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コメント数 2526
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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21.  クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国 《ネタバレ》 なんだかんだ言いつつも映画館で見る『クレしん』は『温泉』から9回目。今回はムトウ監督以降の、グダグダになった感じがする『クレしん』映画の中では一番面白く見られました。良くも悪くも監督の作品として成立していた『カスカベボーイズ』までとは違って、それ以降は方向性を見失って年一本のノルマを消化するためだけに作られてるんじゃない?みたいな感じだったワケで、今回だってハッキリした方向がしっかりとは見えてないんですけど、ちゃんとしんちゃんを始めとする各キャラクターの笑いがあって、映画的なスケールがあって、感動があって。『クレしん』的面白さの及第点到達しました、みたいな。ここ数作は起承転結の転がすっぽり抜け落ちてすらいましたが、今回は一応クライマックスが存在してましたし。今回、特にセリフに冴えが感じられたのは、いつもは存在しない「脚本」があったからですかね? しかし、敵役の魅力のなさは相変わらず。エコロジーというシリアスな問題を抱えながら、それを推進するのが悪の側で、正義の側として描かれるのが酷い浪費と破壊に走る人間。その難しい問題を結局ちゃんと筋を通さず投げっぱなしにしちゃったのはダメでしょ。地球環境よりも日々の生活が重要という状態でオチちゃってます。だけど、久しぶりに役立たずで空回りしてるだけの野原一家からは脱却したので、まだ楽しめました。埼玉紅さそり隊のファンとしては今回ちょっとだけの登場でも嬉しかったですし(映画ではいつも殆どスルーされてますからねぇ)。例によって敵側の歌シーンはウザかったですが。あれって入れないとダメって決まりでもあるの?[映画館(邦画)] 6点(2009-04-25 22:13:22)

22.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶブリブリ3分ポッキリ大進撃 《ネタバレ》 これ、元ネタは『エヴァ』の使徒ですかねぇ。で、怪獣ものでヒーローものでヒロインもの、と。「ちっとも3分じゃないじゃん」とか、「ひまわりを一人で行かせる神経が判らない」とか、「毎回リセットされるのに、何故世間がたった3分のヒーロー、ヒロインをちやほやできる?」とか、「そもそも野原一家も世間も異常事態を素直に受け入れ過ぎてて、切迫感が全然ない」とか、ひっかかる部分は多々ありました。延々と同じ事を繰り返すだけでドラマがなく、映画としての流れが生まれないままに、「これがクライマックス?」って状態に突入してしまいますし。でも、『クレヨンしんちゃん』らしい娯楽作品を提供する、って点では結構真っ当だった気がします。お下品ネタを随所にはさみ、アクション仮面やカンタムロボ、ぶりぶりざえもんにちゃんと花を持たせ、矢継ぎ早にエピソードを重ねる事で子供が飽きない作りになってますし、大きいお友達向けのネタもきっちり仕込んでありますし。みさえの豊富な変身パターンなんか、アレ、思わずキちゃう人、結構いるんでないかなぁ? 私はやられました。はい。[DVD(邦画)] 6点(2007-03-09 00:47:38)

23.  クラッシャージョウ 《ネタバレ》 せっかくの映画化なのに、主人公達が利用され翻弄される、手の平で踊ってました、って物語っていうのは、スッキリしないですねぇ。あと、少人数のアニメーターで作られたために、絵は統一されているものの、動きのメリハリが映画全編一本調子で、単調な印象がしてしまいました。パロディとか漫画家デザインのゲストキャラもやり過ぎ(当時の流行りでしたけどね)。でも、B級なスペースオペラの雰囲気は楽しかったです。「俺達は運び屋だ、人殺しはしない」って言いながら、何人殺してんの?というツッコミをしたくなるクライマックスではありますが。メカニックデザインがいいわぁ。そうそう、音楽最高。[映画館(邦画)] 6点(2003-12-02 15:58:48)

