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プロフィール
コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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41.  少林寺拳法 少林寺拳法の開祖、宗道臣の半生を、コケオドシを交えて描いた作品で、その主人公を演じるは勿論、今は亡き我らが千葉真一。言われてみれば何となくいつもの空手アクションとはひと味違って、これが少林寺拳法と言われればそんな気がしてくる。逆関節を取って相手をひっくり返すように投げる、あの感じ。 戦後の満州から引き上げて、香川に道場を作って・・・と言う流れの中で、佐藤允やらアカレンジャーやら志穂美悦ちゃんやら、様々な人との出会いがあり、ストーリーは正直、雑多な印象があるけれど、ちゃんとそれを収めるところに収めていく手腕は、さすが鈴木則文マジックとでも言うべきか。デタラメなのに不思議なまとまりを見せます。 デタラメというか、コケオドシ。カラダの一部があれやこれやと切断されて、そんな事やったらアカンでしょ、というエピソードが多いのですが、少林寺拳法協会(というのがあるのかどうか知らないけど)つてのは、心が広いのか、それとも見て見ぬふりなのか。 おかげで、こういう楽しい作品を楽しめる訳です。感謝。[インターネット(邦画)] 7点(2021-09-11 12:09:17)《改行有》

42.  新宿純愛物語 ビーバップハイスクールでは物足りなくなった人のための劇薬級の映画。何がって、このデタラメさが。 ビーバップそのままのチンピラ若造仲村トオルが、さんざん単細胞ぶりを発揮した挙げ句、ヤクザも刑事も怒らせて三つ巴(?)の抗争へ。マシンガン、火炎放射器、手榴弾、日本刀で襲いかかってくる刺客たちとの、いつ終わるともしれぬ激闘が、一大クライマックスとなっています。 作中のシーン全てではないだろうけれど、タイトル通り実際に新宿の街中でロケ撮影されたシーンも多く見受けられ、しっかりと雰囲気を伝えつつも、その無謀さがまた何となく胡散臭かったり。 クライマックスの銃撃戦、爆破、炎上。日本映画もやればここまでデキるんだなあ、と。いや全然デキてないけどね。でも大胆、そして勢いがある。これを厚かましいとも言う。素晴らしいとも言う。ジョン・マクティアナンはもしかしてダイハードを撮る前にこの作品を見てたんじゃないかとすら思えてくる。いや、思うだけなら勝手でしょ。 それにしても、プロレスラー木村健吾よりもピッチャー江夏豊の方がやたら迫力あるのは、どうしたもんだか。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-25 23:08:06)《改行有》

43.  女囚さそり けもの部屋 《ネタバレ》 だいたい一作目からメチャクチャなシリーズではありましたが、3作目ではもはやシュールとしか言いようの無い領域へ。 第1作とは、ムショ内とシャバとが逆転したような按配となっていて、映画開始段階ですでに主人公はシャバに出ており逃亡中の身、艱難辛苦の末にムショに戻って復讐を果たす。何もそこまで裏返しにしなくとも、と言いたくなるくらい、裏返ってます。 そんでもって、いきなり逃亡中の「さそり」こと梶芽衣子を発見した成田三樹夫、首尾よく逮捕するも、逆襲にあって腕を切断されてしまい、復讐を誓う。もはや羅城門の鬼ですね、これは。 逃亡を続ける「さそり」を待ち受ける様々な出会い。野坂昭如の「マッチ売りの少女」みたいな娼婦たちの哀切があって、実際、ラストに炎上シーンもあったりするのですが、比べ物にならないくらいの大炎上、燃え方がちょっと半端じゃないもんで、いやはやビックリします。どこでどうやって撮影したんですかね、これほどまでにワケのわからないムチャクチャなシーンを、これほどまでにガンバって撮影した意気込みには、頭が下がります。 そういった事も含め、全体的にシュール。悪い夢に出てきそうな映画です。あの「さそりぃぃぃぃ」という呼び声が、耳にこびり付いてなかなか離れません。。。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-12 14:10:36)《改行有》

