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性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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61.  忍びの者 霧隠才蔵 『忍びの者』シリーズがリニューアルし、主人公が石川五右衛門から霧隠才蔵へとチェンジ。とは言っても主演はもちろん市川雷蔵。大阪冬の陣から夏の陣が舞台で、大砲がドカンドカンと炸裂しまくる派手な戦闘シーンが目を引きますが、あまりに豪快なので、もしかしたら旧作の流用フィルムかも知れませんが、観てるコチラも憶えちゃいないので問題ナシ(流用じゃなかったら、スミマセン)。今回の雷蔵さん、幸村家臣の他の忍者たちを演じる大映脇役オールスターズ(?)に混じり、あくまで真田十勇士のひとりという役どころ。もうちょっと活躍して欲しい気がしないでないですが、それでも見せ場はたくさん。敵にとっ捕まるやら、しまいには死んじゃう(?)やら。いずれにしても、忍術妖術の類は登場せず、あくまで、耐える者としての忍者、厳しい掟のもとに生きる(そして死んでいく)忍者の姿が本作でも描かれていて、虚無感を漂わせた娯楽作品となっています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-02 22:50:08)

62.  真剣勝負 クサリ鎌の宍戸梅軒との戦いを描いた宮本武蔵映画、主演も監督も東映5部作と同じですが、こちらは東宝、だもんで、冒頭に登場する過去の戦いのダイジェストは、5部作から引用したかのように同じ雰囲気を湛えてはおりますが、当然ながら撮り直したもの。吉岡伝七郎との戦いの場面など、背景の三十三間堂は完全に書割りだったりして、ちと残念なんですね。しかし本編は、5部作とは完全に異なる独自の世界。チャンバラ映画というより、怪談というか妖怪譚というか。不気味なんです。前半、武蔵が梅軒の家を訪れる。その夜の不穏な空気。梅軒は部下の八人衆とともに武蔵を闇討ちしようとする。それを察知した武蔵。後半は、夜が明け、彼らと武蔵とのいつ果てるとも知れぬ戦いが描かれます。これがもう、まるで、賽の河原で鬼を斬る、といった感じの、現実離れした虚無的な世界。三國連太郎演じる梅軒の、完全にイッちゃってる鬼気迫る表情と、ニヒルに彼を追いつめる武蔵、本当の「鬼」は一体、どちらなのか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2014-03-31 23:17:51)

63.  縄張はもらった まあ何とガラの悪い映画。一応は日活のスター映画なんでしょうけれど、長谷部安春監督がやりたい放題、女優の皆さんはやられたい邦題で、刺激的なシーンの数々でございます。街を闊歩するチンピラどもを見てると、ここは無法国家かと。主演の小林旭もここではコワモテの役柄。彼が刑務所を出所した時、彼のいた一文字組に昔の面影は無く、ハザマ組に呑まれかかっている。そのハザマ組の密命を受け、小林旭は、街で幅をきかせている別の2つの組の対立をあおって殲滅を図る。この計画のために集められた精鋭(?)たちが、役に立ちそうな立たなそうなユニークなメンバーで、なかなかに魅力的なのですが、危険な作戦の中で、ひとりまたひとりと犠牲になっていきます。非情に徹する小林旭。しかしやがて彼は、ハザマ組にも反旗を翻す。という訳で、抗争に次ぐ抗争。またそこにはライバル同士の友情なんかもあったりして。こだわりのカメラにトンがった演出、エロあり暴力あり、そして男の哀しさ、女の哀しさがある。この映画、カッコ良い。[CS・衛星(邦画)] 9点(2014-03-13 23:30:25)(良:1票)

