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【製作国 : 韓国 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
1. 権力に告ぐ 《ネタバレ》 まず思っていた以上に話がややこしい。 ある程度専門的な知識がないと、ストーリーのすべてを理解することができないと思います。 つまり、私もおおまかに、ふわふわした理解しかできていないうえでのレビューです。 スターファンドっていう投資会社が大韓銀行を買収するんですけど、それにどうやら違法性があるらしく・・・。 それを知っている銀行員の女性と、金融監督院の所員?が検察から出頭命令を受けるんですけど、殺されちゃいます・・。おそらく口封じ、じゃないかな、たぶん・・・。 で、殺人だってばれないような工作がされます。銀行員の女性は、検事からの取り調べでセクハラを受けたことを苦に自殺した、ってことにされちゃうんですね~。ちょっとそれで自殺ってのは、無理がある気がしますが。 で、その濡れ衣を着せられた検事が、今作の主人公。 汚名を返上するため、女性の死の真相を探るうちに、その裏にある巨大権力(投資会社スターファンドとその仲間たち)の存在に気づいていくっていうお話・・。のはず、私の理解が間違っていなければ・・!(うう、…自信ない) この映画、どうやら実話ベースらしいのです。 そのせいか、なんと真実は闇の中のまま、映画は幕を閉じます。 いやいや、それはないぜ~。ここまで頑張って見たのに~。 しかも後味がめっちゃ悪いです。 これまで最初はいがみあいながらも、最終的には強力な仲間になった2人の人物、検事部長とスターファンドの女弁護士。 この2人がめっちゃ良いキャラ出していたのに、なんと最後の最後で見事なまでの手のひら返し。 いちばん信頼していた2人が、主人公を裏切っちゃうのです。 その結果、黒幕連中も、暗殺の実行犯も、誰一人として捕まりません。 主人公も、検事をやめる羽目に。 ・・・・なんじゃそりゃ~。後味悪いというか、もう胸糞悪いんです。そして全然すっきりしない終わり方。 韓国の実話ベースの話って、どのジャンルも救いが無い結末が多いからほんとヤダ・・・。 [DVD(吹替)] 4点(2025-04-22 02:41:26)《改行有》 2. サスペクト 哀しき容疑者 《ネタバレ》 ボーン・アイデンティティーだ! 凄腕の元工作員VS暗殺者チームVSスーパー軍人VS警察のみなさまVS女記者。 惜しむらくは登場人物多すぎてごちゃごちゃしちゃったとこかな。 特にお偉いさんたちは、途中から誰が誰だかわからなくなります。 チ・ドンチョル(主人公)リ・グァンジョ(主人公の標的、妻の敵)ミン・セフン(スーパー軍人)キム・ソッコ室長(ラスボスでクズ)ガム噛んでる人(ミンの部下で名前忘れた)女記者(同じく名前忘れた)、この人たちさえ把握していればとりあえず他の細かいとこはいいかなって感じです。 アクションはアップが多く、早いカット割りでちょっと誤魔化されている印象。臨場感や迫力をお手軽に出しやすいのかもしれないけれど、安易な多用は反対。 最近のアクションはこーゆー編集が多くて、目が疲れるし、脳も疲れるし、そして状況がわかりづらい。 まあそれをふまえても、エリート工作員同士の戦いはしびれるものがありますが。 特にショッピングモールでの一騎打ちは見ものです。 それに対し、3人目の大学講師みたいな暗殺者。車クラッシュしてリタイアって。そんなつまんない退場のさせ方するんだったら、あんなもったいぶった登場シーンだっていらなかったでしょ。ただでさえ登場人物多いのに。 ストーリー複雑すぎ、スパイあっちゃこっちゃにいすぎ、よっておおまかにしか内容がわからず、そこも残念ポイント。 