みんなのシネマレビュー
あろえりーなさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 4675
性別 男性
年齢 41歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253545556575859
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253545556575859
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
41424344454647484950515253545556575859

221.  ロボジー 《ネタバレ》 見終わった感想としては、「ついていい嘘もあるんだな」と感じたことでしょうか。いや勿論、劇中の台詞にもあるように、この嘘は事件ですよ。真面目にロボット作ってる人たちに申し訳ないし、なによりこの嘘で会社が潤ってる訳だから。でもそんな大人の事情を抜きにして考えると、この嘘は許せちゃう。誰にも迷惑かかってないし、子供たちには夢を与えてるし、おじいちゃんには生き甲斐が持てたし、駄目社員3人組も一躍時の人となった。だから、最後までこの嘘がばれずにいてほしいって思っちゃうわけです。中盤、大学で講義をしたら、学生たちの専門用語に刺激を受け、3人組が本気出してロボット作りに取りかかる。あの展開は楽しかったですね。個人的には、それで本当に本物のロボットを作ってほしかったんだけど、そこまではいかない。けれど、結局ばれずに終わったってのが好感持てる。こういう話は、ばれてしまい評判がた落ちだけど心入れ替えて~みたいな流れになるのが定番だったから。ニュー潮風2がうまくいかなくてまたおじいちゃんに(しかも今度は4人で)頼み込んでるけど、待ってましたとばかりの笑顔を見せるおじいちゃんの画で終わるのは良い。でも、あくまでもじいちゃんは「繋ぎ」だよ!いつか本物のロボットでやってくれよ!彼らの未来を想像して楽しむことが出来る、そんな余韻のあるラストだった。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-08-08 22:21:12)

222.  ヒミズ 《ネタバレ》 前半はブラック・コメディなタッチ。園子温作品に登場するいつもの面々が出てくると「あ~、おなじみの皆さん出てきた(笑)」みたいな感じで各登場人物のヘンテコさや強引な暴力などがそのまま笑えてくるんだけど、後半は主役の住田君の内面にどんどんと迫っていくような感じでだいぶ身に詰まる思いでしたね~。そりゃあ、あんだけ酷い家庭で育ったのだから、腹が立つし憎いしむかつくのは仕方があるまい。どいつもこいつも、てな気分ですよ。心の底からわき上がる怒り。でも、あれだけ親身に思ってくれる茶沢さんて可愛い子がいるんだから、彼はどん底じゃない。ラストの「住田君がんばれ~!」の連呼とバックに流れる「弦楽のためのアダージョ」は、メッセージとしては凄く直球で胸にきましたね。園子温監督の作品て、いつも救いようの無い感じで終わるのに、この作品は「希望」だった。おそらくは、震災というとてつもない絶望がリアルに起きちゃったもんだから、園子温監督の作品内容も反転したのではないだろうか。そして彼が伝えようとする希望は、思いのほか素晴らしかった。[DVD(邦画)] 7点(2012-08-08 20:47:08)