64.  地獄(1999) 亡者どもが責苦を受ける地獄の光景。責め苦なのやら単なるハダカ踊りなのやら、変態的で楽しそうに見える部分もありますが。しかし作品の殆どは、地獄に落ちるまでの現生での悪事を描いており、しかもそれが有名な実際の事件に取材したもの。いや、実際の事件を表面的にトレースしたもの。テーマの重さにそぐわぬパロディ色が感じられてしまうのが、観ていてとまどうところ。で、事件を描くエピソードの最後に、ちょっとだけ地獄での責め苦が描かれて、その描写は残酷ではあるけれどユーモラスでもあって。要するに、地獄よりも現実の方がよほど「地獄」だ、ということでしょうか。醜悪な現代を裁くには、老朽化した地獄の設備ではもはや対応できません・・・。と言う訳で、実在の事件を描くにしては皮相に過ぎて物足りなく、地獄を描くホラーファンタジーとしてはボリュームの面でもイマジネーションの面でもやや物足りないところ、ではありますが、それにしたってまあ、荒唐無稽この上もない地獄の光景を映画として演出し、役者の皆さんも地獄の鬼やら亡者やらを一生懸命演じている(ラストには超適役のアノ大物まで)、これだけでも充分、眩暈のしそうなハチャメチャぶりを堪能できます。それに、意外に地獄って本当にあんな所なのかも知れないし。[DVD(邦画)] 6点(2014-02-16 09:01:27)(良:1票)

65.  新・男はつらいよ 膨大なシリーズ作を誇る、この「男はつらいよ」シリーズ、マンネリが売りとは言え、色々と変化球も仕込んでくるのだけど、一番手っ取り早い変化は、監督を代えること、ですね。脚本に山田洋次が関わり続けても、監督が代われば確実に雰囲気は変わります。で、この第4作、残念ながら、それが良い方向には向かってません。何だか安っぽい画作りで、シリーズ最低水準じゃないでしょうか。しかし、笑いの要素はもっとも豊富。いかにも長屋モノのコメディ、といった感じで、近所の人々がワンサカ出てきて(御前様まで出番が多い)、賑やかな作品です。何かと珍しいシーンもありまして、回想シーンなんて珍しいやんか(タコ社長の語りの場面)、とか、寅さんが大金持ちになってタクシー乗ってるなんて珍しいやんか、とか。とらやのおばちゃんが腹を抱えて爆笑してるシーンってのも珍しい(このヒト、よくわからんことで泣いてる場面が多い)し、おばちゃんの洋装に至っては、正視してよいものやら(笑)。あとどうでもいいけど、とらやの2階って、左手に階段があったんですね、とらやの構造がよくわからなくなってきた。それはともかく、ラストの寅さんがとらやを発つ場面も、ややクドい感じのセリフで締めて、何かとわかりやすい、“笑いあり涙あり”な作品にはなっております。美人の春子先生には、近いうちに再登場していただきたかったです(まさか十数年後に別人になってしまうとは)。ちなみに中盤で流れる弦楽四重奏曲は、ベートーヴェンのラズモフスキー第3番第2楽章。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-02-02 09:14:08)

66.  昭和残侠伝 死んで貰います あわや一触即発となった場を収めるため、心ならずも高倉健をタコ殴りにしてしまう池部良。この展開がすでに「勧進帳」を想起させ、やるせないものがあるのだけど、後で池部良が頭を下げれば高倉健はさらに深く頭を下げる、まさに礼儀人情思いやりの倍返し。ラストの殴り込みは、ヤクザもカタギもない、二人だけの世界。そして彼ら取り巻く人々、フジ純子はともかくとしても(笑)、(あと、真田広之少年の初々しさはともかくとしても)、一宿一飯の義理から鉄砲玉を買って出ようとする弟分の松、義理の息子の帰宅を、知らないふりでそっと見守っていた義母など、「無私」と「瘦せガマン」の美学に満ち溢れた、哀しきユートピアがここにあります。無情にもすべてを断ちきるような終わり方にも、絶大な余韻あり。[CS・衛星(邦画)] 10点(2013-11-05 22:44:04)

