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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順12
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21.  かいじゅうたちのいるところ 《ネタバレ》 ファンタジーとして失敗している。試写会で子供向けではないとされ、撮り直しされたがそれでもダークな作品。原作からして理屈をこねるような作品ではないはず。「あの島に行ってみたい!」ただ、そう思わせれば成功なのだが、それが弱い。夢のある怪獣ワールドに仕上がっていない。あの島は少年の心の王国。現実では自由にならないけれど、王国でなら魔法で怪獣たちを支配して一緒に遊べることができる。現実での孤独と母に叱られた傷心を想像力と冒険心で癒すのが原作。そうすることで自立、成長してゆくのだ。ところが映画では、現実のつまらない世界、人間社会のこじれた関係を大きく反映した王国になっている。楽しいだけの世界のはずが、怪獣たちは暴力、嫉妬、不仲、コミュニケーション不足でみな心の傷を持ち、王国は崩壊寸前。王様への頼みが「悲しみを追い払えるか?」怪獣たちは童心を失ってしまっている。島は砂漠化が進み、チリになってゆくという世界観にはあきれる。少年は想像の世界でも心の傷を癒すことができない。想像の翼を自由にひろげられない。こんなバカな話はないだろう。少年には心の逃げ場が必要なのだ。唯一よかったのは、怪獣おどりで楽しく遊ぶシーンと、最後にキャロルと和解するところくらい。自分は王様だとウソをついた少年が、本当は普通の人間だと告白するのはいいが、それで状況が好転するわけではない。本来なら、そこで心と心がやっと通じあい大団円となるべきなのだ。美術もよくない。見たことのない不思議な世界が描かれていない。原作ではジャングルの木がにょきにょき生えてくる。現実の島でロケをしただけで夢や華やかさに欠ける。声も人間の声そのものでキモチワルイ。もっともっとキモカワイイ怪獣を魅力的に演出して欲しかった。原作にはないフクロウが出てくるが、何の意味もないところに失笑。映画の言いたいことは「他人の気持ちになって考えること。ありのままの自分を受け入れること」だろう。少年は少しは自分を受け入れ、母の気持ちを理解できるようになったようだ。だが王国はどうなる?放りっぱなしである。皆の心が一つになったわけではなく、一匹は腕がちぎられたままだ。観終わって、怪獣の心配しなければならないようでは、子供たちが楽しめるわけがない。少年も島に行って成長はしたものの、心に傷を負ってしまった。原作の意図がわかってないようだ。[映画館(字幕)] 5点(2010-02-24 14:21:05)(良:1票)

22.  エスター 《ネタバレ》 最初にケイト(母)の死産のシーンがあるのですが、そのあと悪夢とつながっていて、どこまでが本当が分かりませんでした。それから池でマックス(聴覚障害の少女)を溺れさせたことがあるとかなんとか…、アルコール依存症の原因とか、よくわかりませんでした。死産したのが悪夢を見るようになった原因を推測します。いずれによせ母は精神が不安定でカウンセリングも受けている。それで解決策が養子をもらうというのもよく分かりません。子供が二人もいるのに、死んだ子への愛情を養子に捧げたいなんて心理があるんでしょうか?精神が不安定な母親に子育ては難しいのですが。そしてエスター登場。最初から怪しさ全開。悪魔のような子ですが、オチはあれです。子供にしては頭が良かったり、絵がうまかったり、ピアノが弾けたり、古いものが好きだったり、残虐だったり、などの謎が全てが説明できます。その点では矛盾はありません。よくいちゃつく夫婦で、しまいには台所で○○してしまいます。意味がないなあと思っていたのですが、これは伏線でした。楳図かずおの「洗礼」のような展開になります。この部分はホラー映画の中でも新しいのではないでしょうか。ただ全体を通じて怖くないです。怖がらせ方が中途半端。少女をもっと悪魔的に描かないとだめでしょう。残虐性は抑えつつ、より狡猾な手口で周囲を恐怖のどん底に落しこんでもらいたかったです。祖母はいるのに物語にはからまなかった。[映画館(字幕)] 6点(2009-10-28 01:33:54)(良:2票)