44.  女囚701号 さそり 「悪いコトをした人はこういう所に入れられるんだよ」と子供を脅すための映画ですね、これは。と言いつつ、子供には見せ難いシーンも多々ありますが。それに、ここまでぶっ飛んでるとイマドキの子供はさすがに真に受けず、脅しにならないですかね。 作中の描写は「刑務所」というよりは殆ど「地獄」で、実際、女囚の一人がオニみたいなヤツに変化します。ありとあらゆる事が起こりうる世界。リンチ・流血は日常茶飯事で、脱ぐだの脱がされるだのに至ってはもはや些末事に過ぎません。さあ、頑張ってついていきましょう。 過去の経緯の描写が「回想シーン+解説」で済まされてしまっているのは、多少物足りないんですが、過激な描写でインパクトを補っており、主人公のセリフを絞ったハードボイルド調の作風にもマッチしているとも言えます。 それに何と言っても、作品の節々で登場する、梶芽衣子が長い髪越しに睨みつける、あの表情。この表情こそ、本作の代名詞と言ってもいいでしょう。終盤における、死神のごとき黒ずくめの扮装の内側にも、あの表情が潜んでいるのだ、と思わせて、ゾクリとさせます。 ところで、伊達三郎さんが出演しているのを見ると、ああ、前年に大映が倒産したんだっけ、などとも思ったり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-27 09:39:26)《改行有》

45.  地獄(1960) こういうネタで映画を一本でっち上げようというセンス、というかセンスの無さ、というのが一番オソロシくって、全く常識が通用しそうにない、何が起きるか本気でワカラン、という映画です。実際、子供の頃テレビで怪奇映画を紹介する番組やってた時、この映画は破格の怖さでした(そう、ゴケミドロ並みに)。 100分ほどの映画のうち、最初の1時間で現世のドラマが描かれるも、面白いように人が死んでいき、気が付いたら都合よく、全員死亡。そこから後はひたすらあの世が描かれ、地獄の描写では拷問に次ぐ拷問。ちょん切られた手が一瞬動く、などはなかなかの芸の細かさです。皮剥の刑では何故か肉まで毟られ、もはや『ピラニア(新しい方)』状態。亡者どもが大勢、グルグルと彷徨う姿は、これこそが本当の死霊の盆踊りと呼ぶべき光景じゃなかろうか、と思えてきてしまう。 あの淡々とした罪状言い渡しが、曰く言い難い味があって、それとハチャメチャな映像とのギャップが、もう何とも言えません。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-28 21:44:04)《改行有》

46.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 子供たちに誘われて一家総出で見に行ったんですけどね。こんなの見終わってから家族でどういう会話を交わせ、ってんですかね、もう。息子は開口一番、「長かった・・・」と非常に真っ当なコメント、それでも何がしか、彼なりに楽しんだ様子も。 私は、というと、エヴァなんて序破Qに軽く触れた程度の免疫の無さ、終盤の「崩れ具合」にそれはそれは戸惑いつつも、どこか、記憶の奥に刺さった棘に触れられたような感覚も。 前半はまだ、大きな波乱も破綻もなく、そういう感じは無かったんですけどね。シンジ君はひたすら他者を拒絶(?)するばかり。さらに、画面外の人物がセリフをしゃべる、いわゆる「オフの音声」がしばしば使用されてたりするもんで、よそよそしい雰囲気が漂っている。だけど舞台はあくまで、穏やかな農村、友人たちは一人を除いて(?)優しいし、アヤナミ(?)は他者との交流を模索する(←こうやって「?」を連発しているあたりに、エヴァ初心者の戸惑いを感じていただけたら幸いです)。 後半、物語は大きく動き始めるけれど、物語ばかりではなく、映画の構成自体が揺らぎ始めて。あんなにコワかったゲンドウ氏が、ひたすら矮小化されていき、ただの妄想炸裂オヤジと化して。肥大化し続ける妄想のイメージ。シンジと繰り広げるのは、単なる親子喧嘩に過ぎなく、それは、チャチなセットやらお茶の間やらで行われる(それともこれら自体がシンジの妄想なのか?)。 だいたい、「父親の幼少時代」を息子が知る訳が無いのだけど、、、 と、壮大な物語がただの親子喧嘩と化す中で、冒頭における農村の光景から、映画の随所に工場地帯のイメージが挿入され、ラストはリアルな地方都市の風景で締めくくられる。 何なんだろう、これは。 アニメーションの限界に挑戦するような技巧の限りを尽くして描かれる未来戦争が、セットの中の親子喧嘩という茶番にまで矮小化され、浄化として描かれるはずのラストも、結局は「今の我々の日常」でしかない、ということ。農村が徐々に失われ、工業化が進んだ、普通の日常。 いや、それすらも今や失われつつある、という危機感、あるいはオジサンたちのノスタルジーなのか。記憶の奥の棘。[映画館(邦画)] 7点(2021-03-20 05:55:03)《改行有》