67.  新選組始末記 新選組を題材にした映画ですが、今の視点からすれば、これは「ブラック企業モノ」と呼んでもよいでしょう。近藤勇にあこがれて新選組に入隊した山崎蒸だが、いざ入ってみれば彼の理想とはかけ離れた実態。その体たらくに呆れているのはまだ序の口、気がつきゃイザコザの詰め腹切らされ、文字通りあわや切腹、という身に。しかし、本人は武士としてのヤル気マンマン、近藤新局長も何だかかばってくれるしで、「ズルズルと」池田屋騒動での大活躍になだれ込む。これは今の言い方では、ブラック企業に加担しちゃうブラック社員という奴でしょう。しかし、そう言っちゃうのは単なる「レッテル張り」、何とも味気ない。ブラック社員にも生き様があり、悲しく見送る女がいちゃったりもする訳ですな。というようなオハナシ(と言ってよいのか)を、三隅監督が鋭い演出で描いておりますが、後半、ちょっとまとまり切らなかったかな、と。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-10-12 17:41:17)

68.  集団奉行所破り 東映の一連の“集団抗争時代劇”が、時代劇の歴史における異色作であるならば、本作はさらにその集団抗争モノの中の異色作とでも言えるでしょうか。虚無感や悲愴感より、ユーモアがまずは表に出ています。ここでの“集団”とは、ほとんどゴロツキのような連中、その彼らの大阪弁での軽妙な会話というか、逆にディープ過ぎる会話というべきか、がテンコ盛りで、要するにユーモラスであると同時になんともコッテリした、関西人以外のヒトが観れば胸焼けしそうな世界です。開高健の「日本三文オペラ」みたいなエネルギーあふれまくりの世界。小難しい顔した大友柳太朗演じる浪人も、軽妙な彼らの中に混じるとむしろ、これまたユーモラスな存在ともなるんですけれども、映画はただただ明るい色調なだけではなく、登場人物たちそれぞれの「訳あり」なところが、時に映画に暗い影を落としたりもします。彼らが目指すは、よりにもよって、奉行所への押し込み強盗。究極のアナーキズム。そしてクライマックスの死闘へなだれ込むと、やはり悲愴感・虚無感が表れてくるのですが、それをひたすらあおり立てるのではなく、BGMなどに感傷的な要素を入れているのも、見逃せない本作の特徴。登場人物誰もが、活き活きとして素晴らしい。一見冷酷ながら二面性を備えた役どころの佐藤慶が素晴らしい。そして誰よりも、シナシナとシナを作りつついかにも訳アリ感に満ち満ちた、桜町弘子が素晴らしいです。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-08-31 10:54:04)

69.  次郎長富士 大映が贈る、オールスター娯楽超大作時代劇。いや実際、大映作品だか東映作品だかよくわからない出来栄えです(一応、褒めているつもりなのですが…)。日本の誇るゴッドファーザー・清水の次郎長親分と、次郎長一家の面々の活躍活躍大活躍を、これ以上詰め込みようのないくらいぎっしりと詰め込んだ細密充填構造、呆れる他に無いくらい楽しい作品です。どっしり構えた長谷川一夫の次郎長に、やんちゃぶりが乗りに乗ってる勝新石松。雷蔵の神妙な顔もあれば、仇役はタッキー黒駒、そしてその側近である好敵手・小岩には、帰ってきたウルトラマンの2代目隊長(すみません、あの特徴のある声を聞くと、伊吹隊長を思い出してしまうのです)。さあ、この映画を楽しまずして、何を楽しむというのか? え? 展開が早すぎてついていけない? 大丈夫大丈夫、ついていく必要はありません、どこからでも楽しめる映画です。ラストの富士をバックにした戦争映画のごとき闘争絵巻! 最高ですな。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-12 14:44:19)

70.  十三人の刺客(2010) どこか超現実的な浮遊感とも言えそうな虚無感を漂わせていたあの元映画よりも、『将軍家光の乱心 激突』のスペクタクル調に近いかも知れません。だから、あのスックと立ちふさがった姿、役所広司じゃなくて千葉真一だったらなあ、と思わんでもないし、殿様の「イッチャッテル感」も京本政樹の方がストレートだったりするのですが、まあ何にせよ、この作品、“修羅場”の映画です。「タイタス・アンドロニカス」のノリとも言ってもいいかも知れない。クライマックスの破壊と修羅場を描かんがためにすべてを準備し、あとはただひたすら、殺戮、破壊、修羅場。“刺客”たちが次々に弓矢を投げ捨てる姿がひたすらカッコいいのです。そしてあの鮮烈な、「みなごろし」の文字の、どんな残酷描写よりも引けをとらない恐怖。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-06-09 12:05:21)

