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プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  映画 ゆるキャン△ 《ネタバレ》  テレビシリーズでは2期25話かけて女子高生たちの晩秋から初春までのほんの4~5か月の出来事を描いていたのね。描かれたのは数回のキャンプ。それもみんながひとまとまりになって、ではなくてソロだったり特定の人数だったりとわりとバラバラ。何か大きな出来事がある訳でもなく(軽装備過ぎて凍死の危機!っていうのは大きな事件だったかな)、ただキャンプを楽しむ姿をじっくりと(特に料理の描写には拘って)見せていたわ。  で、いきなりそこから10年くらい経過しちゃってるのが今回の映画版。みんな社会人になってあちこちで一人暮らしして車持っててお酒飲んで。正直なハナシ、飛躍し過ぎでしょ!って思ったわ。あのゆるキャンの世界にはもう戻らないの?って喪失感みたいなの抱いて。  それに今回は大きな目標が設定されて途中で障害や挫折があって山あり谷ありのドラマティックな展開、そこからはかなり『ゆるキャン』の持っていたユルいのんびりとした感覚がスポイルされてしまったわ(一切、ではないけれども)。  放置された公有地をキャンプ場として再生する、そのために休みを利用して遠方メンバーは名古屋や昭島から山梨まで通う、のだけれどもボランティアで多分ガソリン代も自費だわよね。どうしたってやりがい搾取感が漂ってしまうわ。キャンプが大好きだから、って大前提があるにしてもそこはキチンと筋が通されるべきじゃないかしら。なんか自治体の方は計画にGOを出しながら具体的な予算や資材人材なんかまるっきり放置って感じに見えるのだけど。  その上で遺跡が見つかって計画が白紙に戻って、って波乱万丈状態になるあたりでどんどん「らしさ」から遠ざかってゆくわねぇ、って感じちゃって。  ただ、だから駄目、とは言い切れないのよね。高校時代とは違ってそれぞれ社会人になって社会との接点が出来て立場が生まれて責任も生じて。成長した中で趣味に向き合う、変わらなくちゃならないもの、変わらないもの変えないもの、そんなことを描いていて。世界を先に進めました、という映画なのね。テレビシリーズが過去になってしまうのは淋しいのだけれども、それもまたあり方の1つね。  もう少し各キャラのゆるく明るい時間を見ていたかったのがホンネではあるのだけど(「ウソやで~」がどうにも不発だったのがなんとも)・・・[映画館(邦画)] 6点(2022-07-03 18:30:55)《改行有》

2.  映画大好きポンポさん 《ネタバレ》  ツイッターで評判になっていて、映画好きならば当然心の底から楽しめるのでしょう、と期待していたのだけれども、どうやら何千って映画を見てゆくウチにアタシはつまんない映画オタクへと堕してしまったようね・・・。自分でも驚くほど響かなかったの、この映画。  これって映画についてのアニメ映画なのだけれども、あくまで映画の言語ではなくてアニメの言語で描かれているのね。そりゃアニメ映画なのだから当たり前なのかもしれないわ。ヘン顔とか汗とか。だけど劇中劇(というかアニメ映画内映画)までもがアニメの言語で描かれてしまっていたら、それは違うでしょうと。そこはあくまで映画としての括りで描かれていたのだから。  追加の脚本部分、アレは本当にポンポさんが書いてしまったの? 主役でもなければ語り部でもない追加の登場人物がいきなり心の声を響かせてしまう、そんなアニメの言語で描かれたようなモノが通用するのかしら?   それにピアノの前の老人の黒い禍々しい影と瞳の光のエフェクト、アレも無しよね。そんなアニメアニメした即物的表現(あるいはマーベルとかDCとか怨霊モノとか)が必要? 編集画面にきっちり描かれていたのでアレはあくまで素材そのものに刻まれたモノよね。  それがラジー賞ならともかく最優秀作品賞とか最優秀脚本賞とか獲れるの?あの題材、あの撮影素材が果たしてそんなに素晴らしいものなの?っていう疑問はともかくとしても。  登場人物が揃いも揃って影を持たず、ポンポさんは天才で、物事は全てポジティブに進み(銀行の件など困難ではあってもネガ方向のベクトルではないわ)、映画製作の裏に存在する闇などなくて、でもそれはそれで現実の投影である必要はない、観ているみんなに希望を与えるものであってもいいでしょう。でもどうにもアタシにはそれがムズムズと居心地の悪い、キモチの良くないモノなのね。みんな仲良し馴れ合いワールドで映画ができました~・・・やっぱりキモチ悪いわ。アタシマジダメなオタク。  でもアタシ的に楽しめたところもあったわ。  頻出するフィルムの絵、アレに光学式サウンドトラックとドルビーデジタルのデータはハッキリ確認できたけど、SDDSのデータは微妙で(多分無い)、DTSの同期信号は無しだったとか。  女優の顔さえ綺麗に撮れていればそれでいいというのはアタシが前からレビューによく書いているコトなのでバリバリ共感したり。  飛行機のシーンでのベクトルを観察したりとか。西海岸からヨーロッパ方面に飛ぶ飛行機をどっち向きに描く? 客席は進行方向に向いているべきだけど、どうだった?  あと作ってる映画を自分ならどうする?って考えたり。前半のコンサート部分はタイトルバックに詰め込んで本編いきなりアルプスから始めるとか。コンサートからアルプス以前までの出来事は回想として断片化するとか。老人が屋根から落ちたら笑えないでしょ?むしろ心配でしょ?だから切る、とか。  映画についての映画だけど、五月蠅い映画オタクとかシネフィルとかいった存在は意識してたのかしら。むしろ切り捨てるべきと考えたかしら。映画って出来上がった作品が総てだからそこは判らないわね。  そうね、だからアタシはダメな映画オタクだけどさ、1本1本の映画はこうして真剣に真面目に見てるのよね。そこについては認めてね、と自己弁護しておしまい。[映画館(邦画)] 5点(2021-06-18 20:16:52)(良:1票) 《改行有》