24.  クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝 《ネタバレ》  満席に近い場内、沢山の子供たちにウケまくっていたのでこれで正解でしょうね。特にウケてたのは「・・・リスだな」ってところかな。で、ここから先は今の『クレヨンしんちゃん』を楽しんでる子供たちのためにはな~んの役にも立たない古びたオタクの戯言でしかないのでご了承を。  前年の『天カス学園』がマグレというか奇跡というか、今回は随分とまあ昔に戻ったモンね!って結構ネガティブな意味で感心しちゃったわ。個人的に迷走期だと思ってる頃の『クレしん』映画(ケツだけとかアミーゴとかプリンセスとか金矛とかオタケベとか花嫁とかスパイとか)を思わせてくれちゃう感覚が見事にスクリーンに甦って、今更この古臭い『クレしん』を見せられてる?って随分と醒めた、スクリーンから距離置いたような見方になっちゃったわ。  閉鎖的な村社会で抑圧された母子を解放に導くとか、利己的な欲望のために少しずつ削られてゆく地球資源の保護とか、そこに織り込まれたテーマやメッセージは判らないではないわ。でもそれを描く『クレしん』の要素は本当に毎度のアレって状態。素晴らしき野原一家が地球の危機を救うため、そしてゲストキャラを救うためにファンタジーな世界で頑張ります!って。アタシ、野原一家(や、かすかべ防衛隊)に地球の命運を任せちゃうパターンにウンザリしちゃうのよね。野原一家はアベンジャーズやプリキュアのようなモノだとは思ってないし。春我部(春日部)市の一戸建て住宅に住む普通の一家よね。  物語的にもスッキリできない部分が色々あって。ちよめの、母親の想いが優先されてて病院での取り違えを偽装するという大きな問題部分を軽く扱っている感がするし、動物化してしまった祖父や父はそのままでいいのかいな、っていう感じだし。  クライマックスで正義に目覚めてボスを裏切る事になるくノ一はそこまでドラマが全然描かれていないので唐突な存在だし(途中で命令に躊躇する表現はあったけれど)、ヘソの栓を戻す展開はごちゃごちゃと様々な要素が混乱しちゃってて盛り上がりきれなくて。  第一、具体的なタイムリミットが提示されるにも関わらず、それが物語に全く関わってこないのよね。そこから時限サスペンスを作れそうなのに、逆にリミットがある状況でみんなそれを気にする事なく一体何をモタモタやってるの?ってイラつくだけの状態になっちゃってて。あの幽閉されていた博士は単に状況説明のために存在しただけ?  毎度の野原一家の家族愛描写は本当に毎度の繰り返しだし。もう『寅さん』的な。  『ブリブリ王国』『わくわく温泉』『ヤキニクロード』『カスカベボーイズ』などを思わせるエピソードやビジュアル満載!なのだけれどそれが有難いこととも思わないしねぇ。アクションシーンでの枚数使った作画は良かったわ。ボスの歌唱シーンや昭和ネタが無かったのも良かったわ。  あと、しんのすけは安易に泣かせたらダメ。原作からの伝統的にダメ。  でもそれも今の時代にほんの短い期間『クレしん』に親しむ子供たちにとってはなんの問題もないわよね。大人のクセしてずーっと『クレしん』見続けてきてアレコレとケチ付けてるのは雑音みたいなモノ。オタクの言う事って基本信じる必要ないわ。[映画館(邦画)] 5点(2022-04-25 16:08:46)《改行有》

25.  クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 《ネタバレ》  なんか『ロストチルドレン』みたいなハナシ。クライマックスのビジュアルは『地球防衛軍』(ミステリアンやモゲラの映画なヤツじゃなくて「EDF!EDF!」なゲームの方)ね。あと、いつもに比べて何故か背景画がキレイ。  で、今回の『クレしん』はちょっと見てるのがシンドかったわ。  登場人物が多過ぎて(レギュラーメンバーの他にこの映画用のオリジナルキャラが大量)、それぞれにドラマを描こうとするものだから、もうあちこち話が飛んで、やたらゴチャゴチャして、混沌としちゃってるわ。  ラクガキによって生まれたキャラ、ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもん。ラクガキングダムのお姫さま(と、城に存在する善悪双方の大量の人々)。旅の途中で出会う少年ゆうま(そして一緒に旅をする動機となる母の存在)。本来ならばそれぞれ大きな役割を持ったゲストキャラポジションなカンジなのよね。それが1本の映画にひとまとめで登場してごちゃーっと描かれるものだから、どれもこれも中途半端なの。一体どこに、誰にキモチを持っていけばいいワケ?って感じで視界に入ってきたと思ったら消えて、を繰り返す状態。  そして、その映画の視点のブレはかすかべ防衛隊、みさえやひろし、ひまわり、そしてしんのすけにまで及ぶわ。それぞれが『1941』みたいにバラバラなベクトルで行動するので、シンプルな到達点に対してやたら混乱した遠回りを繰り広げる事になってシンプルな感動を阻害しまくるのね。  個人的にはもうニセななこ(とブリーフとぶりぶりざえもん)一本で勝負して良かったんじゃない?みたいな感じ。アレだけで勝負する自信がないゆえの保険たっぷり、みたいな印象すら受けてしまうわ。  それから気になったのは異様にザラついた感じの嫌な大人達の姿をこれでもかとしつこく見せること。ああいうのは確かに今の日本の国、リアルにネットにいっぱいいるわ。だけどそれをあえて『クレしん』の世界に登場させる必要があるのかしら? そこからの解放を『クレしん』の子供たちに背負わせるべきモノ?  もっともっと単純に、ラクガキに映した子供たちの創造力、それを描くだけで十分だったんじゃない?って思うのね。[映画館(邦画)] 5点(2020-09-14 20:47:41)(良:2票) 《改行有》

