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1. ジャッカル
《ネタバレ》 見る影もなく堕ちたロシア、元IRAの主人公、そしてMP5にG3小銃・・・90年代のアメリカ映画らしい落ち着きのある良い映画だと思います。
あまり評価の芳しくない本作。確かに今の目から見るとストーリーはこれと言って特筆するところは見当たらず良く言えばオーソドックスな作りです。また近年の此の手の映画にありがちな複数人の視点から見せる描き方ではなくデクランたちかジャッカルからの視点の二者のみのため、一見すると作品の深みが無いようにも見えてしまい、特に最近の007シリーズやボーンシリーズのようなスピーディな展開に慣れた眼からするとかなり物足りなく映ります。しかしこれは見る側としては流れを飲み込み易く落ち着いて鑑賞できるという長所にもなり得るでしょう。
最大の難点は人物の描きこみの少なさでしょうか。ジャッカルが謎な存在なのはともかく、主人公のデクランの人物像が曖昧なのが作品に引き込まれる観客の少なさの原因だと思います。元恋人とのエピソードをもっと深く描き、ジャッカルとの対立構造をより鮮明にすればデクランがFBIに協力する動機もはっきりとし、違った映画になったと思います。
低評価の作品のようですが機関砲の射撃シーンをはじめ印象的なシーンが多い作品だと思います。私はラストシーンが特に印象的で、デクランは捜査官と別れ何処かへ歩き出します。小さくなって行くデクランの背中とコーヒー店で談笑する捜査官を見てこれはデクランとこの捜査官のバディムービーであったのだと気付かされました。羊たちの沈黙に似たこのラストはエンドロールにまで本編の余韻を残しつつ、主人公たちの行く末を考えさせる良い作りだと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-06-20 21:12:09)(良:1票) 《改行有》
2. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
普通にかっこいいですよね。リアリティの追求を主題においた本作ですが、確かに007として見たらある種の違和感は感じます。
007シリーズってゴジラシリーズと似てる気がします。長いシリーズ物であり、時代とともに作風が変わってくる。それにより世代ごとに慣れ親しんだボンド像も変わってくる。つまり多くの人間が違ったボンドを求めていくようになっているような気がします。
ゴジラシリーズは入場者数の減少、マンネリ化を問題とし、対策として70年代に出来上がってしまったパロディ性を払拭するため80年代にはいり「怖いゴジラの復活」をスローガンにリアル路線へと針路変更し、作風を一気変えました。多くのファンはそれまでの作品に対する冒涜として怒り、離れる人も少なくありませんでしたが、今日では平成ゴジラシリーズとして親しみを感じる世代も存在します。
本作のような針路変更もボンドらしくないという理由から反対意見も少なくありません。こういう作品は「ボーン」シリーズなんかに任せておけばいいと思う人も少なくないと思います。ゴジラシリーズのように過去作品のファンの方からすれば、過去のボンドを全否定されているのと同じだと思います。でも、自分はこの作品が好きですね。
オープニングからエンディングまでかっこいいと思えたボンド作品は初めてです。拷問シーンで痛みが伝わってきたボンド作品も初めてですがね。
要はボンドはかっこいいかどうか、それが自分の中のボンド像のようです。
長いこと007シリーズ見てますが、自分の求めるボンド像を提示してくれた作品は後にも先にもありませんでした。
[DVD(字幕)] 7点(2008-03-28 11:31:41)(良:1票) 《改行有》
3. ターミネーター3
最悪。T2をすべて否定してる。「恐れるな、運命は変えられる」ってコピーだって思いっきり嘘だった。 1点(2003-07-15 18:45:18)
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