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性別 男性
年齢 53歳

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221.  女囚さそり けもの部屋 《ネタバレ》 だいたい一作目からメチャクチャなシリーズではありましたが、3作目ではもはやシュールとしか言いようの無い領域へ。 第1作とは、ムショ内とシャバとが逆転したような按配となっていて、映画開始段階ですでに主人公はシャバに出ており逃亡中の身、艱難辛苦の末にムショに戻って復讐を果たす。何もそこまで裏返しにしなくとも、と言いたくなるくらい、裏返ってます。 そんでもって、いきなり逃亡中の「さそり」こと梶芽衣子を発見した成田三樹夫、首尾よく逮捕するも、逆襲にあって腕を切断されてしまい、復讐を誓う。もはや羅城門の鬼ですね、これは。 逃亡を続ける「さそり」を待ち受ける様々な出会い。野坂昭如の「マッチ売りの少女」みたいな娼婦たちの哀切があって、実際、ラストに炎上シーンもあったりするのですが、比べ物にならないくらいの大炎上、燃え方がちょっと半端じゃないもんで、いやはやビックリします。どこでどうやって撮影したんですかね、これほどまでにワケのわからないムチャクチャなシーンを、これほどまでにガンバって撮影した意気込みには、頭が下がります。 そういった事も含め、全体的にシュール。悪い夢に出てきそうな映画です。あの「さそりぃぃぃぃ」という呼び声が、耳にこびり付いてなかなか離れません。。。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-12 14:10:36)《改行有》

222.  不良番長 近年、昭和がイカしてた時代であるかのように吹聴され、それも80年代のバブルこそがイカした昭和だ、みたいな風潮があるけれど、いえいえ、本当にイカしていて本当にブッ壊れてたのは、70年代だと思います。その壊れ具合がよくわかる一例がこの、東映一のシリーズ作品数を誇る『不良番長』。製作はまだ1968年ですから、実は60年代末期からすでに、ブッ壊れ始めてたんですねえ。 不良番長こと神坂弘を演じるは、もちろん梅宮辰夫。どう見たって、不良にも番長にも見えないんですけどね。スーツ着てたりなんかすると、会社の重役みたいにすら見えてくる、妙な貫録が。 その彼がチンピラどもを引き連れて、まー、ロクなコトをしません。いきなりのアベック襲撃に始まり、やりたい放題のオンパレード、悪辣の限り。しかしカメラが回っているからこの程度なのであって、カメラの無いところではこの出演者たち、何をやってたのか想像もつかぬ・・・という、映画の存在自体が不良の極みみたいな、悪い意味で「伝説のシリーズ」となっちゃってます。 で、この不良軍団が、ヤクザの抗争に参入し、クライマックスでは単車をブッ飛ばし、トラックで突入し、しまいにゃマシンガンを乱射。一体どうしてこんなコトになってしまったのか。それはひとえに映画自体が「不良だから」。これぞアナーキズムの極致、ナンセンスの極致。こんなのホメようがない、という最上のホメ言葉を贈るしかありません。[インターネット(邦画)] 7点(2021-08-10 17:47:37)《改行有》

223.  ひかりごけ 原作読んだのも随分昔で、今、手元に本が無いもんで映画との比較も出来ないのだけど(それはつまり、私にとっては原作はあまり強い印象を残すものではなかった、ということでもあるのだけど)、映画がちょっと舞台劇を思わせるのは、原作が(上演を前提としないながらも)戯曲形式をとっていることと関係があるのでしょうか。 雪に閉ざされた洞窟での、飢餓、そして食人行為。舞台となる撮影セットは大変よく出来ている、とは思うのですが、それでも妙に明るかったりしてちょっとスタジオっぽさが出てしまうのは、残念な気もします。ただそれも、物語が佳境に入ってくると、あまり気にならなくなってきますが。 生き延びるために仲間を喰うことは罪なのか、と言う問題は、突き詰めると人間の原罪に辿り着く。それが罪だとしても、誰がそれを責めうるのか。 ってのが、後光のような緑色の光で示されて、実際にこれを映像で見せてしまうのは何となく理屈っぽく説教臭い感じもするけれど、荘厳な宗教劇を見ている気分にもなってきます。 それを支える音楽が、大御所、松村禎三。素朴な響きのテーマ曲が胸を打ちますが、一方、クライマックス等で流れる密度の高いオーケストラの厳しい音楽は、ん?これはもしかして、自作の交響曲第1番の流用ですかね。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-31 21:26:43)《改行有》