26.  クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん 《ネタバレ》  展開読めまくりの古臭いSF設定をどう『クレしん』に編み込んでゆくのか?というのがポイントだったのですが、かなりスベり気味なプロット、ギャグの数々で隙間の多い作品になっちゃったなぁ、って感じで。  冒頭からしばしは快調。ひろしがロボとーちゃんになってしまう、それを家族が受け入れてゆくっていう、極端な非日常が日常との調和を取ろうとする流れは面白く。  でも、具体的な陰謀の姿が見え始めると、ここから設定の説明です、みたいな描写になってしまって「あーまたこのパターンか」と。敵キャラも毎度のスベり系で長々と寒い見せ場を取ってしまってますし。  っていうか、五木ひろしの『契り』の真似をするコロッケのロボがラスボスです、って、そんな古くてサブいもん延々引っ張られたらヒくわ。  また、段々原ちゃんは『暗黒タマタマ』のよねさん的ポジションですが、よねさんはいらないコに見えつつ物語に推進力を与えてたのに対して、段々原ちゃんは本当にいらなかったんじゃ?みたいな存在で残念。  評価ポイントとしては真の父権とは?という問いをロボットからの視点で描いてみせた点。だけど、そこに女性専用車両とか映画館のレディスデーとかいった生々しいモノを出してしまうと、素直に楽しめなくなってしまいます。  みさえが事あるごとにペソペソ泣き出して感動方向に持ってゆこうとしているのが見え見えだったり、『がきデカ』とか「コマネチ!」とか古いネタがやたら多かったり、ああ、やっぱり『オトナ帝国』の呪縛がいまだにベットリと染みついてるんだなぁ、ってところにイラっときてしまったのが正直なところ。  幾つかのSF作品から引用された物語と、後期『クレしん』映画にありがちな寒い敵キャラ設定部分を除くと意外と残るものは少ない映画って気がしました。[映画館(邦画)] 5点(2014-04-24 21:06:00)《改行有》

27.  くちづけ(2013) 《ネタバレ》  『芸能人格付けチェック』で監督が「一流映画監督」として扱われた際、twitterが「堤幸彦が一流?」ってツッコミで埋まる状況に大ウケ。本当、この人の映画にお金と時間を使う事にはかなり抵抗が。  で、不安たっぷりな状態で臨んだら、いきなり題材的に共通する『フォレスト・ガンプ』のあからさまなパクリで「大丈夫か?この映画」って。  先に結論を言えば、よく泣ける映画で、だけど泣ける映画=いい映画なのか?っていうとそうではなく。  泣かせるのは役者です。特に貫地谷しほりの演技はもはや力技。  彼女以外にも、障害者を演じた面々や、橋本愛、田畑智子、みんな泣かせにかかってきます。竹中直人は相変わらずクサいですが。  こちらはまんまと泣かされ、でも演出と脚本は疑問だらけ。  堤演出はやっぱり雑です。移動し過ぎなカメラは、それが動く事によって生まれる意味を消失させていますし(あのシーンをデ・パルマの如くグルグル回す事は悪趣味にすら思えます)、毎度のハイテンション演技は障害者と健常者の描き分けを曖昧にします。それが意図的であったとしても、あまりに不自然としか思えません。  脚本はブツ切れ気味で、唐突に泣き出す、激高する、笑い出す、と繋がり無く感情がボタボタと単発でこぼれ出しているような感じで、それも意図的であったとしても・・・  でも、最大の問題は最終的に納得も共感もできなかった事。  原作の通りであるなら、それは映画独自の問題ではないですが。  最後にいっぽんの取った選択、あれは親の愛よりも最悪のエゴ、無責任な自己完結が勝っているんじゃないかと。  現実にあった事件を元にしたというあの選択を通して、社会のシステム、風潮に対し問題提起をしているのでしょう。でも最近話題になった乙武さんの件のように、不備や悪意といった負の要素のみを抽出したところで未来は開かれません。  一人で障害者の親の介護をしてきた私の経験から言うと、映画に出てくる南ちゃんのようにあからさまな悪意を示す人間はリアルには滅多に存在しません(ネット上には溢れかえっていても)。色々な問題があるとは言え、絶望しかない訳ではありません。人を信じる事によって支えられる生がある、そこを信じなかったいっぽんの身勝手さゆえ、泣けるけれども腹立たしい映画だった、というのが感想。  こういう映画にはもっと未来を指し示して欲しいです。[映画館(邦画)] 5点(2013-05-27 20:06:43)(良:2票) 《改行有》