23.  ファイト・クラブ 《ネタバレ》 ジョンの脳内影像から始まり、サブリミナルの勃起した男性器画像で終る。全てはジョンの想像の産物で、登場人物は全て彼の自己投影された人格であり、一種の自慰行為に過ぎないという解釈も成り立つ。そうすれば、タイラーとの殴り合いシーン、爆発物作成方法を知るタイラー、忠誠すぎる会員、知らないうちに全国展開するクラブ、警察まで浸透する会員、頭を撃っても生きている、などの矛盾点が説明できる。多重人格者の夢というのは案外こういうものかも知れない。ジョンはしがないサラリーマン。現実の自分と、理想の自分との間に大きなギャップを感じて、慢性的な睡眠不足。その解消に役立ったのが不幸な人たちの”泣くセラピー”クラブ。泣いて感情が発散できるのだ。彼の悩みは本能が去勢されていること。性欲、睡眠欲、闘争心などが開放できない。それの象徴が”睾丸無し”クラブ。現代社会の縮図でもある。本能をまぎらわすための”高級家具買い”も限界に来ていた。泣くことで、束の間の安らぎを得たが、そこへマーラ登場。彼女は彼を現実に引き戻す役割の人格。いつも”異物”のように侵入してくる。そしてタイラーの登場。理想的な自分の投影された人格。病的にまで分裂する自己の始まり。タイラーはジョンの快適な物質文明の象徴である”高級家具の部屋”を爆破。朽ちる寸前の家で共同生活を始める。この家はジョンのぼろぼろになった精神の象徴。マーラを無視しつつも、タイラーとファイトクラブを設立。闘争心は現代人には最も発揮しにくい本能。それが人気を呼び、多くの会員が集まる。だが本能を開放しすぎたためにタイラーが暴走。クラブは物質文明反対のテロ組織の様相を呈してくる。彼らの無謀な計画を阻止するために自分との闘いが始まる。殴るだけではダメで、終に拳銃で頭を撃ちぬく決意を。全ては幻覚だと悟り自分と向き合った瞬間だ。登場したマーラの存在意義を認め、和解できたことで、彼は現実の世界に戻ることができ、自己アイデンティティーを取り戻した。崩壊するビルは、彼の仮想現実、多重人格世界の崩壊。物質社会、消費社会の価値観に洗脳されている現代人が、不安や悩みを抱えながら、本来の自分を取り戻すのがいかに困難かを描いた意欲作。[DVD(字幕)] 8点(2009-10-24 13:50:18)(良:1票)

24.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 男は単純だ。人生に必要なのは、酒、たばこ、女、車。余命いくばくも無いと宣告された二人。やけになって煙草を吸うし、酒は飲む。あんなところにテキーラがあるのは実に不思議だ。「天国じゃ海の話題が流行っているらしい」「おれはまだ海を見たことがないんだ」「じゃあ、見に行こう」酔っ払った二人は高級ベンツを盗んで出かける。途中でお金が必要となって、ガススタンド強盗と銀行強盗。驚くほどうまくいく。また車のトランクから大金の入った鞄も出てきた。こうして道具立ては揃い、ギャングと警察の追求をうまく逃れて無事海にたどり着けるかの、痛快なロードムービーが始まる。ギャングがトジなのはいいが、警察が間抜けすぎるのは笑えない。やりすぎてはいけないのだ。海を見るのが目的だったが、お金が入ったので予定変更。もうひとつのやりたいことをする。一人はプレスリーの真似をして母にキャデラックをプレゼント。一人は女二人と寝る。ギャングに捕まり、絶体絶命のピンチ。だが大ボスが粋な計らいを見せる。「海を見に行きたいんだろ?行きな」最大のサプライズだった。大ボスの人生ドラマを少し描いておいて欲しかった。銃撃戦があっても弾は人には当たらない。車が崖から落ちても平気。大ボスは許してくれる。本当は二人はすでに死んでいて、天国にいるのだろうか?結局強盗で奪った金は戻し、損をしたのは大ボスだけ。残った金は見知らぬ誰かに送る始末。最後までギャグを忘れない二人。二人は海に辿りつくが、もう終りだと思うと寂しい気分になった。目的があるということが人生を価値あるものにしている。彼らにはもう目的がない。ささやかな目的を達して、彼らは死ぬ。ささやかな人生だけど、つかの間の夢をありがとう。[DVD(吹替)] 7点(2009-10-24 02:56:07)(良:2票)