このわかりにくさは、自分の理解力の問題ではなく、制作サイドの問題だと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2024-05-27 00:54:41)《改行有》 3. 悪魔は誰だ 《ネタバレ》 ある程度映画を見慣れている人であれば、中盤くらいで2度目の誘拐の犯人は察しがつくでしょう。 ただ、話の筋が読めたとしても、最後まで全く飽きさせないのはさすがです。 タイトルから、もっとサイコパスなサスペンスを予想していましたが、韓国映画にしてはそれほどぶっとんだ内容ではありません。むしろ、堅実な作りのサスペンスと言えそうです。これよりどぎつい韓国映画は他にいくらでもあります。 そういった意味では、韓国映画のえぐさが苦手な人には、この作品はちょうど良いかもしれないです。 ラストはベストな落としどころだったと思います。 時効を迎えた誘拐犯に、別の誘拐の罪できっちり服役させる。 誘拐した孫は無事に帰す。 娘を殺された母親も捕まることなく、一応の復讐を果たす。 主人公が刑事を辞職したのは残念だし、殺された娘は帰ってこないなど、悲しい結末には違いないのですが、それ以上の最悪なラストにならなくて良かったかなと。 母親の犯人捜しと、2度目の誘拐。同時進行に見せかけて実は時間をずらしていたのは上手いやり方だと思います。[DVD(字幕)] 7点(2024-01-19 14:37:13)(良:1票) 《改行有》 4. 殺人漫画 《ネタバレ》 アイデア勝負とバカにできない、とても丁寧に作られたホラー。 最近ではアメリカの幽霊ものもスプラッタに頼らず頑張ってはいますが・・・。やはり日本や韓国のホラーのほうが、怖さでは一枚上手。そもそもアジア系ののっぺりとした顔や細い目って幽霊向きなんですよねー。 この映画では登場人物1人1人にエピソードがあり、背景があり、そのどれもがシンプルながらとてもよくできています。幽霊に殺されちゃう人たちにはすべて理由があったんですね~。恐怖演出だけでなく、ミステリー仕立てのストーリーに好奇心が刺激されます。 序盤、前半の編集長と葬儀屋のエピソードは人間の業を感じられる力作。ただの陽キャラ要員かと思いきや、ヨンス刑事にも人に話せない恐ろしい過去アリ。う~ん、『まさか』の演出が巧みですね~。 とまあここまでは良かったのですが、ラストが・・・。 まずヨンス刑事の死の真相。そりゃあ驚きましたが、それはないんじゃないですか。そこはストレートに女の子の霊の仕業で決着のほうが良かった気がします。しかもそんなつまらない死に方で怨霊になっちゃうし・・・。 そして一番納得できないのはカン・ジユン。どうやらソヒョンを殺しちゃったことで、ソヒョンの能力が身についちゃったようですが・・・。自身の出世欲という一番くだらない欲で人を殺したこいつが、最後まで生き残っているというのが、なんか違う気がします。[DVD(字幕)] 8点(2023-11-05 17:36:18)《改行有》 5. 監視者たち 《ネタバレ》 韓国のサスペンスなので、ごりごりのやつかと思ったのですが、割とポップでライトな仕上がり。エンターテイメント性の高い作品でした。とはいえ、あくまで韓国映画にしては・・・、なので、仲間が死んじゃう衝撃的で辛いシーンがあったりもします。 好きなキャラだったんですけどねぇ。いいところでやられちゃって・・・。最後まで活躍してほしかったなぁ。エースだと紹介されていたし。このエースを瞬殺する影。ここまでの流れがほぼ完ぺき。非常にサスペンスフル。最高に面白い。 オープニングの採用試験からすぐ物語に引き込まれます。そしてその採用試験のときに、子豚(主人公)と犯人がニアミスしていたのも面白い。主人公が終盤、それに気づくシーンはドキドキです。 犯罪のプロ集団。警察の監視専門チーム。プロ対プロ。そしてチーム戦。否が応にも盛り上がります。 ハヤブサとかリスとかモグラとか、コードネームで呼び合うのもかっこいい。チームを動物園に見立てて、『開園』の号令で作戦開始なのがすごく良い。 