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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  現代やくざ 与太者の掟 「現代やくざ」というタイトルですが、菅原文太演じる主人公はむしろ古風なところのあるヤクザで、その彼が、仁義も何もあったもんじゃない現代的なヤクザ組織に立ち向かう、といった趣向の作品。 それにしてもまあ、様々な登場人物が次から次に、出るわ出るわ。仮釈放で出所した主人公が、電車内でスリに遭う、無賃乗車を疑われているところを通りすがりの男に助けられる、パチンコ屋では隣の台の刺青師のオッサンと知り合いになる、オッサンの元に刺青を入れにチンピラがやってくる・・・と、まさに次から次に脈絡なく人物が映画に登場し、ちゃんと彼らが皆、ストーリーに絡んでくるのが、スゴい。なかなか巧みな脚本、ではありますが、こんなペースで登場人物を増やし続けて、果たして無事に若山富三郎の登場まで辿り着けるかどうか。 菅原文太の出世作とも言われるだけあって、暴れ回る姿、その勢いは格別のものがありますが(いや、いつもこんな感じかな?)、山城新伍が追われるシーンなどで傾けられたカメラなどは、まるで深作欣二作品かと思わせる鋭さがあって、映画自体が勢いを感じさせます。 一方で、菅原文太が単身、殴り込みをかける決意をする場面、子分に対する厳しい表情が一種だけ和らぐあたりなどは人情味も感じさせ、こういう部分は降旗康男監督らしさ、なのかな、と。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 22:47:54)《改行有》

2.  月光仮面(1958) かたやターバンにピチピチ白タイツの月光仮面、かたやどくろマスクのスパイ軍団(やたら自分たちがスパイであると強調しております)。その果てしなき戦い。 いいオトナたちが、いったい何やってるんですかね。 などと言わないように。 いや、それにしても、わざわさ皆おなじどくろマスクを被って、これじゃあ誰が誰だかわからんようになるでしょうに。と思ってしまうのですが、だからこその、どくろ仮面。 しまいには首領格のヤツが口から炎を吹き出したりして、もう何でもアリ。 そんなコト言ってると、何だかオモシロそうな作品みたいですが、残念ながらイマイチ面白くない。なんか地味。敵味方入り乱れて鞄を奪い合う場面など、まるで小学校の運動会の競技を見てるようなホノボノとした光景。あるいは、趣味でやってるラグビー。 最後はこれまたメチャクチャ中途半端なところでプツリと途切れて第一部が終了、続きは次回のお楽しみ。 しかし意外に、続きが気にならないのが、残念なところ。[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-25 23:13:19)《改行有》

3.  結婚案内ミステリー 某御曹司の婚約者のフリをして欲しい、というよくわからん依頼を受けた渡辺典子が、よくわからん事件に巻き込まれる。というオハナシで、ストーリーだけみるとだいぶ強引で無理矢理な感じがアリアリと見て取れるのですが、そのまま開き直って突っ走っているのは悪くないです。ストーリーがツマラナイからといって、映画自体が面白くないとは限らない。 ガランとした洋館の雰囲気。その中で繰り広げられる、若干グダグダで強引だけど意外性アリと言って言えなくもない展開。 ちょっとゾンビ映画、入ってます(?)。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-16 23:17:33)《改行有》

4.  月光仮面(1981) いきなり主題歌な中でオジサン呼ばわりされている月光仮面ですが、確かに、ヘルメットを含めた全身白ずくめにゴーグル姿というこの風貌、どうにもオッサン臭い。だけど声は意外なほど若々しくって。一体、正体は、誰でしょね。正体は劇中でほぼ明かされている、と思わせて、真の正体は実はフジタクさんだったりして。普段はやたら関西弁を強調してるのが、ますますアヤシい・・・って、まさかね。 今回の敵は、ニューラブカントリーとかいう新興宗教やら秘密結社やらよく判らない連中。メンバーにガッツ石松がいる時点で、どちらでも無いような気がする。 銀座の歩行者天国で一騒動巻き起こるシーンの臨場感が素晴らしく、夜の球場に現れるラジコンヘリの意外性が素晴らしく、何と言ってもラストの本物のヘリコプターを使ったアクションの素晴らしさに度胆を抜かれます。 が、それ以外は、あんまり、まとまりが無いなあ、と。[インターネット(邦画)] 6点(2022-02-15 22:52:38)《改行有》