25.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 娯楽映画ではない。心の中では触れ合いを求めているのに、お互いの不信感のせいで、衝突(クラッシュ)してしまう人々のお話。不信の原因は人種の違い、文化の違いが大きい。英語が話せないからコミュニケーションが取りづらい。不信を増長させるのが銃の存在。不信が恐怖にまで拡大する。黒人は英語を話すが、犯罪者が多いので信用されない。黒人も白人を嫌う。ハリウッド映画を観るかぎり、人種や文化の違いによる衝突は永遠に続きそうです。希望はサンドラの「あなたは親友よ」と言った場面。あれは理屈ではなく、抱き合ったときに自然に出てきた感情。肉体が触れ合えば情も移る。単純なことだけど重要。透明マントで娘は助かったが、そのことで店主はあの娘は自分のために降りてきた天使だと思う。何と信じやすい人だろうか。そのキレやすい性格とあいまって、将来が思いやられる。というか殺人未遂で逮捕だろう。正義感の強い白人が、根の善い黒人青年を射殺するのは悪趣味と思った。観客に衝撃を与えるための演出。二人は同じお守り持っていて、そのせいで悲劇が起こった。皮肉にもほどがある。死んだ黒人の兄が刑事で、その母は兄より弟を愛している。兄は不当に扱われる。親子の間にもクラッシュがある。兄は思慮深く、清濁併せ呑むことのできる「大人」である。が、セックス中に電話を取ったり、母に「今白人をやってる最中だ」などと空気読めない発言をする。弟の敵は討てそうもない。タイ人を開放し、お金を恵んでやった黒人は、いつ成長したのか。ちょっと説教されただけ。未消化です。ディロンの差別意識は根深く、やみそうにありません。全体的に皆さんキレすぎです。もっとリラックスしましょう。本質的なことを言えば、「他人を信用するとは、自分を信用すること」。心を磨き、自分を確立することが未来を切り拓きます。脚本に作為が目立ち、人間の本質を描いているとは思いませんでした。皆さん後半で性格が変りすぎです。またタイ人を知性のない非文明人のように描いていますが、あれこそ人種差別による偏見ではないでしょうか。脚本にもクラッシュを発見。[DVD(字幕)] 7点(2009-09-20 13:43:08)

26.  ターミネーター4 《ネタバレ》 よく出来たアクション娯楽作品です。モンスター型、飛行機型、バイク型、蛇型とさまざまのロボットが出てきて楽しめました。撮影では、ジョンの乗ったヘリが墜落するまでを1カットで見せるシーンが出色です。素晴らしい!ただ残念なことにT1やT2のときのように手に汗を握って観ないのです。一つにはジョンとカイルが生き残ることがわかっているからです。もう一つには、ロボットとの1対1の戦い方に既視感があるから。もう少し工夫してもらいたい。アンドロイド型のマーカスは脇役のはずですが、恋をし、組織を裏切り、臓器提供をし主人公を助けます。比重が大きくなりすぎている感があります。カイルの影が薄いです。突っ込みどころ満載なのも嬉しいです。スカイネットは人間を赤外線などのセンサーを使って発見すればいいですね。潜水艦などすぐに発見できるはずです。聾唖の少女の存在も微妙ですね。中途半端の感があります。ジョンの妻の妊娠も気になります。[映画館(字幕)] 7点(2009-06-30 23:35:33)

