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コメント数 3885
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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61.  男はつらいよ 私の寅さん 「カントクぅ、渥美さんばかりロケ連れてってもらってズルいですよ~」ととらやの面々が直訴した訳でもないのでしょうが、前半はとらやの皆さん、楽しい九州ロケ。おばちゃんは健忘症、かつて湯の山温泉に行ったことも忘れて「箱根より西に行くのは初めて」ですと(まあこれは東京人らしい定番のセリフ、ということで)。でまあ、結局は、寅さんが留守番でせっかくの旅行も落ち着かない、という展開になるのですが、どっちみちロケ自体は楽しかったに違いない(笑)。という訳で、前半がいつもと違う路線なら、後半もまた変化球で(前半と後半にどういう関連があるのか、マドンナとの出会いが大ゲンカから始まる、という趣向。しかし、あああっという間にマドンナと仲良くなってフツーの路線に戻ってしまうのはコレ、どうしたもんだか。人生においてゲージュツとは欠くべからざるもの、そして寅さんの恋愛もまたそういうものの一環なんだとか。それは結構だけど、ゲージュツの怖さや残酷さも忘れてはならないのであって、このマドンナは、ちと「優し過ぎる」んじゃないだろうか。ゲージュツの優しい一面ばかりを描き過ぎなんじゃ、ないだろうか。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-20 22:39:38)(笑:1票)

62.  大海原を行く渡り鳥 宍戸錠が、出演してないんです。出てたら出てたで、勘違いキザ男ぶりが何とも変なんですけれども、いないと寂しい、というか、彼の演技が作品にユーモラスな雰囲気を醸し出していたんですが(ただし、どこまで狙った効果なのかは不明)。今回滝信次が現れたのは、異国情緒あふれる(?)長崎、今回の彼の好敵手も、宍戸錠の代わりに、アヤシゲな中国人が登場。こういう間違った中国人像、どこか懐かしいですな。セリフ回しも北京語ならぬ、ゼンジー北京語。これであと、両袖突き合わして手を入れてたら完璧です。でまあ、とりあえず冒頭、地元民が暴漢に襲われているのを、たまたま通りかかった滝信次が助けに入り、彼がいきなり銃を持ち出しても誰も驚かず「助けてくれてありがとう」という、例によって例のごとくの展開な訳ですが、宍戸錠がいないことと関係あるのかないのか、滝と悪党どもとの抗争ばかり描かれて、やや単調。一応、銃撃戦なんぞでもって、盛り上げたりはするんですが。浅丘ルリ子も「え?いたの?」という感じのまま、映画が終わってしまいます。宍戸錠、やっぱり必要な人材ですね。出てらら出てたで変なんですけど。[CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-03 16:06:08)

63.  おおかみこどもの雨と雪 “前置き”がどこまで続くんだろうと思って観ていると、そのままのノリで最後まで行ってしまう。様々な物語が織り込まれてはいるけれど、印象としては、イメージビデオみたい。アニメ技術の進歩に対する驚きは感じるけれど、それはあくまで技術の話。この過剰な技術「なのに」と言うべきか「ゆえに」というべきか、このエピソードの羅列に近い構成、いわば行間が開き過ぎたような語り口には、不満も感じざるを得ないのです。と同時に、技術と物語が見事に噛み合った瞬間、というものも確かにあって、感動を呼んだりもするのですが。 さて、本作でとりあげられる、人狼というやつ。『ハウリング』なんていうアホ映画ですら、日蔭者の哀しみが描かれていて、人狼ってのはマイノリティの象徴みたいなもんですな。本作もその路線を引き継いでいるとは言え、ちょっと捉え方が違っている。主人公たちは、社会に圧殺されるだけの存在ではなく、主体的に生きる道を選んでいる。無論、自宅出産のくだりなどは、「未受診妊婦」という社会問題と結び付けて批判する向きもあるだろうけれど、しかしもう少し視野を広げれば、世界のどこでも・歴史上のいつでも、妊婦は産院で出産している訳じゃない。無論、社会常識には相応の根拠理由のあるものが多い(あくまで「多い」だが)けれども、社会とはまた、多分に相対的なものなのですね(そしてまた、本作に登場する児童相談所員に見るように、社会自身は自らの絶対性を信奉する。自らの相対性を認めては社会は成立しない)。だから、主人公一家は、社会の中で、あるいは社会そのものに対し“選択”を行う。いわば“選択すること”についての物語。選択に伴う、希望と別離の物語…。この作品に対する不満とはすなわち、その“選択”を本当に肉付けするエピソード、選択のための“決断”と選択結果への“過程”のエピソードに欠けている点、なのでしょう。何となく田舎に移り住み、何となく掃除と修理に励めば、気が付いたらボロ家が立派な屋敷と化す。何となく畑仕事に励めば、何となく助っ人が現れ、うまく行ってしまう。描写が象徴的過ぎて、物語を支える具体描写が少なく、その結果「実際にはそんなうまくいくかよ」と感じさせてしまう面があるのではないでしょうか。 しかし、時に象徴的描写は素晴らしい効果をもたらします。最後の別離が、滝が流れ落ちてくる山の頂に向って描かれるのは、素直に感動しました。[DVD(邦画)] 6点(2013-09-15 08:57:44)(良:1票)