47.  昭和残侠伝 映画の前半は「挨拶の仕方大全集」みたいなノリで、池部良が仁義を切ってみせるのをフルバージョンで描くのに始まって、復員してきた健さんも挨拶しまくり頭下げまくり。いやあ、やっぱり礼儀って大事だよね、見てて気持ちいいよね、と。 あまり礼儀が出来ていない若き日の松方弘樹や梅宮辰夫も、威勢がよく茶目っ気もあって、これはこれで見てて気持ちがいい。 しかし例によって例のごとく、対立する悪辣なる一味から散々、悪辣なるイヤガラセと攻撃を受け、ついに堪忍袋の緒が切れた健さんが、殴り込みをかける。 そこで、やっぱり、池部良。 物静かな雰囲気がかえって、次に来るであろうクライマックスの修羅場を予感させて。 イイですねえ。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-09 22:55:34)(良:1票) 《改行有》

48.  女帝 春日局 《ネタバレ》 どういうワケだか、この十朱幸代という女優さんには、「タイガー炊飯ジャー」のイメージしかないんですけどね。その彼女の主演作。 確か、NHK大河ドラマによる春日局ブーム(?)に乗っかった作品ではなかったっけ。となるともう、例によって例のごとく、東映の岡田社長が「パクれ」という指示を出したとしか思えなくなってしまうのですが、とりあえず本作では、家光の乳母である春日局が実は彼の実の母親でもあった、という設定で、将軍三代目の世継ぎ争いを盛り上げます。 なにせ映画の冒頭が、関ケ原後の小早川秀秋、なんていう、誰もが知ってそうで知っていないトリビアから始まるもんで、興味津々。炊飯ジャー以外の十朱幸代には違和感しか感じられないものの、それを補って余りあるドラマが展開されます。タイトルは「女帝~」ですが、実際は女帝になるまでのオハナシ、エピソード0、春日局・ザ・ビギニング。 彼女を手籠めにして家光を孕ませる家康(つまり秀忠と家光は兄弟ということですな)、スケベさと貫録が同居したこの役柄は、まさに若山富三郎ならでは。年老いたヨボヨボ感を出しつつも、ラスト近くで春日局と対峙する際にスクっと立ち上がる姿などは、ちょっと惚れ惚れします。 往年の東映時代劇を偲ばせる大がかりなセットも見どころですが、さらに、映画の要所要所に配置されて印象的なのが、蝋燭の炎。蝋燭こそがこの映画の隠れ主人公、と言っても、よいのでは。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-11-02 21:40:26)《改行有》

49.  次郎長三国志(1963) 駆け出し時代の次郎長ひとりのもとに、ひとりまたひとり、子分志願者がやってきて、五人ばかり集まったところで唐突に終わってしまう。ってのは、シリーズものだからしょうがないんでしょうけど、テンポのいい展開に、松方弘樹、山城新伍、津川雅彦といった当時の若手たちの姿も初々しく(ラストでは一瞬、長門裕之)、賑やかで楽しい作品です。まあ、映画の半分くらいは、子分第一号の鬼吉を演じる山城新伍のショートコント集にみたいになっちゃってますが。 「ワルい人」ってのがほとんど出てこないんですが、次郎長をとりまく連中がポンコツばかりなもんで、それなりに事件が起こり(トホホな事件も含め)、小気味よい演出がそれを捌いていく。寛美さんのネチっこい演技もここでは嫌味になっておらず、物語をうまく盛り上げています。 ・・・鶴田浩二のことに何も触れなくてよかったんだろうか?[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-06-23 17:09:40)《改行有》

50.  ジャズ大名 はぐらかすように、映画の進行をギクシャクさせて、それが何だか気になる「ひっかかり」にはなる反面、正直なかなか気分が乗ってこない。なーんて思ってたら、何が何やらわかったようなわからないようなまま、怒涛のどんちゃん騒ぎに突入して圧倒されたまま映画が終わってしまう、という心臓に悪い映画。エンドクレジットに至っても狂乱は続き、まさに尻尾の先までアンコ状態。 江戸時代の終焉から明治時代の始まりを、一大セッションで迎えるという、ゆく年くる年みたいなオハナシですが(お話なんて無いも同然だけど)、それにとどまらず、「このお祭り、今でもどこかで続いてるんじゃないか」と思わせるのがミソ。 もう誰にも、止められない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2018-06-16 04:28:23)《改行有》

