』でなく『ロッキーのテーマ』。ココって時なのに『アイ・オブ~』は掛けないんですねぇ。まだビジネスとしての“あざとさ”が足りない時代とも言えるし、シリーズ物のロッキーらしさを残す演出とも言えます。 試合は…長期戦によるクラバーのスタミナ切れって、イマイチパッとしないんです。試合結果より、最後のアポロとの和やかなリベンジマッチと、綺麗なクロスカウンターがインパクト大です。[地上波(吹替)] 7点(2025-01-27 10:26:07)《改行有》

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