64.  狼よ落日を斬れ 三隅研次監督最後の劇場作品は、なぜか松竹、なぜか自ら脚本を手掛け、なぜか2時間半を超える歴史大作。なぜか風雲篇・激情篇・怒濤篇と銘打たれ、しかもなぜか風雲篇と激情篇は一緒になっているので実は2部構成。という摩訶不思議な作品。混乱ぶりがうかがわれ、内容もイマイチまとまりがありません、ってまあ、そのまとまりの無さこそが大作としての風格でもある……のですかねえ。舞台は幕末、主人公は“ワイルドスギどん”こと杉虎之助(高橋桃太郎侍英樹)、浪人で典型的な剣豪タイプ。で、彼の視点で描かれていくのかと思いきや、物語はあっちこっちに彷徨い、1時間くらい観ていてようやく判明するのは、これは実は、立場こそ違えど互いに理解しあう、4人の若者たちの物語であったのだな、と。剣豪スギどんの他には、新撰組・沖田総司(西郷星のフラメンコ輝彦)、見廻組・伊庭八郎(コンドーです正臣。アレ、伊庭八郎って見廻組でしたっけ?)、そして薩摩藩・中村“人斬り”半次郎のちに桐野利秋(緒方拳、言えばエーっと何だろう)。これだけのメンツ集めりゃそりゃ4人のキャラも立ちまくり、お陰で結構、暑苦しいんですけどね。高橋英樹のいちいち堂に入った剣の構えと苦み走った表情。人体の不思議展もビックリの、人間カラ竹割り真っ二つ切断がスゴい。豪快さそのものとも言うべき半次郎を演じ切った緒方拳もスゴい。西郷輝彦だって近藤正臣だって、そこそこスゴいです(笑)。ただ、ようやく邂逅し意気投合した4人の姿を、その後うまく収束させることなく、何だか時代だけが過ぎて行ってしまうような展開が、どうも物足りません、うまくまとまらず、そこが大作の風格と言えば……しつこいっての。少なくとも、大げさなタイトルといい(何が狼で何が落日なのやら)、さらに大げさな○○篇というサブタイトルといい、内容に全く即してないしなあ。魅力的な題材が、魅力的に撮られてはいるんだけど、こう仕上がるハズではなかった、みたいな感じで、アンバランスな面があまりにも多い、不思議な作品でありました。[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-07-28 10:38:12)

