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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  風来坊探偵 岬を渡る黒い風 風来坊探偵シリーズ2作目にして最終作。こんなに面白いのに、どうしてたった2作で終わってしまったのか? まあ、内容、メチャクチャですからね。あと、60分ほどの小品にしては、コダワリ過ぎ、金かけ過ぎ、だったのでしょうか。冒頭からミニチュア特殊効果で嵐に揉まれる船の描写が、なかなかの迫力です。 で、その船の沈没事件の謎の解明依頼が、千葉真一演じる探偵・西園寺五郎のもとに持ち込まれる。よりによってこんないい加減なヤツに依頼しないでも、と思うのですが、この難事件を60分ほどに終わらせるには、彼の軽薄さと強引さが必要不可欠。軽妙な会話のやりとりが、物語をグイグイ引っ張っていきます。 現地に急行する彼の前に立ちふさがる、堀越海運なる悪辣グループ。そこには案の定、用心棒のような男がいて、これが案の定、曽根晴美。千葉真一演じる主人公もインパクトある眉毛でなかなか濃い顔立ちですが、ライバル格の方も顔の濃さでは全く負けていません。この男、一作目に出てたのと同一人物なのか、それともここは一作目とは別次元のパラレルワールドなのか、イマイチ不明。 敵対グループと戦うだけなら、主人公が軽薄なだけの「任侠指数ゼロの任侠モノ」になってしまいますが、そこは「探偵」を名乗るこのシリーズ。何やら怪しいヒゲ画家の存在など、謎が謎を呼ぶ展開、さらにはアクションも散りばめられて、この短い尺には到底収まり切れない高密度設計になっていますが、それをしっかりちゃっかりさばいてしまう、手際の良さ。 何かにつけゲラゲラ笑い、まるで危機に陥るのが楽しくてしょうがないような、若き日の千葉真一。まさに、この時この瞬間にしか、作れないような映画で、2作ぐらいで終わっておいて正解だったのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 08:38:56)(良:1票) 《改行有》

2.  プリズナーズ・オブ・ゴーストランド 園子温監督とニコラス・ケイジ、禁断のコラボ。いわゆる「まぜるな危険」ってヤツですか。トイレ洗剤とかによく書いてますね。ははは。しかしアレ、そんなネガティブな書き方しなくても、「まぜなきゃ安全」とかでいいのでは、とか思っちゃうんですけどね。 とは言え、過去には事故もありましたから、PL法のもと、消費者の安全配慮、ということで。 では園子温とニコラス・ケイジを混ぜると果たして大変なことが起こるのかどうか、有害ガスでも発生するのかどうか、PL法にひっかかるのかどうか、ということなんですが、、、意外や意外、事前に想像したほどには、メチャクチャなことにはなっておらず。 いや、この内容で「事前に想像したほどではない」って、一体どこまでブッ飛んだなものを想像してたんだ、という話ではあるのですが、でも多分、皆さん同じ意見ではないでしょうか。 支配者側と被支配者側、2つの町を舞台に、アウトロー風のヒーロー(←役名もそのまんま)が活躍する近未来SFのノリ。その舞台となる街が、遊郭風の佇まい、未来と過去が入り混じったデタラメ世界。まさにこれ、「間違ったニッポン」そのもの、ではあるけれど、どうせ架空の町なんだし、何でもアリと言えば何でもアリ。せっかく日本人の監督がハリウッド映画を撮るんだから、他の監督では撮れないものを撮ってやろう、っちゅう事なんですかね。それなりにデタラメでありつつ、それなりにちゃんと風情もあって。この風情というのが遊郭のソレなのか、キャバクラのソレなのかはさておき。 アメリカ側で準備されたのであろう脚本を、監督がどの程度変更したのかあるいはしなかったのか、わかりませんが、この映画の物語にも「共同体」というものへの関心、みたいなものが感じられて、らしいと言えば、らしい。しかしそこにダークヒーローが一匹、紛れ込むもんだから、それなりに妙なオハナシにはなるのですが、かつて銀行強盗の際に遭遇した少年のことが心に引っかかり続けている、という優しさも、そこには盛り込まれて。 もうひとつの町「ゴーストタウン」が、大がかりなオープンセットを組んでいるとは言え、いかにもその辺の空き地で撮影しました、っぽい感じがしてしまって安っぽく見えるのが残念でしたが(撮り方、見せ方で、何とかならんかったもんか・・・)、にもかかわらずラストのカタストロフは、意外に見応えがあったり。 さて。園カントクの次のハリウッドは、あるのでしょうか。[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-12 17:46:25)《改行有》

