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【製作国 : アルゼンチン 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 邪悪なるもの 《ネタバレ》 前作『テリファイド』からは思いのほか時が経ち、あの素晴らしい衝撃でさえもを少~し忘れかけて居た…みたいなのを、それこそ根こそぎ吹っ飛ばすかの様な(まずは)超・パワフルな作品でした。そして、そこでコレを先に言うべきかはまた少し迷われるトコロですが、一方で、描写やあるいは話の大筋の力強さに比して、世界観・設定や展開のディテールなんかにはあまり整合性がつくり込まれて居ない、という作品でもあるのですね。特に、作中における「悪魔憑き」なる存在は、既に広く一般に認知されている(=恐らく国家組織による対策も講じられている)にも関わらず、中盤では(その「悪魔憑き」が原因で惨事が起こりかけているのに)余りにも誰にも「話が通じない」という部分なんかでは、かなり不可解で最早不条理…という様な空気もが醸されておるのですよね。ただし、逆にそれ故に、余計にワケが分からなくて気持ちが好くない・ブキミ…みたいな感覚にも陥ってゆけるのだ、と思ったりもしますし、そーいった実際的なカオス(と言うべき映画空間)そのモノが、前述の力強さの一つの大いなる源泉であるとも確実に思われます。非常に自由で、なので(必然的に)まま斬新で、それで居て(適度に、と言うよりは少し強めに危うい逸脱を孕みつつも)完全なる破綻までには至っていない、という、コレも中々に高度で、ある意味繊細なホラーだとすら感じましたよね(場合によっては「紙一重」と言える様な作品だ、とも)。 またコレは、ある部分で、直近に(とゆーか昨日と今日で)鑑賞した『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』にも似通ったホラー的エッセンスを擁する、とも(再び確実に)感じられたのですよね。ソコで、個人的に、ならば評点には前後関係を是非とも付けたい、と思うと同時に、またソコで、仮にこの二作のホラー的クオリティに明確・明白な差異が無いのに(点数にだけ)差を付けるのは、それはそれでアンフェアかな、とも思われてしまって………んで、結論的には同じ点数にしてしまってるんすよね。ただし、白状してしまうなら、もし1点下げるとしたら(個人的には)コッチかな~とも思われてます。私自身は、全体としては暴走気味だったとしても⇔その半ば位までは(あるいはその「コア」な部分に於いては)どちらかと言えばまずまず整然さを保っている、という作品の方が間違い無く好みである様です(コレは、映画のジャンルとしては、別にホラーに限ったコトだとも思われないのが、また正直なトコロではありますケド)。[映画館(字幕)] 7点(2025-02-04 20:45:32)《改行有》 2. MONOS 猿と呼ばれし者たち 《ネタバレ》 既にソコら中で書かれてるコトではありますが、あの『アギーレ/神の怒り』をガキンチョ共でやったった!みたいな映画っすかね。観てるコッチすら気が狂いそうになるホドに恐ろしくジメッと暑苦しい情景…の一方で、どこか背筋は常に薄ら寒い様な極上なる不快指数の高さ…とゆーのがココには存在するのです。ただ確かに、ガキが主人公…だからこそ更に諸々と衝撃的!である一方で、でもゆーてガキ相手だから(実際には)描写のレベル自体はソコまででもないカモ…とちょっと「ヌルさ」に近いモノも感じ取れたりなんかして、個人的には少なくとも『アギーレ』より上ってコトは(たぶん)なかったかな、と思うのですよね。一点、映像は随所でけっこう綺麗&いろいろ工夫が効いてる感じも見て取れるので、人に依っては(『アギーレ』みたいに)かなり高度にハマるコトもあるカモ…と思ったりもするのですね⇒たぶん、人に依って評価がかなり割れる類の映画かな…というコトの方が、個人的にはより強めの印象として感じられて居るトコロです。