71.  昭和残侠伝 唐獅子牡丹 難点はいろいろあるかも知れないけれど、日本人のメンタリティに完璧なまでにフィットするこういう作品には、やっぱり逆らえませんなあ。健さんが弟分の起こしたトラブルの尻ぬぐいのため、やむなくヒットマンとなり秋山の親分さんを斬ってしまうのだけど、この対決の場面が「お互い納得ずく、正々堂々の戦い」が強調され、ああ健さんは悪くないんだ、と。はたまた出所後の健さんが親分さんの未亡人と息子をサポートするのだけど、自分が斬った張本人だとなかなか言い出せない、これもまあ健さんは口下手だからしょうがないなあ、さらには未亡人役の三田佳子も健さんを弁護してくれるもんで、ああ健さんは悪くないんだ、と。この辺りが娯楽作品の限界、作品の浅さでもあるのでしょうが、そのお陰で誰もが作品を気持ちよく楽しめちゃう、ってのも確か。クライマックスの左右田組への殴り込みのシーン、明らかにイメージは「忠臣蔵」で、サービス満点、しかも討ち入りだけに終わらずに石切り場での死闘になだれ込み、これはもうギャング映画のノリで、サービスし過ぎ。すばらしい。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-05-26 08:24:27)

72.  四十七人の刺客 どの忠臣蔵映画がどんな“売り”だったものやら、映画が沢山あり過ぎて、とりあえず一本ずつ観ていくしか区別のしようがない。本作、冒頭に出演者もスタッフもクレジットされないのでさらに予備知識が無く、観ていると、わ、こんな俳優が、わ、こんな役で出てる、と豪華出演陣に目が白黒、それなりに楽しかったりもする。しかし。監督が市川崑ということまで事前に知らずに観るのは、正直つらい(笑)。事前に知っていたら、変な映画であろうことをそれなりに覚悟して観るのだけど…。実際、この映画、変です。そりゃま、同じ忠臣蔵映画が何本も存在してもしょうがないので、ヘンテコでもいいのですが、では一体、何が“売り”なのか。忠臣蔵と言えば普通描かれるようなエピソードは省略され、普通描かないようなエピソードが付け加えられる。実録風の解説が加えられる(でも何だかウソ臭い)。意味ありげにシーンを引っ張る割に、大して人間を描く訳でもない(どの人物も、印象が薄い)。大規模なセットを組んだ割に、意外に盛り上がらない討ち入りシーン。カタルシスの乏しいこと。裏に封印される「真相」(何のために作品に「真相」を持ち込み何のために封印したのやら???)。という、従来とは違ったユニークな忠臣蔵なのですが、やっぱりこういう変な忠臣蔵映画作るんだったら、そもそもオールスターキャストって全くそぐわないですよね~。もっとハメ外してテロリスト映画にして欲しいですよね~。というような期待すらも徹底的にはずしてくれるのが、この「市川崑映画」というものの“売り”なんですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2013-01-28 21:24:01)(良:1票)