3.  Fukushima 50 原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。当時の経緯を詳しく知りたいのであれば原作を読んだ方がいいだろうし(読みやすく書かれてるしね)、より冷静かつ俯瞰的に知りたければ、船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』を読むのもよいでしょうし、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班の『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』などは、誰が良いの悪いのというのとは別として、事故の経緯に対する印象を一変させるかもしれません。あるいは別角度の視点として、高嶋哲夫の『福島第二原発の奇蹟』とか。 とは言っても、この『Fukushima 50』という映画は、原作本の内容をただ映像に置き換えて再現してみました、という訳ではなく、やはり、映画ならではの訴えるパワーをもった新たな作品として、しかしあくまで実話に沿ったノンフィクションとして、作られたものなんでしょう。 であれば、ウソを織り交ぜろとは言わないけれども、何かもう少し、「事実の再現」以外に、映画らしい演出があってもバチは当たらない気がするんですけどね。悲惨で絶望的な光景ばかりではなく、そういった光景に囲まれる中でふと目を上げれば、そこにはかつての美しい空があったり、自由に宙を舞う鳥がいたり。ってのはさすがにベタかもしれませんけれど、要は、対比、ですよね。 主人公の描き方も実にストレート。原作通りっちゃあ、原作通り。確かに、本店なり首相なりの(やや誇張された)愚かしい姿との対比はあるかもしれないけれど、ここには想定内の、我々の期待に完全に応えてくれるヒーローらしいヒーロー像しかない。同じ渡辺謙がかつて『硫黄島からの手紙』で演じた栗林中将が、我々の期待をはぐらかすようにいまいちヒーローらしからぬ人物、しかし(あるいは、だからこそ)印象的な人物として描かれていたことを、ふと思い出します。 この題材を、このタイミングで映画化して、それだけでも何かと難しい面が多々あるだろうけれど、その結果、こういう作品として仕上がって、ご苦労様なのですが、つい、「無難な冒険」、と呼びたくなってしまうのです。[地上波(邦画)] 4点(2022-10-23 18:09:07)(良:2票) 《改行有》

4.  風来坊探偵 赤い谷の惨劇 冒頭にニュー東映のマーク。ギザ付き10円玉を見つけた時のような微妙な嬉しさがありますね。 深作欣二の初監督作品、ということですが、後の実録路線などで見られるような手持ちカメラによる暴力描写はまだ見られません。まあ、サブタイトルが多少おどろおどろしいとは言え、基本はコミカル路線の作品ですしね。その代わり、俳優の細かい所作でもって、カットをどう繋ぐか、あれこれと工夫を凝らしたりして、才気はしっかり感じさせます。実際に雪山でロケしてるのも作品の雰囲気をしっかり出してるし、墜落したセスナ機を実物大で山の斜面に再現しているのには、ちょっと驚かされます。本物らしきセスナ機が登場するシーンもありますが、まさかこんな場所に着陸させて撮影したの?と、これもビックリ。 主演は千葉真一、こちらも初主演ですが、いやはや若い。もともと声にはそんなに貫録が無い人ではありますが、この頃はさらに甲高くて頼りないですね。しかし動きはさすがに機敏、殴り合いのアクションをキビキビと展開します。 一見風来坊の彼の正体は、セスナ機墜落事故の真相を追う私立探偵、だそうですが、そんな簡単に自分が探偵だと身分を明かしたり、依頼主についてしゃべっちゃったりして、よかったんでしょうか。よくは無いでしょうが、要はそういう、軽いノリ。ライバルとのやり取りのセリフも実にクサくって、まさにこれぞ、千葉真一。 これでもかと展開される銃撃戦、さらにはダイナマイトまで使用して、ド派手にブチかましてくれます。1時間ほどのいわゆる「B級」な映画ならではの、痛快かつデタラメな作品に仕上がってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-23 12:28:47)(良:1票) 《改行有》