51.  シン・ゴジラ 《ネタバレ》 もしも突然、東京に怪獣が現れたら、というシミュレーション映画のような体裁ですが、実際にはそれは作品を特徴づける意匠のひとつに過ぎないとも言えて、もちろん背景には現実世界で発生した様々な災害というものがあるのだろうけれど、では「我々が被災するというのはどういうことなのか」という部分には必ずしも深入りしてはおらず、「とりあえず逃げまどう人々」といういかにも怪獣映画らしい光景を、ここでは踏襲しています。あくまでここでのシミュレーションは、政府の危機管理に関する部分に限定して描いているようなところがありますね。で、しかも、誰が主人公なのか明確でない群像劇のような中で、まあ内閣の面々が一応は中心的に描かれるのかな、と思っていたら、彼らをあっという間に一掃してしまうという皮肉な展開。 新しいフォルムのゴジラの不気味さ、今までのゴジラとは一味違うだけに、何を仕出かすやら予想がつきません。一瞬にして街を炎で焼き尽くすシーンなどは、まさに圧巻です。 その一方、よく言われるように、全体的には、セリフをまくし立てるシーンが多くって、子供と一緒に観ているとちょっと集中力が持たないかな、とも。でもよくこれだけ色んなロケ地を探して来たな、と思うくらい、さまざまな光景が登場する楽しさってのも、確かにあります。 それにしてもまさか、ラストは毒殺とはねえ。しかも嫌がるゴジラに無理やり毒を飲ませて、なんだか拷問のようでちょっと後味が悪いのでした。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2017-08-19 15:12:55)(良:1票) 《改行有》

52.  忍びの者 霧隠才蔵 『忍びの者』シリーズがリニューアルし、主人公が石川五右衛門から霧隠才蔵へとチェンジ。とは言っても主演はもちろん市川雷蔵。大阪冬の陣から夏の陣が舞台で、大砲がドカンドカンと炸裂しまくる派手な戦闘シーンが目を引きますが、あまりに豪快なので、もしかしたら旧作の流用フィルムかも知れませんが、観てるコチラも憶えちゃいないので問題ナシ(流用じゃなかったら、スミマセン)。今回の雷蔵さん、幸村家臣の他の忍者たちを演じる大映脇役オールスターズ(?)に混じり、あくまで真田十勇士のひとりという役どころ。もうちょっと活躍して欲しい気がしないでないですが、それでも見せ場はたくさん。敵にとっ捕まるやら、しまいには死んじゃう(?)やら。いずれにしても、忍術妖術の類は登場せず、あくまで、耐える者としての忍者、厳しい掟のもとに生きる(そして死んでいく)忍者の姿が本作でも描かれていて、虚無感を漂わせた娯楽作品となっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-02 22:50:08)

53.  真剣勝負 クサリ鎌の宍戸梅軒との戦いを描いた宮本武蔵映画、主演も監督も東映5部作と同じですが、こちらは東宝、だもんで、冒頭に登場する過去の戦いのダイジェストは、5部作から引用したかのように同じ雰囲気を湛えてはおりますが、当然ながら撮り直したもの。吉岡伝七郎との戦いの場面など、背景の三十三間堂は完全に書割りだったりして、ちと残念なんですね。しかし本編は、5部作とは完全に異なる独自の世界。チャンバラ映画というより、怪談というか妖怪譚というか。不気味なんです。前半、武蔵が梅軒の家を訪れる。その夜の不穏な空気。梅軒は部下の八人衆とともに武蔵を闇討ちしようとする。それを察知した武蔵。後半は、夜が明け、彼らと武蔵とのいつ果てるとも知れぬ戦いが描かれます。これがもう、まるで、賽の河原で鬼を斬る、といった感じの、現実離れした虚無的な世界。三國連太郎演じる梅軒の、完全にイッちゃってる鬼気迫る表情と、ニヒルに彼を追いつめる武蔵、本当の「鬼」は一体、どちらなのか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-03-31 23:17:51)