224.  本陣殺人事件 金田一役に中尾彬。さすが、若い頃からしっかり苦み走ってて、金田一さんにしてはちょっとコワい顔なんですが、それなりに朴訥とした感じもあって、意外に違和感もなく。 何だか、金田一役って、誰でもできるんじゃないの?という気すらしてきますが。 さて、本陣殺人事件。な訳ですが。例のトリックを、繰り返し映像で見せてくれはするんですが、この描写で、原作読んでない人にもトリックの全貌が伝わりますかねえ。この奇抜なメカニズムを、もうちょっと手際よく見せられないものか、と思っちゃうのですが。 庭の琴柱や鎌の存在も、原作を読んだ時に感じる不気味さが、映像ではなかなか感じられなかったり。 それ以上に残念に感じるのが、「雪の密室」の典型たるこの題材、なのに、あまりに雪の印象が薄い事で。季節外れの雪、というのは、花や蛙で示されていることからも、よく判るんですが、やっぱり事件当夜の描写においてまで雪の印象が薄いのは、ちょっとツラい。予算不足、なんですかねえ。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-31 05:45:37)《改行有》

225.  女囚さそり 第41雑居房 ストーリー自体は割と単純でして。栄転を前にした渡辺文雄所長が、あと思い残すは、憎き梶芽衣子をいかに懲らしめるか、だったのが、彼女を含め女囚たちの脱走事件が発生。女囚たちの逃亡劇と、彼女たちを追う刑務官。というわけですが。 これだけの話が、一体どうしたらここまで意味不明の前衛劇になってしまうのか。いやはや、壮大なる一大叙事詩を見せられた気分(笑)。 そもそも、どこでこんなロケ撮影したんでしょうね。この世のモノと思えぬ光景の数々、まさに人外魔境。 娯楽の範疇を、超えてます。いや、逸脱してます。誰も止める人が居なかった・・・ってことですよね・・・・・・。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-14 22:41:07)(良:1票) 《改行有》

226.  まむしの兄弟 お礼参り 第1作であれほどまでに見事な非常識ぶりを発揮してくれたまむしの兄貴が、この第2作ではすっかりマトモ、とまでは言えなくてもちろんマトモではないのだけど、それにしても非常識さが、ちと足りない。 普通のヒトならそれは褒められるべきことなんだろうけど。この作品ではそれは、物足りなさに直結してしまう。非常識を取り除いたら、およそ何も残らないもんね。 安藤昇のシリアスさに引きずられるように、ユーモアもやや控えめの印象、と言ってラストの殴り込みもシリアスな割にはあまり悲壮感も感じられず、やや中途半端な作品になってしまったのは・・・やっぱり監督が代われば作品も変わる、と言うことでしょうか。[インターネット(邦画)] 5点(2021-07-12 21:51:21)《改行有》

227.  GONIN サーガ これを、第1作の設定を上手く活かしていると見るか、それとも第1作に寄りかかり過ぎていると見るか。 第1作が、登場人物の行く末を様々に描いてみせ、その中にはホラーテイストまであったりして、欲張りな分、雑多な印象もありましたが、本作は割とまとまっていて、それが逆に物足りなくもあります。 竹中直人の存在だけは、今回もホラーでしたけれども。 終盤、やや弛緩したような感じもする上、カタルシスもやや乏しいのですが、それは映画がある方向に向かって進んでいくからで、その「方向」とは、「第1作に向けて時間を巻き戻していく感じ」なんですね。だから、やっぱりラストはそうなるよなあ、と。そして例のテーマ曲を背景に、夜の東京が写しだされて、映画は幕を閉じます。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-11 22:02:16)《改行有》

