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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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81.  16ブロック 映画のネタ的には、ナンボでも派手にできそうな、例えばナンボでもガントレってしまえそうな(笑)テーマですが、それを手堅く人間ドラマ風に仕上げたのがかえって新鮮、おーこりゃ現代版西部劇だなーとすら思えちゃう。どっかの田舎町でロケでもしてドハデなアクション映画にするのではなく、敢えて舞台はニューヨークの雑踏、人、人、人の海の中を彷徨う男たちの人間模様。各シーンに込められた力は、派手さはなくとも、ドナー作品きってのものではないでしょうか。[DVD(字幕)] 8点(2007-07-08 19:13:04)(良:1票)

82.  ウィスキー この映画に含まれる教訓と言いますと、「合コンでは大抵、幹事以外のヤツがモテる」という、我々もよく経験するアレですけれども(笑)。久しぶりに弟に会うにあたり、雇い人の女性に妻の振りをして欲しいと頼む男。こんなアブノーマルな、ある種オイシイ設定を、惜しげも無く極めてノーマルに淡々と描く、その味わい。エピソードの積み重ねと言うよりは、シチュエーションの積み重ねとでも言いますか、事件というほどの事件もない進行。それぞれのシーン、それぞれの状況で、それぞれの言動が交わされる中に、主人公たちの心境が何となく浮かび上がってくる。いくつかのシーンは、映画の中で何度か繰り返し登場したりするのだけど、それが、特に映画の前半と後半で、意味合いに差があったりする。特に印象に残る、主人公たちが一緒にエレベーターに乗り、互いに向き合わず、こちらの方を黙って見ているシーン。構図としてのインパクトも確かにあるけど、それより何より、この構図が映画の中で繰り返されること、そして前半で登場するこのシーンと、最後近くに現れるシーンで、二人の気持ち、二人の関係が明らかに異なっていることの面白さ。同じような映像でも緊迫感が全く異なっているのが、さらに印象的です。また、決して明るいオハナシでは無いのだけれども、それでいて、映画を通じ、背景に登場する調度のカラフルさが、映画にどこかユーモラスな雰囲気を与えてもいるように感じられます。[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-07-08 19:04:50)(良:1票)

83.  マイアミ・バイス いや~なかなかハードボイルドしてますねえ。派手さを抑えたシブイ作り。クライマックスの銃撃戦ですら、緊迫感はあるが、同時にどこか事務的でもある(笑)。映画全編にわたり、登場人物たちにもほとんど表情が無い(ワケのワカランところにロケで連れて来られて表情が引き攣ってるだけだったりして)。そんな中でも一番冷たい感じだったコン・リー、その彼女だけが、映画の進行と共に表情が徐々に豊かになり、感情が溢れてくる。それが、イイんだなあ。しかししかし。この映画で気になってしょうがないのが、手ぶれしまくりのカメラ。確かに、ある種の生々しさ、現場感覚みたいなものは伝えているかもしれないけど・・・でも、この映画に適した手法だったのか? この映画の淡々としたハードボイルドの雰囲気を、かえって損なっていないか? 固定カメラの冷たい視線が欲しくはないか? 正直、このカメラには、やや安っぽい感じすら受けてしまったのだけど・・・。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-07 12:37:54)