223.  はやぶさ 遥かなる帰還 《ネタバレ》 思っていたよりも硬派な作りでしたね~。人間ドラマを前面に押し出した内容になると思っていたのですが、山口プロマネのお父さんの話と、記者の女性の家族の話が絡むぐらいで、主軸ははやぶさ、そして特に藤中教授とNECの人との絡みが中心でしたね。全体的な演出が控えめなので、劇的な感動ではなく、静かだけどしっとりとした良い余韻の残る感動という感じです。個人的に関心したのは、日本の宇宙開発は、ものすごく少ない予算でやってるんだということを映像で見せていたということ。宇宙研の施設はかなりのお古なので、NASAの人はびっくりしちゃうんだよね。はやぶさ自体も凄く少ない予算で、それでいてとてつもなく大きなことをやり遂げたわけで。のぞみの失敗が、はやぶさの成功につながっているんだということも、一応は台詞で語られてはいたけど、1ビット通信の話も出してもっと全面に押し出しても良かったかも。宇宙開発に限った話ではないけど、失敗の経験が成功に生かされているので、失敗は無駄ではないんだよってことにも触れているのは好感持てる。これはある意味、マスコミ批判みたいな面もあるんだけどね。逆に少し疑問だったのは、藤中教授の森内の口論の中で、森内が言ってた台詞。どこまで史実なのかはわからないけど、あの状況でイオンエンジンの信頼性が落ちるからと反対するものだろうか、と気にはなりました。なんにせよ、運用の上での様々なトラブルにより、NASAとか、身内とか、財務省とか、いろんなところから理解を得るのに苦労してるわけですよね。はやぶさの成功は、時折の決断の数々が導いている。「もしこの時、言われるがままに諦めていたら、、、」「もしこの時、リスクをとらずにやらない道を選んでいたら、、、」この成功はなかった。はやぶさの物語は、すべての人の人生にも当てはまる教訓を教えてくれている。初めてやることなんだから、最初からうまくなんていかない。だから困難はつきものであり、その困難に抗うか抗わないか、屈するか屈しないかが、成功か失敗かを分け隔てる要因となるんだ。[DVD(邦画)] 7点(2012-08-04 22:32:04)

224.  四谷怪談 お岩の亡霊 《ネタバレ》 鑑賞していて、胸がつまるような思いでしたね~。これぞ日本のホラー映画ですよ。心の内面、精神へと訴えかける怖さ。お岩さんがあまりに可哀想すぎる!そして伊右衛門はあまりに酷過ぎる!顔がただれ、髪が抜け、おぞましい形相になってしまったお岩さんの姿は実に恐ろしいです。うらめしや、、、伊右衛門どの、、、。あ、音楽も素晴らしかったですよ。古典ホラーの良作は、その古さが怖さと結びついて独特な雰囲気を出していますよね。この感覚は、新しい映画ではなかなか出せないものだろうなと思います。[DVD(邦画)] 7点(2012-08-01 20:48:52)

225.  極道めし 《ネタバレ》 見終わって、自宅で思わずインスタントラーメンを 作って食べたのは、自分だけじゃないはず(笑)。 コメディ映画だと言う風に認識してみたので、 まさかラストで感動してしまうとは思ってもみませんでした。 終始、食べ物が出てきます。 囚人たちが、それぞれ一番おいしかった料理の話をするわけですが、 黄金めしも旨そうだったし、カルボナーラ入りオムライスも めちゃ旨そうだったし、なによりあのすき焼き。 はぁ~、生唾ゴックン。おじちゃん、文句無しのチャンピオンですわ。 食べ物自体のおいしさもそうですが、なによりエピソード一つ一つが良いですね。 プロレスラーだったデブちんの彼は、個人的には無罪でもいいんじゃないかと思うけど(笑) そして健太の話、これがやっぱり一番じんとくる。 健太はほんとどうしようもない奴だし、あんなにも可愛いしおりを あんな風に扱かって、可哀想過ぎるやろ!て思うんだけど、 いかんせん、自分もダメ男なので、あの健太の気持ちがよく理解出来てしまう。 彼は、母に捨てられたときのように、また捨てられる事を恐れてるんだね。 だから、捨てられたくなくて、あんなふうに接しちゃう。 終盤、出所してしおりのラーメン屋に行って、彼女の所帯を見て 食べたラーメンの味はどんなものだったんだろう。 そしてエンディングは「上を向いて歩こう」。いや~、とてもいい映画でした。[DVD(邦画)] 7点(2012-07-29 09:41:35)《改行有》