65.  男はつらいよ 拝啓車寅次郎様 前作に続き、御前様の死(?)をひたすら隠し続けるレギュラー達。笠智衆の他界によって、もやは御前様は登場しないのだが、会話の中で御前様の健在を示唆し続ける。ここで、本作で気になってしまうのが、もはや寅さんまでもが「会話中の人物」になりかけている事。寅さんの喧嘩や家出は、劇中で描かれることなく、他の登場人物の会話の中で描写されるのみ。映画における満男の存在がますます大きくなり、寅さんの影が薄くなっていく。このままあと10作くらいシリーズが続いたら、渥美清が一度も画面に登場することなく、人々の会話の中だけで寅さんが語られる映画になってしまいそう。今回の寅さんは、満男に対し商売の極意を伝授するシーンで、往年の勢いの片鱗をわずかに見せてくれるが、この場面でも、周囲が無闇に寅さんの話術について感心するのが、腫れ物にさわるようで、逆に湿っぽい感じがする。ああ、寅さんもすでに「伝説上の人物」なのか。神の領域なのか。映画から、御前様が去り、寅さんが去り、その他のメンバーも去り、やがて記念すべきシリーズ100本目に登場するのは、満男とサンペーちゃんだけ・・・。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-24 22:41:17)

66.  男はつらいよ 寅次郎の縁談 《ネタバレ》 寅さんがマフラーをしているのが悲しい。演じるのもかなりきついのでしょう。メイクで若く見せているものの、時に渥美清の実年齢よりも「老人」っぽく思えてしまう瞬間も・・・。さて、何故か泉ちゃんへの想いを振り切って真人間(?)になった満男、就職活動に励むがうまくいかず、大学進学を勧めた博にもあたり散らす。そうなんだね、大学にいる間にバブルがはじけてしまい、就職が極端に難しくなっちゃった時代なのよね。案の定、家出する満男。彼を連れ戻そうと駆けつける寅さんを待ち受ける、松坂慶子の魔の手。結局、W恋愛&W失恋というお決まりのパターンだけど、何故か寅さんと満男はお互いに足をひっぱりあっている??? 明らかに松坂慶子側としては明らかに脈ありなのに、寅さんに対し「おじさんが振られた」と言い切る満男。満男も相思相愛なのに、「男はアキラメが肝心」と二人を別れさせる寅さん。互いに邪魔しあう、不思議なコンビだなあ(それとも、合コンなんかではよくある光景か?)。それにしても今回、満男の思考パターンが明らかになった。彼は「チュー」をすると、納得するらしい。泉ちゃんのことも前回でひとまずはアキラメたらしいし、今回の彼女とも、「チュー」さえすれば、憑き物が落ちたように東京へ帰っていく・・・。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-01-21 08:45:25)

67.  男はつらいよ 寅次郎の休日 とりあえずゴクミ出しとけ、という感じの映画。久しぶりに夢のシーンから始まったと思ったら、それもそのはず、冒頭で一度寅さんを目立たせておかないと、これが『男はつらいよ』シリーズの一本だと気づかない恐れすら出そうなまでの、寅さんの影の薄さ。前作で満男を中心に持ってきたのはよかったが、今回もまたゴクミを出して一騒動、ってのに無理がある。夏木マリのキャラまで映画に合わせて変えちゃったようで、何ともご都合主義のニオイが。そもそも、ゴクミの演技は、観てて、疲れるのですが、これはこれで良いのだ(←甘いなあ)。それでも、宿で寅さんと満男が交わす会話は、やっぱりトボけていて、何とも楽しいのでありました。  ※ところでどうでもいいことなのかもしれないけど・・・窓の外で祭りをやっている場面。「観に行ってみよう」と窓を閉める。⇒窓閉めたら、やっぱり外の祭りの「音」は小さくなるべきではないのかい?と思ってしまう。次にカメラが外の光景となった段階で、再び「音」が大きくなれば、もっと臨場感・立体感が表現できたのではないか(というより、「音そのものの楽しみ」が出たのではないか)、と思ってしまう。些細なことかもしれないけど・・・・。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-12-20 23:45:37)