5.  原子力戦争 Lost Love マスコミが、カメラさえ持ってりゃ市民は自分の味方、何でも許されるとばかりに、非常識な取材して、わざわざ相手を怒らせてはその映像を正義ぶって垂れ流す。というのは、どうも好きになれないのだけど(というかキライなんだけど)、そういうシーンが、フィクションの映画の中に、突然ドキュメンタリー風に挿入されると、これはかなりのインパクトで、さすがに驚いてしまう。 警備員に撮影を止められる中で、飄々と演技を続ける(いや、もはや演技かどうかもわからんけど、自らの役割を体を張って、しかしあくまで飄々とこなす)原田芳雄が、頼もしいというか何というか。スゴいなあ。 音楽は、大御所の松村禎三。ライブエレクトロニクス風に、電子音と楽器演奏が絡み合う、不安を誘う音楽の一方で、シューマンの「子供の情景」を引用したと思われる素朴な音楽が流れる場面もあり、それ以外の場面では虫の声、波の音、風の音といった自然音が音楽の代わりに取り入れられて。 ラストシーンではこの3つの音楽の要素が重ねられるも、不安な電子音だけが、最後に残る。この不気味さ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-02-07 22:40:10)《改行有》

6.  刑事物語5 やまびこの詩 シリーズ最終作、もうあまり中身も無い気もするのですが(事件自体はかなりどうでもいい内容)、その分、スッキリはしております。 若き日の鈴木保奈美のレオタード姿で有名な作品でもあり、だいぶヘタなダンスだったという記憶があったのですが、久しぶりに見てみたら、いや、意外にちゃんとしてまして(これ以上を望むのは、ちょっと酷かと)。 それより、このレオタード姿があればこそ、武田鉄矢演じる片山刑事の短足ぶりもいつも以上に目立つというもの。ずんぐりした体型で一生懸命走る姿に、「らしさ」が溢れてます。 とりあえず事件はさておき、賀来千香子と鈴木保奈美が適度に襲われて、武田鉄矢がそこに絡めればそれでいい訳ですが、後輩の殉職などもそこに加わり、彼らの関係に変化をつけます。この殉職事件、全体的には物語の中で収まりがやや悪いですが、雨の中、後輩のフィアンセに一言も喋らせなかったのは、ナイスプレーだと思います。 このシリーズ、オチャラケの部分は多々ありますが、格闘シーンはあくまで本気モード、月並みですがその落差みたいなものが、やっぱりイイですね。 そして本作、ラストの駅がいい。他に乗客のいない夜の電車がいい。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-06 11:14:59)《改行有》

7.  KG カラテガール かなりカラテの心得があり、さらに恐らくは充分にリハーサルを繰り返して撮影に臨んだのだろう、とは思うけど、いかんせん、倒される側の男どもが一生懸命倒されてあげてるばかりで、一向に「格闘」が成立してない、ってのが、どうにもイタイ。  それを除くと…………何も残らん。[インターネット(邦画)] 2点(2021-03-03 20:26:03)《改行有》

8.  現代任侠史 冒頭、旅客機のドアから現れた健さんが、いきなり渡された日本刀を手にタラップを降りてくる。「んなアホな」と、ちょっとイカした映画を期待しちゃうのですが、残念ながらその後の展開は、普通というかマジメというか堅苦しいというか。 一方では組織同士の駆け引きや抗争があり、一方ではカタギになった健さんと梶芽衣子とのラブラブの物語があって、その両者がクライマックスで交錯するワケですが。正直、さもありなんという展開で、物語が広がることもなく、小さくまとめちゃった印象。ま、単純に「これじゃ健さん、暴れ足りないだろ」という言い方もできるかも知れませんが。 例によって脇を固める俳優陣はみんな、イイ顔(=ワルそうな顔)してるんですけどねー。 それにしても成田三樹夫。撃たれてもいないのに(?)勝手に倒れて勝手に死ぬんだもんなあ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2018-11-17 08:51:07)《改行有》