226.  一命 《ネタバレ》 三池監督はいつも彼なりのジョークを必ずといっていいほど入れるものですが、本作はそういうシーンもほとんどなく、相当な真面目路線で硬派に作った印象。これは最初から賞を狙っていたんでしょうねぇ。ライティングもすごく暗いので、人によっては見にくいという批判もあるかもしれませんが、個人的にはこの作品のテーマにこの黒を基調とした重々しい画が合っていたと思います。市川海老蔵の初主演時代劇ということですが、彼の歌舞伎的な言い回しのある演技もなかなか様になっていて格好よかったです。時代劇ではあるけれども、このテーマは現代にもそのまま通用するお話で、武士の面目と人の情けのぶつかり合いはなにかと考えさせられます。個人的には、そういう面目とやらの上っ面や空虚さを、もっと痛烈に描いても良かったかなと。一番印象深いシーンは、なんといっても序盤の千々岩求女の切腹ですね。見てるこっちもお腹痛くなるほどのリアリティ。直接かっ割いてるところを見せてる訳ではないんだけど、音がなかなかリアルで、観る者に「想像」させる巧さが光ります。そんなわけで、リアルな江戸時代を堪能出来たわけですが、それ故に終盤の竹刀を持っての100人切りみたいなリアリティのない展開はちょっと違和感を持っちゃう。この点は三池監督らしい展開なんだけど、前述したように彼の色を抑えながらやってるもんだから、それが中途半端に感じてしまう面も否めなかった。貧乏を描くトーンも、やや上品すぎるきらいがあったと思うし。しかしながら、良作である事は事実です。皆の演技も全体的に素晴らしかった。7点を献上。[DVD(邦画)] 7点(2012-06-03 19:32:49)

227.  植村直己物語 《ネタバレ》 植村直己さんは、僕が心の底から尊敬する日本人の一人です。兵庫の豊岡にある植村直己冒険館にも行った事がありますが、この映画にも描かれているように、彼はとても優しい方だったそうですね。エベレストに登った時にも、先輩を先に立たせようとしたり、友情とか恩といったものを凄く大切にされたそうです。冒険の先々で見つけた綺麗な花を押し花にしてずっと保管しておいたりとか、そういう「強さと優しさ」を両方兼ね備えているというところにぐっと来ます。そしてまた、これも劇中描かれているように、元々登山が達者だったわけではなく、仲間から「どんぐり」と言われてバカにされるほど足手まといな存在だったそうですね。だから、努力の人なんだと思います。冒険館には、登山の時に背負っていた25キロの重さのリュックが展示されているのですが、それを僕も背負ってみて「こんなとてつもないものを背負って登山するだなんて、、、」と心底驚いたのを覚えてます。世間的には、植村さんという人はいわば「社会のはみ出し者」であって、仕事も碌すっぽ出来ないタイプなんですね。僕もちょっと社会不適応なところがあるから、そういうところにもシンパシー感じちゃいます(笑)。冒険に危険は付き物ですが、では植村さんは恐れ知らずなのかと言うとそうではなく、クレバスの前に立つと常に足が震えるっていうんですね。危険な冒険をすることによって、その時初めて「自分が生きているんだと言うことの実感」を得られるんだと。植村さんて人は、不出来だったからこそ努力し、不適応者だったからこそ孤高な挑戦を成し遂げ、億病だったからこそ冒険が出来たといえるわけです。彼の生き様は、人生の教訓をたくさん教えてくれるように思います。話が長くなりましたが、リアリティに徹したこの作品は植村さんの偉業を後世に伝える上で満足のいく出来映えになっていると感じます。西田敏行と倍賞千恵子も好演でした。 7点を献上。[DVD(邦画)] 7点(2012-04-26 02:08:17)(良:1票)

228.  上を向いて歩こう 《ネタバレ》 名曲「上を向いて歩こう」をフィーチャーして作られた本作。製作されたのがもう半世紀も前ですよ。半世紀前の日本の風景見てると、昔のクラシカルな車がずら~っと並んでる光景とか、なんだか違う惑星でも見てるような気分になりますね。いかにも高度経済成長期というのかな、東京オリンピックを2年後に控えて、もの凄い激動の空気だったんだろうなという感じが伝わってきます。さて、映画の内容はというと、不良少年がわんさか出てきて、頻繁に喧嘩しているだけなんですけど、でもね、みんなワルじゃないんですよ、むしろみんな良い奴。とても分別があるというのかな。吉永小百合がびしっと決め台詞言って、そんではっと我に返って二人抱き合うとかね(笑)。それから、女の子が脚で立てるようにと支えてあげるシーンとかね、なんだかほっとするんですよ。役者の皆さんも、九ちゃんの人懐っこい爽やかな笑顔が本当に良いなと思うし、若かりし高橋英樹なんて、まさにスターの風格という感じでイケメンですよねぇ。そしてラストにみんなで上を向いて歩こうを唄うシーン。もうそれだけでなぜかぐっと来ちゃう。60年代の雰囲気をよく現している、とてもポジティブで楽天的なメッセージ。余談ですが、ラストの歌詞にはレコード版にはない「冬の日」バージョンが唄われていて、それもまたファンとしては興味深いところです。[DVD(邦画)] 7点(2012-04-21 23:42:10)