5.  不良少女 魔子 《ネタバレ》 小野寺昭が若いですねー。でもあまり変わりませんねー。特にあの独特の、張りのない声が。 さて本作、暴力・犯罪に明け暮れる破滅的で無軌道な若者たちの群像劇、といいたいところですが、もう一つ、不良指数が上がらない。まあ、結構ワルい事はしてて、お陰で敵対組織とのイザコサに発展するにはするのですが、結局のところ、主人公たる不良少女・魔子、ってのが、意外に古風な女性なんですね。だから、どちらかというと、湿っぽい方向に物語は進んでいきます。誰のせいかって? それはもちろん、小野寺昭。 魔子が兄の藤竜也を刺してしまうまでの一連のやりとりを描く場面は、なかなかでした。他はイマイチ。[インターネット(邦画)] 5点(2022-06-14 22:26:44)《改行有》

6.  ブンガワンソロ 戦時中の何処やら、南の国を舞台にしたホームドラマ。といった感じで映画は始まります。現地人の役を演じてるのは日本人の役者さんなんですが、セリフは全部、現地語(だと思うけど、全くのデタラメ語だったりして)。字幕が入ります。ところどころ、背景が明るすぎて文字が読みづらくなるのが残念。とは言え、昔の映画の字幕ではこういうこと、時々ありましたよね。 で、そこに、道に迷ったという三人の日本兵が現れます。最初は何となくギクシャクしたところもあったけど、やがて日本兵の一人と、現地人の娘とが、いい雰囲気になってくる。しかしその幸せも長くは続かず、三人がその家に隠れていることが、他の日本兵にバレてしまう、というオハナシ。 戦後まだ6年という段階で、早くもこういう形で(多少なりとも夢を滲ませた形で)映画が作られてる、ということに、ハッとさせられます。現地ロケ、と言うわけにもなかなかいかないと思うんですけど、南国っぽさはとてもよく出てます。南国っぽく無いシーンも、無いわけでは無いですが・・・。 それより、クライマックスの追跡劇。何でしょう、これは。逃げる馬車、それを馬で追いながら発砲する兵士。そのスピード感。このシーンだけ見せられたら、誰だって西部劇の一部だと勘違いするのでは。なかなか気合いの入ったシーンでした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-31 22:33:00)《改行有》

7.  不能犯 松坂桃李が死神みたいな訳で、依頼を受けては超自然的な手段で人を殺していく、その繰り返し。だもんで、オムニバスとまでは言わないものの、細切れの印象で、内容的にちょっと弱い。 さらにそこに、爆弾事件が強引に重なって、カオス状態。だいぶ無茶な構成だけど、悪くはないです。 とりあえず、松坂桃李の貧乏臭くもワルそうな感じが、雰囲気出してます。 沢尻エリカは、コレ、どうなんでしょうね。ははは・・・。[インターネット(邦画)] 6点(2022-03-14 22:26:17)《改行有》