[DVD(字幕)] 5点(2023-07-31 00:06:39) 3. マーダー・ミー・モンスター 《ネタバレ》 う~ん、ほぼ怖くないという意味ではホラーじゃないし(つーか積極的に怖がらせようという作品ではそもそもない)、最後まで観ても結局ナニがどーいうコトなのかはサッパリ分からんという意味ではサスペンス・ミステリーにもなり切れてないし、でも他のモノでも更々ないし…ただただ気持ち悪くて奇怪(エログロも地味にタップリ)というニッチなジャンルの作品ですね。強いて言うなら雰囲気映画、ないしはアヴァンギャルド系の類いと言った方が近いでしょうか。 ただ、珍しいアルゼンチン産で、かつ舞台もそのアルゼンチンの田舎(山間部)なので情景自体は物珍しく、また地味に非常に美しく&興味深くもあります。緩慢でどこか寒々しい雰囲気自体も別に悪くはなくて、映画館とかで集中して観れたのならもしかするとある程度ホラーとしても成立したのかも知れませんね(ワケの分からないモノってそれなりに怖いですから)。どっかでまた上映機会でもあるよーなら、その時にでもどーぞ。[DVD(字幕)] 4点(2021-08-05 23:01:56)《改行有》 4. ウィッチクラフト 黒魔術の追跡者 《ネタバレ》 主人公たるセクシー肝っ玉母ちゃんが熟達の黒魔術師、という意味では、スリラーよりは確実にホラーに近いと言えるだろう。しかし、今作の恐怖とゆーのはより実際的(むしろ社会的)と言うか、超自然の力はごく善なるものに用いられ、逆に悪たる恐怖の源泉は実在してもおかしくない様な犯罪組織、ひいてはそれが蔓延る暗澹たる社会そのもの、と言うべきか。とにかく、こんな簡単に人身売買組織が女の子をそっくり纏めて誘拐できちゃって、警察含む公的機関も完全に取り込まれてて全く味方になってくれない、というトンデモない状況で、そこには率直に中々に高度な不快感を得られた(でも、いわゆる発展途上国って割とガチでこんなのが当たり前なのかもね…将来日本もこーなったらヤダなと)。 ただ、特にショック描写の諸々は(逆にある種のリアリティと陰湿な心地悪さは在るものの)かなり地味&マイルドで、それは肝心の黒魔術シーンも総じてそうだし(ラストとかも、目玉一個で娘の命が救えちゃうのはこの手のにしてはなんか随分とお得感がある)、他にも例えば人身売買とはゆーても女の子の暴行凌辱シーンがそのものズバリでテンコ盛り、とかいうコトでもない(それはそれで別にいんじゃね、とも思われるが、やや肩透かしなのもまた事実)。要は低予算ぎみ、という風に思っとけば間違い無いかもと(画面の質自体は意外とそこまでチープでもないのだけど)。 結論、普通のオカルトホラーではなく、ちょっと珍しい「社会派」ホラーとして観てみてはいかがでしょーか。個人的には、その意味では観る価値は十分あるよーにも思えますですね。[インターネット(字幕)] 6点(2020-09-28 23:30:06)《改行有》 5. テリファイド 《ネタバレ》 ある家を舞台に次々と怪異が発生していくというシンプルなホラー。ストーリーに特に内容がある訳では無く、思い付いたショック描写を繋げていっているというのに近いが、そのショック描写はどれもかなり気色悪い&禍々しい出来映えで(中盤の子供の真っ黒腐乱死体なんかは夢に出そう)、驚かし系の巧さ・切れ味も有って正直に言って相当怖い。怖さのレベルの割には比較的安上りな仕掛けも多く、なのであんまり大々的にCGも使っておらず、アナログな質感の画面が多いことも恐怖を増している要因に思う。やっぱホラーは下手にCG使わない方が怖い。[インターネット(字幕)] 7点(2019-12-30 00:39:23)
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