73.  十七人の忍者 「十七人」とはちと多く無いですか? 100分の映画なら一人あたり6分しか持ち分が無いですやんか。いえいえ、この数字は、捨て駒として露と消えてゆく忍びの者のはかない命を表しているのです。これがおサムライさんだったら、一人ひとりの存在感も高く、『三匹の侍』あるいは悲壮感が増してくると『七人の侍』『十一人の侍』『十三人の刺客』と人数も増えてくる。忍者はそれ以上に“消耗品”扱いなんですな。「カシラが死ねと言えばいつでも死ぬ、それが掟」。なお、さらに人数が増えると「101匹わんちゃん」とか「2000人の狂人」とかになる訳で、“忍者”の置かれているポジションが数字によく表れていますね。さて本作、いやこれは面白いですよ。密命により、城にある連判状を盗み出す決死の作戦に挑む伊賀忍者隊。片やこれを待ち受ける城の防衛を指揮するのは、根来忍者・才賀。彼の鋭い読み、鉄壁の守りに対し、伊賀忍者たちは仲間の命を犠牲にしながら隙を窺うが……はたして、連判状奪取作戦の行方は、いかに。十七人もいた仲間が次々と命を投げ出していく大胆な消耗戦、ある意味大味な展開の一方で、城への侵入の模様などの“忍術”をディテール豊かに描いて見せる、その対比が面白くてワクワクします。伊賀忍法と根来忍法、勝つのはどちらか。敵の忍者・才賀がえらくキャラ立ちしていて、忍術使いというより妖術使いに見えちゃうのですが、“忍術”とは言っても最後にモノを言うのは、腹の探り合いであり、自分の命すらかえりみないヤセガマンであり。またそれこそ最後に勝敗を左右するのは、人望とか仲間内の結束力とかであったりする訳で、ビジネス指南映画としても最適でしょう…?。[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-20 08:24:04)(良:1票)

74.  将軍家光の乱心 激突 痛快娯楽時代劇よ、今ひとたび。ってな感じで、まーとりあえず派手に盛り上げる盛り上げる。ワンカット撮影で俳優自身がスタントをこなしている事をアピールする千葉真一の厳しい演出もあり(ターザンロープの凄さ!)、また時代劇と思えぬ爆破シーンの多用もあり(ちょっと爆発多すぎませんか?)、派手さには事欠きません。しかも時代劇であると同時に西部劇。荒野があり、風が吹き、土煙が舞う。『ワイルドバンチ』のごとく橋が爆破され、『明日に向って撃て!』のごとく、画面が静止する。とまあ、楽しさ満載の映画ではあるのですが…。でも違和感もあり。身を挺してひとりを守り抜くノリは千葉チャンの『里見八犬伝』に近いのかな。でもやってることはもっと悲壮感があって、テロリズム映画『十一人の侍』みたいなところもある。で、どうも登場人物たちのアッケラカンとした感じと、やってることの自爆テロみたいなハチャメチャさが、しっくりこないのです。例えば緒形拳演じる主人公、恨みを持ちつつもそれを表に出さぬ、本来ならもう少し影のある存在だと思うのですが。その影があまり描かれない。ましてや他の連中なんて、何で唐突に自己犠牲的いや自己破壊的な行動に走るのか、さっぱりわからない。自己犠牲も連発すると、こちらもマヒしてきて、「はいはい、で、次は誰が死ぬの?」みたいなことになっちゃう。もう少しドラマに厚みがあってもバチは当たらんでしょう、などと思っちゃうのですが。でも本作、とにかく痛快です。久しぶりに観てまた楽しませていただきました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-09 22:34:39)

75.  ジャッカル うわめっちゃオモロイやん。以前観た時はなぜつまらんと思ったのだろうか。ってそりゃ、映画『ジャッカルの日』のオモシロさ、さらには小説『ジャッカルの日』の面白さ(ホントに興奮したなあ)があったからに決まってるんですけどね。大体この『ジャッカル』、原作が「ケネス・ロスの脚本」(フォーサイスの小説ではなくて)とせざるを得なかったところがすでにトホホなんですけれども。しかしその逆境にもめげず、よくぞ製作してくれました。もうこれ、オリジナル作品です、『ジャッカルの日』との関連なんて、事前に試射してみるシーンくらいのもんでしょ。優秀な殺し屋が、よりにもよって暗殺にあんな大砲みたいなヤツを使うなんていう発想が素敵です。前半は、ケガとカツラが似合う男、ブルース・ウィリスが、カツラまたカツラのファッションショー、神出鬼没とばかりに様々な場所に現れる。髪型と背景がひたすら変化し続ける、というのが面白く、自動車のペインティングなどを着々とこなしていく描写も面白い。要するにこの怪人ぶり。ギア様はちょっと存在感が薄く、だもんで、ギア様関連の背景も薄くなってしまった感があるのが惜しい(ってか致命的かも)点ですけど、地下鉄での追跡劇などは、今回観てて本当にシビれました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-01-04 09:44:38)(笑:1票)