8.  武士道残酷物語 《ネタバレ》 男色の殿様に弄ばれた揚げ句にチ●ポをチョン切られる話が「武士道」なのかどうなのか、よくわからんけど、何となくタイトルとしてはカッコいいので、OKでしょう。まあ要するに、封建制の不条理が子々孫々7代にわたって現代にまで繋がっている、というオハナシ。 各時代の主人公を同一人物が演じることで、手塚治虫の火の鳥方式というか、バック・トゥ・ザ・フューチャー方式というか、そういう輪廻や業のようなものを感じさせます(?)。 正直、オムニバス形式というもの自体に、つまみ食い的な弱点があると思うのですが、この作品、人間関係というものを描くのに7話構成というのはさすがに細切れの印象で、オムニバスの弱点が幾分、露呈してしまっているように思われます。消化不良気味のエピソードもあって。 もちろん、この「理不尽の連打」みたいなものに作品の狙いがあるのでしょうけど。あの手この手で苦しめられるご先祖様たち。いささかネガティブな要素ばかりを抽出し過ぎじゃないのかい、というツッコミはさて置き、封建時代ってホント理不尽だよねえ、と思ってたら、現代でも同じようなことが行われていて、負の連鎖は子孫のためにも断ち切らにゃいかんよなあ、と。 あと、妙な日記を残すと、子孫に色々と心配をかけちゃう、ということですね! とりあえず、錦之助はこの作品でいい仕事してると思いますが、それ以上に、各時代の憎まれ役を演じた皆さんが、ナイスでした。[インターネット(邦画)] 7点(2021-11-13 07:49:23)《改行有》

9.  不良姐御伝 猪の鹿お蝶 という訳でこの作品。池玲子姐さんとクリスチーナ・リンドバーグ、まさに和ピンと洋ピン二大巨頭そろい踏み、といったところですね(スウェーデン人なのでホントはリンドベルイとでも読むのでしょうか)。 ほぼポルノ路線に近い作品なので、脱ぐシーンが多いですけれども、二人とも単なる脱ぎ要員ではなく、ヌードや濡れ場が作品の中で絶妙なスパイスになってます。そして時には、ハダカがそのまま凶器ともなり得て、お色気と殺気とが目まぐるしく入れ替わる。 見所の一つが、池玲子姐さん演じる猪の鹿お蝶がマッパのままで迫り来る刺客どもをメッタ斬りにする、凄まじい殺陣のシーン。スローモーションの中、姐さんの裸体が舞い、血しぶきが噴き上がる。映画の神が降臨した瞬間、と言わせてもらって、いいですか? 勿論お色気とバイオレンスばかりではなく、主演二人がポーカーで勝負するシーンの緊迫感なども、ゾクゾクさせるものがあって見逃せません。 こういう驚くべき作品が、プログラムピクチャーの一本として当たり前の様に生み出されていく不思議。[インターネット(邦画)] 9点(2021-11-07 13:35:15)(良:1票) 《改行有》

10.  不良番長 猪の鹿お蝶 《ネタバレ》 不良番長シリーズ第2作。サブタイトルを見ると、かの大傑作『不良姐御伝 猪の鹿お蝶』の派生企画みたいですけれども、製作されたのはコチラの方が先。というのが、映画というものの不思議なところ。 コチラの作品で先にスクリーンデビューした「猪の鹿お蝶」さん、これがまた、大して活躍しないんです。 何しろ、この作品では不良番長こと梅宮辰夫の仲間として、千葉真一に菅原文太まで登場。豪華そろい踏みで、猪の鹿お蝶さんが活躍するまでもなく気分は盛り上がり、彼女の役どころはせいぜい、賭場のイカサマ見破り要員らといったところ。 千葉チャンか文太さんか、どちらかは敵役に回った方が、さらに盛り上がったんじゃないの?と思えてしまうくらい、敵役側がイマイチなんですが、そんなキャスティングの妙などをこのデタラメな不良番長シリーズに望むのがそもそも野暮というもの。 クライマックスはヤケクソのようにマシンガンをぶっ放し、これでもかと人が死んでいき、いやあ、ヤケクソってイイよなあ、と改めて思う次第。[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-06 23:08:58)《改行有》