84.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 製作者の意図がどういうところにあるのかは知りませんけど、私の目に映った本作は、ミュージカル映画というよりは、アンチ・ミュージカル映画。ミュージカル映画ってのは、良い意味で「おバカな」映画なのであって、つまりそれは、我々がついつい日常に流されるのにクギを刺す、非日常的言語の典型であるはず。一般に「映画」は、いわば断片のモンタージュ的積み重ねでありながら、我々は、どうしても映画のもつ「物語性」の強さに支配されがちであり、断片が断片であることも忘れてしまう。“表現としての映画”という捉え方ではなく、表現される対象そのもの(物語)を、映画の中に無闇に求めちゃうんだね。その代表が何を隠そうワタシなのだからしょうがない、あははは。そこで登場するのが、例えば、ミュージカル。登場人物が“リアリティ”などそっちのけ、歌って踊って、日常の延長としての物語性を解体し、物語が醸し出す生活臭をぶっとばす。軟弱なワタシの目を多少なりとも覚ましてくれる。さて一方、この本作。いささか現実離れはしているものの(かなり無理矢理な“悲劇”)、感傷的という意味では日常性の強いこの物語、その流れを必ずしもミュージカル場面が食い止めきれていない。これなら確かに物語には浸れるけど、では何のためのミュージカルなのだろう? 物語部分はハンディカメラの揺れる映像、ミュージカル部分は固定カメラという、判り易い色分けの中で、主人公が最後に歌う場面では、固定カメラではなくハンディカメラ。成る程、ではこの場面は、主人公の空想ではなく、「実際に」歌ったのだろう、と思う。そして私には同時に、「ミュージカルが物語に打ち負かされ、物語性に染め上げられた」ことを象徴する場面にも見えてしまう。つまりは、アンチ・ミュージカル、なワケですな。まーそもそもこの映画自体が、ミュージカルに憧れるオバチャンが挫折する物語、なんだけどね。こういうのも、ひとつの映画のあり方かと、結構興味深く拝見はいたしましたが。しっかし、「失明する」という主人公の大事件ですら、その描写に映画らしいコダワリも見られず、物語を支えるひとつのパーツになっちゃってるのが、どうも物足りない気が。まーこれも、息子の目の手術に映画のポイントを置いたという点で、しょうがないのかも知れないけど・・・[CS・衛星(字幕)] 7点(2007-05-04 21:47:00)

85.  ディープ・ブルー(2003) 子供の頃からのユメ。潜水具つけて海底をテクテク歩いて、太平洋横断とかしたら、スゴイだろうなあ、と。こんなヘンテコな生き物や美味しそうな魚に囲まれて、ウヒョウヒョ。基本的にこういう映像を観るのは大好きなので、無条件に嬉しくなってしまう作品。スローモーションやら早回しやら、後付けの効果音やら大袈裟な音楽やら、いかにも「狙ってる」みたいな感じが多少ヤな感じ、「自然」を「不自然な」見せ方で喜んでる、という面は確かにありますが。しかしまあ、これは、「自然のあるがままの姿」、というよりは、それを人間が「観る」ことを前提にした、「驚異」とか「脅威」とかを表現した映画ですね。「コワイ」「キモチワルイ」「キレイダナア」「コレハビックリ」とかいう素直な感覚、そして、それを「観る立場」という体験。さらにはご丁寧にも説教くさいナレーション。うーむ、アレコレ書いてると、だんだんダメな映画のような気がしてきましたぞ(笑)。まあ、ひとつの貴重な非日常体験としての映画、ということで。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-04-15 19:11:02)

86.  過去のない男 記憶を無くす、名前を無くす、過去を無くす。それは、自身の存在証明を無くすこと。なーんて言ってたりすると、つい、安部公房の『壁-S・カルマ氏の犯罪』とか『燃えつきた地図』を思い出しちゃうんですけども。しかしこちらは映画作品。過去を失い帰属を失い、ただ「現在」のみを生きる主人公の姿が、映画ならではの語法で描かれております。それは、彼を取り巻く冷徹な「視線」。いささか戯画化された登場人物たちの立ち居振舞いにおいて、表情というものが徹底的に抑えられ、その中で強い印象と緊張をもたらすのが、主人公へと注がれる、他者たちの冷たい視線の数々。その視線は主人公を通じて我々にもブスブス突き刺さってきて、ナントモ居心地のわるーい映画体験になっております。しかし、結末はいかにも「ものがたり」らしく、ユメのあるまとめ方、実に心憎い。拍手!![CS・衛星(字幕)] 9点(2007-04-12 23:15:20)

87.  コーラス 公開時に、会社の後輩がガラにもなく「感動の作品っす!!」とか言って勧めてたんだけど、観てみりゃなんのことはない、ほとんど現実味の無い物語、コメディ一歩手前の映画。どうしようもなくガラの悪い生徒達を、合唱でラクラクと纏め上げ、一方、生徒達の方も不気味なほど歌が上手かったりする。音楽というものをナメとんか~。という気も(ホンの少し)しないではないけど、ま、面白いから、いいか。楽しい映画です、ハイ。映画の最初は画面が暗くて登場人物の表情が見えにくいのが、映画の進行とともに画面が明るくなり、表情が活き活きと伝わってくる(ような気がしたが、気のせいかもしれない。うひょひょ)。ラストも、あの、窓から子供たちの手が出ているのが、なんか素朴で、しかもちょっと意外性のある素朴さでもあって、いいなあ、と思った。[DVD(字幕)] 7点(2007-01-24 22:54:08)