そもそも尾行なんて地味な作業にスポットをあてて、かつこれだけスリリングにかっこよく見せてくれる映画はなかなか無い。 ただ、なんだろう、見終わった後の物足りなさ感は・・・。 多分、この映画、どちらかと言えば連続ドラマ向きだと思うんですよねぇ。 ストーリーの密度と映画の尺を考えれば、1人1人にスポットをあてるわけにもいかず。基本は中心人物達をメインにストーリーを構成。そしてそれはおそらく正解なんですが、この魅力的な登場人物たちを、1人1人のドラマや特性をもう少し丁寧に見たかったなぁと思う次第です。[DVD(字幕)] 7点(2023-10-27 06:04:55)《改行有》 6. 新しき世界 《ネタバレ》 ひさしぶりに映画を見ていて時間を忘れましたね~。 韓国マフィアの後継者争い+潜入捜査もの。 一言で言うならそれだけなんですが、まあ見せ方が凄い。 潜入捜査官が、気づけばマフィアのトップにおどりでる。そんなバカな話があるかというストーリーを、二の句を継がせない説得力で描いてしまう。 それにしても、韓国映画のキャラは強いです。個性が強い。人間を描かせたら韓国映画の右に出るものはいないかもしれません。この映画こそまさにその代名詞と言えるでしょう。 こーゆー容赦なく血生臭い映画で、よもや最後にカタルシスにも似た感覚を味わうとは夢にも思いませんでした。てっきりバッドエンドで終わるものだとばかり。いや、ほとんどの人間にはバッドエンドが訪れるのですが・・・。 ジャソンをとりまく人間関係をとにかく丁寧に、詳細に描き、ラストまでにはそのすべてをかたっぱしから壊してしまう。ジャソンを知る警察関係者、ジャソンを慕う兄貴チョンチョン、そのライバルのジュング、最後に出てきた序列2位のじじいまで、メインキャラは一人残らずあの世逝き。ジャソンを知る人間はすべていなくなってしまうわけです。これほどタイトルと中身の合った映画があるでしょうか。 うん?いや、まてよ・・・監視役の嫁が生きているじゃないか。ドン引きされるかもしれませんが、監視役の妻までなんらかの形で退場してもらえたら、真の新世界の始まりだったのに・・・。 しかし囲碁の先生になりすました連絡係の女デカ。一番安全圏にいると思っていたのに、まさかあんなむごい殺され方をするとは・・・・。韓国映画、まじでスゲェぜ・・・。[DVD(字幕)] 10点(2023-07-06 23:30:51)《改行有》 7. ボーン・レガシー 《ネタバレ》 ジェイソン・ボーンの遺産ということか。ジェイソン・ボーンが前3部作で好き勝手やったから、ほかの工作員たちが証拠隠滅のために消されちゃうストーリーという認識でまちがってないですか?前3部作を断片的なシーンでしか覚えていないので、ボーンが何やらかしたのか全然覚えていないんですけど・・・。 今作のストーリーは組織の追手をかわしながら、薬、もしくは薬の代わりとなるワクチンを手に入れるというもの。だから逃げの一辺倒。アクションのレベルが高いので、逃げながら戦うスタンスでも、それはそれで面白い。面白い・・・んだけど、やはりそれだけだと物足りないですね。カタルシスに欠けます。 アーロンVS他の工作員、という夢の対決もなし。 さすがに面白味に欠けるので、美人研究員という華でも添えておくか、といった感じ。 それから、個人名がたくさん出てくるだけでも大変なのに、トレッドストーンとか、ブラックブライヤーとか、アウトカムとか・・・もうパニックです。私が前作見たとき、まだこの映画公開されていなかったので、見るのがこんなに遅くなってしまって・・・。もう覚えているわけない・・・。 え?なぜ復習しないのかって? え?いつから映画は復習しておかないといけなくなったの?娯楽なのに?[ブルーレイ(字幕)] 6点(2023-06-21 03:01:58)《改行有》 8. ホラー・ストーリーズ 《ネタバレ》 幽霊、殺人鬼、カニバリズム、ゾンビ。 