68.  男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日 筒井康隆の『カラダ記念日』を元にした作品。違うっての。しかし何がどう『サラダ記念日』なのか。それは観ればわかる。マドンナの名前がタワラマチならぬ、ハラダマチコ(←頭使ってるか?)。そして劇中に挿入される、ミソヒト文字のタワゴトの数々。果てはわざわざ寅さんにサラダを食わせるために、失恋までさせる(←いや、そこまでひどくはないけど)。しかも何がワケワカランと言って、『サラダ記念日』と言いながら、実際には早稲田大学のプロモーション映画になっていること。ワセダ恐るべし。早稲田のキャンパスライフはメチャ楽しい!ということをアピールするためなら、昔々の中村ワット雅俊の恥ずかしい話まで蒸し返しちゃう(授業中でしょ)。いやー楽しそうな大学だなあ。みんなサワヤカ。幸せの青いハンカチ、ってやつですかね。なんのこっちゃ。そーいやワセダと言えばその昔、クワタを入学させるためならわざわざ新しい学科の創設までした、とかいうウワサもあったっけ(ホンマかよ?)。いやスミマセン、早稲田に恨みがあるワケでも何でもないんです、ペコペコ。どっちかっつーと、すぐに「東大」を出したがる山田監督、たまにはこういうのもイイんでないの?とも思ったり。 ところで本作には、進学か就職かに悩む満男の姿が。当時はバブル経済、就職は引く手あまた(なので実際私の幼馴染もほとんど高卒で就職しました)。ちょっとこの時期にこういうテーマを描くのは違和感が無いでも無い。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-30 23:31:11)

69.  男はつらいよ 知床慕情 寅さんと三船敏郎を同時に見られるという、まあ何と言いますか、何とも言いようのない映画ですね(←なんじゃそりゃ)。このシリーズには、博の父とか、歌子の父とかも、すでに出演しているわけだから、ミフネが出ててもいいんでしょうけど、それにしてもこのインパクト。北海道の大自然よりも迫力があります。豪快にセリフをがなり立てるその姿は、まさに獣医というよりは、いや、人間というよりは、ほとんど怪獣ですよ、これは。まー映画の内容的には、ベタなセリフで綴ったベタベタな展開になっており、限りなく予定調和なチープさが漂ってます。が、こんな役でもミフネだから何となく許されちゃう。というかむしろ、「要するにテメーらの観たいミフネ像は、コレだろっ!」という、我々の図星を突いた、解りやすいメッセージの映画、ですかね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-12 22:35:46)(笑:1票)

70.  男はつらいよ 幸福の青い鳥 いや~さすがにこりゃワケがワカラン。何から何まで強引な展開、ほとんど支離滅裂。シアワセの青い鳥を追い求めた志穂美悦子は、シアワセの青いトンボこと、長渕剛にとっつかまっちまったとさ。それにしても気の毒なのは石野真子。ま、そりゃどうでもいいんだけどね。長渕演じる画家志望の青年、子供の頃にジンマシンに悩まされ、ジンマ君なるアダ名まで頂戴したと言うが、長淵&志穂美のイモっぽいイチャイチャぶりには、観てるだけで背中がムズ痒くなり、私の方こそジンマ君。果ては、超絶的なる偶然によって、二人がとらやで再会しちゃったり、「サア、サア、寅さんもさくらさんも、今この映画を観てる皆さんも、どうかよくよく見てチョーダイ」と言わんばかりに、喧嘩第2ラウンドを始めちゃったりするワカリヤスサ。もう正視できませーん。ここまでワカリヤスイと、チト安っぽくないかい? しかも、どう考えても事情が飲み込めているとは到底思えない寅さんが、ナゼか分別臭い顔で話をまとめてしまう、まさに強引さの波状攻撃。そりゃ無責任過ぎまっせ。わたしゃ、もー知らん。みんな不幸になっちゃえ。という訳で、どうにも納得のいかない本作ですが、「長渕と寅さん」という、どうにもミスマッチな絵ヅラを楽しめば、それはそれでいいのではないかと。噛み合わない異種格闘技戦を見て、「しゃあない、こういう事もあるわな」と割り切るかのごとく。それにしてもラストシーン、「当然『キネマの天地』は皆、観てくれたよネ」と言わんばかりの、限りなく内輪ネタに近いサービスですね。でも何だかホッとしてしまったではないか。にこにこ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-04 23:38:08)(笑:1票) (良:1票)