76.  地獄門 平安時代を舞台にした絢爛豪華な映像に対して、オハナシの方は、ストーカー男が人妻にちょっかいをかけるという、あまりスケール感の無いもの。そのストーカー男の一途で青臭い役柄を、貫禄ありまくりの長谷川一夫が目をひん剥いて渾身の演技でやってるもんだから、これはこれでインパクトありますけどね。そういう意味でクライマックスは確かに圧巻なんだけど、ラストにおける2人の男のやりとりは、ちょっとくどいんじゃなかろうか。語りつくしてしまった感があり、余韻を損なったかも。[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-09-26 22:35:21)

77.  十一人の侍 『十三人の刺客』と『七人の侍』を足して2で割ると、ああ確かに(13+7)÷2=11人。ハイ、計算間違い。いや何にせよ、タイトルと言い、敵を待ち伏せる展開と言い、クライマックスの豪雨といい、『七人の侍』と敢えて共通点を持たせることによって、作品のベクトルの違いが、より強く印象付けられます。どっちかというと、“忠臣蔵”からあらゆる潤いを取り去って、ひたすら殺伐とした作品としたような感じ(僅かに残された潤いも、すべて作品の中で取り去られる)。集まった侍たちは、個性豊かに描き分けられることなく、単色に染められ(互いにやたらと名前を呼び合う点だけが、唯一の存在主張)、いわば“消耗品”として、戦いの中に命を散らせて行く。要するに、テロリスト。いやホント、殺伐としてますなあ。[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-09-18 07:58:02)

78.  忍びの者 手裏剣やら、マキビシやら、これぞ忍者の教科書、といった感じの作品。だったら城に忍び込む時は堀を潜って渡るのではなく、水グモを使って欲しかったけど。そういう悪ふざけをしないのが本作の良いところ。巻物咥えて忍術を使ったりはせず(そりゃそうだ)、ひたすら忍者のキビしさにスポットが当てられていきます。主人公の忍者、その名は石川五右衛門。演じるはもちろん市川雷蔵。とても五右衛門には見えないね、ははは。で物語は、五右衛門伝説に『屋根裏の散歩者』を絡めつつ(?)、忍びの者の暗い宿命を描きつつ、クライマックスはまるで戦争映画のように盛り上がっちゃったりして、いやなかなかスゴい作品でした。それにしても雷蔵はサワヤカ過ぎる。岸田今日子とのカラミって、どうなのよ、コレ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-09 00:40:55)

79.  不知火檢校 立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47)

80.  七人の侍 高校の頃、教師へのアンケートをとったりなんかすると、「好きな映画」の欄にやたらこの作品の名前が挙がってて、「ああ、ウチの高校、年寄りの先生ばかりだから、こういう古い映画しかきっと知らないんだろう」くらいにしか思ってなかったのですが。大学入ってから実際にこの映画を観て、アイタタタ、“本当にオモシロい”からこそ、この映画を教師達があげていたんだな、と気づいたのでした(しかし年寄りばかりだったのは事実)。アクションの凄さ、キャラの魅力、心地良いヒューマニズム。究極の娯楽作と呼べる一本だと思います。これだけの長尺なのに、長さを感じさせず、しかしやっぱりこの長さならではの満足感がしっかりと味わえます。もっとも、ストーリー的には、昔話の「桃太郎」とあまり変わらない気もしますが(笑)。しかしこの映画が無ければ、アノ映画もコノ映画も存在しなかったのではないか、と思うとやっぱり凄い(『荒野の七人』はともかく、『プライベート・ライアン』も本作との関係が本当に深いと思う。最近観た際には、ジョン・ウェインの『アラモ』すらも思い出してしまった。これは実際に関係あるのかどうか知らんけどね、えへへ)。つまり、映画の原点は、桃太郎だったのですな。それはともかく、本作、七人の誰が好きか、というので話が盛り上がったりもするのですが、今の私からすれば、加東大介が一番、サラリーマンらしくて好きです、ハイ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2009-08-07 00:16:40)

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