28.  クロユリ団地 《ネタバレ》  見終わって思い浮かんだのは『巨人の星』。  前半は、というか後半に霊媒師が出てくるまでは意外に魅せてくれる映画で。  どこか不自然な家族、不自然な日常。それがある事件をきっかけに徐々に真実が見えてくる。失われた人、止まった時間、崩れてゆく日常、耐え難い孤独、そして、そこからなんとか時間を動かしてゆこうとする気持ち。  サイコホラー、サイコサスペンスの様相を呈しつつ、近作の『ももへの手紙』『ファミリー・ツリー』『虹色ほたる』『幸せへのキセキ』に連なるテーマを抱えた、そんな映画。  壊れそうな、繊細に揺らぐ役を前田敦子が好演しております。  で、そんなテーマやメッセージやドラマや切なさや哀しさが置かれたちゃぶ台を「てーい!」とばかりにひっくり返して台無しにする「Jホラー」と言う名の星一徹。  クライマックスで「全部もう無しだ。何故ならこれはJホラーだからな。恐怖がドーン!とやってきて終了するのがセオリーだからな。」って激しく暴力的で無神経な終わり方で何もかもすっ飛んでしまって。  結果的にホラー映画だけどホラーが激しくジャマっていう困った映画でした。これじゃ明子、いや敦子姉ちゃんが可哀想だ。[映画館(邦画)] 5点(2013-05-22 22:56:55)《改行有》

29.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 《ネタバレ》 明確な「悪」の存在は無く、選択を迫られるのは目先の小さな安定か、或いは人類の未来の平和か。大宇宙に永劫続いてゆく営みと個との関係性について、和による均衡と我による秩序の崩壊について観念的に描かれた作品。神の前で思想に対抗する実存の具体化を試みるシュールな映像の数々。そんなモンが『クレヨンしんちゃん』である必然性が、果たしてあるのやら無いのやら。作品としては、その意外なテーマの奥行きを楽しめ、更に惑星ひまわりのテーマパーク然とした美術世界を楽しめもしますが、とにかく大きな問題が『クレヨンしんちゃん』として楽しめるところに至るまでに、異様に時間がかかるという点。『クレしん』映画としては異例な111分という長尺な上に、最初の45分は物語がほとんど具体的に動かず、ひたすら設定と状況の説明に費やされ、しかも最大の問題はその間、しんのすけが全く動かないという事。動けないのでも存在しないのでもなく、ただ、能動的に動こうとしない、これは『クレヨンしんちゃん』としてのアイデンティティの否定にもなりかねないのではないかと。予め提示された約束の存在へと向かう物語のために、しんのすけが動き出すのをひたすら待つという状態は、やはり『クレヨンしんちゃん』としてはツラいものがあると思うのですよね。これがオリジナルキャラによるアニメであるならば楽しめたのかもしれませんが。後半になって面白い、楽しいと思えるのはやはり野原一家が野原一家らしく動いているシーンな訳で、ところが具体的な悪の存在が無いがゆえに、野原一家の大義が果たして作品世界に対して正しいと言えるのか否かすら曖昧になってしまうという。前半の動かないしんのすけを含め、まるで今という時代に『クレヨンしんちゃん』という作品の存在意義を懸命に模索しているような状態にも思え、それはあまりに内向きに過ぎるような気がしました。決して子供には楽しめない、子供には判らないとは言いませんが、映画20周年記念作品という節目に、なんだか重いモノを背負っちゃってる感じがしてシリーズを通しても異質な違和感がつきまとう映画でした。[映画館(邦画)] 5点(2012-04-15 14:26:31)(良:2票)