54.  十三人の刺客(2010) どこか超現実的な浮遊感とも言えそうな虚無感を漂わせていたあの元映画よりも、『将軍家光の乱心 激突』のスペクタクル調に近いかも知れません。だから、あのスックと立ちふさがった姿、役所広司じゃなくて千葉真一だったらなあ、と思わんでもないし、殿様の「イッチャッテル感」も京本政樹の方がストレートだったりするのですが、まあ何にせよ、この作品、“修羅場”の映画です。「タイタス・アンドロニカス」のノリとも言ってもいいかも知れない。クライマックスの破壊と修羅場を描かんがためにすべてを準備し、あとはただひたすら、殺戮、破壊、修羅場。“刺客”たちが次々に弓矢を投げ捨てる姿がひたすらカッコいいのです。そしてあの鮮烈な、「みなごろし」の文字の、どんな残酷描写よりも引けをとらない恐怖。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 12:05:21)

55.  昭和残侠伝 唐獅子牡丹 難点はいろいろあるかも知れないけれど、日本人のメンタリティに完璧なまでにフィットするこういう作品には、やっぱり逆らえませんなあ。健さんが弟分の起こしたトラブルの尻ぬぐいのため、やむなくヒットマンとなり秋山の親分さんを斬ってしまうのだけど、この対決の場面が「お互い納得ずく、正々堂々の戦い」が強調され、ああ健さんは悪くないんだ、と。はたまた出所後の健さんが親分さんの未亡人と息子をサポートするのだけど、自分が斬った張本人だとなかなか言い出せない、これもまあ健さんは口下手だからしょうがないなあ、さらには未亡人役の三田佳子も健さんを弁護してくれるもんで、ああ健さんは悪くないんだ、と。この辺りが娯楽作品の限界、作品の浅さでもあるのでしょうが、そのお陰で誰もが作品を気持ちよく楽しめちゃう、ってのも確か。クライマックスの左右田組への殴り込みのシーン、明らかにイメージは「忠臣蔵」で、サービス満点、しかも討ち入りだけに終わらずに石切り場での死闘になだれ込み、これはもうギャング映画のノリで、サービスし過ぎ。すばらしい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-26 08:24:27)

56.  将軍家光の乱心 激突 痛快娯楽時代劇よ、今ひとたび。ってな感じで、まーとりあえず派手に盛り上げる盛り上げる。ワンカット撮影で俳優自身がスタントをこなしている事をアピールする千葉真一の厳しい演出もあり(ターザンロープの凄さ!)、また時代劇と思えぬ爆破シーンの多用もあり(ちょっと爆発多すぎませんか?)、派手さには事欠きません。しかも時代劇であると同時に西部劇。荒野があり、風が吹き、土煙が舞う。『ワイルドバンチ』のごとく橋が爆破され、『明日に向って撃て!』のごとく、画面が静止する。とまあ、楽しさ満載の映画ではあるのですが…。でも違和感もあり。身を挺してひとりを守り抜くノリは千葉チャンの『里見八犬伝』に近いのかな。でもやってることはもっと悲壮感があって、テロリズム映画『十一人の侍』みたいなところもある。で、どうも登場人物たちのアッケラカンとした感じと、やってることの自爆テロみたいなハチャメチャさが、しっくりこないのです。例えば緒形拳演じる主人公、恨みを持ちつつもそれを表に出さぬ、本来ならもう少し影のある存在だと思うのですが。その影があまり描かれない。ましてや他の連中なんて、何で唐突に自己犠牲的いや自己破壊的な行動に走るのか、さっぱりわからない。自己犠牲も連発すると、こちらもマヒしてきて、「はいはい、で、次は誰が死ぬの?」みたいなことになっちゃう。もう少しドラマに厚みがあってもバチは当たらんでしょう、などと思っちゃうのですが。でも本作、とにかく痛快です。久しぶりに観てまた楽しませていただきました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-09 22:34:39)