一応、ホラーの王道を並べ、ジャンルに富んでいるように見えますが・・・・。 4作中3作に夢オチありってどうなんでしょ。 ノゾキアナから目をぶすっていう演出、4作中2作に出てくるってどうなんでしょ。(ま、一つは未遂ですが・・・) そもそも、殺人鬼が女子高生をさらって怖い話を強要するわけですが、この殺人鬼がどーにもカニバリズムっぽい。そう、第3話『秘密のレシピ』とかぶっちゃるのです。それってどうなんでしょ。 つまり、演出やネタがかぶりまくっていてい、似たり寄ったり。特に夢オチの多用はうっとうしいのでやめてほしかったです。ただでさえ安っぽいオムニバスものが、更に安っぽくなっちゃうし。 1つ1つの話は、飽きさせない程度に刺激的でグログロで、まあまあ面白かったと思います。 でもオチは雑。どの話もオチは全部いまいち。センスの無さを感じます。 それに第一話は説明不足じゃない?焼身自殺をした姉。その原因となった企業。その企業の役員?に復讐するため子供を狙ったみたいですが・・・。姉弟から一人っ子に変わったのなんで?あれどーゆー意味? そして第4話のゾンビもさ。そこから話がつながって、実は女子高生も感染していたら面白かったのに。で、殺人鬼が襲われちゃうの。でも実際は全然違う結末。もう普通も普通。いや、普通で良いんだけどサ。せっかくラストに『救急車』をもってきたんだったら、その話と現実をリンクさせたら良かったのになぁって思いました。[DVD(字幕)] 6点(2023-05-31 02:31:48)《改行有》 9. 共謀者 《ネタバレ》 後味の悪い映画を撮らせたら韓国の右に出るものはいないんじゃないだろうか。 ヒロインが2人いるんですが、2人とも死んじゃうってなかなかである。 『共謀者』っていうぐらいだから、誰と誰が共謀しているんだろうと注意深く見ていたのですが、主人公のヨンギュ以外はほぼ全員共謀者だったっていうね…。一番イカれていると思われたドクターが唯一の味方だったとは。まあ、この展開は読めないです。ですから評価は若干高め。でも後味悪すぎて満点はつけられないなぁ。 せめてチェヒの夫は良い人でいてほしかった。チェヒが悲惨すぎます。 唯一の救いは主人公が心まで悪魔に売り渡していなかったところ。だから最後はずっと主人公を応援していました。どーにかチェヒを助けてあげてと・・・。でも善人にはバッドエンドを、そして悪人はのさばらせておくのが韓国映画。やだねぇ、ほんとに。 ちなみにこの映画、脚本は穴だらけ。 夫が船内でリスクを冒して妻を探すのは変な話。 そして主人公ヨンギュの行動にもおかしな点が。チェヒを助けるつもりなら、自分がドクターとサウナに残って、子分の二人を見張りだのなんだの役目を与えて外に出さないと。 ずるいのが、見ている側はこのとき真相を知らないから、何も不自然に感じることなく見ちゃってるんですよねー。ずるいやり方だけど、うまいなぁ。 ゾンビ映画なんかより、よほど精神的にグロいんで、耐性が無い人は見ないほうが良いかもです。 それにしても韓国の女優さんは、こんなきれいな人でも体はってんなぁ・・・・[DVD(吹替)] 8点(2023-05-20 01:22:03)《改行有》 10. 殺人の告白 これはよくできたサスペンスですねー。アクションが邪魔になるくらい、サスペンスフルな脚本がよく出来ています。 結末まで見てしまうと、また最初から見直してみたくなります。時間がないのでしないけど。 例えば警察署でドゥソクがヒョングに耳打ちしたシーン。同僚が『ドゥソクはお前になんて?』と尋ねると『ジャージャー麺をぶつけろだとさ』と答えるヒョング。このときはヒョングが皮肉まじりのジョークをとばしていたのかと思ったのですが、本当にそう言っていたんでしょーねー。 それにしても恋人の末路が悲惨すぎて、素直にハッピーエンドと言えないのが辛いところ。恋人の母親がヒョングに厳しく接してしまったせいで、ヒョングはクリスマスのときに家に送らなかった。