228.  トラック野郎 爆走一番星 こういう、シリーズの「第2作」って、1作目が当たったのを受けて急遽シリーズ化が決定し慌てて準備した作品、というイメージがあるのですが、意外にそれと作品の完成度とは関係が無く、本作なんかも、驚くべき内容のまとまりを見せてます。 一方で、下ネタの充実ぶりにも驚くべきものがありますが。いやコレ、本当に下品。 また、ストーリーにおける重要なエピソードに「桃次郎の一目惚れ相手を勘違い」ってのがあって、これは第1作のネタをそのまま流用したようなところがありますが(全作共通のネタにする積もりだったのか?)。 だけどそれらを含め、雑多に並べられたエピソードの数々が、きちんと収まるべきところに収まっていく、この見事さよ。バラバラたと思われたエピソードが互いに互いを支え合って初めて成立するクライマックス、であるが故に、感動的なのです。[インターネット(邦画)] 8点(2021-07-11 14:27:44)《改行有》

229.  悪霊島 金田一耕助のトレードマークたる「モジャモジャ頭」は、イメージとしては「ボサボサ頭」を連想するのですが、この鹿賀丈史の、人工の極みのような立派なアフロを見せられると、確かにこれこそがモジャモジャなのであって、もしや私は石坂金田一に間違ったイメージを植え付けられていたんだろうか、などと思ったりも。 それはともかく、この、悪霊島。なかなか凄惨な死体の描写があったりもしますが、当時の宣伝から受けた印象ほどにはオドロオドロしい作品でもなく、私はどっちかというと、島のノンビリした雰囲気とか、フェリーが着いた時だけ船着場が人でごった返す様とかが、風情があって、なんかイイなあ、と思っちゃうんですけどね。 まあ、事件自体は、大した事件でもなし(笑)、謎解きとしてもアッサリしてますが、鍾乳洞のシーンなどは、ロケ撮影でこれも雰囲気が出ていて。 昔見た時にはもっとヘンな映画のようにも思ったのですが、一体自分はどの辺りをヘンだと思ったのか、不思議になるくらい。 音楽監督はバリバリの現代作曲家、湯浅譲二。なかなかヘビーで聴きごたえがありながらも、前に出過ぎず映画にマッチした、絶妙な音楽になってるんじゃないでしょうか。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-11 10:33:33)《改行有》

230.  D坂の殺人事件(1998) D坂の殺人事件、というタイトルながら、実際は後半を「心理試験」が占めていて、確かにストーリー上は繋がっているとは言え印象としては全く前後半の繋がりが感じられない、不思議な作品。ただのヘンタイ映画(?)だったはずなのに、犯人が何の前触れもなく唐突に知能犯に化けてしまいます。 劇中のセリフに「フェティシズム」という言葉が出てきますが、本作はまさにそれ、そのもの。緊縛シーン(私も自分自身、結構なヘンタイだと思ってるけど、緊縛の何がイイのかは未だにわからず、修行不足を痛感)に限らず、真田広之が贋作を作製してゆく細かい描写そのものが、いかにもフェティッシュなものを感じさせます。 音楽は作曲界のダジャレ帝王・イケベ先生。スケベではありません(←本人が言う前に手を打ってみました)。使用されている楽器は、オンド・マルトノでしょうか。妖しげな音色がこれまたヘンタイチックに映画を彩っていて。 エロいシーンがそんなに多い訳でもないはず、なんですが、作品のいびつさ自体にヘンタイ性が感じられる、実にヘンタイな映画でした。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-11 10:03:10)《改行有》