3.  映像研には手を出すな! 《ネタバレ》  嫌な予感はしてたわ。  監督は『トリガール!』『3D彼女 リアルガール』と「オタクを題材にしながらオタクを見下した視点」で映画を撮る人だから。その不安はこの映画でも解消されてない。  メイン以外の様々な面倒なオタクを笑いモノにしてみせるし、メインにしたところで、その情熱のカタチの表層を描くことはしても、その対象への姿勢、そして努力の末に結実したものをキチンと見せる事はしないわ。ゴチャゴチャと盛り込んだ(多くはただ映画を賑やかすための)要素によって掻き消されてしまったモノも少なくないのね。  『映像研に手を出すな!』が描いたものは、こんなガチャガチャとしたバカ騒ぎ(オタクには厳しいクセに一方で『踊る大捜査線』のパロディの、お決まりのセリフの脇で室井さんのモノマネしてるなんてところまで拘るのよね)じゃなくって、アニメーション(アニメでなく。この映画はその違いすら理解できないままに描かれるんじゃない?と思っていたけれど、それ以前の問題だったわ)についての真っ直ぐな情熱を描いた物語なハズじゃ?って。  それでもコレを酷い映画と切り捨てる事ができないのは、乃木坂46のメイン3人が、ちゃんと浅草氏、金森氏、水崎氏に見えたから。っていうか、それ以外の何者でもない、そこに3人がいたから。再現度とかなんとかってレベルじゃなくて、今のアイドルに疎いアタシにはその3人が映像研の3人としか思えてなくて、生きた彼女達の姿を見ているコトが単純に嬉しかったのね。斎藤飛鳥氏、梅澤美波氏、山下美月氏の功績は大きいわ。  あと、音響部が繰り出す音、アレは映画館って環境があればこそ。5.1chをガンガンと鳴らしてみせて、少なくともそこには映画化の意味があった感じね。  彼女達がアニメーションに向ける情熱と、その結果としての作品の全貌は、アニメ版を見て補完するのが吉ね。『未来少年コナン』の再現も含めて湯浅政明監督のアニメーションに向ける情熱がシンクロして映像研の目指したモノが完璧なカタチで見られるから。[映画館(邦画)] 6点(2020-09-29 20:40:18)(良:1票) 《改行有》

4.  映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ 《ネタバレ》  ツイッターで大々的に話題になっているのだけど、ネットでの大騒ぎがこの映画にとって幸福なコトだとは思えないのね。作品への感想・評価が大袈裟過ぎて、ここに登場するキャラたちが持つココロと乖離しまくっちゃってる状態じゃない。「何気ない佳作」くらいがちょうどいいポジションだとは思わない?  映画を見るに当たって身構えてしまったけれど、幼い子供向けだけにワリとシンプルね。前半、絵本の中に入ってバリエーション豊かな展開をする割にはどうにも単調で見てるのが結構キツいわ。キャラ1人1人のドラマを深読みしようと試みたけど、それぞれの成り立ちに背景はありつつも基本みんな仲良し良いコ状態なので特に深い闇を見せてくれるとかいう訳ではなくて(当たり前)。ナレーションで全部説明してくれちゃう映画だし。  後半の展開は感動的に描けていたわ。ただ、こういうほのぼのシンプルなデザインのキャラで怒涛の泣かせの展開に走る点に意外性があるわけで、その設定そのものはありがちと言えばありがちね。  ネットで取り沙汰されてる『攻殻機動隊』とか『ジョーカー』とかって、真面目に受け止めない方がいいわ。アタシ個人の印象として近かったのは『学校の怪談』シリーズね。  尺も短いし、何か凄いモノを期待して見るのは間違いかしらね。っていうか平日昼間の新宿ピカデリー、子供はちょぼちょぼ、大きいお友達で溢れかえってたわよ・・・[映画館(邦画)] 7点(2019-11-14 19:38:24)(良:1票) 《改行有》