その結果、恋人がJに拉致監禁されたと考えると、やりきれないです。 それにしてもカーチェイスと最後の追いかけっこは要らなかったんじゃないかなぁ。特にカーチェイスは作風に合っていない気がするのですが。 最後の追いかけっこも蛇足感あり。せめてTⅤ局内で決着をつけるほうがドラマが際立ったように思えるんだけど。 まあ、そーゆー余計なところはありますが、警察、ドゥソク、J、遺族、四つ巴の争いがとにかくスリリング。その背景にある被害者の悲しいドラマも断片的ではありますがしっかり描かれ・・・。2度目の討論会での真相を明かすシーンではカタルシスさえ感じる…。久しぶりに見ごたえのあるドラマを見ました。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2023-04-20 00:57:18)(良:1票) 《改行有》 11. 火車 HELPLESS 《ネタバレ》 さすが韓国、えぐいわぁ、っと思ったら、原作は宮部みゆき。 とてもよくできたストーリーで、そしてしんどいお話です。 最近妻とサービスエリアに寄ったばかりだったので、冒頭のシーンがやたらリアルに感じられてしまいました。 主人公は3人かなぁ。婚約者とそのお相手の獣医と、獣医のいとこの元刑事。 全く予備知識なしで見始めたので、ただ婚約者が事件に巻き込まれていくだけのお話かと思っていたのです。 ちょっと予想の斜め上をいくミステリー。真相が暴かれていくのが面白くて仕方が無いです。 それにしても、婚約者の女性がしてきたことはもちろん許されないことではありますが…でも心の底から責められないなぁ。 この女性は人として当たり前の人権を手に入れるため、もうモンスターにならざるを得ない状況まで追い込まれていたわけですから… また、そう思わせてしまうストーリーと演出の説得力が凄い。 ただこの女優さん、演技は素晴らしいんですが、どうにもルックスがいまいちピンとこない。この人より一緒に働いているナースのほうが若くてかわいいのはどうしたものか‥‥韓国の女優さんきれいな人が多いんだから、他にいなかったのかなぁ。[DVD(字幕)] 8点(2022-12-14 03:59:29)《改行有》 12. 依頼人(2011) 《ネタバレ》 こちらで登録されていなかったので、マイナーな作品だと思いあまり期待はしていなかったのですが、当たりでした。 ネタバレレビューを書く人間が言うことではありませんが、これは予備知識なしで見るのが良いでしょう。 とゆーことで、少しでもこの映画に興味がある方はここから先は読まないでください。 まず、これと似たような映画はあります。 既視感を感じますが、既視感を感じたとしても面白い作品です。 そして既視感を感じたとしても、騙される人は騙されるでしょう。 どちらにせよ、韓国映画お得意の、『真相は闇の中』ってな感じでふわっと終わる作品でないことは確かです。白黒はっきりつけてくれます。 ちりばめられたエピソードも、脇に配置された人物も、無駄だと思えるものはほとんどありません。みんな良い仕事しています。 検察組織や警察組織の描きかたはうまかったですね。こーゆー公権力の嫌な部分を描くことで、まんまとミスリードされてしまうわけです。そう考えると、冒頭なんて抜群に上手い導入と言えそうです。 母親の存在、過去の事件を追っかける退職刑事、そのすべてがミスリードに一役買っちゃって。 ああ、まんまとやられましたよ。[DVD(吹替)] 8点(2022-05-31 01:04:15)《改行有》 13. トガニ 幼き瞳の告発 《ネタバレ》 実話に基づいているから仕方ないとはいえ、最初から最後まで救いが無い映画っていうのは本当に辛い。 犠牲を伴ったとはいえ、変態教師はそれに相応しい最期を遂げてくれる。でも校長は?行政室長は?寮の管理人?の暴力女は?汚職刑事は?誰も罰を受けることなく終わってしまう。