71.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 まず面白いなーと思った点、冒頭の主題歌の部分。主題歌が流れる中、映像は旅先の寅さんを映し出す。主題歌が流れているわけだから、普通ならこの主題歌の映像は「効果音」の無いパントマイムとなる。しかし今回、映像がお祭りのシーンとなったところで、珍しいことに、祭囃子の音が主題歌に重ねて流れ出す。この音の重なり方自体には、何の計算も何の調和も感じられない、およそデタラメなカオス状態。しかしゲテモノ音楽に多少なりとも関心があると、こういう瞬間に、つい興奮してしまう(笑)。主題歌という言わば「恒例行事」に、思わぬ音が交じり合い、両方の音は反発し合いつつも、背景の祭りの映像が両者をギリギリ接着している、という、このスリル。ああ、楽しい(←バカ)。さて、次に本作で面白いと思った点はというと・・・何かあったっけ?(笑) この映画、基調はどうにも暗い。主題は要するに「女心は謎」、まさに単純な男にとって最大のミステリー。この壮大なる謎だけでも充分に映画全体に暗雲を立ち込めさせ、空気を重くする。このジメジメ感をどう映画的に処理するかが腕の見せ所だろうけど、これがあまり上手くいったようには感じられませんなあ。充分に重苦しいクライマックスの背景に、わざわざ嵐の効果音だなんて、ナントモ工夫が無い。結局、テーマを丸投げしたような強引な展開となりますが、劇中の二度の結婚式シーンが、唐突ながらも華やかさを見せ、かろうじて映画のバランスを取ろうとした、と言うところでしょうか。ラストも飛び切りおバカなドタバタ。あのクマはスゴい。CGですかね(笑)。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-11-03 23:03:00)

72.  男はつらいよ 寅次郎恋やつれ 寅さんという人は、日本地理もよく知っているし、人の名前と顔と人となりを実によく記憶し、頭の中で整理している。こんな優秀な人物、世の中そうそういません。ちゃんと就職すればビジネスマンとして大活躍しそうなもの。でも、計画性や物事の順序の判断に人並みはずれた欠陥があるもんだから、やっぱり優秀なビジネスマンにはなれないだろうな~、と思わせる、前半の結婚騒動。思わせぶりな寅さんの言動に色めきたつとらやの面々、「こりゃきっと、実はとらやの人たちの勘違いでした、というオチだろうな」と思わせて、実はやっぱり、寅さんひとりの勘違いだった、というオチがうまいところ。しかし映画後半は、『柴又慕情』の後日談をいささか都合よくまとめた感じでやや安直。寅さんは単なる狂言回しの色合いが濃く、極論すれば、別に寅さんがいなくても物語は成立するんじゃないの~。歌子さんのセリフ「寅さんに会えて本当によかった」も、少々しらじらしく聞こえてしまいます。というわけでやや物足りなかったのですが・・・でも、宮口精二がとらやを初めて訪れるシーン、皆の視線が集まる緊張感が、とても印象に残ります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2005-11-19 18:51:17)

73.  女の警察 “女の警察”を小林旭が演じています。でも女の警察って、一体何でしょう。なんとなく、敵から女性を守る正義の味方、みたいなものを想像してしまうのですが(多少はそういう役割も果たしているようですが)、基本的にはむしろ真逆。キャバレー経営会社の保安部長として、夜の街の女性たちを見張り、支配する、どっちかというと女性を食い物にする側の人間です。それを我らがアキラが、クールに演じる。この女性への容赦なさは、さしずめ現代版・眠狂四郎、ってなところか。でも狂四郎を演じると雷蔵は何だかミョーなことになってしまっていたけれど、さすがはアキラ、どんな役でもアキラ色に染めてしまう。無色透明に近い色だけど・・・。 しかしまあ、この1969年の作品、ロマンポルノ前夜という雰囲気が漂っていて、日活もだいぶヤキが回ったけど、まだフンギリがついていない、ってな感じでしょうか。明らかに「ここからはそのテのシーンです」と言わんばかりに、唐突に濡れ場に突入したりして、エロそうな雰囲気が休息に立ち込める。でもそれが雰囲気先行で、観てる側が恥ずかしくなる割に、実際には大したコトやってるでもなし。でもソッチ方面に期待せずに見れば、ちょっとしたご褒美があるかも??? それはいいとしても、このクールでダークな主人公をせっかく小林旭が演じているのだから、もう少しアクションを見せて欲しいところ。多少の乱闘はあれど、全体的にアクション少なめで、これは寂しい。 まるで売れっ子の作家が締め切りに追われて無理やり短編ミステリを書き飛ばしたようなストーリー、見せ場も少なく、しかし考えようによっては、「迷走している映画会社」でなければなかなか作れないタイプの作品、とは言えるかも知れませんが。[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-12-31 06:12:58)《改行有》