27.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 舞台は差別が残る60年代のアメリカ、共産主義国チェコからの移民という背景が強く影響している。セルマは無学・無教養で愚かしいほど不器用にしか生きられない。遺伝で失明する運命が影を落とす。「子供を抱きたい」という本能で子を産む(たぶん私生児)が、子も失明する運命。子に手術を受けさせたい一心で、好きなチェコを捨てアメリカへ移民。仕事と子育てに邁進する毎日。行動力はある。しかし現実は厳しく、工場勤めと内職に追われる日々。子の誕生日にプレゼントもしないほど禁欲なので、母子関係はぎくしゃく。子は愛情に飢え、学校をさぼるし、「どうしてくだらないことばかり聞くの」とうんざり。愛情の空回りで、つい子を殴ってしまう。周りに親切な人が多く、好意を寄せてくれる男性もいるが、子の手術という望みしか見えない。唯一の楽しみがミュージカルで、レッスンにも通う。しかし歌も踊りもヘタ。苦しい現実から逃れたいときはミュージカルを空想。空想でなら美しく歌い、踊れるのだ。失明が近いと悟った彼女はあせり、レッスンをやめ、深夜勤務までするが、失敗して失職。その日隣人と秘密を分かち合うが、これが悲劇の序章。結果的にお金を盗んだ隣人を「依頼殺人」。取り戻したお金で、病院へ行き、子の手術の段取りを決める。裁判では、自分が不利なのに真実を話さない。お金を取り上げられてしまうからだ。死刑判決で恐怖におののくが、再審請求の道が開ける。が、弁護士費用で手術費用が使われると知ると拒否。死を選ぶ。すでに盲目となり絶望していたが、ミュージカルを歌うことで勇気を得る。だが死は恐ろしく、処刑台で卒倒。そこへ子の手術が成功したのを知る。自分の命と引き換えた唯一の希望が叶えられた瞬間、歌が美しい声となってほとばしり始めた。空想のミュージカルが現実となったのだ。「ミュージカルの最後の歌は聞きたくない」の言葉通りに歌は途切れ、命も絶たれた。だが、途切れた歌は、オープニングの音楽となってループし、またミュージカルが始まる。魂は永遠に子を見守る。愚かな選択だが、無償の愛を貫いた!子もいつかわかってくれると信じて。セルマの空想するミュージカルは明るく、生の喜びそのもの。不幸な人間の心の中にこれほどの「希望」が存在することが、理屈なしに魂をゆさぶる。プロットのアラがなければ、金字塔にもなれた作品。ビヨークの鬼気迫る演技、歌に終始圧倒された。[DVD(字幕)] 9点(2009-04-10 01:10:26)

28.  ヒトラーの贋札 《ネタバレ》 ナチスのユダヤ人収容所における紙幣贋造の実話を元にした物語。ベルンハルト作戦として知られています。主人公サリーは金貸しのユダヤ人で贋札造りの名人、刑務所にいたが、ベルンハルト作戦の現場担当者として収容所へ贋札造りが成功すればドイツ軍の勝利に貢献することになってしまう。だが成功しなければ銃殺刑。どうするか?普通に考えれば可能な限りのサボタージュ。それもままならぬうちに、サリーの技量により、ポンド紙幣の贋札造りは成功。終戦までに1億3200万ポンド(当時の全流通量の約10%)も印刷することに。ヘリツォーク少佐にお褒めの言葉をいただくとみんな笑顔に。命をつないだわけです。収容所で特別待遇を得てますから、生きることに一層執着します。次にドル札造りを命じられますが、その製作途中ににトラブルが発生。家族が収容所で亡くなったのを知った男が自殺未遂。肺病患者発生。肺病と知れると殺されるので隠す。妻の死を知ったブルガーはやけになりサボタージュと妨害、反乱まで企てる。何ヶ月経ってもドル札ができないのでナチスはいろいろと圧力をかけてきます。厚遇を受けていたサリーの立場も微妙に。遂に何人かが射殺されることになったとき、サリーがドル札を完成させます。が、本格稼動の前に終戦。ヘリツォーク少佐が最も興味深い人物でした。彼は優秀なビジネスマンタイプ。元は共産主義者でしたが、警察で手柄をあげ、時流に乗ってナチスに入党。常に紳士的な態度で暴力をきらい、人の扱いも心得たもの。物事を深く考えず、「必要とされる場で任務を果たす」ことが信条。サリーたちにもそれを求めます。戦争という非常時では、自分もこのような生き方をするかもしれないと考えさせられました。サリーは制約が多い中で仲間をかばい、何とか助けようとします。意見対立するブルガーも最後まで守ります。しかし肺病患者は銃殺され、自殺未遂者は自殺。それらのことで無力さを感じたのと、家族も殺されていることから、自由になった戦後も虚脱状態に陥ります。どのような生き方をしても報われない、それが命を奪い合う戦争というものの恐ろしさでしょう。戦争という巨人な悪の前では、主義主張や正義なども意味を失います。サリーたちがもしアーリア人だったら喜んで贋札を造ったでしょう。冒頭シーンで、主人公が生き残ることが分かってしまいますので、必要ないと思いました。[DVD(字幕)] 7点(2009-04-08 15:01:21)(良:1票)