11.  武闘拳 猛虎激殺! 《ネタバレ》 70年代らしいコケオドシ感あふれる作品であります。必殺技の名前やら、キャラ立ちしまくった敵役の面々の名前やらが、いちいちテロップで表示されて、実にアホらしいけど、見てて何だか気分が盛り上がってくる、ような気もする。 やってることは殆ど『女必殺拳』あたりと変わらなくて(監督は同じ山口和彦)、でもコチラの主演は、我らが倉田保昭兄さん。また一足違う楽しみが。 とは言っても、主人公が崖から転落するシーンはやっぱり露骨にダミー人形。後の映画で無茶な飛び降りシーンをやって見せた真田サンの凄さがよく判ります。 だけどこの作品の倉田兄さんだってもちろん凄い。タイトルにもある通り、ホンモノの虎との激闘が。いや、本当に激闘なんかやったらひとたまりも無い訳で、どうみても虎は100%の本気モードではないけれど、と言って本気度0%と言うことも無く、20%か30%ぐらいの本気度がありそうな微妙な感じが、見てて心配になってくるところ。虎の20%30%でも普通ならひとたまりも無いですよ。 例によって例のごとく、敵の巣窟ではアヤシい格闘の達人どもがアヤシい武器を手に特訓を繰り広げ、それを横目に敵の首領が悠然と食事をしている、という、嬉しくなるほど潤いの無い世界。そこに足を踏み入れ戦いを挑む主人公。この敵の巣窟というのが実に立派な鉄筋コンクリート製の天守閣で、一体どこでロケしたんだろう、と気になって調べてみたら、熱海城なんだそうな。驚くのは、ラストで城が何と、炎上してしまう。いや、ホントに炎上しまくってるシーンは別途、セットで撮影したんだろうけど、なかなか巧みな演出なもんで、ちょっと驚いてしまいます。虎と戦った後で敵のラスボス戦ってもイマイチ盛り上がらないのですが、炎上シーンで見事に締めくくってくれました。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-11-05 22:21:07)《改行有》

12.  不良番長 近年、昭和がイカしてた時代であるかのように吹聴され、それも80年代のバブルこそがイカした昭和だ、みたいな風潮があるけれど、いえいえ、本当にイカしていて本当にブッ壊れてたのは、70年代だと思います。その壊れ具合がよくわかる一例がこの、東映一のシリーズ作品数を誇る『不良番長』。製作はまだ1968年ですから、実は60年代末期からすでに、ブッ壊れ始めてたんですねえ。 不良番長こと神坂弘を演じるは、もちろん梅宮辰夫。どう見たって、不良にも番長にも見えないんですけどね。スーツ着てたりなんかすると、会社の重役みたいにすら見えてくる、妙な貫録が。 その彼がチンピラどもを引き連れて、まー、ロクなコトをしません。いきなりのアベック襲撃に始まり、やりたい放題のオンパレード、悪辣の限り。しかしカメラが回っているからこの程度なのであって、カメラの無いところではこの出演者たち、何をやってたのか想像もつかぬ・・・という、映画の存在自体が不良の極みみたいな、悪い意味で「伝説のシリーズ」となっちゃってます。 で、この不良軍団が、ヤクザの抗争に参入し、クライマックスでは単車をブッ飛ばし、トラックで突入し、しまいにゃマシンガンを乱射。一体どうしてこんなコトになってしまったのか。それはひとえに映画自体が「不良だから」。これぞアナーキズムの極致、ナンセンスの極致。こんなのホメようがない、という最上のホメ言葉を贈るしかありません。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-10 17:47:37)《改行有》

13.  FULL METAL 極道<OV> うじきクン演じる心優しきダメやくざが騙し討ちにあって、兄貴分と一緒に射殺されてしまうが、無敵の改造人間として蘇るオハナシ。ビデオ作品と言うことで、開き直ったようなチープさが溢れてますが、それを逆手に取ったように、残酷描写やエロ描写はかなりエスカレートしていて、苦笑交じりの笑いを呼びます。とりあえず、良い子は見ない方がいいかも。 なぜ彼が蘇らせられたのかは、殆どマトモな理由など無いも同然なのですが、蘇った以上は、自分たちをハメた連中に復讐しなければならぬ。しかも彼の体には、アニキの心臓、刺青、そして○○○が移植されていて。 その破壊的なパワーを駆使したバトルも見どころですが、彼を取り巻く人々との間に紡がれる物語が、終盤、映画をさらに加速させます。 バカバカしい作品ですが、バトルの見せ方にも工夫が凝らされていて(ドラム缶を一刀両断!)、こりゃなかなかのもんです。 でも良い子は見ないように。[インターネット(邦画)] 7点(2021-06-05 18:43:54)《改行有》