231.  犬死にせしもの このカントクがまたワルい人で(そんなこと皆知ってるって?)、テレビ番組出演時にこんなコトを仰ってました。いわく、映画でオシッコするシーンは普通、チューブを取り付けてそこから水を出して撮影するもんだけど、本作ではそんなもんいらんわい、と、今井美樹にホンマにやらせた。まあ、後で泣いてましたけどね。だとか。 アレ、木曜洋画劇場で放送されてた時(いつの話だよ)にそんなシーンあったっけ?と思ったのだけど、テレビだからカットされてたのか、単に私が気付かなかったのか。だって、このシーン、そんなにオシッコ感、ないもんね。 →こういうコトを今さら嬉しそうに書く私も、相当のワルかもしれません。いずれにしても、一番ワルいのは、そんな邪魔な所に立ってる佐藤浩市じゃなかろうか。 ってな訳で、そんなカントクの映画にはワルい点でも付けて成敗しなきゃいけないところですが、それが出来ないんです、困ったことに。この作品のエネルギッシュさには、タジタジとなってしまいます。元気どころの俳優集めて、小船で海を駆けめぐらせ、なんか生命力なカタマリのような作品になってます。 昔どこかで「叫ぶシーンなどが多く、セリフが聴き取りづらい」という批判を読んだ気がします。確かにその通りだと思う。もう少し気を使って欲しかった。でも、そういう部分にも、枠にはまらない豪快さ、ってものが感じられるのも事実ではあるんですよね。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-10 09:27:52)(良:1票) 《改行有》

232.  柳生武芸帳(1961) オープニングの映画会社のロゴ、「ニュー東映」ってのがなかなか珍しくって、お釣りにギザ付10円玉が混じってたときのように、ちょっと得した気分。 しかし要するにこれっていわゆる「B級映画」ってやつ?などと思うと、東映時代劇よりエキストラが少ないんじゃないの~とか、スタジオ撮影なのになんでこんなに吐く息が白いんだ、とか、変なコトが気になってきたりもします。 それはともかく、物語はというと、柳生武芸帳(?)の争奪戦、みたいなオハナシで、武芸帳への関心がイマイチ薄そうな柳生十兵衛はあまり物語に関係無さそうなのですが、一応、主人公。演じるは、何と言ってもこの人、近衛十四郎。何かにつけて、よく分からない高笑いを繰り返しても、不自然ではない、というのがこの人の持ち味です。それにしてもなぜ、高笑いばかりしてるんだろうか。 あったはずの武芸帳(?)が行方不明になったり、色々と事件が起こりますが、最後は何と言っても十四郎アクションが炸裂。多少投げやり気味のワイヤーアクションなんかもあったりして(いやもう、これで充分です)、外連味もたっぷり。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-07 22:58:16)《改行有》

233.  昭和残侠伝 一匹狼 最初の方で高倉健と池部良とが出会うも、殆どすれ違い状態。このままでは池部良が単なるチョイ役で終わってしまうではないか、だけどもはや彼とは遠い物語となり、ストーリーに絡むのは無理だよね。と思ってたら(思わないけど)、ちゃんと凄まじい偶然により二人は皮肉な再開を果たします。 強引な展開、故の味わいなり感動なりってのは、やっぱりあるわけで。運命ですね、これは。 で、二人の間の因縁。はたまた、悪辣なる親分に率いられたヤクザどもの横暴と、繰り返される悲劇。王道ストーリーです。だけどそこに、この二人ならではの味があって。どうしてこうも、この二人は落ち着き払ってるんでしょうか。その落ち着きが頼もしくもあり、と同時にそこには、静かな悲壮感も感じさせます。わかっててなお、ホロリときちゃう。 そういや、新喜劇の小島慶四郎さんが出てます。若い!いや、変わらない![インターネット(邦画)] 8点(2021-07-07 22:40:06)《改行有》