5.  映画 HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ 《ネタバレ》  『プリキュア』の映画。映画をいっぱい見てきてる中でも最も敷居もハードルも高くて、これまで手が出せなかったわ。想像してみてよ、トシ食ったオカマが女児達に囲まれて一体どんな顔して見てられる?  テレビの『プリキュア』は(ニチアサ総じて)これまでなんとなく映ってた的な、見てるってほど見てはいない状態ね。『プリアラ』のあきゆかにはヅカみが感じられて、あきゆか回はわりとしっかと見てたけど。  『HUGプリ』も最初はキャラがキラキラ綺麗な、あとは毎度のプリキュア程度の印象だったのだけど、えみるとルールーが出てきて、その二人がアンバランスなコンビを形成してゆくあたりから注目し始めたのね。抑圧されたプリキュアファンの小学生と敵が送り込んだスパイのアンドロイド。その二人がプリキュアになるに至って、もうのめり込むようになって。  『HUGプリ』は徹底的な自己肯定の物語。その攻めの姿勢は大人が見てびっくり。いじめや差別や固定概念を否定し、ジェンダーフリーを高らかに謳うのね。「女の子だってヒーローになれる!」がキーワードの作品の中で、主人公が言った「男の子だってお姫様になれる!」というセリフ、世の中のどれだけの男の子が救われたことか。今日の放送では遂に男の子のプリキュアが誕生して、その姿勢を更に確固たるモノにしたわ。  映画版は『HUGプリ』と初代の『ふたりはプリキュア』をメインにした作り。歴代プリキュア55人が登場!とは言っても全員が物語に絡んで大混乱、みたいなコトにはなってなくて。過去作のファンには物足りないかもしれないけれど。  オリジナルな物語にはちゃんとドラマがあってメッセージがあって、1つの作品として完結してるのね。テレビシリーズにあるような攻めの姿勢は抑え気味だけれど、新旧プリキュアの競演は感動的。  クライマックス、怒涛の55人プリキュア大競演の盛り上がりは『レディ・プレイヤー1』のクライマックスをも凌駕するわね。心で応援して(応援グッズ、大きいお友達は貰えないのよね)リアルで涙ダダ漏れ。  マシェリ(えみる)とアムール(ルールー)の出番は少なかったけど、あの美しい変身シーンを大きなスクリーンで見られて感激。ルールーのネジネタ笑えたし。  ミデンの世界の間、フルCGになるのだけれど、そこはキャラをゆらゆらと動かし過ぎな気がしたわね。リミテッドな手描きシーンに合わせちゃダメなのかな?  でも、テレビシリーズと併せて、この眩しく煌びやかな世界が東映動画の魔女っ娘モノから変身ヒロインモノに連なる大きな歴史の到達点だと思うと感動もひとしお。『魔法使いサリー』から『HUGっと!プリキュア』までその歴史に立ち会えてる自分って、もしかして幸せなのかも。『プリキュア』のある世界に生まれて良かったわ。  ちなみに平日の昼間に見たので、女児より大きいお友達の方が多くて身の置きどころ無し!ってコトはなかったけど、映画終わって涙目で「プリキュアのパンフレットください」って言うのは最大のチャレンジだったわね・・・[映画館(邦画)] 9点(2018-12-02 20:27:04)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

6.  映画 妖怪ウォッチ/空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン! 《ネタバレ》  CGとの合成を前提として撮られている実写パートがかなりぎこちないとか、アニメパートの作画がテレビアニメレベルのお手軽さとかっていう明らかな難点はありますが、もっと基本的なところで「この映画は大丈夫なのだろうか?」って心配になりました。  アニメのキャラクターがこちら(現実)側の世界の存在になってしまう事に対する違和感、異常さを描いているわけですが、それはつまり『妖怪ウォッチ』という作品そのものがアニメの世界の話である、現実とは違う世界の物語であると主張しているんですよね。こちら側を毛穴世界(アニメのキャラクターには毛穴がありませんから)と呼ぶ主人公を始め、全てのキャラはあちら側の存在であり、そこには明確な境界が存在しているのですよ、と作品をメタ化してみせます。  更にこちら側の人間が逃避という形であちら側の(アニメゆえの)飛躍的に自由な能力を獲得し、あちら側のキャラはこちら側に来る事で現実に引っ張られて能力が極端に低下するという描写によって、その差異を強調してみせた上で、現実を生きるための努力が必要ですよ、アニメに逃避してちゃダメですよ、と釘を刺してきます。  それが劇場に来ていたメイン層である未就学~小学校低学年の子供達に受け入れられるのかどうか、ちょっと心配。むしろ人間側ヒロインの15歳という設定年齢、そのくらいの世代の人に向かって発信されているようにも思えます。大人に向かって社会と自己とに向き合ってゆかなければならない、そんな時期の人。  夢の側から「夢は夢として現実を生きろ」と主張してくる、なかなかに辛辣で侮れない作品だったりするのでした。  まあ、私なんかは遠い昔に手遅れになってますが。CGジバニャンかわいー。[映画館(邦画)] 7点(2017-01-05 22:24:13)《改行有》