14.  不連続殺人事件 高木彬光がなぜ「能面殺人事件」で探偵作家クラブ賞を受賞したかというと、前年は傑作「刺青殺人事件」が、運悪く、文豪が発表した長編ミステリとタイミングが重なっちゃったからで。そりゃ新進作家にはチャンスのあろうハズもなく。それがこの、坂口安吾の「不連続殺人事件」。 しかし、私も自分の本棚をたまに見返すと、乱読したミステリの中にはトリックも犯人も思い出せないものがあったりして、情けない思いをしたりもするのですが、そんな中で、「不連続~」は、真相がかなり鮮明に印象に残っている作品です。多分それは、フーダニットとしてよく出来ているからというよりも、探偵役である巨勢博士が終盤に犯人を指摘するくだりのユニークさ、ゆえの印象であるような気がします。 そういう意味では、推理小説の真髄はしばしば、「探偵が最後に犯人の“名前”を告げる」という点にあって、文字で書かれる小説という媒体ではそれが有効である一方、映画では視覚が中心となって、登場人物の名前というものが付随的なものに過ぎない、というのが、ミステリの映画化の難しいところの一つ、であるように思えます。 実際、真相解明の部分における印象の強さというものはどうしても、この映画化作品よりも原作小説の方に、軍配が上がってしまいます。 しかしこの「不連続~」という作品。やたらと登場人物が出てきて、誰がどういう人かを読みながら把握していくよりも、殺人事件が発生して人数が減っていくスピードの方が早くって、あれよあれよと言う間に・・・という、ちょっと風変わりな作品でもあるのですが、映画監督にしてみれば、こういう作品を作るのって、結構、大変だけど楽しいんじゃなかろうか。登場人物多いので俳優多数起用し、豪華なセットに彼らをズラリと並ばせる。カメラは常に引き気味で、なんだか常時、妙に画面内の人口密度が高い。その画面の中で、台詞のある人ない人それぞれがうごめき続ける。 もうちょっと真相につながる手掛かり、というか伏線をうまく仕込んでもよかったんじゃないか、とは思うけど(その点は原作の方が上手い)、原作のカオスな部分をひたすら強調した点が、この映画の持ち味、と言えましょうか。[インターネット(邦画)] 7点(2021-05-15 19:47:02)(良:1票) 《改行有》

15.  文学賞殺人事件 大いなる助走 俗物たちがわんさか登場し醜態を見せつける筒井康隆ワールドに、御大ご本人も登場し、日ごろの憤懣をぶちまけるその姿は、とても演技と思えませぬ。 文学界の裏側をここまで戯画化して茶化しちゃうと、んなアホな、と誰もが真に受けずに苦笑しながら受け流すところですが、でも実はこれが実態だったりして。 佐藤浩市が得意の土下座をカマすと、その場にいる全員が慌てて土下座を始める、なんてのは、実社会の欺瞞をあぶり出すような、なかなか辛辣で秀逸な画ヅラでした。 結局はどうしようもないオハナシですが、ヘンな哀愁みたいなのもあって、最後まで引っ張られます。 ところで作中、何度も、所謂「第九」が劇伴として流れるのですが、最後のクレジットを見てると、作曲者名が「ヴェートーベン」となっておりました。 誰だよ(笑)。[インターネット(邦画)] 7点(2021-04-03 12:25:48)(良:1票) 《改行有》