溜まりにたまった怒りとフラストレーションは解放されないまま映画は終焉を迎えてしまう。『実話だから・・・』いや、そうなんだけれども・・・! ショックだったのが敏腕検事の造反。メインキャラではないのに、凄まじい切れ者っぷりで圧倒的に裁判を有利に進めていく。こんなに頼りがいのある検事が味方についてくれたのが唯一の救い。だったはずなのに、最後の最後でこの人が裏切ってしまう。決定的な証拠を握りつぶされてしまうのです。 こんなに周りが醜悪な人間ばかりで、弱者がひたすらいたぶられる映画ってのもなかなかない。これもすべて『実話だから・・・』の一言で片づけられてしまう。 唯一の救いはこの映画がきっかけで、現実社会のほうで『トガニ法』なるものが制定されたこと。時効が撤廃され元ネタとなった当時の事件が再捜査。結果、一度は極刑を免れた加害者に厳罰が与えられ刑務所にぶちこまれることに。 映画の力は偉大です。そしてこーゆー映画がきっかけでよりよい国になろうとする韓国を日本も見習うべきだと思います。[DVD(字幕)] 6点(2022-04-15 01:55:00)《改行有》 14. ブラインド(2011) 《ネタバレ》 めちゃめちゃ怖い幽霊ものかと思っていたら全然違いました。 韓国お得意のサイコパスサスペンス。いや、本当にサイコパスをやらせたら韓国の右に出るものはいませんね。 主演のキム・ハヌルはなんとなく堀北真希に似ていて親近感が湧く。 大泉洋を連想してしまうチョ刑事がユーモア担当で、ホラー色の強い今作の良い緩衝材に。 ス・ユンホが演じるギソプも登場時こそイメージが悪かったのですが、実は良いやつっていうギャップが良い。 そしてなんといっても盲導犬のスルギが最高にかわいい。ラブラドール好きなんですよねー。 スルギも含めキャストが凄い良い。 そしてストーリー。シナリオが作りこまれていて、でもそれでいて難解でなくわかりやすい。電車内での追いかけっこなんか本当に演出からストーリー運びから最高によくできています。 そして意外性。まさかスルギやチョ刑事が犠牲になってしまうなんて誰も想像できないでしょう。これは衝撃的でした。 こうなってくると主人公死亡のバッドエンドもありうる。なんといっても主人公は冒頭、自分の過失で幼馴染を死なせてしまっています。その報いを受ける可能性だってあります。だから最後まで緊迫感が途切れません。 まあ最後はなんだかんだで一応ハッピーエンドにおさまるわけですが、冒頭で死んじゃった彼のことを考えるとスアだけが幸せになるのはなんかちょっとだけひっかかるものがなきにしもあらず。まあ3年間苦しんできたわけだしね・・。 それにしてもチョ刑事に対する扱いがひどい。せめてみんなが驚いたり悲しんだりするシーンを入れてほしかったです。 [DVD(字幕)] 8点(2022-03-25 15:31:03)《改行有》 15. ビューティー・インサイド 《ネタバレ》 思っていたよりだいぶ変化球。 目が覚めるたびに姿が変わるというのだけは聞いていたのですが、見た目どころか性別も年齢も人種まで変わってますやん。あまりにファンタジーすぎて感情移入しづらい設定でした。せめて人種や年齢は変わらないほうが良かったのでは。性別までにしてくれたらもう少し感情移入しやすかったかもしれません。 ただ、何が出るかわからない、パルプンテみたいな設定は確かに面白いです。 イケメンが出るまで待って、それからデートに誘うとか、ちゃんとこの設定が活かされているのが良い。 イスがウジンを追っかけてチェコまで来たとき、ウジンが『どちら様ですか。』ととっさに誤魔化すくだりなんかは特に好き。 その一方で、さすがにこれだけの役者さんを使っちゃうと、どーしてもウジンに見えない人たちも出てきます。 個人的に決定的なのは上野樹里と子供で、ウジンともはや別人格に見えてしまってせっかくの設定が台無しです。 やっぱりこーゆー設定にする以上は、誰が演じてもウジンだと感じ取れるようにしないと失敗だと思います。 