7.  映画 聲の形 《ネタバレ》  耳が聞こえないというのは、この映画では障害ではなく個性であるのだと思います。これは障害者の映画ではなく、いじめの映画でもなく、個人と個人についての普遍性を持った映画、なので障害やいじめに固執すると矮小化してしまう、そこを山田監督は真面目に丁寧に、バランス良く描いています。  それぞれの自分を守るための戦いが生む摩擦、その戦いから逃走する事で更に生まれる摩擦、ひたすら繰り返される闘争の傷とその痛みの容赦の無さ。映画はそこに真正面からぶつかっています。他者のパーソナリティを受け入れると共に自分のパーソナリティも受け入れる、それがどれだけ大変な事か、どれだけの傷を乗り越えてゆかなければならないか、その闘争について映画もまた表現の闘争を繰り広げている訳です。ゆえに受け手は見ていて古傷が痛む訳ですが、映画が戦っている以上、受け手もまたその戦いに向き合い、見届ける必要があって。  そんな映画の心を示す映像表現の数々が秀逸です。アニメならではの心象風景とリアルとの共存を端的に示す、顔の上のバッテンマークは勿論ですが、足だけ、顔が欠けている、誰かが収まっていていい筈なのに空いている、そんな不安定な構図が重ねられて、ほのぼのとした絵柄とは裏腹なヒリヒリとした痛みを伴う緊張感をずっと投げかけてきます。  同じ監督と脚本家、そして同じ京都アニメーション製でありながら、この作品とは正反対に位置しているとも言える『けいおん!』(摩擦は意図的に最小限に抑えられています)では複数のキャラのモノローグによって人称がブレて、流れがおかしくなってしまう箇所も見られましたが、今回はモノローグにも制限が与えられ混乱をきたす事がない点も成長が感じられます。  決して心地良い時間を運んでくれる映画ではありませんが(そもそも主人公のパーソナリティを受け入れられない人もいるかと思います)、そこに向き合う事に大きな意味のある作品です。その闘争の真摯な姿勢を高く評価したいと思います。[映画館(邦画)] 9点(2016-09-26 21:05:11)(良:4票) 《改行有》

8.  映画 暗殺教室 《ネタバレ》  面白かったです。でも、それはもうひたすら設定の面白さ、原作未読ですが、多分原作自体の持つ面白さ。  「月を破壊し、地球をも破壊しようとしている謎の生物が何故か落ちこぼれクラスの担任になる」  そのぶっ飛んだ設定だけで楽しめます。しかもバカだけど生徒思いの良い先生。途中『HK/変態仮面』みたいに単なるネタ集状態になっちゃいますが、それもまた楽しく。  でも映画としては結構シンドいデキな部分もあって。  クライマックスでの脱出のシチュエーションを抜く事で説明すべき事を放棄しちゃってます。  鉄塔での戦いでの、いかにも後からCGをハメ込む事を前提として演技してます、ってぎこちなさは手描きアニメとの合成で制約の多かった『メリー・ポピンズ』や『ロジャー・ラビット』の昔よりもずっと未熟。  結局「続く」になるラストも投げっぱなし感がハンパないですし。  生徒達の家庭なんかどうなってるのよ?とか、殺せんせーの存在が国家レベル以外の外部の誰にも気付かれないってあり得る?とか、まあ、そこら辺は割り切って見る部分だとして、もう少しキャラにリアルに生きてる感が欲しかったかな。  結局、マンガを読む代わりにお金払って映画にして見せて貰いました、みたいなモノで、でもまあ最近すっかりマンガ読む気力が無くなってる(アレも気力よね)私には便利なシロモノでした、みたいな?  それが今の邦画の最大の問題点だとも思うんですけどもさ。マンガの映画化ばっかりだもんねぇ。じゃないと商売にならないっていう。[映画館(邦画)] 6点(2015-05-21 21:26:46)《改行有》

9.  映画 ビリギャル 《ネタバレ》  有村架純ってこんなに可愛かったっけ?って。『女子ーズ』や『ストロボ・エッジ』ではそこまでじゃなくって、じゃあ、その2作の撮り方が下手だったのかな?とも思うんですけど、とりあえずこの映画は彼女の可愛さだけで半分勝っちゃってるようなもので。その魅力だけで映画を楽しむ推進力になりますもんね。  物語はダメな女子高生が頑張って慶應大学に合格する話(ここでは省略されちゃってるサブタイトルが付いてますが、その時点でネタバレしてます)、でも、宣伝展開から受けるイメージよりも実際の映画はヘヴィな話で。  主人公には複雑な家庭環境があって、息子だけを偏愛する父親と、二人の娘に愛情をかけ、身を粉にして働く母親と。父親と断絶し、母親の溺愛によってダメっぷりを発揮するヒロインと、父親の期待に押し潰されそうな弟と。バラバラに壊れそうな危うい家族の姿を描いた映画としての側面が強かったりします。  また、ヒロインは学校の教師からはクズ扱いされ、ただ友人達との時間だけが生きがい。  そんなヒロインが進学塾に行き、生徒に理解を示す真面目でひたむきな講師との出会いによって変化してゆく、その講師とのコミュニケーションは軽妙で楽しく、幾つもの対比構造の中で輝きを放つパートとなっています。ここら辺、計算されているなぁ、って感じで。  前記の通り、有村嬢が大きな魅力を放っていたのですが、吉田羊もとても印象に残る母親を演じていて、幾つもの感動を誘います。  講師の言説は理想論に過ぎる感もありますし、いい人なイコン伊藤淳史を起用しているあたりからも、あまりに善悪のイメージを描き分けし過ぎていて、やや鼻白む面が無きにしもあらずですが(このあたり原作本をヨイショし過ぎって感じ?)、ここまでしょーもなく生きてきた私から見たら、大人が子供の可能性を潰しちゃいけないのも、子供が目標を持って頑張るのも、全く正しい事だと思うのでした。  ネタ映画のように思えて、実はとても真っ当な青春映画なのでした。[映画館(邦画)] 8点(2015-05-05 20:57:55)(良:1票) 《改行有》