9.  劇場版「進撃の巨人」後編~自由の翼~ む、む、む・・・。ニューハーフ型巨人(?)ネタでここまで引っ張るってのも、何だかなあ。息切れ気味でつらいものが。「前編」なり「第1作」がもともと持っている「物語が動き始める面白さ」というものが、「後編」なり「続編」には無いわけだから、その分、さらに物語世界を広げていってくれでもしたらよかったんですけどねー。「今回はこのネタでいきますよ」と、ちんまり小さくまとまっちゃった印象の「後編」となってしまいました。残念。[DVD(邦画)] 5点(2017-07-06 23:20:50)

10.  劇場版「進撃の巨人」前編~紅蓮の弓矢~ TVアニメの再編集だと聞いてたので、まあきっとそうなんでしょう、と思って観る訳ですが、良くも悪くもこのCGの時代、ああ、TVアニメでもこんな目まぐるしいシーンの描写ができるようになったんだなあ、と。 ただ、すみません、途中でいったん話が途切れたような繋がりの悪さを感じてしまい、何だか2話構成みたいな印象が。ガンダムもそうだろ、と言われりゃ、そうかも知れませんが。 ウチの子供たちが先に観て、あんな話だったこんな話だったと言うのを、コイツら何をワケのワカランことばっかり言ってるんだ、と思ったら、確かにその通りのオハナシでありました(笑)。 「巨人」があくまで理屈抜きの人食い生物、ってのがイイですけれど、彼らが持つオソロシさについての描写があまりないまま(とりあえず肉体損壊描写に頼ってしまう)、ただ巨人狩りの戦闘を散発的に描いている、という印象なのが、チト弱い。 一応、後編に繋がるような形で終わるものの、一応はキリのいい、一段落、という感じのラストなので、別に後編を観なくてもそんなに欲求不満はたまりませんが、まあ、「後編も面白いよ」という事なので、まあ、それでは、楽しみにしときます。[DVD(邦画)] 6点(2017-07-01 03:50:11)《改行有》

11.  刑事物語 くろしおの詩 恒例行事のように「引退」を繰り返す大仁田厚が、記念すべき「第一回引退?」した頃の出演作。わずかながらセリフもあり、アルゼンチンバックブリーカー(っぽい技)を披露するのが貴重ですね(そもそもサンダーファイヤーパワーボムとDDT以外の技を見られるのが今となっては貴重?)。 それを除くと(ってまあ、それだってどうでもいいんですけどね)、かなーり内容の薄い作品になってしまいました。ひょんなことから、とある女性と知り合い、彼女をサポートすることになる片山刑事、というのはよくある話ですが(笑)、さらには犯人護送の際の失敗(というほどの失敗でもなかろうに)から理不尽にも刑事職をクビになってしまい、事もあろうにやくざ屋さんの仲間に否応なく入れられてしまうという、踏んだり蹴ったりの展開。いやホントよくある話(笑)。しかし、今回のヒロインと片山の関係も十分描かれず表面的だし(「どうして自分にこんな優しくしてくれるのか」という片山への問い、映画としては愚問中の愚問でしょう)、心ならずもやくざ屋さんになってしまう展開もストレート過ぎて、苦悩なり、その逆に可笑しみなり、もうちょっと膨らませられないものかと。ついでに言うと、赤ちゃんが生まれる前からいそいそと粉ミルクを買うのはいいけど、でも「明治ステップ」はまだ買うの早いでしょう(←それはどうでもいいってか)。全体的にエピソードの盛り込みが足りず、十分練られていない印象の一方で、“友情出演”で登場するあの人この人を見ていると、「なんかそういうのでゴマかしてませんか」と。 片山が去るラストも特に盛り上げる要素もないまま、武田鉄矢が竜馬像に語り掛けるだけの自己満足。いやでも、自己満足に正直に向き合うこと、それ自体は、あながち悪いコトではないのでしょう。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-24 09:22:14)《改行有》