74.  男はつらいよ 寅次郎心の旅路 当時のウィーン市長が寅さんのファンだったもんで、ラブコールをいただいて実現した、『男はつらいよ』シリーズの海外進出。ではあるのですが。 残念ながら、寅さんを海外に連れ出す、という設定を無理やり作り出すだけでもう限界、という印象。あとは大した起伏もなく、すみません、以前観てた時は、途中で居眠りしちゃったんです。 だいたい、肝心の寅さんがヒマそうにしてるし。途中から、寅さんが遠い異国で連れ(柄本明)とはぐれてしまう、という展開になり、本来ならこれは大事件でいくらでも盛り上げようがあるだろうに、どういう訳か、本作の物語は妙に大人しいんです。寅さんは竹下景子に何となくフラフラついていくだけ。一応彼女はマドンナ役だから、寅さんは彼女にホレてる、ということになるんでしょうが、それすらもハッキリしない。一方の、騒動の発端である柄本明も、独自にウィーンを楽しんで、寅さんの物語にはロクにからまないし。 無為に時間だけが過ぎてゆき、なんとなくそれぞれがバラバラに納得して、物語が終わってしまう。 あと、第三の男のパロディなんかも出てきますけれど、別に面白くも何ともないですしね。これを言っちゃあオシマイなんですけれど、男はつらいよシリーズの根本的な欠陥というのは、コメディなのに山田洋次カントクにお笑いのセンスがない、ということに尽きるんじゃないでしょうか(あ~あ、言っちゃった)。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-04 18:16:15)《改行有》

75.  男はつらいよ 寅次郎の青春 泉ちゃんシリーズ4部作の掉尾を飾る本作。と言うには、あまりにも物足りない。いやまあ、泉ちゃんシリーズ自体、無理が多かったけど、本作はムリヤリにも程があります。前半の舞台は宮崎県。よもや、後にそのまんま東が知事になるとは、誰も思っていない頃の話。それはどうでもいいんだけど。何だかんだで寅さん・満男・泉を散髪屋のマダムの家に集めてしまう展開が、あまりにも強引かつ不自然、マダムの家がほとんど学生のアパートのごとき溜まり場と化してます。マダムが寅さんに惚れてるだの、いや2人は別れた方はいいだの、浮ついた軽々しいセリフの数々。あっさり宮崎エピソードは幕を閉じ、3人は東京に戻る。前半はいったい、何だったんだ?と言いたくなるんですが、本作のストーリーにおいて、この前半にはどうやら意味が無いわけじゃないらしい。おそらく、・宮崎旅行で有給を使い果たす泉ちゃん→・母が体調を崩したので泉ちゃんは名古屋に帰りたい(しかし母親には彼氏がいたんでは?)→・有給取れないんだったら会社やめま~す ってな感じらしいですね、ははは。大体、泉ちゃんが東京にこだわる理由がさっぱりワカラン、名古屋だって大都市だし、帰ればいいやんか、邪魔な満男とも別れられるしなあ。と思ったら!!! なんと、泉ちゃんが名古屋に向かうクライマックス、彼女と満男は東京駅のホームで、ああ、何と言うことを!! いかんいかん、減点です、減点!!(←怒りすぎ)。4作も引っ張った2人の関係、こんな安直な形でケリをつけるとは。随分と安いドラマでしたなあ。ところで、泉ちゃんが乗る新幹線、乗り込む瞬間の場面は「こだま 新大阪行き」なのに、発車直後のカットでは「ひかり 広島行き」となってますね、これは大チョンボ。発車直後、泉ちゃんはドアの向こうから満男に声をかけるが聞き取れない(このシチュエーションも旧作のパクリだけど)。おおかた、「もしかして私、新幹線乗り間違えちゃった?」とか言ってたんじないんですかねえ(ホームの案内表示によると、彼女が乗るべきは、「ひかり号 博多行き」だったハズなんだけどなあ)。[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-01-26 17:09:11)(笑:2票)