29.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 今までの007シリーズとは別のシリーズになっています。おしゃれなスパイ映画ではなく、アクションを中心としてハードボイルドです。ヴァイオレンス(残虐殺害シーンや拷問)は無いほうがいいと思いますが、”新生ボンド”の意味を込めてあえて挿入したのでしょう。(それならMの年老いた役者を変えるべきと強く思いましたが)カメラワークは、心憎いまでに、細かいところまで行き届いており飽きさせません。スパイ映画特有の裏切り、どんでん返し、恋愛も当然盛り込まれています。冒頭の超絶追跡シーンは映画史上に残るでしょうか。あそこまで高所に行った例を知りません。アイデアの勝利ですね。空港シーンもそこそこの出来です。しかしカジノの長いシーンはいただけません。勝負は一度でつけましょう。毒をもったり、ナイフで殺そうとしたりはご法度です。ここは頭で勝負するシーンです。敵の中ボス(ル・シッフル)が雇い主にボコボコにやられるシーンは不要です。あれで「あ、こいつは弱いんだな」とわかり、緊張感が失われます。そもそも中ボスがテロに失敗した損(株の損)をカジノで取り返すというのもよいアイデアとは思えませんね。もっと悪いことを企みましょうよ。またボンドの正体が最初からばれているという設定もマイナスです。正体がばれるかもしれないというサスペンス感が失われるからです。ヴェスパーですが、お化粧が濃すぎるような…。それはさておき、最後は「ボンドを助けるために命を犠牲にした」としたいようですが、そうはなっていないと思います。恋人がいましたし。でも自ら死を選らんだようにも見えましたね。ヴェスパーが裏切っていたのなら、ボンドを拷問する必要もないはずですが。銀行でお降ろしたお金の入ったカバンをもっていきますが、1億数千万ドルもの大金が1銀行で降ろせるわけがありませんし、カバン1つに入るわけもありません。また降ろす必要はなく、別口座に振り込めばいいですね。最後、ボンドがいきなりミスターホワイトを撃ちますが、相手が悪者であると確認しなくていいんでしょうか?いろいろ書きましたが、質の高い映画であることに間違いありません。新生ボンドにドライバティーで乾杯![DVD(吹替)] 8点(2009-04-04 15:20:35)(良:3票)

30.  サイレント・ワールド 《ネタバレ》 彗星が地球に衝突して、北半球が氷の世界になって3年経ったあとのお話。舞台はベルリンなのに英語ばかりでドイツ語が出てきません。(そんな些細なことはおいといて)ベルリンの司令塔でしか動かせないはずの衛星兵器が動き出す。ベルリンに生存者はいないはず。調査に向かった連邦軍の飛行機が衛星兵器によって爆破される。誰が、いったい何のために?つかみはOKですね。第二次調査隊が派遣されます。派遣されるのは少人数の軍隊と衛星兵器の開発者の博士の娘アンナ、家族をベルリンに残してきた元警備員パーカー大尉と犬。パーカーは個人で8度もベルリンに生存者の調査を行ったという。ん、まてよ、それだったら生存者たちも徒歩で脱出できるし、救出隊も派遣されるのでは?そのへんもおいといて先に進むと、敵の攻撃を受けながらも何とか地下鉄に逃げ込む。そこには、生存者はたくさんいるし、博士も健在。話を聞いているうちに攻撃され、博士は死亡。司令塔に行って見ると、博士の助手が3年間の氷づけ生活で頭がおかしくなり、連邦政府を破壊しようとしていた。なんとかやっつけたと思ったら、今度は女兵士が裏切って、石油値上げを要求するアラブの国を破壊せよと命令する。お金目当てだそうである。これもやっつけると、今度は衛星兵器の出力を下げて広い面積に照射すれば天候が激変するという。(最初からやれよ)なるほどすぐに激変して氷河期とはおさらば。パーカーは家族を探し出せたが手紙を残して死亡していた。ご愁傷さま。大災害ものなのに登場人物が少なく、CGがおどろくほどしょぼい。随所で「お金がない」という言い訳が聞こえてきそうな映画でした。あの女兵士が裸になってパーカーに迫ったところからいやな予感はしてたんだよね。氷柱に串刺しの雪上車のCGで萎えました。なぜ犬を連れて行くのか、女の子はなぜついてくるのか、なぜ生存者は無線で助けを呼ばなかったのか、そんなこといいだすときりがないです。クエスチョンに串刺しされそうになる映画でした。[DVD(字幕)] 3点(2009-04-04 10:48:22)

