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1. 愛おしき隣人
《ネタバレ》 北欧のとある街。ついてない夫婦、愛された事のない男に女、金銭的破綻した精神科医、高価な陶器を割って電気椅子に送られる男などなど・・不幸せな人々を次々と見せるシニカルコメディ。
ハリウッドと比較して、欧州映画は叙情的な作品が多いです。これは、特に説明らしいものもあまりなく、どこかの人が身の上不幸を嘆き、また別の人が不幸を吐露する。ついてない人たちのついてないシチュエーションシーンをいくつもつなげた作品。
有名でもなく、キレイでもカッコよくもない役者がたくさん出てきて、萎れた人々を演じます。ロックスターと結婚した女の子のエピソードなんかは、街の皆が集まってきて祝福してくれる。中では一番良さげな感じですが、結局は妄想落ちですからw
どうやらセットが多いんですが、全体的に暗く汚い建物の中のシーンが多く、役者の多くが血の気のないような青白い顔をしていて、それが効果を発しているのか疑問。ブラス系の音楽シーンも同様。どのエピソードもこれという衝撃、カタルシスもないので、感情移入もなく、どんどん置いてきぼりになること間違いなしです^^;
[試写会(字幕)] 1点(2008-04-14 22:32:24)《改行有》
2. ダンサー・イン・ザ・ダーク
《ネタバレ》 映画自体は、ミュージカル仕立てじゃないと、とても救われない薄幸の親子の話。でも無理矢理にでも悲劇に引っ張ろうとする作りはどうも鼻につく。失明していく自分の遺伝子を持った息子を救おうとする気持ちは分かるが、無実に近い罪で絞首刑になってまでもとは・・。
重たい話だけに、ミュージカル部分も明るめの曲にならないから、いまいちミュージカルとしては見れないし、処刑場までの歩数をわざわざミュージカルにしたり、最後のアカペラも何か冷めてしまう。
でも、一番気に食わないのが、撮影においてハンディカメラを多用し過ぎる事。かの「ブレア・ウィッチ・・」もそうだったが、リアル感は出るが、画面揺れが始終なので酔っ払っちゃう><
監督のラース・フォントリアほか、ハリウッドに対抗すべく、「ドグマ・・」にて取り決めた中に、「手持ちカメラを使う・・」というものがあります。ドグマでなくても、ハリウッドみたいに多額な予算が取れない欧州映画は、手持ちが多いのですが、画面揺れなどのマイナス要素がどうしてもあります。そのかわりにアートな雰囲気の作品になります。「ダンサー・・」では列車のミュージカルシーンは100台の固定カメラを使ったということですが、ほかも含め、ミュージカルシーンは固定です。やはり撮影範囲が広くなるし、動きのあるダンスで手持ちはキツイでしょうし。通常の会話シーンなどはほとんど手持ち。ただ、この作品の場合、ちょっと動かし過ぎでしたね。
無理に二者択一しなくても、セルマもジーンの目もどちらも救う手だてはあったと思います。ただそれをしては映画としては非常に甘口になってしまう。カンヌをとるんだったら、当然死しても息子を救う筋の方がいい。そういう事だとは思いますけど、それにしても、カンヌっていうのはこういうのが好きなんですねぇ・・。
[DVD(字幕)] 4点(2008-03-15 13:45:41)《改行有》
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