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コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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261.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 今回もなかなか渋い作品、やはり寅さんはおとなしめ。マドンナはさらに渋い。いしだあゆみ。渋すぎ。舞台はまず京都。これがいい。実に京都らしい京都の雰囲気をよく表していて、これだけでも充分、観た甲斐があるというもの。で、それ以外の見所はというと、ううううむ、これがあんましはっきりしない(笑)。いや、この曖昧さ。物事を正面から描かずオブラートにくるみながら、そっと、寅さんとマドンナのすれ違いが描かれる、この微妙な味わいこそが、本作の魅力でありましょう。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:52:08)

262.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 設定の上手さで勝負アリの一本。いや、上手いのやら上手くないのやら、ようわからんが、何だかオモロイ。まず、(1)ナゼか寅さんと相部屋になってしまう岸本加世子 → 彼女も、寅さん&さくらのような、離れ離れの兄妹。だけど、兄貴は遠洋漁業で真面目に働いており、妹の方がぶっ飛んでいる(妹の方がやや寅さん型、かな)。寅さん兄妹と、オーバーラップしているような、正反対のような。 (2)寅さんの同窓会。寅さんツマハジキで可哀想でもあるけど、しょうがない面もある。寅さん以外は皆、大人になり、社会人になり、大きなモノを背負っているのだ。 (3)テキヤ仲間の寅さんへの頼み。オレが死んだら妻と結婚してくれ → 結婚という言わば「社会」そのものが、今度は自ら、寅さんへ接近してくる!しかも例によって美人だ(という設定)。こりゃ一大事 → で、寅さんの就職活動騒動へ・・・・・・ こうしてみると、なかなか盛りだくさん。そしてマトマリがあるような無いような。しかしその各エピソードの噛みあい、あるいは食い違い、これが妙にオモロイ映画でありました。ラストも予想通りの展開でありながら、予想を越える感動・余韻があり、心憎いばかり。 それにしても、今回の寅さん、渋いと言えば渋いが、ちょっと元気無いかなぁ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-09-05 21:28:13)(良:1票)

263.  BLOOD THE LAST VAMPIRE 面白いねえ。このリアルなようでいてどこか異質な感覚。“丁寧に描き込んで実写と見紛うばかり”ってのとは違う。やはりアニメらしさが横溢しており、フムそうですね、いわば超豪華な影絵芝居を観ているような感じ、とでも言いますか。独特の質感は、生身の人間の演技とは違った、一種の硬質な肌触りであり、これが幻想的な雰囲気を醸し出してます。そして全体的に暗い色調の中で、ラストの明るい青空がとても目を引き、何だかホッとしてしまいます。[地上波(邦画)] 8点(2006-08-14 00:28:39)(良:1票)

264.  浮雲(1955) 場面と場面の間の、登場人物の移動を表すもの、そしてそれに伴う時間の経過を表すものが、省略されており、各場面が、断片として積み重ねられている、この落ち着かない感覚(その中で、ラスト近くの汽車&船のシーンが、明確に移動を表現していて、とても印象的で、かつヤな予感もするのだけど)。そう、この断片感覚はまるで、男女2人のショートコント集を観てるような----とか言っちゃうと身もフタもないので-----あるいは、主人公2人をメロディとした変奏曲が展開されているような。このナルセとか言う監督はどーも油断のならない監督で(映画観ながら油断するヤツが悪いってか?)、どーも観てて疲れる、挑戦しがいのある強敵だ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:36:11)(良:1票)

265.  ハンター(2003) 社会に馴染めない不良少年が、ハンターに弟子入りして、大自然に揉まれながら成長していく。ってな感じの映画では「一応」あるんだけども、セリフが切り詰められていることで、ストーリー的にはかなり曖昧な印象。そりゃそうだ、こんなものすごい大自然の中では、個々の人間みたいな小さな存在は、量子論の影響を受けて不確定化しちゃうのだ。しかしその中にあって、やはり自然児たる“ハンター”の存在感は、圧倒的大自然に溶け込むが故に、我々の目を引く(その無表情な表情)。この“ハンター”、オネーチャンと馬上でチョメチョメしちゃう、なかなかのハンターぶりなんだけども、そんな姿がまた、彼の「自然」な姿として、ミョーに納得できてしまう。やがて少年は、以前に起こした事件のためにとっつかまり、ムショにぶちこまれる。映画で初めて現れる文明の姿。それまでの大自然の光景からの余りの違いに、我々文明側の人間の目にすら、異様に映る。少年はその刑務所の中で成長し、一方、“ハンター”はその間も大自然の中で生き続け、そして・・・・・・。我々も時々、山に登ったり、浮世から遠く離れた寺社に行ってみたりしては、「ああ、こんな静かなトコがあったんだなあ」なんぞと思い、また雑多な日常へと帰っていくんだけれども、また会社に行って仕事をしながら、「あそこは今でも静かなんだろうなあ」なんぞとため息をつく。僕らの存在にお構いなしに、この世には様々な世界が存在しており、存在し続けている。僕らはそれらの世界に対し、「選択」することだけはできるのだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:26:18)