まあ最後はハッピーエンドでめでたしめでたしなので良しとしよう。 ところでウジンの寿命ってどーなるのでしょう。[ブルーレイ(吹替)] 6点(2021-11-30 19:53:14)《改行有》 16. ハッピーログイン 《ネタバレ》 三者三様の恋愛ドラマ。 売れっ子の俳優と気の強い脚本家。部屋を借りた男とその物件のオーナー兼CA。難聴の作曲家とその事実を知らない女性。 最初は安っぽいドラマを見ているようであまり面白さを感じず。しかも登場人物が多いうえに脚本家とCAが似ていて少々混乱。人間相関図を頭の中で整理するだけで一苦労。 ただ、中盤くらいからがぐっと面白くなります。 こーゆーオムニバス形式のものっていうのは一組くらいつまらないものがあるものですが、今作では三者三様、それぞれが良い味を出しています。 コメディ色が強いのは部屋を借りた飲食店経営の男と詐欺被害にあったCAの組み合わせ。何かと笑わせてくれる二人です。 難聴の作曲家とその彼女は一番若いカップル。衝突が少なく、最初からうまくいきます。ですが作曲家の若者は難聴である事実を言い出せないでいます。応援したくなる二人です。 俳優と脚本家の組み合わせはその中間といったところでしょうか。 それぞれの恋愛が直接からむことはありません。ですので、前半はともかく、中盤あたりからはすっきりして見やすくなります。 それぞれの恋愛が絡むことはありませんが、それぞれの生活の中でさりげなく他の人たちと接点がある構成に遊び心を感じます。 最後は全員にハッピーエンドが訪れる最高の結末。 エンドロールで映し出される三組のその後は見ている側も幸せな気分にさせてくれる最高のエンディングでした。[DVD(字幕)] 7点(2021-10-18 03:07:54)《改行有》 17. 今日の恋愛 《ネタバレ》 ラブコメっていうのは主人公にどれだけ共感できるかっていうのは結構大事だと思います。 さて、こちらの主人公。これがなかなか共感しづらい人物。ヒロインはヒロインで不倫まっしぐら。その不倫相手も妻子持ちでありながら不貞をはたらいているくせに上から目線で気に入らない。 そう、この映画の中心人物たちがどれもこれもいまいちなんです。ビジュアルは良いです。中身がね。 その一方脇を固める人たちは良い人ばかり。友人もそう。家族もそう。アンドリュー兵長もそう。主人公のジュンスを好きになる女性もそう。みんな態度がはっきりしているのが良いですね。優柔不断なのは中心人物ばかり。ヒョヌとジュンスはくっついたり離れたり。ダラダラダラダラ。 一度キスしていっしょに寝て、良い感じになったのに、その直後のジュンスのヒョヌに対する冷たい態度は???それにさんざんいろんな女性と恋愛しておいて、突然ヒョヌが好きでしたって独白されても『はあ・・・』という感じです。 ただ終盤になってくると流石にお互いの気持ちに素直になりはじめて、相手を思いやる気持ちもヒートアップし、ハッピーエンドへまっしぐら。最後はそれなりに良かったのではないでしょうか。[DVD(字幕)] 5点(2021-10-10 23:40:11)《改行有》 18. セシボン 《ネタバレ》 完全フィクションの作品かと思いきや、セシボンは実在する音楽鑑賞室でした。『ツインフォリオ』も実在した音楽デュオでした。そのメンバーも一部は実在していたみたいでした。いろいろ驚きです。 驚きと言えば、2人の天才シンガーではなく、後から出てくる一般人のオ・グンテがまさかの主役ってのも少々意外。で、こいつがヒロインとくっつくんかーい、というのがこの映画のミソなんでしょう。いや、完全わき役臭漂うこの人が中心人物でしたってのはちょっと斬新かもしれないです。 で、セシボンを結成するまで。そしてヒロインと徐々に親密になっていくまで。この辺りはサクセスストーリーのノリで面白かったのですが、そこから先が少々タルい。