31.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 コンピューター暴走ものですね。 あらゆるものにアクセスできる巨大軍用コンピュータが大統領を狙う。 大統領が飛行機に載っているときに操縦を狂わせたり、自動車に乗っているときに 無人爆撃機で攻撃させたり、部屋に閉じ込めて高電流を流し火事をおこさせるとか、 いろいろあると思うが、何故あんなまどろっこしい方法を採用したのか? 小型爆弾を盗み、子供のトランペットに仕込み、子供の楽団の予定を変えてホワイトハウスに招待し、子供が高いファの音を鳴らすのを待つ。 ボイスロックを解除するための双子の設定は面白かった。 テンポがよく、そこそこ見せてくれます。[映画館(吹替)] 6点(2008-10-28 20:24:48)(良:1票) 《改行有》

32.  スピード・レーサー 《ネタバレ》 「マッハ、Go!Go!Go!」の実写版。 映画の予告を見た時点では全く興味がなかったが、「マッハ、Go!Go!Go!」が原作であることを知り鑑賞した。 ユーモアをたっぷり取り入れ、全編ポップな極彩色で彩られている。 サルを含め、レーサーX、家族など原作の登場人物を忠実に再現している。 音楽もだ。 ストーリーは練りこまれており、しっかりしている。 死んだ兄、レースをめぐる不正、家族愛などをからめ、 一度のレースでは勝負がつく単純なものではなく、何度もレースを繰り広げる。 時速800キロという驚異のレースは見もの。[映画館(字幕)] 7点(2008-07-16 18:53:40)《改行有》

33.  ナンバー23 《ネタバレ》 天地創造は紀元前4004年10月23日。シーザーは23ヶ所を刺されて殺され、ラテン語は23の文字数で構成、古代マヤ人は12月23日に終末を迎えると予言。ヒロシマの原爆投下が8時15分。8+15=23。 設定上全世界的な話になると思いきや、小さな小さな話になっている。この世は悪意ある23という数字に支配されているという奇妙な発想に取り付かれた主人公に記憶喪失を加えて味付けをした作品。 ダークさをだそうとしているが、とにかく怖くない。 自分は誰だを探る謎はそこそこ見せるが、 謎解きが終わったあとで考えると、医者とか妻の行動もいまいち釈然としない。 [映画館(字幕)] 3点(2008-05-09 07:45:11)《改行有》

34.  M:i:III 《ネタバレ》 いきなりイーサン最大の危機の場面から始まる。事態は目まぐるしく変化し、スピーディで切れのあるアクションに次ぐアクション、裏切りと真相の意外性、随所にちりばめられたスパイ味、最愛の人の生と死、息をつかせぬ展開で最後まで魅せる。 だが決して良質の映画とはいえない。退屈凌ぎにはなるが、感動や爽快感とは無縁だ。いわゆるご都合主義が多過ぎるせいだ。 最初の女部下救出場面。イーサン参加時点で、既に敵と人質の居場所が分っているのはもったいない。見つけ出す過程が楽しいのに。それに引退したイーサンをわざわざ召集する理由もない。自動機関銃や爆薬を使っての荒々しい救出劇や敵を無慈悲に殺すやり方には問題がある。敵ヘリの攻撃をかわすためにヘリが風力発電の風車群をくぐりぬけるのはよいが、敵ヘリもそれに追従するのは不自然だ。上空からミサイルを撃ちこめばいい。それみたことか、衝突してしまった。それとわざわざ頭蓋に時限爆弾を仕込む理由は無いだろう。 バチカンでの武器商人デイヴィアン確保作戦。本人そっくりに変装したり、声を再現したりするが、嘘っぽい技術だ。そんなことしなくてももっとスマートにやれると思う。それ以外の作戦は巧妙だっただけに残念だ。秘密兵器ラビットフットはデイヴィアンが高額で誰かに売るという話だったのに、イーサンが奪った書類にラビットフットの在処が書かれていて、妻を人質にとられたイーサンがそれを奪う展開になる。あれれ、デイヴィアンは本来どうやってラビットフットを入手する予定だったの?上海での場面。イーサンが人民軍の拠点ビルに振り子の原理で侵入してから、どうやってそれを盗み出したかは省略されている。これももったいない。ここでも簡単に人を殺す。妻命優先、他人命無視が甚だしい。ここから終盤にかけて盛り上がらない。デイヴィアンも真の裏切り者も弱すぎるのだ。瀕死のイーサン妻が銃で敵を仕留めるのは漫画的。そして頭蓋のイーサンの時限爆弾処理の顛末は誰でも予想がつく。 結局のところ観客を興奮させることにばかりに意を注ぎ、繊細さに欠ける脚本に問題がある。組織内に裏切り者がいるという設定は安意だし、後味が悪い。ラビットフットの正体が不明のままで終るのも脱力でしかない。真の娯楽映画は後味が良いものだ。良くも悪くもハリウッド映画の典型。[DVD(字幕)] 6点(2008-04-17 02:24:52)《改行有》