266.  殺人遊戯 サイレント映画に対してトーキー映画が有利な点ってなんだろう、なんぞと、浅はかながら考えまするに、ここはひとつ逆説的に、「トーキーの方が、‘静寂’や‘沈黙’をより効果的に表現できる」のではなかろうかと。サイレントは音が無いがゆえに、映像から‘音’を感じさせようとするわけですが、トーキーは音や声を直接出せるがゆえに、その対比として、音や声の無い‘静寂’‘沈黙’をサイレントよりも強いインパクトで表現できるのではないか・・・。で、ナゼか、本作について、です。なんでやねん、ははは。まあ要するにですね、普段のフニャフニャした饒舌な鳴海サンの姿があってこそ、あるいは周囲の登場人物のセリフの数々があってこそ、その対比として、鳴海さん戦闘モードの‘沈黙’が実に効果的なのであります。セガールよりよっぽど‘沈黙’だぜ。そしてその寡黙さあってこそ、クライマックスの超長回し銃撃戦の緊迫感も数層倍になるのでありますなあ。それにしても、戦闘モードの鳴海サンの姿、どー考えてもキャメロンはこれを見て『ターミネーター』の造形を考えたとしか思えないのであります(←妄想)。でもシュワにはこんな機敏な動きは出来まい、うふふふ。[地上波(邦画)] 8点(2006-07-18 21:47:03)

267.  アザー・ファイナル 人生の教訓。上を見たらキリが無いけど、下を見たら、実は、もっとキリが無い。映画だってそうでしょ、所詮ラジー賞だなんだっつうても、話題になるのは大抵有名な作品、本当に無名で光の当たらないどうしようもない映画の数々からなる暗闇が、その下には広がっている。そこはまさに恐るべきクズ映画の底なしの深遠だ。恐るべし。とまあ、それはともかく、サッカーの世界にも、上には上がある(というのは今回の2006ワールドカップで、皆よ~くよく認識している今日この頃だと思いますが)のと同じく、下には下がある。だけど、こちらは映画の世界と違って、一応、ランキング付けが完全になされており、無限の底無しじゃない。しかも映画の世界と違って(!)、最下位にいたるまで皆、真剣にサッカーに取り組んでる。だもんで、202位のブータンと、203位(最下位)のモントセラトで、最下位決定戦をやっちゃおう、という企画。これがすごい。島国モントセラトは、火山噴火の影響で練習もままならない。が、持ち前の明るいカリビアンパワーでやる気満々、飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ、ブータンまでやってくる。サッカー以前にまず、つくづく世界は広いと思う。さまざまな困難を乗り越えつつ、いよいよ決戦へ、よくもまあ、こんな企画、実現したもんだ。映画はポップな演出を交え、テンポよく、その一部始終を見せてくれるが、その中で、スポーツの商業化への疑問もちゃっかり絡め、そのワカリヤスサが観てて何だか気持ちよくなっちゃう。映画的には多少安直な面があろうとも、試合の白熱ぶり、苦難にめげない選手の真摯さには、心打たれること間違いなし。できれば、試合のシーンまでポップに見せてくれなくてもよくって、も少しじっくり見せて欲しかったけど・・・。[地上波(字幕)] 8点(2006-06-25 22:05:43)

268.  あずみ ワタシも人の子、「上戸彩主演のチャンバラ?そんなの無理無理」なんぞとつい思っちゃうワケですが、これが思うツボ、観てみたら意外なほどサマになってまして、こうやって先入観が覆されると何だか不必要かつ不用意にウレシくなっちゃうもんであります。いやはや映像マジック。女子プロレスラー役だってできるんじゃないか、この技術力なら。かつて無数の名作を生み、やることやりつくされてしまった感のあるチャンバラ映画の世界、たまにはこういう風が吹くのも、ええんでないの。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-06 23:02:17)