30.  クヒオ大佐 《ネタバレ》 結婚詐欺師を題材にした軽妙なコメディ映画を期待したら、これがまあ重い重い。淋しくて哀しくて弱い人々ばかりが出てくる映画で、それがもうそのまま直球で淋しくて哀しくて弱いです、って描かれ方をしているワケで見ていてツラくて仕方ねーです。みんな人間的に何らかの変化をしてゆくのかと思えば、ずっとそのままだし(事態の変化はありますけど)。松雪泰子はこの映画のカナメを最後の方でセリフにして喋っちゃうし。あのセリフにあった事、ただ目の前のあなたが好きだってところを核に、人間に惚れてっちゃう女達を面白哀しく描けていれば良かったと思うのですが、クヒオが掴みどころがなさ過ぎなキャラであったがゆえに、魅力の本質にまるで迫れなかった恨みが残ります。キャッチフレーズの「女達よ、なぜ騙される?」の答えに到達できてなかったじゃん、と。「なぜ」のまんまを映画化しただけみたいな。クヒオのキャラは創造できた、でも終盤の回想を持ってしても人間クヒオの創造には至らなかったように感じました。[映画館(邦画)] 5点(2009-10-15 20:34:31)

31.  グーグーだって猫である 《ネタバレ》 大島弓子の世界を描けるのは大島弓子以外にはいない、っていうのは誰にでも判る事ですが、それにしても作る側がそう最初から諦めてしまっているのがハッキリ目に見えてるのは違うんでないかなぁ。これは大島弓子作品を原作としながら、大島弓子ファンが作った副産物でしかなくて、それじゃあ観客と立ち位置同じじゃん!って。「大島弓子の映画」を見に来てる人に対して失礼じゃない? 確かにあのエッセイマンガをそのまま映画にするのは無理ですから、劇映画としての大幅なアレンジがあって当たり前ではあるのですが、良いのが微妙に残された原作のエッセンス部分だけで(新しいネコを飼う事に対する後ろめたさや、サバに対しては人の姿を与えてる部分)、オリジナル部分は全てが上手く機能してない感じです。映画は樹里っぺのモノローグと名ギタリスト転じて面白ガイジンなマーティ・フリードマンのカメラ目線な吉祥寺解説という2つの全く交わらない人称によって進行し、それがミステリアスな要素として機能する・・・かと思いきや、どちらにも属さないキョンキョンの視点が主軸となり、むしろ樹里っぺとマーティがどんどんジャマになってゆくという。森三中なんて、見る前にこの映画にどう必要なの?って思ってましたが、全く必要じゃありませんし。「武蔵野のステキな人々に囲まれた物語」にしたかったのでしょうが、ああいう背景と大島作品とが結びつくとは到底思えず。大島作品におけるキーとなる武蔵野文化の表現に失敗し、魅力に迫ろうとしながら結局ファン目線でしか描けず、楳図かずおと「まことちゃん」は明らかに空気を破壊し、ネコが動くたびに入るヘンなSEはひたすらにヘンなだけだし、途中でいきなりバカげた追っかけコントになるに至っては、なんか大島作品とか大島ファンとか観客とか色々とバカにしてない?って思ってしまう始末。クライマックスの唐突な感動的展開も、あれはファン心理なんでしょうけれど熱いモノ言ってるのと裏腹に「うっわぁ、冷めるわぁ」って感じですし。それでも、サバの死からグーグー購入に至る麻子のキモチ、夢でのサバとの再会から、グーグーの元へ帰るラストシーン、そこだけで猫飼いとして十分に心動いたので、価値が全くない映画という訳ではありませんでした。映画としてはかなり退屈ですが。決して大島弓子になれない者、到達できない者のジレンマみたいなものは感じられましたけどねぇ。[映画館(邦画)] 5点(2008-09-24 12:12:41)