ちょっと音楽も恋愛もダラダラしてきたなーってところで、急展開。 いやー、もっと頭からっぽにして見られるタイプの映画と思っていたので、なかなか切ない気分にさせられましたね。ただただ爽やかで甘酸っぱい青春サクセスストーリー、ではないのです。後味苦めです。 韓国映画にはもしかすると多いのかもしれませんが、この映画も過去と現在で役者が入れ替わります。私はこれが苦手で途端に感情移入しづらくなってしまいます。どー見ても同一人物に見えないんです。 それでも真相が明らかになったとき、いつの間にか自分も泣いていました。若干もたつく感じはあるものの、意外と名作かもしれないです。[DVD(字幕)] 7点(2021-09-18 02:37:21)《改行有》 19. コインロッカーの女 《ネタバレ》 韓国映画特有のひりひりとした緊張感と『痛さ』と『怖さ』を感じられる映画。 闇金の女ボス、マ・ウヒを演じるキム・ヘスも、イリョンを演じるキム・ゴウンも圧巻の演技。 マ・ウヒもイリョンも裏社会に生きる無慈悲で非情な人間。でも冷たい視線や表情の無い佇まいのなかに、時折感じられる家族への情。それを自然に感じさせてくれるから凄い。 ストーリーは申し分なしと言いたいところですが、ちょっとサスペンス寄りにしすぎてしまったかも。青年との交流の中で、イリョンの心情の変化をもう少し時間をかけて丁寧に見せてくれていたら、その絶望はより際立ったものとなり、他の追随を許さない名作になっていたかもしれません。 そう、これは決して楽しい映画ではありません。韓国映画ではよく見かける破滅型のストーリー。イリョン以外の家族はみんな壮絶な死を遂げます。ですが見終わったあとにあまり尾を引かない不思議な映画。イリョンが第二の人生を始めたところで幕を下ろしたからかもしれません。 自分が捨てられていたコインロッカーを開けると、そこには養子縁組の書類が。それまでグレーだった母親の愛情が確信へと変わる最後のサプライズ。 [DVD(字幕)] 8点(2021-06-10 02:43:56)《改行有》 20. 二十歳 《ネタバレ》 これは青春群像劇になるのでしょうか。3人の主人公。それぞれの世界が均一に描かれます。 最初は高校生活での出会いを描いているため、3人一緒の描写が多い。その後3人はそれぞれの道へ。 ある者は大学へ進学し、堅実な生き方を望む。 ある者は漫画家という夢を追いかける。 ある者は金持ちの両親に甘えて自堕落な生活を送る。 どれも日本の若者にそのままあてはまりそうな現実感があり、それぞれのエピソードが興味関心を引きます。 ですがきれいに3等分されてしまったため、薄味、消化不良になってしまった部分はあります。きっと連続ドラマというスタイルでじっくり見せてくれるほうが、この手のストーリーには合っているのでしょう。 3人の掛け合いは面白く、前半は笑える部分も多い。 後半は若者特有の恋愛や未来への悩みに焦点があてられ、笑いの要素は鈍化する。 それならそれで良い。それぞれの悩みに真剣に向き合ってくれるのであれば、それなりに味わい深い作品になっていたでしょう。 ところがこの作品では、それすらも悪ふざけで茶化そうとします。その最たるものが食堂での大乱闘。もしかするとやり場のない若者の気持ちをここで爆発させたかったのかもしれませんが、それにしてもカタルシスのかけらもない。個人的には度を超えた悪ふざけにしか見えなくてちょっと辟易させられました。 とゆーわけで後半面白さが失速しちゃったように感じたのですが、ドンウのラストの笑顔を見るとなんだかオールOKな気もしてきました。 ちなみに女優さんたちはみんなかわいくて良い感じです。 ただ下ネタがきつめなので、家族で見るには向かない映画だと思います。[DVD(字幕)] 6点(2021-06-08 09:51:25)《改行有》
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