10.  エイプリルフールズ 《ネタバレ》  決してつまらない訳ではなかった、長所と言えばそれくらいでしょうかねぇ。  ポスターの絵柄にモロに表れているように、『ラブ・アクチュアリー』とか『ニューイヤーズ・イブ』とか『バレンタインデー』の邦画版をやりたかったんでしょうね。幾つものドラマが同時進行で描かれ、それぞれが繋がってゆく、っていう。  だけどこの映画には、構成や繋がり方にそれらの映画ほどの感心させる技巧は感じられません。元々の基本となる各ドラマに無理があるために、繋がりもまた無理を重ねているだけのように思えて。  タイトルを挙げた映画達と違って、この映画は最初に現実的ではないバカ映画ノリ、どちらかと言えば『ハングオーバー!』だとか『メリーに首ったけ』だとかに近い感覚のドタバタ演技、エピソードを重ねてゆきます。そこからシリアスなドラマを生み出そうとしているのがおかしな気がして。登場人物の誰もが「お笑い用に作られたキャラ」に見え、言動に全く説得力が無いので、そこで感情移入して泣いて下さいと言われても、心を重ねてゆける部分がなかなか見当たらないという。  それでも散らばったエピソードをどんどん畳み掛けてサッと〆てみせれば、面白いモノを見たって感覚も生まれたかもしれません。ところがこの映画、大体のエピソードの繋がりが見えてからが長い長い。実質的にはエピローグな部分に延々30分くらい。何度も何度もクドクドと各エピソードの行く末を念押ししまくって、ここで映画の流れが崩壊してしまいます。感動させよう、盛り上げようとタメまくって無駄なカットと時間を重ねて映画の価値を下げるという、日本映画の悪いクセがここで存分に発揮されちゃっててゲンナリ。10分以内で描きましょうよ。  あと、水商売、風俗を差別的に、人間の中でも下位のものとして描いているのが気になりました。そこで働く人々にも心はあるのです。  次々繰り出されるバカな小ネタを楽しむ映画としての価値はあったので、下手に感動ノリに走らない方が良かったんじゃないかと思います。大体、ここで描かれる感動ネタそのものはどれも古典的過ぎちゃってて。  大勢のスターが演じるバカキャラ、この映画の価値はそこにだけあったんじゃないかと。つーか、この映画、みんなそんなに嘘ついてなくない?[映画館(邦画)] 5点(2015-04-07 22:53:14)《改行有》

11.  映画 ST赤と白の捜査ファイル 《ネタバレ》  ドラマ版は第一話をなんとなく見て終了状態だったのですが、映画版、面白かったです。ひたすらキャラものとして。  【以降、映画の仕掛けそのもののネタバレになりますのでご注意を。】  脚本的には結構無理があって。そもそも赤城が逮捕され脱獄し追われるという展開にかなり無理があるので追う方の警察がひたすら無能&お遊び状態に思えてしまい。そこにもちろん裏がある訳ですが、それを事前に100%把握していた人間はごく一部なわけですから、やっぱり無能&お遊びは否定できないんですよね。  それに犯人が犯行の妨げになるSTの解散を目論んだ、っていう設定も疑問。STさえ存在しなければ捜査能力が低下するなんて考えるものなのでしょうか?  大体、ウィルスソフトをばら撒いてワクチンソフトを売りつけるって、そもそも商売として無効化するのが明白なので誰も入札しないんじゃ?  で、だけどキャラが面白くて。赤城・百合根コンビのバカみたいなテンションはアリだと思いましたし(ドラマはあまり見ない私ですが、日頃映画でお馴染みなお二方なわけで、この二人のハイテンション演技が楽しく)、STメンバーや脇キャラも個性的で楽しく。途中、道中を共にする事になる女の子の毒舌っぷりがまたいい感じ。  ユースケ・サンタマリアは毎度のつまんない演技してて、この人ってこんなのしかできないの?とか思っちゃいましたが。  サスペンス映画としてはともかく、キャラものとしてかなり笑わせてもらったので見終わってスッキリ爽やか。なので甘い評価になりました。テレビシリーズをちゃんと見たい感じ。  それにしても、この監督さん、『ガッチャマン』ではなんでこの感覚が全く出せなかったんですかねぇ? 『ガッチャマン』こそはキャラものの基本中の基本ワールドでしょうに。[映画館(邦画)] 7点(2015-01-25 23:03:44)(良:1票) 《改行有》