12.  刑事物語 《ネタバレ》 シリーズ第1作、ハンガーヌンチャク誕生秘話(という程でもないけど)が描かれてます。そう、この武器はたまたま敵の商売道具としてそこにあったもの。これがもし、敵の商売がほかのもの、例えば・・・すみません、面白いコト何も思いつきませんでした。 それはともかく、ユーモアあり、アクションあり、涙ありの、娯楽作品、にしては少々モッチャリしたところもありますが。それでもこの作品、物事の「微妙な境界」という事に関しては、よく押さえています。例えば、“個室付き特殊浴場”を取り上げることで、性的な要素を描いておりますけれども、不幸にも風俗産業に身売りされ不本意に働かされているヒロインを描く一方で、必ずしも不幸一点張りでもない(むしろある種の自信すら感じさせる)ヒメコさんという風俗嬢も登場させてみたり。片山刑事が女子高生に説教とも懇願ともつかぬ語りかけを行うのも、倫理というべきなのか、それとも単なる願望というべきなのか。ヒロインに喫茶店の仕事を進める際、片山は、(風俗店と違って)キチンとした真面目な仕事、と言うのだけど、風俗が不真面目であるかのような言い方の一方で、風俗に救いを求める片山の姿もあったり。しかし、必要悪として風俗産業を全面的に認めてしまえば、その先にはやっぱり様々な不幸が生まれるだろう、ってのが今回の事件でもある訳ですね。 世の中、そういう線引きの難しさってのがあり、ときにはその境界において矛盾とも向き合わねばならないこと。本作では、もうひとつ大きな問題が取り上げられていて、障がい者であるヒロインと、彼女を思いやる片山刑事とが、描かれるのですが、相手を思いやる気持ち、支えてあげたい気持ちというものが、どこまで相手を尊重することでありえるのか。これについては、ラストの片山の、一抹の悲しみを湛えた祝福と反省の言葉によって、作品のもうひとつのテーマであったことに気づかされます。いい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 16:13:41)《改行有》

13.  刑事物語3 潮騒の詩 ずいぶん昔、どこで読んだか、武田鉄矢がインタビューで、“脚本を書く時はシーンから考える”みたいなことを語っていて、“感動の再会を果たす2人、その彼らのために、彼らが知らないところでボロボロになりながら片山刑事が戦っている場面”ってのを例として挙げていたのですが、要するにこの作品の事ですね。上記のインタビューが私にとって印象的だったほどには、実際の作品におけるこの場面は印象的に仕上がっていない気もするのですが(笑)。敵役は、アイスホッケーの面を被り矢で襲撃してくる刺客、これは13日の金曜日PART3の影響でしょうか、いやたぶん違うとは思いつつ。格闘の腕前も片山刑事以上、確かにこの格闘シーンは見どころではあるけれど、おそらくは『ヤングマスター 師弟出馬』を意識したであろうこの場面、やはりさすがにあそこまで凄まじい格闘とは比較できないにしても、「あそこまで凄まじい格闘をやってこその場面」でもあったかな。というのは贅沢な注文で、あくまでコミカル、しかしアクションは本格的。沢口靖子にしかできない演技も目にまぶしく(大根と言ってはいけない、彼女のオリジナリティと言おう)、楽しい作品です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-08-02 09:49:26)

14.  刑事物語2 りんごの詩 金田一耕助とジャッキー・チェンを足して寅さんを掛け合わせたような、この片山刑事。演じる武田鉄矢の「本気度」ってのがやっぱり作品を支える魅力ですよね。格闘シーンだってお涙頂戴のシーンだって、その表現のためには自らの肉体をこれでもかと酷使する。その表現を支える脚本もよくできていて、恋人との距離が縮まっていく過程とか(昼間、農業試験場に赴くが彼女と会えない⇒その晩、彼女の方から警察署の方へ)、少年との交流とか(片山はここでは「追い求められる」立場にもなる)、それらが絡み合いながら事件が焦点を結び、クライマックス(およびそこでの名セリフ「ちがーう木のやつぅー」)へと繋がっていくあたりとか、実にスバラシイと思います。あとはもう少しおカネをかけてもう少し丁寧に撮られていたら、なお良し、といったところでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-15 22:56:08)

