|
1. オールド・ボーイ(2003)
《ネタバレ》 復習者のセリフへの意味の込め方がナカナカ良く練れています。
「『誰か』、ではなく『何故か』を考えろ」、「監禁した理由ではなく開放した理由を考えろ」等(←あまり正確ではないので注意)。
特に後者のセリフに込められたネタバラシは、あり得ないながらも「あっ!」と驚きながら本当の復習の意味を気づかせてくれるあたり、よく練れていると思う。
プロット全体を通して、韓流ならではの「あり得ねぇー感」があるが、監禁した年数にはそれなりの意味があり、オ・デスの口が招いた最悪の結末というのもまぁわからなくはないので、素直に「冴えないオヤジが、冴えないオヤジでありつつもコンナンに立ち向かう姿」や、ラス前にはいつくばって懇願するシーンに、手に汗握ることができた。
ただしオーラスのあのオチのつけ方はどうだろう?開放以来折角クールに決めていたんだから、ここは何もいわず去る方が、ハードボイルドではなかったか?なのでちょっと減点。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 14:21:39)《改行有》
2. 猟奇的な彼女
《ネタバレ》 「まぁ普通のラブコメであろう」と適度な期待のもと鑑賞したが、期待に反してなかなかそれ以外の要素があり、私的にはオススメ。
前半は「こんな女いねぇよ」と思いながら、まぁクスっとくらいは笑いながら、見ていたのであるが、キョヌが彼女と山へ登るシーンあたりから、心情的にじわじわと訴えかけてくるものがあるのだ。
巷では韓流なる言葉が飛び交う昨今である。うちの母親も、御多分に漏れず、ヨン様にはまっているのである。付き合いで1~2回見たが、「古きよき日本の昼メロ」といった感じで、オールドレディには懐かしく、ヤングレディには食傷気味の最近の国内ドラマにはない、却って新鮮な感覚が受け入れられていると、私はそう思うのである。で、多分総体的に、韓国ドラマとか映画とかっていうのは、日本の映画やドラマで、きっといつかどこかで見たような感じなんじゃないかと、タカをくくっていたのだ。
が、どうやらそれだけではない。なんというか、ヒトの気持ちの描き方が、ちょっと日本と違うのである。アメリカ的でもない。異質感という意味では、フランス映画を見たときの、「ちょっと変だけどナカナカ面白いのだ」という感覚に通じるものがある。
「彼女」の、「キョヌのことは好きなんだけど、「死んでしまったモトカレが忘れられないの、そうすればいいのこのキモチ、ウッフン」というようなキモチの表現が、少し我々の想像する映画的表現とは異なっていて、しかも暴力的な部分を存分に見せ付けた後のそういう心情表現なので、「おっ、なかなかカワイイとこもあるのだな、なるほどなるほど」というような相対効果もあって、なんだかカワイイのだ。
そういえば冒頭の、「おばさんが女の子紹介してくれる」的なキョヌのセリフの後ろで、ベッピンさんぽい女の子が歩いているシーンで「もしかして」と予測したラストシーンであるが、「彼女」のブットビ加減と、キョヌのふがいなさのおかげで、そんなことはぶっ飛んでしまっていたところであのラストシーンなので、「あ、忘れてた、
やられた」というふうに、感心してしまった部分もある。これもなかなか新鮮だった。
それにしてもチョン・ジヒョンさん、カワイイのか垢抜けてないのかよくわからない顔立ちである。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 14:06:31)(良:1票) 《改行有》
|