12.  映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館 《ネタバレ》  去年の『クレしん』と同じ状況になってます。ひたすら状況説明が続くばかりで物語が全く動いてゆかない状態。  ほぼ博物館だけを舞台に展開する内容で、『ドラえもん』世界でお馴染みの道具については色々と語られてゆきます。エンドクレジット部分を含め、カタログ的な価値としてはとても大きいと言えます。  でも、物語はクライマックスでの展開を除くと殆ど台詞によって説明されてゆくばかり。博物館という閉鎖空間で動的な展開をさっさと諦めひたすら点による情報の羅列に終始している感じ。  大体、のび太とドラえもんが物語を殆ど動かしていないのですよね。ゲストキャラクター達の暴走と自己完結を見守る狂言回し的な存在でしかなく、ただ盗まれた鈴にまつわるエピソードのみが辛うじて脆弱な芯として存在しているようで。  キャラクターの個性を生かす事もなく、明確な教訓を残す訳でもなく(またやらかすぞという繰り返しの日常へと戻ります)、ひみつ道具の存在に依存した一編、『クレしん』と共に原作者亡き今、シンエイ動画はドラマを構成する力に問題を抱えてはいませんか?[映画館(邦画)] 4点(2013-03-14 19:51:23)《改行有》

13.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 《ネタバレ》  見ている間はとても楽しめ、だけど終わってみるとツッコミどころや疑問点、そして猜疑心でいっぱいになってしまったという感じで。  前作でテレビシリーズや前世紀末の映画とは違った分岐した道を辿る事を示した上で、今回は全く未知の『ヱヴァ』が展開してゆく、その、これまで見た事のない全く新しい『ヱヴァ』にはワクワクドキドキできる訳ですが(シンジの置かれた状況と観客の置かれた状況とがシンクロするように何が起きたのかが判らない冒頭からしばらく続く「見るもの全てが未知」な感じに心躍ります)、ゼーレ、ゲンドウ、冬月という老害的キーワードが結局は元の方向にあっさりと軌道修正してしまう訳で、カヲルくんの奮闘虚しく同じところに収まってゆこうとしてるじゃん、みたいな感じで。下手をするとこの一作そのものが大して意味のない寄り道になるような危機感すら抱かせ、監督、今度もまたまた逃げるのか?と疑いたくもなるような、そんな展開。  一方、掴みで東映まんがまつりから『ウルトラマン』、天地真理へと至る世代限定お遊びにウケ、お馴染みキャラ達の一挙一動に心奪われ(もうずっとアスカ好き)、そして何と言ってもシリーズ初のシネスコサイズ、六本木7番の20メートル超スクリーンに展開する壮大なスケールの絵の気持ち良さを堪能しました。  つまり、そういうオタク的快楽って点ではとても優れた作品であると思うんですよね。それは昔の『ヱヴァ』、いやもうガイナックス、更に遡ってDAICON FILMあたりからの伝統的快楽とも言えるようなモノ。でも、そう受け取ってしまうと、それはそれで停滞もしくは退化だよねぇ、って感じもしてしまって。  時代の先端、先進的なもののように思えながらその実懐古主義に支配されているという点で同時上映の『巨神兵東京に現わる』と同様、何かパワフルな作風とは裏腹に停滞して淀んだ精神世界が垣間見えるようで、それは自身の嗜好に対する自戒の念も含めて、あまり気持ちのいいものではないなと。  大劇場が満席状態で老若男女集まった状態ですっかりメジャー化した『ヱヴァ』な訳ですが、その肥大化した知名度に見合っただけのモノが作れるのか否か、そこら辺の覚悟はあるんでしょうかねぇ?  今回は結局バカシンジのバカっぷりが宇宙規模でした、みたいなところで終わっちゃいましたねぇ。なんだかんだ言いつつ面白かったですけど。[映画館(邦画)] 7点(2012-11-18 15:01:05)《改行有》