269.  男はつらいよ 寅次郎恋歌 《ネタバレ》 作品の基底に連なる「母」のモチーフ。さくらの歌う「かあさんの歌」、博の母の死、そして寅さんが惚れる今回のマドンナも子持ちの「母」。そこから浮かび上がるテーマは、「人生の重み」であり「幸せとは何か」、ということ(ここで寅さん自身の母親について触れられないのは、さすがにそこまでやるとあまりに見え透いているのと、蝶々さんのイメージではちょっとテーマに対し違和感があるから?)。母の人生は不幸だったと言う博。臨終を看取った兄は、母は満足して世を去ったと言うが、博は、そんな人生に満足すること自体が可哀想だと訴える。確かに、昔からよく世に言う、「幸福とは自分の不幸に気付いていない状態である」と。ではその人は実際は幸福だったのか不幸だったのか?ナントモ言えない問題であり、博の訴えは一理あるのも確かだし、自己矛盾しているのも確か。結局、幸せとは、絶対的にそこに「ある」ものではなく、人それぞれが「見つける」もの、あるいは「受け止める」もの、なのでしょう。ふと、モーパッサン「女の一生」の最後のあの有名なセリフ、あれを思い出し、あれこそが人生の幸不幸を的確に表現したセリフだったんじゃないか、とも思えてくる・・・。今回の寅さんは、明確な失恋を味わうわけではないけれども、より厳しい「人生の重み」を目の前に突きつけられ、嵐の夜、静かに柴又を去っていく。その後姿が哀しい。人生って、必ず、いいこともあれば、わるいこともあるのだよ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-03-26 23:11:26)(良:1票)

270.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》 オープニングのタイトルバックが、ヘリからの空撮による葛飾柴又の風景、というわけで、「故郷」というのがひとつのキーワードである本作。冒頭も夜汽車での「故郷」に関する寅さんの独白から始まりますが、この語りからして何だか寅さん、ダンディだね。缶ビールをあおってみたり(これは様にならず笑いを呼ぶ)。そして、九州で知り合った宮本信子とのやりとり、これまたダンディ。なかなかハードボイルドしてて、シビレます。もっとも、この後、柴又に飛んで帰っちゃってからはテンでダメの、いつもの寅さん。博の退職騒動での驚異の無責任ぶり、トンでもないドタバタに発展し、今度は苦笑まじりの笑いを誘う。それにしても、故郷を離れたらダンディだった寅さんも、故郷の柴又では実にノビノビしており、子供のよう。若尾文子の着替えに大興奮しつつも必死で自分を抑えようとする姿など、思春期の中学生みたいで、見てるこちらも一緒に赤面しちゃうけど、こういう感覚は誰しもの十代の頃の記憶に何となく繋がり、懐かしい感じもします。寅さんの惚れ易さが時に迷惑になることについても「頭じゃわかってるけど、心はそうはいかない」などとカワユイことを。←これはロバート・K・レスラーによる凶悪猟奇殺人犯の分類では「無秩序型」に当てはまるそうです(何でやねん)。それはともかく^結局は失恋して柴又を去る寅さん、発車直前の電車からさくらに「故郷ってのはよ・・・」と話かけるが、そこでドアが閉まり、その後はさくらにも我々にも聞こえない。こんな辛い別れのシーンも珍しい。一方、ラストでは冒頭エピソードの後日談が描かれ、静かに涙する森繁久弥が映画を締めくくる。寅さんシリーズって、映画の性質上、わかりやすく作られているので、ちょっとセリフが説明過剰に思われる場合があり、仕方ないんだけど、そんな中で、森繁久弥の役はセリフがかなり控えめで、逆にインパクトを残します。このラストはじーんと来ました。ちなみにこの映画、初代おいちゃんと2代目おいちゃんが登場する楽しさも。こりゃまるで007にショーン・コネリーとジョージ・レーゼンビーが登場するような豪華さ(←じゃあ大した事ない?)。 (ところで若尾文子にやんわり断られるシーンで寅さんは大勘違いをするが・・・実は寅さんは「わかっててわざと」勘違いして見せたのではないか?などと空想するのもまた楽し)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-08 21:53:00)(良:1票)