229.  鉄男 TETSUO 《ネタバレ》 この得体の知れないパワー、エネルギーが素晴らしいですね。出来映えとかストーリーとかじゃなく、このエネルギーに点数をつけたいです。一連のストップモーション映像とか、見てる分には一瞬ですけど、実際に作るとなると相当大変でしょうに。個人的にお気に入りなのは、やっぱり黒縁眼鏡にサラリーマン姿の田口トモロヲが一番最初に登場するシーンでしょうか。なんだかしんないけどすげぇカッコいいです。画面の点滅、煙、汗と水しぶき、そしてこのロック音楽。そうです、この映画、映像も去ることながら、音楽&音響が実に良いんです。金属音やテレビの音とか車のブレーキとか声とかを、それこそサンプリングミュージックみたいに構成して作り上げている。低予算の粗をカバーするために白黒にしたそうだけど、これがまた金属のメタル感を出してて逆にいい味出してるし、他の方が書かれていた「常に銀紙をかじってる様な不快感」を観ている最中ずっと僕も感じていました(笑)。海を超えて世界を見据えるものを作るには、なにより情熱が一番必要ですね。[DVD(邦画)] 7点(2012-04-18 02:42:44)

230.  双生児 《ネタバレ》 今まで見てきた塚本晋也作品の中では一番良かったと思います。もともと、江戸川乱歩の世界って僕の好みではありましたが、この作品は乱歩の世界と、塚本ワールドが巧い事融合して独特のものになっていると思います。この世界では、全員眉毛がないわけですが、人体の中で眉毛というただ一つの要素がないだけでこうも異世界になるのかと驚き。裕福層の人たちの地味できっちりした服と、貧民窟の極彩色な服との対比。なんともいえない独特な付随音楽も印象的です。そしてなんといっても、本木雅弘の演技ですよね。井戸に落ちた雪雄を罵る捨吉。全く立場の違う二人ですが、捨吉の首を絞める雪雄はもはや入れ替わっちゃったような感じですよね。こんな毒々しく荒々しいもっくんは他では見れないです。りょうの演技もなかなかよかったですね。この人は、なぜか眉毛ないほうが素の顔に見える(笑)。[DVD(邦画)] 7点(2012-04-10 01:51:04)(良:1票)

231.  南極料理人 《ネタバレ》 なかなか面白かったですね~。終始、ゆる~い笑いをかましてくれて、それが個人的にはツボでした。この映画だけ観たら、越冬隊の人たちは税金で食って遊んでるだけの人に思われそうですね(笑)。彼らの仕事人としての描写はほとんどなく、仕事以外の余暇や食事、生活といったものに焦点当てられている。変に仕事人としての顔を入れるよりも、こういう思いきった構成で結果としては良かったんじゃないかと思います。エビフライの合唱とか、ステーキ肉の火遊びとか見てると、越冬隊の面々がだんだんと子供に見えてきます(笑)。そんで、主人公の西村くんはお母さんに見えてくる。お母さんと7人の子供達による漫談劇みたいな感じ。そして、西村くんが作る料理の旨そうな事旨そうな事。タイチョーの「西村クン、僕の体はラーメンで出来ているんだ」には爆笑しちゃいました。見終わってから僕がまずやったのは、家でインスタントラーメンを作って食べる事でした(笑)[DVD(邦画)] 7点(2012-04-08 01:12:22)