14.  映画 ひみつのアッコちゃん(2012) 《ネタバレ》 なんで『アッコちゃん』で『ビッグ』からの明らかなパクリ設定(子供が大人になるってところから安直にね)を元にしたドロドロとした企業内内紛話を延々と見せられなくちゃならないの・・・。ハッキリ言って内紛話、全く面白くありません。類型的で予定調和的なプロットと優等生的な教訓が描かれるばかり。アッコは能動的に大人になれる設定なのだから、そこを活かしたプロットが書けると思うのですが、肝心なところでアッコは変身しないんですよね。あくまで優等生的に素のアッコ(しかしそもそも大人に変身した状態のアッコだけど)で物事を解決しようとする、それはテーマに縛られているから、でも、それは『ひみつのアッコちゃん』という作品のアイデンティティの否定にすら繋がる・・・。下手にモコや大将、少将、チカコ等のオリジナルメンバーを出して原作を知る人達に色目を使いながら、実際には映画が対象としている人は大きく異なっている印象。綾瀬はるかがヒロインなテレビドラマ的映画が見たい人向け、という感じでしょうか。その点、確かに綾瀬はるかのキャラは立ちまくっておりましたし(テレビドラマと大きく異なる部分と言えば、綾瀬はるかはシネスコフレームに映えるって事ですか)『プリンセス トヨトミ』とカブっておりつつも岡田将生とのコンビも良い雰囲気で(『アントキノイノチ』に続いて岡田くんは観覧車キャラ)。でもせっかくの素材を随分ともったいない使い方しちゃったもんだなぁって。あくまで『ひみつのアッコちゃん』が見たかったのにこのコレジャナイ感をどうしてくれよう。あと、鹿賀丈史はマトモに喋れていないのですが、一体どうしちゃったの?[映画館(邦画)] 3点(2012-09-04 18:08:40)

15.  映画 けいおん! 《ネタバレ》 【リピーターシート2枚を埋め、ポスカをコンプリートした私に、商法を批判する資格はないので書き直し】『けいおん!』は原作、テレビ1期2期と、ずっとこのままでいたいという思いと、時は移り人は変わるという現実感の間でせめぎあいを続ける作品でした。2期13話『残暑見舞い!』は、梓の見る夢が主となる、軽音部の先輩4人が、実は梓の見た夢の中にだけ存在するかのような不安感を煽る一編で、それは『けいおん!』を支配する『うる星やつら2 ビューティフルドリーマー』と同様の閉塞された理想郷に対する(それを否定するのではなく、作品世界全体が単なる幻ではないかという)不安感に繋がり、映画の惹句にもなった20話での唯の「私たちはいつまでも放課後です」という台詞に象徴されるようでもあって。一方で1年生で軽音部を築いた4人は2年で後輩を迎え3年で受験、卒業に向かい、作品内に時が流れているというルールが明示される事によって(永遠を過ごす『サザエさん』や一時代が無限増殖しパラレル化する『ちびまる子ちゃん』と違い)1つの終わりを迎えるのは必至である事が明白であって。そのせめぎあいに1つの結論をもたらすのがこの映画だったように思います。永遠の日常からの飛躍のようにロンドンへの卒業旅行があり、更に成り行きとはいえロンドンライブを行う事によって『けいおん!』は次への変容を見せるかのように思えます。しかし、そのライブによって唯達が辿り着いた結論がクラスメイトのための教室ライブであり、最後はたった一人の後輩のために歌われる歌であり。歌の最後の1フレーズは「ずっと永遠に一緒だよ」。ひとつの作品として閉塞されるのではなく、この先、時が移り人や時代が変容しようとも、『けいおん!』世界の大気は不変であると宣言してみせたのが映画版だったのではないかと思います。なので、某ラジオで指摘されていた、映画として『けいおん!』世界を終わらせる程の徹底的な終わりを求めるのは見当ハズレなんじゃないの?って気もします。普遍的なヌルさ、心地良さを否定しなければ生きてゆけない訳ではないですものね。映像的なミス、不自然な箇所が散見される作品ではあるものの、ジブリを過去のモノにもしかねない「無駄たっぷりの作画」(人の所作が常に重要で必要なものばかりな訳もなく)を細やかに駆使した京アニとメインを女性が占めるスタッフの今後に更なる期待が持てました。[映画館(邦画)] 9点(2011-12-06 20:52:25)

16.  映画ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 はばたけ 天使たち 《ネタバレ》 おっさん声のドラえもんから見てる世代ではあるものの(歌詞書くとアレなんで略すとオツムがツンツルテンだのアンヨが偏平足だのってヤツ)、特に『ドラえもん』に思い入れはなくて、でも、昔レンタルで見た『鉄人兵団』は記憶に残る名作だったのでリメイクとなる今回、初の『ドラえもん』映画館鑑賞。見ていてとても感心しました。高水準の作画、ちょっとした仕草の細やかさや印象的なシルエットなど、繊細な表現がいっぱいあって、一方でメリハリを効かせたSFアクションとしての華も盛り込まれて。鏡の世界の設定に疑問が湧きまくりではありますが(どの時点を「映し」ているのか、それは他者の所有システムと共有された空間なのか、空間内で時間が経過するならば現実との差異が生じるのではないか、その差異はどう補間されるのか、生体は映さないならば食肉は何故反映されるのか、ならば死体は反映されるのか、病院の安置所に死体だけポツンとあったりするのか・・・)、リルルと共に今回新たに生命を与えられたピッポがキャラとしての個性を存分に放っているために、元作品よりも、もっと人と機械生命体との繋がりと、その悲劇とが強調され、より深い感動を得られる映画になりました。しかし。その機械生命体側なリルルとピッポの存在に、更なる魅力を感じれば感じる程、元作品に存在した大いなる欠点が更に大きくリアルな欠点として引っかかってしまうという難点が浮き彫りになりまして。しずかちゃんのひらめきは結果的に侵略者とは言え、宇宙の中で長い歴史を刻んだ文明をまるごとひとつ破滅させてしまう訳で。人と機械の差異など存在しない事を語りながら、このリセット劇は相手が機械であるがゆえに許されるように見えてしまいます。ラストの救済も安直な蛇足に思えますし。ここはリルルとピッポに責を負わせつつ、人間側にその重さを認識させて頂きたかったかな。とは言え、その完成度、面白さや感動は個人的にオリジナルを超えるものだと思いました。[映画館(邦画)] 8点(2011-03-08 22:17:20)(良:1票)

