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プロフィール |
コメント数 |
203 |
性別 |
女性 |
自己紹介 |
映画とケロロ軍曹をこよなく愛する埜波です。
長いブランクの後、コソーリと復活。 映画を見る気になれなかったところから、這い上がって参りました。 今後ともよろしくお願いします。
現在、ある「ウワサ」に、心躍らせている今日この頃・・・
あたしの点数はハートです。なもんで、 かなり世間の大勢とは違う点数つけてることが多い気もしますが、 まあこんなやつも必要かなと思ってます。 君は君、僕は僕、これ幸せなり。なんつって。 人の感想を自分が肩代わりできる訳ではないし、逆もまた然り。 どんなに酷評されようが、ある人が面白いと思ったら、それはその人にとっては傑作。 ・・・なもんで、あたしは自分の心のままにレビュー致しております。 |
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1. イン・アメリカ 三つの小さな願いごと
《ネタバレ》 幽霊って心の中にいるんだろうな、ってことを強く感じた映画。誰が幽霊かって?フランキー。いつまでもその死を受け入れられない夫婦は、相手の顔にフランキーを見たりしてたし。それがマテオとの出会いによって何かが変わっていき、赤ん坊の誕生で決別できた、その流れを見ていてこれってなんだか水子霊が成仏して行ったような感じじゃない?そんな感覚だった。茶化しているような言い方になっちゃったけど、真面目な気持ちでそういうことを考えていました。そのラストは、マテオがある「魔法」をかけてくれたおかげで、まるでオー・ヘンリーの短編を読み終わったあとのような気分だった。「父の祈りを」でジム・リェリダンを好きになった私としてはあの激しさに比べて随分おとなしいなと思っていたけれど、階段で父がもみ合うシーンの激しさを見ていると、やっぱりこの人は内に熱い感情を秘めているんだなって思う。ところで「スターゲイト」が大好きな私としては、当時は大根役者だったジャイモン・ハンスゥが表情の細やかな演技ができるようになっててビックリした。演技派として歩き出したのがちょっと嬉しかった。7点(2004-12-12 22:31:05)
2. キング・アーサー(2004)
子供のブラッカイマー少年が古い自宅の物置から「アーサー王」のオモチャ箱を引っ張り出して、思い切りひっくり返したような、良くも悪くもそんな感じです。私は「原作は 忘れてしまえ ホトトギス」っていうのがスタンスなんですが、はっきり言って知ってる人は見ないほうがいいと思います。円卓の騎士たちはガラ悪いゴロツキだし、アーサーがエクスカリバーを抜いた理由やシチュエーションも違うし、そして、ランスロット、ランスロットが・・・あああああ・・・マジかよ・・・・・それでいてメインキャラ(名前)は伝説どおりだし円卓もちゃんとあるんで(しかしでかいなあ円卓・・・)忘れようにも忘れられない。見終わってプログラム思わず買っちゃいました(800円)・・・面白かったから記念に取っときたいというより、ブラッカイマーの意図が知りたかったんですよ。こんなにオリジナルとかけ離れたアーサーの物語にしたのは意図的でした。新たなるアーサー王を構築したかった、確かに今までにないアーサー王「伝説」。って言うか、ローマの属国みたいな感じの妙なリアリティだけがある。伝説を解釈すればこういう「事実」が出てくるんだろうけど、伝説というのはそれこそ「ありえねぇ!!」って感じのファンタスティックな味付けがあるから魅力的だと思うんです。先の剣を抜いたエピソードにしても妙に人間的な動機付けがされ、「神聖で正統なる王」としてのアーサーはない。そういうの嫌いな人もいるでしょうが、神聖だからこそ神がかり的なきらびやかなエピソードに溢れていて、そういうのが面白い。やっぱり「アーサー王」って言われれば、多くの人は「伝説」を見たいと思う。でもスクリーン上にあるのは、妙にリアリティだけがある「歴史物語」だった。あんなに「ありえねぇ」アルマゲドンを作ったのに何で・・・製作国が米・アイルランドってなってるけど、本家イギリスが製作に加わらなかったのも肯ける・・・4点(2004-08-14 17:57:21)(良:1票)
3. 父の祈りを
《ネタバレ》 魂を揺さぶられる映画だった。ピート・ポスルスウェイト演じる父ジュゼッペに秘められた揺るぎない強さ。自分に利があろうと信念に反することはしない、その不器用ながら裏のない純粋な生真面目さこそが、威厳や父権の誇示とは一味違うジュゼッペの持つ強さであった。父と息子、分かり合えたと思ったときに訪れる永遠の別れ。ジュゼッペの霊を弔う炎が、ひとつまたひとつ、監獄の小さな窓から投げられる。怒り・悲しみ・憎しみ・侮蔑・・・北アイルランド闘争を巡る「大英帝国」の負の一面を描き、考えられる限りのマイナスの感情が激しくうねるこの映画の中で、その精霊流しに似た美しい場面に私は救いを見た。父の思いは荒波渦巻く海を照らす灯台のように、こんなにも多くの囚人たちの心を導いたのか。私の心象風景と一致したこの映像に涙を堪えることは不可能だった・・・そう言えばこの映画の原題は「In the name of the Father」これは「父なる神の名のもとに」という意味があるらしい。クリスチャンでない私が言うのも恐縮だが、磔になることで人々を罪から救おうとしたキリストのようでもある。ジュゼッペは命を落としても、愛する息子は今や自分の足で歩き出した。ラストの自由を勝ち得て正面から堂々と出て行くジェリーの顔のなんと誇らしいことか。巨悪は消えず許されざることはまだまだたくさんある。しかし最早過去とは違うジェリーの姿に不思議な安堵を覚えたのも確かだ。どんな事実があろうとも、もう決して逃げることはないと。弱く、落ちぶれていたとしても、人は生まれ変わることができるのだから。父親不在が言われる日本でこれほど多くの人がジュゼッペを絶賛するのも、世渡りが下手でも決して自分を曲げない、どことなく「不器用ですから」の高倉健を思わせる、少し懐かしい理想の父親像があるからではないか。どこの誰とは言わないが、近頃男の強さだの父権を誤った形で意識し、力を使うことこそ正義だと言わんばかりの人間がいるが、ただひたすらに家族を愛し神を信じ、信念を持って生きた男の「強さ」もまた、強い父親の姿であることをもう一度見直してもいいと思う。テロが題材となっている以上、今はこのような作品が作られないだろうと思うと残念でならない。序盤の住民と英国軍の衝突シーンの迫力は、アメリカ資本が入って作品の質を高めた稀有な例のひとつであるだけになおさらだ。映像も音楽も文句なし。これぞ名作。10点(2004-06-28 17:25:22)(良:2票)
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