234.  鉄砲玉の美学 《ネタバレ》 とある関西の暴力団が九州進出を狙うにあたって、チャカと100万円を持たせた若造一匹、宮崎に送り込む。若造はどうせ現地の暴力団とトラブル起こして殺されるから、それを口実に組織として九州に乗り込もう、という寸法。そこで白羽の矢が立ったのが、テキ屋でインチキ商売している、渡瀬恒彦。 作中では、彼が宮崎でグダグダな生活を送る様が描かれていて、普通のヤクザ映画のような派手な抗争はありません。早口の関西弁をまくし立て、時に狂犬のような表情を顕わにしつつも、散財しながら気儘な日々を送る彼。 そんな彼の日常の裏で、組織は組織の論理で動いており、何も知らない彼は気がついたら追い詰められた存在となっていて。 せっかくの拳銃も出番がないまま、結局はロクな使い方をせず、自らの破滅への引き金を引く事になってしまう。 タイトルは「鉄砲玉の美学」ですが、これは一種の皮肉なのか、鉄砲玉は鉄砲玉として死んでみせて初めて存在価値が出る。鉄砲玉が帰ってくることなど許されない。 鉄砲玉になりきれなかった、しがないチンピラのお話でした。[インターネット(邦画)] 7点(2021-07-04 10:22:39)《改行有》

235.  この子の七つのお祝いに 《ネタバレ》 推理モノを映画化する厄介さ。岩下志麻がバーのママさんとして登場した時点で、「チョイ役みたいな登場の仕方だけど、後で重要な立場となるハズ」と、誰だって思いますわな。意外性もヘッタクレもあったもんじゃない。 その辺は、製作サイドも重々、承知なんでしょう。真犯人の意外性よりも、犯行に至る情念、いや怨念といったものを、クライマックスでこれでもかと描きます。 ただ。 それが岩下志麻なもんで、ちょっと浮世離れしているというか、トボけているというか。 夕焼けの赤さが部屋に立ちこめてくる中(これでカラスでも飛び込んできたら、まさにゴケミドロ)、過去が明らかになっていくのだけど、ちょっと、ノリ切れない。これは岩下志麻だけの責任ではなく、脚本も弱いのでは。愛する男を殺めてまでの復讐劇、にしては、それに対する慟哭みたいなものが、イマイチ感じられなくて。そもそもあんなハゲオヤジを、本当に愛してたのかね。とか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-03 18:58:52)《改行有》

236.  最も危険な遊戯 遊戯シリーズ第1弾、なのにいきなり「最も危険」などとブチ上げると、ヒットしてシリーズ化した際に次はどのくらい危険にすればいいのか判らなくなる。という教訓が「あぶない刑事」で活かされたのかどうかはさて置き。 松田優作演じる、一見風采が上がらないものの実は凄腕の、ええと、こういうヒトを何て呼んだらいいんですかね、とにかく一種の仕事人。 そのメカニックと言ってもよい、キレのある動きは、このシリーズの象徴と言ってよいもの。とにかく凄みを感じさせます。 そして独特のカメラ長回し。動きのあるアクションは時に、カメラが写しうる範囲を超えてなお継続し、しかし映像と音は、今展開されている死闘の空気感を如実に伝え続けます。 お金なんかかけられなかったんでしょうけど、あの屋上での闘いなんて、どんな大作にも引けを取らない、名シーンじゃないでしょうか。[インターネット(邦画)] 8点(2021-07-03 18:42:57)(良:1票) 《改行有》

237.  丑三つの村 いわゆる「津山三十人殺し」事件を犯人側から描いて、ちょっと青春ドラマ風に若者の鬱屈を描いたりもしてるのですが、だからといって主人公の追い詰められていく過程が説得力を持ってしっかり描かれている訳でもなく、主人公の異常性を描く訳でもなく(一部アヤシげな呟きをさせるとは言え、主人公は最後まで正気を保っている)、クライマックスの殺戮が、やや唐突に感じられます。 それに、同じく松竹映画である「八つ墓村」が、あのオドロオドロしさでもってこの殺戮を描いた後でもあり、比べてしまうと、どうもインパクトが弱くなっちゃう。 銃撃とともに血しぶき飛び散る描写などは、製作陣の意気込みを感じさせますが。 女優たちの濡れ場競演、ってのがもう一つの見所、ただしポルノ枠ではないことを意識したのか、男優がフンドシ穿いたまま、という不自然なものになってます。 それにしても池波志乃のハダカは、迫力満点ですな。もはやこれは、大艦巨砲主義とでもいいますか。そういう女性たちの、ムラの因習を伴ったような生命力に対し、古尾谷雅人の、線の細さ。石橋蓮司との小競り合いも、あまり迫力が無い。 もともと、勝てないのよね。[インターネット(邦画)] 6点(2021-07-03 11:13:19)(良:1票) 《改行有》