17.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 前作はテレビシリーズをなぞるというか、単にリライトした感覚でしたが、今回はもう殆どオリジナルになっていて、その今までに見た事のない(そりゃもう凄い)映像、見た事のない展開に窒息しそうになるほど息を呑んで見入っておりました。オリジナルなワリには相変わらず展開がブツ切れで唐突だったりするのが気になりましたが、ウルトラシリーズや昭和歌謡といったネタなどは、もう私くらいの世代じゃないと判らんでしょ、って感じで楽しませて貰いました。でも、前作、今作と見てきて、ここまでのところ新しいヱヴァは旧エヴァから進化したのは映像表現だけで、前世紀末のどんづまり感そのままに停滞、あるいは退行してしまってるんでないの?と思ってしまいました。新しい道筋、今の時代の新しい光明を見せられなければ、今、新たに再生する意味はないんでないの?って気がします。新キャラを出し、展開を激しく変更しながら、旧作の殻はまるで破れていない感じ。その差を例えるなら、テレビシリーズは広げた風呂敷にオモチャを色々積み上げた挙句に逃げ出し、前世紀末の映画は広げた風呂敷に積み上げたオモチャをガーン!と蹴飛ばして捨て台詞残して逃げ出し、そして今回の新映画は風呂敷に積んでるオモチャが凄いコトになってるけれど、風呂敷そのものは前と同じもの、と。もはや古典と化してしまったエヴァ、結局はそこに澱んでしまうのでしょうか? またまた逃げ出すのでしょうか? 結論はまだまだ出ない、というのがもどかしいです。[映画館(邦画)] 7点(2009-06-28 21:34:47)

18.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 元々新しくはあっても革新ではなかった『エヴァ』ですが(引用元をハッキリさせている分だけ潔かったと言えますか)、前回の映画化の最後で後を濁しまくりで外に出て行った癖に、一体どの面下げてのこのこと戻ってきているのかと。今回の映画化は驚くほどに保守的で、ある意味退化しており、そして、その分非常に心地良い、と。テレビシリーズをリアルタイムで見ていた頃の純粋な愉悦そのままの映画でした。そもそもが馴れ合いの土壌から生じたガイナックスに革新を望む事自体が誤りであり、所詮はATフィールドの中に閉塞された、停滞した馴れ合いに、その愉しみの本質があるのだとすれば、その内側から逃げ出さない事にこそ安穏があるのだろうな、と思うのでした。『エヴァンゲリオン』が『ヱヴァンゲリヲン』という古典へと移行した今、その古典の殻の枠に閉じこもり、革新に背を向ける事の快楽を享受するのもまた、懲りないファンであるという点で、監督を揶揄したところで結局は似た者でしかないのだな、と。革新の芽は他にいくらでも存在しているのですしね。[映画館(邦画)] 7点(2007-09-15 17:05:35)

19.  エースをねらえ! 《ネタバレ》 出崎=杉野コンビの劇場用作品としては、個人的に最高作だと思います(テレビシリーズでは他にも名作が沢山ありますが)。大筋はともかく、細かな部分は原作に必ずしも忠実ではなくて、変更されていたり、独自の要素が入ったりしているのですが、それが1本の映画としてまとめ上げるための効果として見事に機能しています。特に、何度か繰り返される電話のシーンと、重ね合わせられてゆく宗方の母のイメージは、完全に原作ともテレビシリーズとも違う、映画独自の個性として強く心に焼き付きました。ひろみと宗形に物語を絞った事で、失われたモノも大きいのですが、明確な対比(師弟関係、男と女、生きてゆくものと死んでゆくもの)が生まれて、美しい物語が組み立てられる結果になったので、いい選択だったと思います。[試写会(字幕)] 9点(2004-01-11 12:53:09)(良:1票)

20.  駅 STATION 健さんの寡黙さは定番なんですけど、そんな中でボソリとお笑い言って笑わせてくれると効きますなぁ。普段寡黙な人のひと言が重いように、寡黙な人のお笑いもまたインパクトがあるというワケで。海、雪、汽車、酒、演歌、男と女。大変にベタなキーワードから作られているような映画ではありますが、これぞニッポンの映画。いしだあゆみが、いい表情見せてくれます。[映画館(邦画)] 7点(2003-12-09 10:13:53)

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