57.  ジャッカル うわめっちゃオモロイやん。以前観た時はなぜつまらんと思ったのだろうか。ってそりゃ、映画『ジャッカルの日』のオモシロさ、さらには小説『ジャッカルの日』の面白さ(ホントに興奮したなあ)があったからに決まってるんですけどね。大体この『ジャッカル』、原作が「ケネス・ロスの脚本」(フォーサイスの小説ではなくて)とせざるを得なかったところがすでにトホホなんですけれども。しかしその逆境にもめげず、よくぞ製作してくれました。もうこれ、オリジナル作品です、『ジャッカルの日』との関連なんて、事前に試射してみるシーンくらいのもんでしょ。優秀な殺し屋が、よりにもよって暗殺にあんな大砲みたいなヤツを使うなんていう発想が素敵です。前半は、ケガとカツラが似合う男、ブルース・ウィリスが、カツラまたカツラのファッションショー、神出鬼没とばかりに様々な場所に現れる。髪型と背景がひたすら変化し続ける、というのが面白く、自動車のペインティングなどを着々とこなしていく描写も面白い。要するにこの怪人ぶり。ギア様はちょっと存在感が薄く、だもんで、ギア様関連の背景も薄くなってしまった感があるのが惜しい(ってか致命的かも)点ですけど、地下鉄での追跡劇などは、今回観てて本当にシビれました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-04 09:44:38)(笑:1票)

58.  地獄門 平安時代を舞台にした絢爛豪華な映像に対して、オハナシの方は、ストーカー男が人妻にちょっかいをかけるという、あまりスケール感の無いもの。そのストーカー男の一途で青臭い役柄を、貫禄ありまくりの長谷川一夫が目をひん剥いて渾身の演技でやってるもんだから、これはこれでインパクトありますけどね。そういう意味でクライマックスは確かに圧巻なんだけど、ラストにおける2人の男のやりとりは、ちょっとくどいんじゃなかろうか。語りつくしてしまった感があり、余韻を損なったかも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-26 22:35:21)

59.  新幹線大爆破(1975) 《ネタバレ》 新幹線にバクダンが仕掛けられ、時速80kmを下回ると爆発してしまう!このような場合、どうすればよいのだろうか。 ・犯人グループはまずデモンストレーションとして、蒸気機関車に同じ爆弾を仕掛け、単なる脅しではない事を示した。・「蒸気機関車」に対して取り付け可能であることからすると、爆弾は、新幹線の電気系統に取り付けられたものではなく、(何らかの手段で)直接、速度を測定し爆破スイッチを起動するタイプのものであると考えられる。・とすれば、新幹線の内部ではなく外部に取り付けられていること、特に車両底部あたりが怪しいことが、この時点ですでに予想される(これは映画の中で別手段により確認される)。・そこで、対策として、関門トンネル内の線路を液体窒素でジャブ漬けにする。車両底部が浸る程度の深さが好ましい。・新幹線が通りかかると、車両底部が爆弾ごとカチンコチンに凍り、爆破機能が失われる。解凍する前に乗客を避難させる。これで万事解決。・以上が困難であれば(ってか、無理ですね)、液体窒素の代わりに、水を関門トンネル内に注入してもよい。起爆装置はショートし、機能しなくなるのである(ホント?)。・・・・・・とかいう内容ではありません、もっとオモシロイ映画です(笑)。パニック映画のような発端ですが、映画の中心的な内容は、身代金受け渡しにおける、犯人側と警察側のスリリングなやりとり(ちょっと盛り沢山のサービスし過ぎで、スリルが欠けてしまう面もありますが)。最後の“解決”まで一気に見せると同時に、そこにはどこかダーティな印象すら感じさせ、余韻を残します。・・・・・・それにしても、今観ると、「安全」に関わるセリフの数々が、ナントモ皮肉に響きますなあ。[地上波(邦画)] 7点(2008-04-20 15:59:26)

60.  処刑遊戯 「殺し屋の孤独」とか、「裏切り」とか、はたまた「寡黙さ」とか、まー言ってみればその方面の作品としては常道のキーワードで成り立ってる映画で、そういう意味ではアリキタリなんだけれど。でも、そういうアリキタリさを、村川透が、あるいは松田優作が、どう料理するか、ってところが、やっぱり楽しみだったりするのであります。王道と邪道のせめぎ合い、とでも言いますかね。そう言っちゃうと大仁田厚のプロレスみたいでイヤですね、うひょひょ。 およそ、感情というものを一切排したまま映画は進行し、いよいよクライマックスには、例によってド緊迫の超長回し銃撃戦が展開! 「ヨッ!待ってました!」と声のひとつもかけたくなる、というもの。[地上波(邦画)] 7点(2006-09-28 22:53:19)

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