88.  ボーン・スプレマシー 臨場感を重視した映画、と言えば聞こえはいいけど、「見せる」という映画の基本を放棄した、粗雑な印象を受けてしまいます。映像が極度に断片的だったり、無闇に揺れたり、確かに「慌しく何かをしている」ということだけは伝わりますが、肝心の「何をしているのか」「カメラは何を写しているのか」がサッパリ伝わらない。我々の職場でも忙しそうな素振りで「忙しい忙しい」とボヤいてばかりの人に限って、大して成果をあげていないのに似てるぞ(笑)。これはこれで一つの手法かもしれないけど、好きになれない・・・。いや、臨場感を感じさせてくれる映画自体は全然嫌いじゃないんだけど、その根本にはやはり「映画を観る者=傍観者」という大前提があって、あくまでそこから派生した臨場感であって欲しい。カメラを通して観る、という限界を、可能性に変えて欲しい。本作ほどまでに「見せる」ということを諦めて、臨場感を重要するんなら、映画じゃなくて、ユニヴァーサル・スタジオにアトラクション作ったらいいやんか、と思ってしまう。クライマックスのカーチェイスは確かに凄かった、凄かったけど、それをどうカメラで捉えるか。車内にカメラを積んで撮影すること自体は、技術的にはともかく発想的には何も難しいことはない。問題は、それでなお「カメラで何を捉えるか」「何を我々に見せるか」という表現的な問題、だと思うんですが。[DVD(字幕)] 6点(2007-01-08 11:28:09)(良:2票)

89.  ボーン・アイデンティティー 「逃げる」ということに特化した面白さ。物語の背景には確かにナゾやら陰謀やらが張り巡らされているんだけれども、この際どうでもよくて(実際、あんましピンとこない)、「逃げる」という行為の面白さ、ただそれだけが映画全編にみなぎっています。主人公の身体能力やら、ちょいとシャレたカーチェイスやら、見せ場には事欠かない。マット・デイモンは、顔さえ写らなければホントにかっこいいんだ、ははは。ラスト、主人公が単身敵に立ち向かうのは、ほとんどツケタシみたいな感じで無理がありますが、いやいや、こういうファンタジックな展開こそ、この映画に相応しいといえましょう。“論理”や“現実味”の整合性ではない、映画ならではの整合性。なかなか出色の作品でした。[DVD(字幕)] 8点(2007-01-08 11:11:43)(良:1票)

90.  カリガリ博士 若者とオッサンの会話で始まる冒頭、いきなり「ワシは亡霊のせいでヒドイ目にあったわい」とのたまうオッサン。そこに、これまたいきなり、亡霊のごとく生気のない女性がフラフラ~と現れる。げげっ、気味悪いな~、と思ってたら、若者いわく「彼女、オレの婚約者なのよ。彼女とオレは、アンタよりもヘンテコな体験したのさ」、だそうです。わはは。どんな会話やねん。しかし確かに、彼の語る物語としてのこの映画、奇妙キテレツなセットの中で容赦なく幻想的物語が繰り広げられ、目を白黒させてしまう異様さ。と同時に、この不思議なセット、「あ~カラー映像で観てみたいな~」という気がしてしょうがない。でもきっと、カラーで観たら幻滅するんだろうナ。この映画の不気味さというものは、おそらく、時代を経たモノクロのキチャナイ映像、これ自体が、実は大きな効果を発揮しちゃってるんでしょう。はるか昔に作られた映像、という隔絶感。それも、「単に“昔”を記録した映像」などではない。まさに、我々の決して手の届かない大昔、とっくの大昔に、こんなモノが作られてしまっている、という、その事実そのものの驚き。精緻に作りこまれた古代遺跡のような、いわば“オーパーツ”のごとき存在感、そしてそのような遺跡を現に目前にしながら、なおも感じる、遥かな距離感(そういや、遅ればせながら『神々の指紋』読んでるんですけど、記載されてるネタが古いですね、このテの本、高校の頃だいぶ読みましたよ・・・←って映画と関係なーい)。時代の重み。こういう類のオドロキと感激を与えてくれる映画は、もはや作ることはできないでしょう。タイム風呂敷を使っても無理でしょう。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-14 23:46:04)