76.  男はつらいよ 寅次郎純情詩集 母娘にちょっかいかける寅さん、「親子ドンブリの巻」ってか。まず前半、とにかく寅さんのデタラメぶり。満男の代理美人教師(美人教師って言っても所詮、壇ふみだけど)の家庭訪問をブチ壊しにし、これには博も大激怒。とらやを飛び出し、旅先で今度は事もあろうに無銭飲食という卑劣極まる犯罪に手を染める。連絡を受けたさくらが駆けつけると、何と現地の警官達まで寅さんに懐柔され、店屋物を頼んだり温泉に行ったりと、好き勝手の毎日。大体、無銭飲食をやらかした寅さんに対し、これをたしなめるどころか、カネも持ってないのにさらに出前を頼みまくる、なんて行為を警察が認めるか? もうメチャメチャの展開・・・だが、これには一応、映画の展開の上での必然性がある。後半、例の美人(?)教師の母親に夢中になる寅さん、しかし、その母親は余命幾ばくもない、という重いテーマが展開される。前半の寅さん(及びそれを取り巻く状況)のケーハクさは、後半のテーマの深刻さ・寅さんの真摯さとの対比になってるワケですな。しかーし。これって寅さん映画に向いたテーマだろうか?キャラの出来上がった「寅さん」で描くには不適切ではないの?いやむしろ「適切すぎて」「“そのまんま”過ぎて」「意外性がなくて」手抜きっぽく感じる。シリーズ18作にもなって今更、ここまでの単純化・図式化は、許されないのではないか・・・。それに、肝心の映画後半だって、充分ヘンテコ。年上でしかも言動がチョットおかしいオバチャンマドンナに惹かれる今回の設定には違和感バリバリ(このマドンナ、とらやに突然たずねて来て一人合点で喋りまくり。「目の小さい面白い顔の坊ちゃんはどこ?」って、アンタのすぐ隣に立ってるっての。異常なまでの浮世離れぶり)。娘も変で、先生が特定の生徒の父兄の家に入り浸って食事とかしてていいのか? というわけで、もうちょっと脚本&設定に神経を使ってくれなくちゃ、観てて困っちゃうのよね~という映画でした。ラスト、柴又駅ホームのシーン、最初は寅さんとさくらが離れて立っているが、マドンナの話題をキッカケに二人の距離が縮まる。前半の、全く会話が成立せずさくらが溜息をつく別所温泉の場面と対を成す、印象的なシーンであります。が、その直後、寅さんが乗った電車が発車するシーンでは、電車の窓にスタッフ(監督も?)と思しき姿がしっかり映りこんでて、またまたガックリきてしまったのでした。[CS・衛星(邦画)] 5点(2006-08-16 22:05:12)(良:1票)

77.  鬼平犯科帳 要するに、テレビ時代劇、ですよね。それでも大風が吹き荒れる冒頭シーンを観ると、ああそれなりにおカネかけようとしてるんだな映画だから、とか思うのですが、その直後の「やれやれ江戸から百里、長かったが、やっと着きましたね」「てめえら俺が今何を考えてるのか知ってるのか(以下略)」という野暮ったいセリフを耳にするとズッコケてしまい、ああやっぱりテレビなんだな、と。クドくても一通りセリフで説明してくれる“わかりやすさ”が、やっぱりテレビ時代劇。作品の内容も、(一応ひと続きのオハナシとはいえ)事実上の2話構成、それで何とか映画の尺に仕立て上げた感じです。後半(2話目といってよいか)、鬼平こと長谷川平蔵の身に魔の手が襲い掛かるという、とっても盛り上げやすい(はずの)物語となりますが、どうもその手口がまどろっこしくて、残念ながら大して盛り上がりません。敵役のキャラの影の無さ、物語のアヤの無さ。これもまた、“わかりやすさ”の一環でしょうか。[CS・衛星(邦画)] 4点(2015-04-26 08:11:19)

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