16.  FAKE 《ネタバレ》 ゴーストライター騒動渦中の佐村河内氏本人の懐に飛び込んでカメラを回せばとりあえず何かが出てくるだろう、と、あまり深く考えずに撮影を始めたような感じで、正直、あまりうまく撮れているような気もせず、さらには森監督自身、ある取材では音声を録り忘れるという、取材者にあるまじきミスを犯してしまったりもするのですが、これが偶然にも、難聴者の暮らす世界を我々に想起させる、という不思議。ホントにマイク入れ忘れたのか、それともfakeなのか? あまり適当に取材してると、「下山事件」では映画は完成せず、著作も言い訳を繰り返すばかりで中途半端な幕切れ、ってなことになっちゃったのですが。 でもそれが持ち味か。本作のあちこちに監督自身も顔を出したり口を出したり、お陰で天敵(?)新垣氏の朴訥としたヒトの良さまであぶり出してしまう。 監督は佐村河内氏を信じると言い、佐村河内氏も監督を信じると言う。そこで監督が最後に佐村河内氏に問いかける。あなたは私に何か隠してませんか、と。 その問いに対する佐村河内氏の長い沈黙は、彼の、彼なりの、誠実さを表したものと言えるでしょう。一言、否定するのは容易いこと。しかし誰だって、何らかの嘘、欺瞞、隠し事を抱えて生きているはず。それに、彼は、いや我々は、向き合ってきただろうか、と。 ところで、かつて騒動の前、NHKで佐村河内氏のドキュメンタリーが放送され(その中には騒動後に思い返すと、作曲中はカメラを拒否するというアヤしげな部分があったのだけど)、大きな反響を呼び、視聴者のリクエストに応える形で、件の交響曲1番もNHKが放送することになって、私も楽しみに録画したクチ、なんですけどね。ただ、いざ聴いてみると、ちょっと期待外れというか、どうも緊張感が持たない。正直、私の中に、ベートーヴェンでもスメタナでもない現代日本の難聴者が作る曲とはどのレベルのものだろう、と値踏みするような邪念があったのも確かだし、イージーリスニングなノリに対する心の準備も無かったし、テレビに映る聴衆の感激覚めやらぬ姿を見て、これはきっと私の側に問題があるのだろう、くらいに思ってたのでした。クラシック界には新しい波が訪れているのかもしれない…… それがこんなことになってしまって。というモヤモヤ感。それに対する答えがこの作品の中にある訳ではないし、何かが正しい方向に動き始めたのかどうかもよくわからない。ついでに言うと、交響曲の作曲にあたって誰がメロディを作ったかなんて、どうでもいいこと(他のジャンルならともかく)。スピルバーグがジュラシックパークの監督と言えるのかどうかには無頓着でも、佐村河内氏が作曲家と言えるのかには神経を尖らせ、「聾唖の作曲家」で生まれたビジネスが、今度は糾弾ビジネスに生まれ変わって、モトを取ろうとする。しょうがない面もあるけど、なんか、切ない。 佐村河内さん、今からでも遅くない、音楽の勉強は、した方がいいと思う。[インターネット(邦画)] 7点(2021-03-28 16:36:21)(良:1票) 《改行有》

17.  フィギュアなあなた 柄本佑演じる主人公のダメ男っぷりが、物語が進むにつれて、何だか妙に愛おしく感じられてきたり。 映画終盤で、女のコが下半身丸出しのまま宙を漂い続けているのを見ていると、さすがにそろそろパンツくらい、穿かせてあげてよ、という気持ちにもなってくるのですが、当の本人がまるでそんなことを気にしてないような晴れやかな表情で飛び続けるもんで、だんだん、アソコだのパンツだのといったことが、些細なことのように思えてきちゃいます。 そんなこと気にしなくていいんだ、自由なんだ、と。 であるなら、これは、「許し」の物語であったのか。 ダメ男にとってそれは、儚い「許し」に過ぎないものではあるけれど。 ・・・しまった。最後をダジャレでシメてしまった。穿かない=儚い、ってか。お後がよろしいようで。[インターネット(邦画)] 8点(2021-03-06 16:56:04)《改行有》