238.  ビー・バップ・ハイスクール 高校与太郎狂騒曲 仲村トオルと清水宏次朗の不仲説(?)に信憑性を感じさせるくらい、二人があまり絡んでない気がしちゃいます。 そりゃまあ、ストーリーの都合でたまたまそう見えただけ、っていう部分もあるのでしょうけれど、二人の関係が元に戻るラストの二人の会話シーンですら、一人ずつが話す別々のカットの繋ぎ合わせ。二人が一緒に収まるショットもあるにはあるけれど、何か妙によそよそしい。 ってのはこの二人に限ったことでもなく、舎弟どももイマイチ陰が薄いのが、この作品。 ちょっと、ノレませんでした。[インターネット(邦画)] 5点(2021-06-28 23:31:53)《改行有》

239.  女囚701号 さそり 「悪いコトをした人はこういう所に入れられるんだよ」と子供を脅すための映画ですね、これは。と言いつつ、子供には見せ難いシーンも多々ありますが。それに、ここまでぶっ飛んでるとイマドキの子供はさすがに真に受けず、脅しにならないですかね。 作中の描写は「刑務所」というよりは殆ど「地獄」で、実際、女囚の一人がオニみたいなヤツに変化します。ありとあらゆる事が起こりうる世界。リンチ・流血は日常茶飯事で、脱ぐだの脱がされるだのに至ってはもはや些末事に過ぎません。さあ、頑張ってついていきましょう。 過去の経緯の描写が「回想シーン+解説」で済まされてしまっているのは、多少物足りないんですが、過激な描写でインパクトを補っており、主人公のセリフを絞ったハードボイルド調の作風にもマッチしているとも言えます。 それに何と言っても、作品の節々で登場する、梶芽衣子が長い髪越しに睨みつける、あの表情。この表情こそ、本作の代名詞と言ってもいいでしょう。終盤における、死神のごとき黒ずくめの扮装の内側にも、あの表情が潜んでいるのだ、と思わせて、ゾクリとさせます。 ところで、伊達三郎さんが出演しているのを見ると、ああ、前年に大映が倒産したんだっけ、などとも思ったり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-06-27 09:39:26)《改行有》

240.  怪獣王ゴジラ よく「アメリカ人は字幕が嫌いだから、外国語の映画を字幕で見るくらいなら、英語版のリメイクを作っちゃう」、などと言いますけれど、リメイク以外にもこんな裏技、荒技が。なんと、追加撮影した英語パートを継ぎ接ぎして、外国映画を英語作品へと改造してしまう、という・・・。我らがゴジラ映画がその犠牲に。 しかし、こうやって惨憺たる状態となったゴジラ映画を、こうやってわざわざ字幕で鑑賞する日本人たちって、実はとってもエライんじゃなかろうか。 一部日本語も聞こえては来るんですけどね、ただ、「追加パート」に出てくるニホンゴ、たどたどしいとか聴き取りにくいとか言うレベルではなく、意味の判らないセリフをうろ覚えのままかろうじて言い切った、という印象。もはや演技ですらありません。 という、デッチ上げ感の濃厚な作品ではありますが、そうは言っても、実は結構、芸が細かい。編集の妙、とでもいいますか、意外に手が込んでます。元映画の部分と追加撮影分とが、ごちゃ混ぜ。どこが追加分か、なまじ見当がついてしまうだけに、余計、手が込んでいるような気がしてきます。 ここまでやっちゃうんだったら、主人公のアメリカ人記者を傍観者に徹しさせたのが正解だったのかどうか。いささかまどろっこしいです。 元映画のパートも一部、順番を入れ替えたりして、工夫も見られるんですけどね。[インターネット(字幕)] 5点(2021-06-17 23:24:20)《改行有》

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