232.  家族(1970) 《ネタバレ》 長崎で会社が潰れたのを機に、一家が北海道の開拓村を目指して瀬戸内海、大阪、東京、東北などを旅するロードムービー。1970年の作品ということで、個人的には自分の生まれる前の日本の街並み、日常の生活、空気感というものがそのまんま撮影されていて、記録映画として存分に楽しんでみることが出来ました。中でも、その当時先端的な生活だった団地の風景とか、万博で賑わう大阪の光景などとても興味深い(万博でお母さんが金貸しのおっさんに出会い、「ここは人類の進歩と調和の場所なんだから~」という台詞が面白い)。倍賞千恵子、井川比佐志、笠智衆のお三方が、とってもナチュラルな演技してるのも良い(元々、モデルになった移住家族を山田洋次が列車内で見かけたことが本作の始まりだそうな)。途中、赤ちゃんが死んじゃうし、終盤でもおじいちゃんが死んでしまう。ラストは凄く前向きで希望に溢れた終わり方なんだけど、でもよく考えりゃ出発から到着までに2人も家族を亡くしてるわけで、実はすごいヘビーなお話のはず。にもかかわらず、そういう重さは感じさせない。それはやっぱり、いちいちたちどまって悲しんでられないというのもあるんだろうけど、なにより高度成長期の勢いがそうさせてるんだっていう気がする。昔の人は強いっていうけれど、それはやっぱりいい意味で身軽だし、大きなうねりの中で前を踏み出せば明日はきっと良くなるって言う確かな実感があったからなんじゃないかな。ヴィジュアル的にも、そして精神的な面でも、1970年当時の日本がこれほど等身大で見られる作品を私は他に知らない。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2012-03-29 03:03:15)(良:1票)

233.  かもめ食堂 《ネタバレ》 いいですね。ほっこり系作品で、心がなんだか温まるような気になれます。そんでまたゆる~い笑いが最高ですね(笑)。小林聡美、片桐はいり、もたいまさこの競演というのは、この「ほっこり作品」を作り出すにあたって最高の組み合わせなように思います。北欧の国フィンランドで日本食堂を始めると言うお話だけど、そのフィンランドの街のスピードの遅さと、このゆるい作風と、嫌な人が一人もでてこない、愛らしい人たちとが絶妙に合わさってますね。かもめ食堂で作られる料理が、美しい調理の仕方で凄く美味しそう。見終わった後に焼き鮭とかシナモンロールとかおにぎりとかものすごく食べたくなる(笑)。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-19 03:06:59)

234.  女囚701号 さそり 《ネタバレ》 こういう作品、嫌いじゃないですよ。表立って人にお勧めする事は出来ないけれど、やりたい放題やってくれる映画はそれだけで認めちゃう自分がいる。確かにね、つっこみだしたらきりがないんですよ。最初の暴力シーンで、顔に全然拳が当たってないわけですよ。それなのに「ビシっ!ビシっ!」ってものすごい効果音ついちゃって(笑)。この時点で「なんだこりゃ~。真面目に作ってない映画だな~」なんて思ったんですけど、次のシーンでは全裸の女囚たちが列になって意味不明な階段を上り下りさせられてるし(笑)。そうかと思いきや今度は味噌汁を顔をかけられただけで血まみれになるし、なぜかおっぱい丸出しで刑事に復讐しようとするし、、、。最初の時に「不真面目な作りだなぁ」なんて思っちゃった自分を反省(笑)。要するに、そういう理屈を勢いが凌駕してるんです。とにかくやりたい邦題やって、それで面白けりゃ良いじゃん!みたいな。そう、映画とは本来ルールなどないものですからね。刑務官たちがレイプされ、女達がワッショイワッショイ!と踊りだしたり、ナミに復讐しようとした女囚の顔がはんにゃみたいになったりするシーンで爆笑しちゃいました。もの凄く安直な反体制の描き方も含め、色々と面白かったです。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-17 18:51:47)