18.  blank13 《ネタバレ》 監督は売れっ子俳優の斎藤工(クレジットは本名の「齊藤工」)。70分ほどの小品で、テーマもやや地味ですが、奇を衒うことのない手堅い演出で、好感が持てます。 監督本人が兄、高橋一生が弟の役で、父親はふたりが子供の頃に借金を残して失踪。13年ぶりに消息が判明するが、病で余命いくばくもない状態。父の失踪以来、母親が懸命に働いてふたりを育て上げ、またふたりも子どもの頃から苦労を重ねてきたもんで、兄は父親のことが許せない。一方の弟は、父に遊んでもらった幼少時の記憶から、完全に父を見限ることができず、病院へ見舞いに行く。父親役のリリー・フランキーと高橋一生が病院の屋上で語り合うシーンの、微妙な距離感などは、齊藤演出の腕の見せ所。全編にわたってテクニックをひけらかすのではなく、要所要所で拘りを見せてくれます。 幼少時の回想シーンで、母親の自転車が車にぶつかる場面では、変にカットを割らずに事故の瞬間を投げ出すように描き、日常に突然現れる恐怖を印象的に描いています。 父親はやがて他界し、映画後半は父親の葬儀が描かれるのですが、父親の破天荒な生涯を表そうというのか、ちょっとコミカルな味付けとなっていて、ただそれだけに、居心地の悪さみたいなものも感じさせます。ダメな父親だったけど、こんないい面があった、あんないい面があった。一方で、でも父を決して許せない、という兄もそこにいて。 しかし、何を言ってもこれが最後、間もなく父は、荼毘に付される。 映画の冒頭で、「火葬とは」云々とかいうテロップが出て、正直、こういう映画の開始はちょっと警戒しちゃうんですけれども、映画の最後は火葬の場面となり、一方で、葬儀にも火葬場にも姿を現さなかった母親は、夫の唯一の形見なのかもしれないタバコを吸っていて、すべてが煙となって消えていく。冒頭のテロップにもちゃんと繋がって、映画を締めくくります。[地上波(邦画)] 8点(2020-08-13 15:12:06)《改行有》

19.  ファンシイダンス 「モックンがこの頃からどれほど変わってないか」「彦摩呂がこの頃からどれほど変わったか」を確認できる一本。その後、彦摩呂の肉体が“シコふんじゃった”的なものに改造されてしまうとは、この頃、誰が想像できたでしょうか。 学生相撲とか社交ダンスとか、一般人にはあまり接点のない(少なくとも当時はなかった)ネタを映画に取り上げる流れの、原点とも言うべき作品ですが、僧侶見習いの修行がテーマなもんで、相撲やダンスと違って動きが乏しく、どうしても地味な印象は受けてしまいます。 ただ、その地味さを逆手にとって、わざと棒読みみたいなセリフのやりとりで独特のリズムを出しており、ちょっと不思議な味わいがあります。 それを差し引いても、登場人物の誰もが、大した進歩なり変化なりを示す訳でもなく、やっぱりちょっと動きが乏しいのですけれども。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-19 21:34:05)《改行有》

20.  無頼漢(1970) 多分に挫折感のあるオハナシな上に、途中には親殺しや子殺しなどという暗いテーマが絡んできたりもするのですが、その割には妙にアッケラカンとしてます。子殺しはともかく、親殺しの方はどこか、「どうせ殺したって死にゃあしない」みたいなところがあって。 「時には母のない子のように」なりたくっても、そう簡単には、なれやせぬ。 しかしそうは言っても基本的に、人というものは皆、死んでいく。謀反の企てが失敗して次々に命を落とす者があり、でも一歩離れて観りゃ、派手に夜空を染める打ち上げ花火と大差ない訳で。ただ、いつの世も人は死に続け、棺桶屋は棺桶を作り続ける・・・ というラストが、何だかキザで、ヤだな、と思わなくもないけれど、時代劇にジャズが流れたりするように、もともとこれは、ちょっとキザな映画。それもまた良し。[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-07-06 22:36:35)《改行有》

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