15.  玄海遊侠伝 破れかぶれ 吉田磯吉という破天荒な主人公を、勝新が貫録をもって演じてます。片や大西組、片や太田黒組という二大勢力が幅を利かせる北九州を舞台に、持ち前の男気を武器に存在感を高めていく彼の姿が、雑多ともいえるほどのさまざまなエピソードの中で描かれていきます。最後は、巨大な太田黒組へと決死の戦いを挑む磯吉と仲間たち、まるで集団抗争モノのようでもあり、肺病を患う松方弘樹がドク・ホリデイを連想させてOK牧場の決闘のようでもあり。戦い前に男たちが車座になって手を取り合うのは、むさくるしいながらもどこか同性愛的なものも感じさせ、そこがまた、この後の絶望的な戦いの悲劇を予感させるもんだから、やっぱり集団抗争モノを思い起こさせるのですが……そんなことを思ってみていると、最後には意外な(しかし実は予想されてしかるべき)結末が待っている。破天荒で破れかぶれのこの主人公も、女の一途な想いには、やっぱり勝てないんですな。安田道代が本当に素晴らしい。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-21 23:36:18)

16.  激突!殺人拳 『トゥルー・ロマンス』における本作の登場、というのは、千葉チャンがプレスリー並みに神格化された瞬間であった訳ですが。それはともかく、千葉チャン主演のカラテ映画。なかなかエグい。眼つぶし攻撃は当たり前、キメ手は相手の肉体の一部をエグリ取る。なるほどこれは“殺人拳”。千葉チャン演じる剣琢磨、カネのためならどんな悪事も厭わないが、それ以上に、強いものにはガムシャラに向っていく、反骨の男。そんなワケで、物語はホンコンの五竜会とのまさに血で血を洗う抗争となっていくのですが、例によって例のごとく、敵役にはアヤシゲな怪人の数々が登場してバラエティに富んだ死闘が展開されます。しかしこの剣琢磨、日頃の不埒な行いが祟って何かと恨みも買っているもんで、演じられる死闘もだんだんワケがわからなくなってきて、最後はもう丸投げみたいに唐突に終わってしまう。このカタストロフ感が、最高です(笑)。しっかし、千葉チャンの披露する格闘アクション、さすがと言えばさすが、なのですが、本格感を出そうとするあまり、隙の無さを演出するあまり、脇を締めすぎた体勢でやや動きが小さくなっちゃってる感じもします。ここは今後の課題でしょう(今後って?)。でもその分、しっかりと「顔芸」でカバーしております。千葉チャンの気合いが溢れ過ぎるひたすらアヤシゲな表情に、ご注目。[DVD(邦画)] 7点(2014-05-19 21:35:11)

17.  現代やくざ 人斬り与太 『仁義なき戦い』前夜、とも言うべき作品。文字通りの「仁義なき」生き様、アナーキーな愚連隊の姿を、エネルギーあふれる深作演出で暴力的に描き切ってます。しかしまた、大きな組織の狭間で、彼らに向こうを張ろうとして目一杯背伸びをし、敗れ去って蹂躙されていく主人公の姿が、なにやら先の大戦で敗戦した日本の姿そのままのようにも見えてきて、なかなかに切ないものがありますな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-08-25 08:53:57)