235.  竹取物語(1987) 《ネタバレ》 思っていたよりも楽しんで観る事が出来ました。8世紀頃の日本と、現代SFを組み合わせると言う実に意欲的な作品で、竹取物語を映像化するという試み自体が大きな挑戦だと思います。確かに、竹から出てくる赤ちゃんとか、途中出てきた竜との闘いとか、ちゃちいなと感じるのも事実なのですが、その手作り感もまた見どころの一つで、今だったらなんでもCGでやっちゃうから、こういうのは昔の映画としての、魅力の特権なんじゃないかしら。ワダ・エミの衣装もやはり美しく、下層の人はくすんだ色で、そしてまた上層の人は色鮮やかに。あるいはまたキャラそれぞれに、たとえばオレンジ、緑、ブルーの色を強調していて、そのわかりやすさがいいんですよね。役者さんたちの演技もやはりいい意味で表面的でわかりやすい。あくまでもファミリー映画ですから。ラストのマザーシップは、おもいっきり「未知との遭遇」で、それでいて模型感が出てて微妙ではありましたが、でもそのまんまパクリというわけでもなく、未知との遭遇はシャンデリアをひっくり返したような風貌なのに対しこちらはお花をひっくり返したみたいな感じでしたね。そういうところも日本的だなと感じる。ただ、そういう日本らしさを感じて満足感に浸った次のエンドロールで「スティ~ウィズミ~♪」と英語の曲が流れるのにはずっこけたけど(笑)。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-16 16:32:27)

236.  はやぶさ/HAYABUSA 《ネタバレ》 はやぶさを打ち上げから帰還までずっと追い続けてきた宇宙オタクの自分としては、はやぶさの劇映画化というものをずっと心待ちにしておりました。3つのはやぶさ映画が製作される、その第一弾が本作ということで、とても興味深く拝見致しました。最初に西田敏行が講演ではやぶさのことを延々と語りますが、自分としては「なにを今さら~」みたいに思っちゃったんですけど、でもよく考えたら知らない人のほうが大半なんですもんね。確かに、ある程度の説明は最初に必要なのかも、と納得。はやぶさは、そのあまりにドラマチックな展開故に擬人化され、そしてそれは実に日本的なものであると文化論的に言われたものだけど、この擬人化が、国民によりわかりやすく、特に子供達に興味を抱かせ、理解させたことに繋がったんだというのがちゃんと描かれていて、その点は大いに評価したいです。中でも、はやぶさだけでなく火星探査機「のぞみ」にも触れている点が特筆すべきところで、のぞみは一般的に「失敗」の烙印を押されているけど、そりゃまぁ火星周回軌道に乗れなかった事は失敗かもしれないけれども、その失敗は無駄ではなかったわけです。宇宙開発だけでなく、何事もそうだけど、「経験の蓄積」が凄く大切なんですよね。その経験、失敗の積み重ねの上に成功がある。それは運用チームの経験という意味もあるし、技術的にはたとえばのぞみの運用によって考案された「1ビット通信」がはやぶさの運用にも活かされている。要するに、人はなんでも「成功」か「失敗」のどちらかに分けちゃうけれど、実を言うと失敗なんてないんです。あるのは「成功」か「成功する為に得た経験」のどちらかなんです。なにも失ってなんかない。チャレンジすれば、ちゃんとなにかしら得られるんだから、どんどん挑戦するべきなんです。それなのに、今の日本人はあまりに「失敗」という名の幻影に恐れ、身動きがとれなくなってる。劇中の台詞にもあったじゃないですか。「出来ない理由を並べるんじゃなく、どうすれば出来るかを考えましょう」って。はやぶさの偉業って、今の日本に一番欠けている教訓だからこそ、より一層多くの人の心を揺り動かしたんだと思う。その事実がきちんと盛り込まれていたので、うまくまとめあげてくれたなと個人的には及第点を与えたいです。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-03-13 22:30:37)