91.  ファンタスティック・フォー [超能力ユニット] いや~、ファンタスティック4。日本語で言ったら“四天王”ですかね(←?)。中身スッカラカンの潔さ。宇宙嵐を浴びたら、バーバパパになっちゃったり、サナギマンになっちゃったりするこの不思議。いやまあ、サナギマンそっくり(←誰やねん)の岩石男が、イッチョマエに安っぽく悩んで見せたりするのが、さらに安っぽいトコなんだけども、前半のクライマックス、橋上のクラッシュシーン!意味も無く大量に車がクラッシュして、もうサイコー。事故の原因はどう考えても岩石男にあるのだけど、なぜかヒーローになってしまう不可解さ。いや、いいんですよ、これぞ現代のスペクタクル、ああ、かつてワクワクしながら見てた、C・リーブのスーパーマンシリーズを思い出しちゃいましたよ。ラストの金属男とのバトルもそう。破壊される車の質感が、いいんだなあ。デジタル時代、「こんな街中でこんな撮影、どうやったんだろう」という驚きも少なくなり、そもそも撮影自体が行われていなかったりするCG全盛時代。本作だってCGの恩恵にあずかった作品のひとつには違いないんだろうけど、それでもスペクタクルシーンの中には、何となく懐かしいアナログ感、懐かしい「驚き」がある。小学生の理科の実験みたいなアホなラストも、これまた懐かしいニオイがして、逆らいがたい説得力がある(←逆らう気も起きない)。出来がいいとか悪いとかじゃなく、時々出会いたくなるタイプの映画、ですね。[DVD(字幕)] 7点(2006-12-10 09:30:45)

92.  リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い 襲い掛かる津波の下を平然と走って逃げる人々の姿に、CG合成の威力を見た(←どういうシーンを撮るのか出演者に事前に徹底しといて欲しい)。内容的には、スペシャルゲストを多数集めたはいいが、これといった企画の無い、番組改編時の特番のような作品でした。[地上波(吹替)] 6点(2006-12-08 12:16:23)

93.  レ・ミゼラブル(1998) ええと、スミマセン、原作未読、ああも長いと、読むのに躊躇してしまいます。で、ついつい、こういう「適当な長さにまとめた映画」ってのに頼ってしまうのです。ホンマにスミマセン。「読むのが面倒だから映画を観よう」ってのは、我ながら情けない。しかし、この映画、そういう不純な動機を差し引いてもなお、観た甲斐がありました。実に雰囲気がよく出ており、まるで当時にタイムスリップしたかのような気分。さらに劇的ストーリーをこうサクサクと纏めてくれるのでは、目の離しようもなく、しっかりトリップさせてくれました。いや、ちょっとサクサクし過ぎな気もしますが、それでも、印象的なラストがしっかり映画を締めてくれます。ところで。葬列の場面で楽隊が演奏している曲、これは、ベルリオーズの「葬送と勝利の大交響曲」ですね。舞台となっている年代、1832年でしたっけ(?)、にこの曲が演奏されるハズはないのですが(作曲1840年)、「それでもこの曲がこの場面で選ばれている」、といこと。歴史考証という客観的必然からではなく、それを超えてでも、あくまでこのシーンにはこの曲が相応しい、と製作者が選択したことは、意識の片隅に置いておいてもよいかもしれません(とは言え、革命追悼のために作られた「関連曲」ではあるので、ちょっとベタな選曲、かもしれませんが)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-10 22:21:03)

94.  ライフ・オブ・デビッド・ゲイル 《ネタバレ》 (←ネタバレ無しのつもりですが、未見の方には何がヒントになるかわからないので、一応。) 社会派サスペンスと思わせて実は、いわゆる「新本格派」風ミステリの要素が濃い作品。そもそも、「監督=アラン・パーカー」ってのがすでにミスディレクションになってますね、ますますこりゃ社会派映画だろう、と思って観ちゃいますから。冤罪を訴える元大学教授の死刑囚と、真相を追い求めるレポーター、残された日数はあと4日。まあ確かにこの設定自体、現実社会では考えにくいけど、映画の題材としては、結構盛り上がる。一日一日が刻まれていくこの映画の構成、うむ、こりゃまるで『インデペンデンス・デイ』のように実に安っぽい、じゃなかった、実に盛り上がるぜ~。正直、最後の最後のオチは、すでにその前のシーンでほぼ示唆されているので、余分な説明かとも思いましたが、これも最近のミステリのお約束、しっかり納得して見終わってスッキリいたしましょう・・・。で、結局、この映画はどういう映画かと言うと、「社会問題を土台にしつつ、また人生の悲哀なども絡めつつ、謎解きの魅力と驚きに満ちたミステリ映画です。死刑問題への賛成・反対の立場を声高に主張したイデオロギー映画ではなく、あくまで娯楽性を貫いていますが、その中において、死刑問題の実態の一端を垣間見せてくれる映画でもあり、観終わった後で、これをきっかけに一度、死刑というこの難しい問題について、話し合ってみるのもよいのではないでしょうか」 ←うひょ~ 血迷ったか、>ワタシ[DVD(字幕)] 8点(2006-05-14 23:02:18)(良:1票)

95.  キングダム・オブ・ヘブン モーレツな合戦シーン、いやはやご苦労さまでした。でも、「この合戦シーンを盛り上げるには映画の長さはこのくらい必要だナ」「じゃあ脚本をもっと水増ししないとナ」「でもネタがないナ」みたいな感じがして。スペクタクルシーンを見せたいというのが目的なんだったらもうちょっとドラマをまとめてよ、とか、ドラマを見せたいんだったらこのハデな合戦シーン本当に必要だったの?とか、でもこのイビツさもまたそれなりにオモシロかったりするんだよなあ、とか色々無責任なことを考えてしまうわけですが。映画はもっともっと、「理不尽」でよいと思うぞ。冬木を見倣え(←誰だよ)。[DVD(字幕)] 7点(2006-05-02 22:34:56)

96.  コンスタンティン ラーメンの食べ過ぎ・・・ではなくて、タバコの吸い過ぎで余命幾ばくも無いキアヌの悪魔退治の映画、のようでいて、実は結局、現代版「ファウスト」(←ゲーテの)、といったところですなあ。ただしスケールは比較にならないほど極端に小さくて、ラストもほとんどタナボタみたいな終わり方、まるでスランプ時代の星新一みたいなオチですけども。あと、見るからにフツーのおっちゃんなのに、“この人は一応悪魔なんだよ”と押し切っちゃうあたり、エド・ウッド的センスも感じさせます。それから、いかにもアタマの悪そうな武器で悪魔と戦うのなんかは、フロムダスクティルドーンとかヴァンヘルシングとかいった気の利いたヘナチョコ映画を思い起こさせて、これもよろしいねえ。それでいてこのスピード感の無さ。このテのオバケ映画を、決して観る者を急かすことなく、ゆったりした気分観せてくれるというのも、久しぶりだなあ・・・という気持ちで見ればあながち楽しめなくもない映画でした。ただ、いくら害虫だって、一生懸命生きてるんだから、悪魔の手先みたいに描いちゃカワイソウだよ(と心にも無いことを言ってみる)。[DVD(字幕)] 6点(2006-01-05 21:39:01)