35.  バイオハザードIII 《ネタバレ》 で、アラスカはどうなったの? ということはつまり4も作るつもりってわけね。 目新しさがあまりないのが残念。 突然飛び出してくるゾンビ、感染犬、傷を隠す人間、レーザーナイフ。 感染カラスと変異博士はよかったかな。 植物にも感染して地球が砂漠化というのは大げさすぎるんじゃ。 ミラは超能力もっちゃうし。 ストーリーはあってなきがごとし。 ひたすらゾンビを殺しまくる。 誰が死んでも助かってもどうでもいいや。 どうせいきあたりばったしなんだから。 ミラに魅力があるので5点献上。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-16 04:18:51)《改行有》

36.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 手ぶれカメラの多用に厭きました。 めまぐるしく切り替わるカメラと緊張感をあおる音楽にも辟易。 何事もメリハリというものが大切です。 あの暗殺組織はいくら政府のものとしても都合よすぎです。 あんなにもすばやく情報が得られるわけがない。 マッド・ジミー大西・デイモンはふけて精悍さが失われてしまっている。 オフィスで書類を盗んだとき、わざわざ相手に電話して、自分のいる場所を教えることないよね。 どんでん返しもないしね。 もっと、すかっとする話にしてほしかった。 自分から志願したで終わりですか。 とほほな映画。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-16 01:48:09)(良:1票) 《改行有》

37.  モンゴル 《ネタバレ》 チンギス・ハーンことテムジンの青少年時代の物語。 テンポよい展開で、退屈はしません。 が、力がものをいう世界で、羊や馬や花嫁を盗んだり、仇を殺したりするのが当たり前という中世の価値観になかなかついてゆけなかった。 血が飛び散る残虐場面が多すぎます。 歴史的事実として受け入れることができるけど、感動はできませんね。 テムジンが捕虜になって見世物の檻にいるのを妻が助けるのは虚構でしょうね。 9歳のときから婚約した妻との愛情物語にもなっているのですが、妻のつり目に引いてしまいました。 もっとかわいい女優さんに演じてほしかったです。 最後の大決戦の場面が途中でフェイドアウトしてしまうのは解せない。 最大の見せ場なのに…。 また見るかといわれると、特に見たくはない作品ですね。 現代とつながるものがあまりないんですね。 所詮殺し合いで、最後に勝ったものが征服者になるという世界観です。 恩人である友人とも容赦ない殺し合いをするのですから。[映画館(字幕)] 6点(2008-04-07 23:48:49)《改行有》

38.  エイリアンVS. プレデター 《ネタバレ》 いっそのこと人間抜きにやってみたらどうか? プレデターの宇宙船にエイリアンが迷い込んで、死闘を繰り広げる…という展開。 それで緊張感のある映画が作れれば天才だとおもう。 冷静に考えれば、プレデターは狩る方で、エイリアンは狩られる方。 プレデターの方が圧倒的に有利。 まず宇宙船をもっているし、すぐに相手を探知できる装置があるし、透明術もあるし、強力な武器もある。 人間が銃でライオンを狩るよりはるかに簡単にエイリアンを倒せるはず。 すくなくともずっと透明でいればいいじゃないの。 そんなことより、プレデターはエイリアンの生命の神秘を研究して、自分たちの医学などに役立てる気はないのだろうか? 人間よりはるかに高度な文明をもっているけど、やることは野蛮人なみなんだね。 [DVD(字幕)] 4点(2008-01-21 03:21:58)《改行有》

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