237.  妖怪大戦争(1968) 《ネタバレ》 いや~、この手作り感がいいですよね~。今だったら、なんでもかんでもCGでやっちゃうけど、当時はそんなものありませんからね。画作りに試行錯誤を繰り返してるんだろうなぁというのが見て取れる。ホラーに分類されてるけど全然怖くありません。それどころか、日本の妖怪達は人間の味方なので、一致団結してダイモンを倒そうとする彼らの頑張りや健気さが実に心打たれる。子供向けの特撮映画としては申し分のない出来で、今観てもこの愉快さは鑑賞に堪えうるものとなっています。途中出てきた若井はんじ&けんじの漫才がなかなか面白いです。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-11 19:45:31)

238.  あしたのジョー(2010) 《ネタバレ》 アニメや漫画のほうは一度も観た事がなく、どんな話なのかもきちんと知らずに鑑賞致しました。僕みたいに予備知識なしでも楽しんで観れたし、アニメを知らない世代にこの話を受け継ぐための映画としては、これ以上ないほどの出来映えなんじゃないでしょうか。確かに、駆け足で展開しているという印象は受けるし、人間的な部分をもっと掘り下げることが出来たら、という思いもないわけではないのですが、時間という制約がある中で、とても健闘していたと思います。なによりも映像的に、荒さとか雑さといったものが見当たらない。ドヤ街の忠実な再現、試合のシーンのストップモーションやスローモーションの凝った演出など、安っぽさを感じさせず、満足のいく完成度です。伊勢谷友介も、途中凄く痩せた状態で出てくるけど、あれなんかCGじゃなく本当にダイエットで落としてるわけですしね。全盛期のデ・ニーロ並みの頑張り様ですよ。香川照之の段平も見た目そっくりだし。香里奈の演技はちょっと下手かなと思ったけど、山P含め全体的にはみんないい演技してたと思う。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2012-03-11 01:03:27)

239.  復讐するは我にあり 《ネタバレ》 実際の事件を元にした作品らしいですけど、主役を務めた緒形拳は、本当にこの役の人間が乗り移ってるんじゃないかと思うくらい見事な熱演だったですね。演技してるというより、その人そのものになっているというような感じ。そんなわけで、序盤2人の男性を殺害するシーンはとても生々しくて見応えがありました。今村監督の映画ですから、随所にまぐあうシーンが出てくるのですが、そういうまぐあいと殺しが、ある種同列に感じとれる様な、そんな印象です。主人公は、真っ当な理由もなく赤の他人を殺めてしまう。だけど、本当に殺したい父親は殺せない。そのへんが面白いですね。人間を人間として紋切り型に見るのでなく、人間を「いきもの」として捉える。そうすることによって、人の奥深さと、そこからくる慈しみが生まれでてくる。今村さんの作品は、どれもそういうメッセージが込められています。[DVD(邦画)] 7点(2012-03-04 01:55:57)(良:1票)

240.  震える舌 《ネタバレ》 破傷風って、こんなに恐ろしい病気だったのですね、、、知りませんでした。まず特筆すべきは、女の子の迫真の演技です。「イイィィィィィィィィィィぃぃぃぃぃ!!」と叫び声をあげて、口から血を出しながらのけぞる姿はまさしく「エクソシスト」そのものです。病を患い、その病気と闘う一家のヒューマンドラマなのに、その様相はまるでホラー映画という異色の出立ち。他に類を見ない作品で深く記憶に残ります。注射を刺したり、歯を取ったりと、見ているこっちの体までウズウズして追いつめられていくような、そういう精神的な怖さがある。1980年の映画ということで、団地も病院も洋服もなにからなにまで古くさく、映像表現もアナログで(たとえば夢のシーン)、途中ロボットを使ったシーンも含め、その古さが今見るとより一層怖いんですよね。こういう年代物の古さが醸し出す雰囲気というのは、今の映画で真似しようとしても作れない。どんどんと精神が病んでいく両親の演技も見もの。ラストは確かにあっけない終わり方で、その点に不満を持つ方もいると思いますが、これはあくまでも「ホラーの衣をまとったヒューマンドラマ」なので、そういうバッドエンディングは本当のホラー映画に任せておけばいいんです。女の子の「チョコパン食べたい」には心底ほっとさせられました。[DVD(邦画)] 7点(2012-02-20 02:01:34)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS