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【製作国 : ドイツ 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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2. ヘヴン 《ネタバレ》 予備知識はほとんどなにもなく、ケイト・ブランシェット主演というだけでレンタルしたものだが、これは思わぬ拾い物だった。 約90分と短い映画で、ストーリーといえば、一組の男女が愛(復讐も広義の愛だよな)のために破滅へと突き進んでいく、というだけのものである。 彼らの行動だけを見れば、何人もの殺人を犯した挙句、自分も死に急いでるに等しいのだが、愚かにも邪悪にも無軌道にも見えないのはすごい。 ケイト・ブランシェットの名演はもちろんだが、ジョバンニ・リビジのイノセントで、それでいて暗いまなざしが実によい。リビジの父親役のレモ・ジローネが、出番は少ないにも関わらず、印象的な演技である。 舞台はイタリアで、主人公ふたりの会話は英語なのだが、それもまた、彼ら二人の世間から隔絶された立場を効果的に伝えている。 多用される鳥瞰や俯瞰。映像も緊張感があり美しい。逃亡の途中、丸刈りにしたケイト・ブランシェットは、まるで古代エジプトの王妃のように静かな美しさを湛えていた。リビジの弟役の少年の無垢な美少年ぶりがアクセントか。[DVD(字幕)] 8点(2007-07-27 17:19:05)(良:1票) 《改行有》 3. エレンディラ ガルシア・マルケスの世界の見事な映像化。 美術、音楽、演出、演技、どれも、あまりに自分にとってツボで、だれかに頭の中をのぞかれたかと思うくらい。 怪演というほかない、イレーネ・パパス、あくまでも可憐なクラウディア・オハナ(むかし、時計の CM かなんかに出ていたんだが、覚えている人は年がばれますな(笑))、どちらも別の意味で美しかった。[ビデオ(字幕)] 10点(2007-07-25 16:03:54)《改行有》 4. ベッカムに恋して 《ネタバレ》 劇場で公開当時、予告編を見たのだが、サッカーがテーマの、青春コメディとしか思えなかった。それでまったく興味を感じなかったのだが、後になって、どなたかの映画評でインド系イギリス人の少女の、マイノリティとしての悩みを描いたものだと知り、 DVD で見たのである。 悩み、といっても、映画自体はテンポ良く、からっとしていて、躍動的なサッカーの試合のシーン、色彩鮮やかなインド系の人々の風俗など、楽しく見ることができる。 だが、一方、同じ街に住みながら、白人とインド系移民とでは、ほとんど接点のないようす、民族的な伝統の名の下に、女性が抑圧されている状況、恋愛と自らの夢との葛藤、などなど、考えさせられる要素もあれこれと盛り込まれている。 しかし、キーラ・ナイトレイは、こういう身勝手で押しが強く、それでいて魅力的な役がよく似合うなぁ。彼女の母親の勘違いぶりもおかしかった。 特別な才能のある妹がその才能を武器に夢をかなえ、ふつーの女の子である姉が、結婚に夢を求める、という筋立ては、差別に対してなんの解決にもなってないけど、しょせんサワヤカな青春ものなので、このあたりが落としどころかな。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-25 15:45:45)《改行有》 5. モンスター(2003) シャーリーズ・セロンは、体重を増やして肌と歯並びを汚くすれば醜い中年女になるけど、そのへんのおばさんがダイエットして、肌の手入れをし、歯をきれいに直しても、美人女優にはならんわな、などとしょうもないことを考える。 無教養で粗暴で身勝手な主人公を見ていると「トラッシュ」と呼ばれる所以がよくわかる。しかし、同じ境遇なら、だれでもこうなるかもしれない、という可能性も同時に見えるように作られているので、正直、あまりのイタさにへこむ。とくに、事務職に就職しようと奔走するあたりなど、コメディすれすれである。 クリスティーナ・リッチも、セロンほどじゃないにしろ、役のためにかなり太めになっていて、ぱっとしない田舎のおねえちゃんを演じている。相手が同じ女性だから依存心の固まりみたいに見えるが、これが男女のカップルだったら、小娘のずるさや身勝手さも、あまり目立たないような気がする。 主人公が刑務所から恋人に電話するシーンで、女優の本来の美貌がかいま見えたように思えるのは、見ている側が愛というものに幻想を抱いているせいかも。[DVD(字幕)] 7点(2007-07-22 17:23:29)(良:1票) 《改行有》
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