32.  グラスホッパー 《ネタバレ》  ハチ公前のスクランブル交差点は109前のスクランブル交差点と信号機の灯火パターンが完全に一致しているので、現実にはあの車はハチ公前に到達する以前に109前で人を撥ねるか、信号待ちの車列に突っ込んでますな。  それはともかく、なんかもっとヒネリのある、展開や構成で楽しませてもらえる映画なのかと期待していたのですが、あちこちひっかかってしまうところだらけで。  主人公が能動的に動いているように見えて、実は操られているだけ、狂言回しで結局物語を動かしてゆく立場にはないっていうのは別にいいとして、その作品世界を構成する人々にまるで気持ちが乗ってゆかない状態。二人の殺し屋に妙に入れ込んでいる感じがしますが、二人とも魅力的な個性、人間性の持ち主とは言い難く、ただの悪人ですよねぇ。それは岩西も同様。  一方、槿もまた目的のためなら手段を選んでいない訳で、寺原Jrを轢いた車のドライバーが殺される事まで当然想定していたと考えると、ラストに至ってこの人に何らかの「感動的な何か」を抱けって言われても無理な訳で。  メッシュの女のいかにもウラがありそうな存在の仕方、寺原会長や比与子の単純な存在の仕方も「なんだかなぁ」って感じで(毎度の石橋蓮司のヤクザの親分のステレオタイプっぷりは、ギャグか何かなんでしょうか?)。  一体この物語の何処に楽しむべき要素があるのか教えて貰いたいもので。不快感で構成してみました、みたいな?  「お前が人がどんどん死んでゆく物語を楽しめないだけだ」って事なんですかねぇ?[映画館(邦画)] 4点(2016-04-18 21:15:22)《改行有》

33.  海月姫 《ネタバレ》  マンガが原作ならばこういう描き方でいいでしょ?っていうのがハッキリ見て取れてツラいです。  リアリズムを廃したギャグ映像が生身の人間によって演じられる事で上滑りし続け、それはドラマを織り成してゆく事を阻害して。最終的にはとっ散らかったエピソードの羅列で終わる映画。  まず、デフォルメされたオタクの生態を笑うばかりで、その才能をあまりプラスとして描いてない、みんなで協力して、なんてところも各人の個性を活かしておらず、単なるオタクからの脱却こそを是としているばかりな点で、それでいいのかな?と。  ファッションショーの成功をクライマックスに据えた事で、結局「キレイに着飾った渋谷系のお嬢さんこそが正義」になってるんですよね。メガネ取ったら美人っていうアレをここでも繰り返していてセンスがとても古いです。  で、オタク状態では地味で、ドレスアップするとキレイって落差を話で見せていても実際のビジュアルで見せきれてない、その差を劇的に感じさせる事がちっともできていないのがまたダサくて。能年ちゃんをキレイに見せてるつもりのビジュアルは、本当にそれでいいのか?というカット多数。どう見てもホラーっぽいライティングまであるし。  説得力なんてモノは皆無で(ファッションショーのせいで政治家のパーティに誰も集まらないという理屈が一体どうしたら成立するのか、論理的に説明して貰いたいもので)、ならばせめてエピソードやキャラクターで楽しませて貰いたいものなのですが、類型的で(相手を酩酊させてベッドの写真を撮るって、つい最近他のマンガ原作映画で見ましたが)空虚な世界が広がるばかり。せめてせめて『三国志』や鉄道や和物やじじいの魅力を少しでも見せようよ・・・  それでもクラゲの魅力だけは幾分醸し出されていた感じで、クラゲがモチーフになった部分はなんとか楽しめたような、そして、キャラの多さでなんとか退屈さだけは免れたような。女装男子の蔵之介に救われてたかな。どう見ても男でしたが。  クレジット見るまで気付かんかったわ!って池脇千鶴や篠原ともえはおろか、能年玲奈の個性までも殺し気味なコスプレ映画ではありました。[映画館(邦画)] 4点(2014-12-28 22:43:20)(良:1票) 《改行有》

34.  クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛の勇者 クレしん映画の黎明期、私は「なんでクレしんでファンタジーなのよ? そういうコトは『ドラえもん』でやっててくれよ・・・」と思いました。本郷監督再登板となった今回の作品は、モロに初期のクレしん映画の世界で、初期作品が好きな人にはお薦め、私には全然ダメ。クレしんで選ばれし者とか世界を救うとかね、本当にやめて欲しいと思うんですけど、もう、それは好みの問題としか言い様がない訳で。今回、たとえば作画はとっても丁寧で綺麗です。日常描写をひたすら積み重ねてゆく前半は、少々やり過ぎ?と思いつつも技巧的な演出で魅せます。でも、世界設定や物語は徹底的につまんない。ファンタジー=何やってもいい、みたいな感じになっていて、なんでもアリじゃ、逆に何もないのと同じだよねぇ、って。延々とフルCGで展開するドッグファイトは他人のゲームプレイを横で見ているような遠い遠い距離感ですし、途中で安易にしんのすけに気分の悪い選択をさせるのも、なんだかイライラさせられますし。それに半端に盛り込まれたメッセージが鼻白む感じで、そこを徹底的に描くか、さもなきゃ作品世界から一切抜くか、とにかく作家性みたいなのがジャマしてるような気がして、これもまたイラつきの種。単純に本郷監督の波長が全く私に合わない、それだけなのでしょうけれど。ここ数作の中では作品としての質はかなり高い方だったのであまり悪い点は付けたくないのですが、自分的にはこれが限界。この先、この路線に戻るようなら、もう映画館で見なくていいかな。[映画館(邦画)] 4点(2008-04-19 20:56:45)(良:1票)