18.  拳銃無頼帖 流れ者の群れ 《ネタバレ》 抗争の末、壊滅状態となった丸千組。麻島(アキラです)をはじめとする生き残り3人組に、追手が迫る。その追手というのが、これまた愉快な3人組①暗闇の銀次郎(錠です。暗闇でも百発百中の切れ者)、②青大将、③金メダル。名前の由来は①以外はよくわかりませんが、観ればなるほど、そんな通称で通ってそうな気がしてきます。丸千組の3人は、アキラはもちろんクールでニヒルでダンディ、言う事なしですが(笑)、あとの二人はどうも緊張感がない。それに比べると追手の3人組の、見事にキャラ立ちしていることといったら……いや、それほどでもないですね。まず③金メダルの泣きが入り、②青大将も冷酷になり切れず、肝心の①宍戸錠にいたっては、したり顔でゴタクを並べまくった挙句、ラストでは麻島側にちゃっかり寝返ってしまう。まるで、続編にも登場してやるぜ、と言わんばかり(多分、続編は作られなかったと思うのですが)。これだけナイスな敵役あるいはライバルのキャラクターを登場させておきながら、映画の最後までそのナイスさをまったく維持できないとは、いったいどういう了見なんでござんしょ。それを除けば、実にスバラシい作品だと思うんですけどね。「それを除くと」というすなわち、アキラ演じる麻島の兄貴の魅力に尽きる訳ですが。クールでニヒルでダンディ(しつこいってか)。単細胞の子分ふたりを巧みにいなすだけではなく、我々の目も巧みにかわし、なぜか本当になぜなのか、突然、板前と化してしまう麻島の兄貴。訳わからんけど、イナセでカッコイイから、OKなのです。アキラの魅力爆発、それに比べると、宍戸錠、ホントになんとかならんのかい。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-16 19:38:22)

19.  源氏九郎颯爽記 白狐二刀流 幕末の世に現れた白装束のヒーロー、源氏九郎。義経の子孫だそうですが、本当は宇宙人か何かなんでしょう、この浮世離れ具合は半端じゃありません。時代劇なのにフラメンコが演じられたり、西部劇の無法者たちのように空に向ってピストルが乱射されたり(なぜか戦う時には撃たない?)、脇役が勝手にコントを始めたり、何でもありあり、展開も異常に速く、まさにゴッタ煮状態。SFですね、これは。しかし、展開が異常に速くとも、ただ漫然と速いのではなく、キメるシーンはしっかりキメてくれる。そして、細かいやり取りを織り込むことで、得てして脇役悪役の方がイイ顔をしていたりするのです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-11 10:54:55)

20.  ゲド戦記 『ゲド戦記』と言いながら存在感の薄いゲドに、つい、「ゲドは何にもせん気?」などととつぶやきつつ。まー要するに「“駿”氏に引導を渡した“吾朗”氏が、“ゲド鈴木プロデューサー”のバックアップを受けつつ、この世を乱すイジワルな“観客”=クモ様をやっつける」という痛快ストーリーなのかな、などとも思いつつ。いずれにせよ、野心作に憧れつつも野心作になりきれなかったような、小ぢんまりした印象は否めない作品であります。スケール感の欠如は、脚本に原因があるんじゃないのかな? 別に壮大なストーリーである必要は無いけど、人物関係の面でも時間的広がりの面でも、作品世界が伸びないのがもどかしい。例えば回想シーンを挿入するとか、例えばイジワルオバサン2人組を別の日・別の機会に何度か登場させるとか、こんなちょっとした事でも、映画の広がりを演出することって、できるんじゃないかなあ。そもそも、セリフというセリフがいかにも「状況説明」に徹している、このギクシャクぶり。こいつが一番もどかしい。“遊びのセリフ”みたいなものがもっとあればいいのになあ・・・(私ごときド素人がこれ以上生意気言うと恥の上塗りなので、そろそろやめよう)。しかし、アニメというものには、「絵が動く」という事自体に感動してしまったりするわけで、本作の緻密な動きや緻密な光の描写には、やっぱり感激を覚えてしまうのであります。背景に流れる不気味な色の雲が、印象的でしたね。それに、高名なる父と同じ道に踏み出した監督の勇気には、まず拍手を送りたい。実は、映画の中で一番感動したのは、エンドクレジットの「宮崎吾朗」の名前を目にした瞬間だったりするのです(ナゼか涙が出そうになった)。[映画館(邦画)] 7点(2006-11-04 01:45:41)(笑:1票)

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