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自己紹介 |
猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。 猫のヤツらは冷酷です。 |
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1. 100,000年後の安全
《ネタバレ》 なかなか良かった。2011年だが、震災前の映画。
この映画で問題提起をした人たちは詰めの甘さに臍をかんだのではないだろうか。最終処理場をテーマにし、いつか漏れる。ということにスポットを当てたのは当時画期的だったのかもしれないが現在においてそれはやや的外れであると感じられた。
文明がすっかり滅亡してしまった未来、次の世代の新文明がこの施設を掘り起こしてしまったら?などという事ばかりが論じられているが、今であれば断言できてしまう。こんな想定不足で検証不足なら非科学的すぎて心配してもしょうがない。
作中で以下の点が指摘されているが怪しい。
再処理を完全否定しているが、この施設が完成することよりも先に非ウランベースに乗る。こんな施設を実用化するよりよほど難易度も低い。この施設への口実と取るべきか。
ウランが底をつきる話も出ており、そのことを心配している体を演じていながら、人口増でそれに伴う廃棄物の増加を憂いている。核施設の恐ろしさばかりをあおっている。ONKALOという施設だが、見た限り岩盤を掘削してコンクリート詰めするだけの施設にしか見えない。こんなレベルの土木工事で最終処理場を作って10万年も保つわけがない。核関連の技術は今後急速にウラン脱却に向かうはずで、作っている間に廃止になるのではないだろうか。
不完全な物の告発ではなく、人間が管理している内は完璧だが未来人が開けたら心配であるというスタンスでまとめてしまったのがどうもいけない。
現在の人類は、稼働可能な非ウランベースの炉をすでに持っており、主燃料であるトリウムと同時に他の核物質の燃焼と消滅が可能で、長寿命の核種が出来にくい方式もある。方式による長短があるが、それぞれが実証されていることを素直にわかりやすく問題点も含め告発するべきだったのではと思う。
こういった心配がされた時代はだいぶ昔に過ぎ去っている。すでに既存で既知なのだ。次の世代の方式の心配を告発するべきだったのではないだろうかとも思う。
けど、限られた情報の中で良く作られていて面白かった。[DVD(吹替)] 7点(2012-04-21 03:50:12)《改行有》
2. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 思ったより面白くなかった。
悲しさとかやるせなさとかを感じさせる意図が、プロットのおかしさで不自然さを生んでいないだろうか?
主人公の失明と貧困は切り離せない設定だと思うが、そこに嘘つきを加える必要はあったのだろうかこの話で。このアクロバティックかつ豪快な飛び道具を使ったせいでいらいらする。
彼女の正義は彼女の中のルールを守ることだけ。息子の手術代を守る母という「立場」を守ることに一貫して執着する。しかし台詞で息子のためとしゃべらせているだけなので、受け手が本当にそう思うかとかは後回しだ。前評判補正なしで客観視すると、意図もそうすることによる意味も感じ取れない行為を本当の良心であるかのごとく、しつこく受け手に思考的強制をしてくる。
これが非常に煩わしく、イラッとくる。
泣かせようとするときのセオリーなのだろうが、ルーチンが強すぎる。見ている途中に現実世界の良心が頭にあると絶対に感情移入できないだろう。
間違った誠実さにへのかたくなさと努力、人を欺すことを息子のためと押しつける妙な信心的頑強さ、これらを一人ではなく数人に向ければきっと綺麗な話になったのだろう。だけど賞はおろか注目されることも無かっただろう。
このような脚本や演出上の工夫だけでなく、監督と主演に世界的に世界的な有名人を使ってくるあたり。周到に、何重にも安全装置が掛かった作りになっている。受賞納得である。[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2011-06-05 17:09:32)《改行有》
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