35.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ歌うケツだけ爆弾! 《ネタバレ》 日曜お昼の映画館は子供達で溢れかえっておりました。ほぼ満員。こういう映画を見るには最高の環境でしょう。さて「雲国斎」以来のお下劣タイトルとなった今作ですが、どうもムトウ監督になってからのクレしんは、構成や設定に疑問符が付きまくって仕方ありません。今回で言うと、ひなげし歌劇団、一体なんのために出てきたのやら。レビューのシーンになると場内静まりかえります。ああいうノリは、果たしてどの世代、誰に向けて作られているのかがちっとも判りません。また、後半に入って物語がどんどん加速し激しく展開しそうなものなのですが、結局のところ各キャラクターが延々空回りを演じるばかりで、物語自体の進行はまたしても起承転結の転がすっぽり抜けているような状態。ひろしとみさえが結局何も物語を動かしていないのが勿体ないです。シロの危機を救うという大きな核をちっとも活かせてなかった感じ。「クレしん」を楽しみにしている人々がどんな事を望んでいるのか、それをちゃんと判ってないような(もちろん、私みたいなオタクをメインに考えろ!って訳じゃないです)。シンプルなおっかけっこシーンと下ネタには場内大ウケでしたから、答えはそういうところにあるんじゃないのかなぁ。[映画館(邦画)] 4点(2007-04-22 16:41:40)

36.  黒い家(1999) 多分、フツーの人が実は恐い、っていう映画だと思うんですけど、全然フツーの人じゃない(暴走演技全開の大竹しのぶと西村雅彦じゃあねぇ)ので、そりゃそうでしょうよ、と納得してしまったり。無名のおばさんが演じた方が恐くなったんじゃないかなぁ。森田監督の作りモノめいた感じが、かなりハズレ気味だと思いました。それでも、「模倣犯」よりは数段マシですが。[試写会(字幕)] 4点(2003-12-03 12:22:50)(笑:1票)

37.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!栄光のヤキニクロード 《ネタバレ》 家族でヤキニク!っていう動機だけで一本の映画を動かしてゆくには、ちょっと無理があったようで、話を貫く核が弱いので絵空事(そりゃアニメだから当然、かもしれないけど・・・)が刹那的に流れてゆく虚しさを感じました。結構子供の笑いを取っていたのはいいんですけどね。でも、だったら徹底してギャグを暴走させればいいのに、唐突に敵役のドラマを語り出されたりしちゃうと「ええ~?」って。それまでにドラマが全くないのに、いきなりシリアスになられたところで、感動なんてする訳もなく。それにしても、場内が静まりかえる事となる、クライマックス部分の異様なサムさは、どうなってるんでしょ? あそこで映画全体が取り返しのつかない状態になっちゃった気がするんですが。ロールプレイングゲームの最終ボスじゃないんだから、クライマックスに突如出てきてもねぇ・・・。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-03 11:20:46)

38.  クリフハンガー レニー・ハーリンの雑な映画作りがモロに出た映画だと思います。山の位置関係が、もう全然判らず。とりあえずてっぺんの方は吊り橋で繋がってて、で、絶壁と緩やかめな斜面、小屋、小さな湖、それに洞窟がどこにどういう風に・・・???何がどういう構造になってるのやら。要は見せ場さえ作れば、そんな細かいコトはどうでもいい、っていうんでしょうけど、その位置関係がちゃんとしてなきゃサスペンスは生まれないと思うんですけど。追う者と追われる者、それぞれがどこにいて、どれだけの距離があって、どういう道を辿ってどちらに形勢が傾いてゆくか、そういう部分に神経を使ってこそのサスペンスだと思うんですけどねぇ。この映画は見せ場がその場限りのお団子状態で繋がってるばかり。点ではなく線で繋いで一本芯を通す、っていうのは重要な事なんじゃないかなぁ。[映画館(字幕)] 4点(2003-12-02 21:58:26)(良:1票)