97.  WATARIDORI 空を駆け巡る鳥の姿をまざまざと目にし、我々は何を思うか。美しさに惚れ惚れしてもいいし、自由な姿に憧れを感じてもいいし、あるいは「美味しそう」、かもしれない(じゅるじゅる)。いずれにせよ、圧倒的なインパクトをもつ映像世界である。これを実現するには、とてつもない苦労があったであろうことが偲ばれる。例えば、海上を飛ぶ渡り鳥が、通りかかった船に舞い降りる。空中のカメラは船上へのカメラと切り替わり、これは間違いなく自然な渡り鳥の姿をそのまま捉えた映像ではなく、まさに編集のなせるワザ。しかしこのようなアプローチだからこそ、我々は鳥とともに空を飛び、鳥と共に船に「舞い降りる」、その感動。この映画は、確かに、ひとつの稀有な映像体験には間違いない。そしてこの「ドキュメンタリ風作品」は、渡り鳥のもつ「宿命」によって環を閉じ、そのとき、この生き物たちに敬意を感じずにはいられない・・・それにしても、鳥ってのはよく喧嘩するなあ、そういうトコだけは人間によく似ているね。(ついでにもう一言。傷ついた鳥がカニの群れに襲われるシーン、あのカニの種類は、実は“WATARIGANI”だった、というオチは、いかがでしょうか ←つまんね~)[CS・衛星(吹替)] 8点(2005-11-26 21:10:44)

98.  スターリングラード(2001) 燃える対岸の街に向かう船の中で、敵の攻撃に無力に晒される兵士たち。そのひとり、ジュード・ロウ扮する主人公の顔は、恐怖に引き攣るでもなく、ボーゼンと無表情、これがかえって戦争の恐怖を如実に伝えています。そして上陸し、武器も渡されずにフラフラと歩く彼のボーゼンとした顔から、砲撃音とともにカメラが振り向けば、そこは辺り一面が破壊と暴力に満ちた戦場、もはや逃げ場は無い。まさに壮絶なる一瞬です(戦闘シーンの迫力は『セブン・イヤーズ・イン・チベット』と大違いですな、ははは)。でまあ、そっから先のメインストーリーは、ヒーロー対決ものとしてサクサク楽しめてしまうわけで、「オネーチャンとイチャイチャしてるひまがあったら、もうちょっと映画で描くべきことがないのかよ~」とツッコミつつも、「ジュード・ロウがんばれ~、エド・ハリスもがんばれ~」と、ついつい力が入ってしまうのでありました。[ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-19 23:40:23)

99.  死滅の谷 気味の悪い男と知り合ったカップル。彼氏は忽然と姿を消し、彼女は彼氏を捜し求める・・・って、おお、まさか『恐怖のレストラン』の元ネタがフリッツ・ラングだったとはねえ! というのは勿論勘違いでした。ははは。気味の悪い男の正体は死神。ああやっぱりねえ。で、映画はここで突然、愛と死にまつわる3つの幻想譚よりなるオムニバスとなります。この3つのエピソード、オソロシク一般性に欠ける話ばかりなんですが、意外な構図の切り取りや、大胆な(大胆すぎる)特撮のオンパレード、かなりリキ入ってまして、圧巻です。第三話が特にハチャメチャなSFX超大作。ドサクサ紛れに一反木綿まで登場(?)、いろいろヘンな部分もあるのですが、「とりあえず」圧倒されます。しかーし。もし映画がこのまま終わっていたのであれば、オムニバス特有の散漫さが映画の印象を薄めていたところかも知れないんだけど、この3つのエピソードに続く「彼氏を救う最後のチャンス」のエピソード、コイツが曲者でして、日常から遠く離れた3つの世界を他人事のように楽しんでいた我々を、いきなり身近な世界へと引き戻し、現実における「死」を突きつける・・・あくまで幻想的に幕を下ろすラストではあるのですが、突然冷たい手が伸びてきて頬を撫でられたかのような、ゾクリとした感覚があります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-21 23:52:50)(良:1票)

100.  ボウリング・フォー・コロンバイン 多彩な映像をテンポよくまとめているのと、監督本人の行動力によって、エネルギッシュな作品になってますもんで、面白いのは確かだし、少なくとも、乱射事件の被害者の「今」の姿を見れば、いろいろ考えさせられもします。しかしもしも、銃所持肯定派の人で、この映画を観た「だけ」で否定派になった人がいたとしたら?・・・そんな人は多分、また何かのキッカケでやすやすと肯定派に戻っちゃうだろうね。そう思わせる踏み込みの甘さが、この作品には、ある。[地上波(吹替)] 7点(2005-09-16 23:56:08)

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