39.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ 残念ながら、クレしん映画の中では今まででいちばん面白くありませんでした。元々、いろんなネタを我が物として吸収しちゃってみせるクレしんなのですが、今回はSFホラー仕立てへ持ってゆくための演出が、クレしん世界との融和性がとりづらいのか、前半部分ではやたら空回りでモタついている印象を受けました。中盤の完全なるSFホラーワールドは純粋に楽しめました(風間くんが、頑なに母親を信じようとする部分なんか、健気で良かったです)が、肝心の起承転結の転がスコッと抜けちゃってます。いきなり脱力系な結(オチ)が延々ダラダラと繰り広げられるという、クライマックスは一体どこへ行ってしまったの?みたいな展開。ま、まさかコレで終わりなハズないよね?って状態で終わりを迎えてしまった印象です。ボディスナッチャーものとサンバという、ちっとも繋がらない題材を持ってきて、それが繋がらないままに放り出されてしまった状態。従来のクレしんは、その不条理&おバカな題材でも力技で繋いで納得させていたんですけれどねぇ。今回、どういうワケか下ネタにブレーキがかかってない状態なのも、微笑ましさを越えてかなりヒキ気味。作画がテレビレベル、ゲストキャラクターのデザインに魅力がない、などの欠点もあり。「感動させろ」とは言いませんが、映画としての基本的な構成、流れは納得できるレベルに持って行って欲しかったですね。※ついでに【ネタバレ】最後に出てくるジャッキーのパパ(シャア声)は『ポピーザぱフォーマー』のパピー、『塊魂』の王様とイメージカブってますなぁ・・・[映画館(邦画)] 3点(2006-04-30 16:49:21)

40.  クローバー(2014) 《ネタバレ》  平成ゴジラが全作ビスタサイズだったのに対してミレニアムゴジラは全作シネスコサイズだったように、前世紀の終わり頃から邦画はシネスコサイズが増えています。それは大作に限らず、こういうラブストーリーにも。  オープニング、シネスコフレームを有効活用した、武井咲の動きに合わせてホテル内を大々的に移動するステディカムの映像がとても心地良く。  で、この映画で褒められるところはそこと、あと軽井沢のシーンでの青空くらいのもの。青空はこの映画の功績じゃありませんけど。  『愛と誠』で見せた武井咲のコメディ演技を求めた訳ですが、始まって20分くらいでもう映画館出ようかって思いました。貧乏性なんで最後まで見ちゃいましたけど。でも、後になればなるほど酷くなる映画で・・・  登場人物の誰にも共感できませんし、心が動きません。もうバラバラです。みんな勝手に行動し、勝手に自己主張するだけで、まるで調和が取れていません。ひたすらすれ違いが繰り返されるばかり。その延々と続く不協和音こそがこの映画の軸であり、この物語の芯なのかもしれませんが、そんな不協和音を延々と聴かされ続ける事の辛さについて、まるで無頓着な映画という感じ。  柘植はあんなので果たしてデキる男なのか、いい男なのかというと甚だ疑問で。優柔不断、意志薄弱、無神経、そんなマイナスなキーワードばかりが出てくる状態。っていうか、客に聞こえる状態で部下に説教するような上司は無能です。客を不快にさせるでしょ?  で、柘植がそんなだからヒロインを始めとする周囲の反応もヘンに思えてしまう訳で。登場人物全員頭悪い、そんな映画。  でも、その頭の悪さはこの映画を作った人々の姿勢に表れているのかな、と。いちいち仕草に馬鹿みたいに効果音を入れて、音で笑わせようとしてますが、何が面白いのやら。メール文字を画面に表示した上で内容を喋らせる、そこまでしないと観客は判らないと思っているんでしょうか。  この映画を作ってる人達は、マンガとか観客とか馬鹿にしてるのかなぁ?ってどんどんとスクリーン上に展開する惨状を眺めながら思ったのでした。  あ、結局シネスコの意味はもちろん無い映画でした。それからディズニーの有名な曲を2曲使っておりますが、単なる冒涜ですね。あれは他の映画のために作られた曲なのだからさぁ・・・[映画館(邦画)] 2点(2014-11-11 22:37:06)《改行有》

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