271.  男はつらいよ 寅次郎わが道をゆく 一作目でさくらは、寅さんを見ても最初誰だか解らなかったのに、本作では、さくらの同級生・紅奈々子は、とらやの店員に扮装(?)した寅さんを見た瞬間、一発で「おにいちゃん!」と気付いちゃう。倍賞千恵子しっかりしろっ! それはさておき、浅草のレビューの場面がたくさん盛り込まれた本作、木の実ナナのドハデな顔立ちとも相まって、なかなか賑やかな作品になっておりますが、華麗な舞台の一方、舞台裏では、年齢的な限界や結婚問題に悩む奈々子の姿があり、クライマックスの彼女の歌(これがまたイイんだな)へと、ドラマチックな盛り上がりのある作品になってます。寅さんの方はというと、後継者問題に悩むおいちゃんの病気をよそに、九州に飛び出して青年に説教したと思えば、心機一転、自分も身を落ち着けようととらやに「就職」してみたり、はたまた仕事そっちのけで木の実ナナにのめりこんだりと、まさに「わが道をゆく」。でもそんな寅さんも、踊りをとるか結婚をとるかという彼女の悩みに対しては珍しく深刻な表情を見せる。自分が彼氏なら、そんな彼女に決してそんな思いはさせないのに・・・。静かに去っていく寅さんの姿にホレボレしちゃうのでありました。一方、武田鉄矢が、寅さんの恋愛指南でも処置ナシという狂言回し役、これが出しゃばり過ぎることのない適度な盛り上げ役で、なかなかの好演でありました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-04 18:57:30)(良:1票)

272.  秋立ちぬ 信州から東京へとやってきた少年。彼のことを本当に気にかけてくれる者は誰もいない。いや唯一、気にかけてくれるのは、それはメルヘンチックに言動が浮ついた(?)、まるで絵本から抜け出てきたような少女でした。そういえば、この少女との交流の場面自体が、いかにも絵本のように目を引くものがあります。しかしこのいささか現実離れした少女にすらも、大人の手前勝手な都合による、厳しい現実が待っている。まして少年をや。ブローチのカブトムシを間違えて捕まえようとしてしまうエピソードが妙に心に残りました。少女のためにカブトムシを捕まえること、それは自分の幸せを掴むことでもあろうけれど、カブトムシはニセモノ、夢は儚く散る。それ自体は些細なことかもしれない、しかし、その少年の失敗の様子を見て、いかにも訳知り顔に「罪無く」笑う大人、ユーモラスな場面ではあるけれど、どこか残酷な感じもします。カブトムシのエピソードが、ラストに思わぬドンデン返し(!)につながるのも、印象を強めた一因でしょうか。暖かさと厳しさの同居した、珠玉の作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-27 22:39:07)

273.  男はつらいよ 柴又慕情 《ネタバレ》 帝釈天の門にあるツバメの巣は、今年も空っぽのまま。「片付けようか」と言う御前様に対し、さくらは「もし来年ツバメが帰ってきて巣が無かったら可哀想」。このやりとりが直後の展開を暗示。とらやには「貸間あり」の掛札、絶妙のバッドタイミングで帰って来ちゃった寅さんがこれを目にして一騒動。こういう流れが、たまらなく可笑しいところでもあり、またホロリとくるところです。2代目おいちゃん・松村達雄も、ちょっと高めの声でまくし立て、喧嘩っ早くて涙脆そうな下町人情オヤジでなかなかの好演。そういえばとらやにナゼか突然ペプシの自販機が登場・・・これはペプシの売り込み戦略か(これは目立ちすぎてやや不自然かも)。さて、またフラリと旅に出た寅さん、旅先で女性3人組と出会うが、そのうちのひとりが吉永小百合ってんだからタマラナイ。しかも、こういう3人組って、一番の美人が、一番婚期が遅かったりするのよね。で、寅さん、御前様の持ちネタ「バタ~」なども駆使しながら彼女たちと打ち解けるうち、水が高きより低きに流れるごとく、吉永小百合演じる歌子さんにメロメロになっていっちゃう。こりゃもうしょうがないよね。でも、この後失恋するとなると、この落差はでかいぞ~。というわけで、なかなかに残酷なシチュエーションの本作ですが、ラスト、結婚後の歌子さんが近況を語る場面で、一瞬写る歌子さんの旦那が、これが実にブ男(←失礼)。ああ、これだったら、タイミングさえよければ寅さんにもチャンスはあったのだなあ、とホッとするやら、ねたましいやら。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-13 17:45:20)(良:1票)

274.  妻よ薔薇のやうに 「いい映画ね、よくわかんないけど。」という映画。→「おまえはこういう方面はだめなのね」(笑)。 カットとカットの繋がりが、直線的なスムーズな繋がりではなく、斜めに斜めに入ってくるような・・・なんだこりゃ一種のキュビズムか?と言いたくなっちゃう、静的な中のミョーな躍動感。主人公を通して奏される、前半の「母」の主題と、後半の「父」の主題の対比、そしてそのふたつが無理矢理重ねられる二重フーガの末に、まるで解決しないことによって解決したようなラストが、心に残ります。さて勝負は判定に持ち込まれた。勝敗の行方はいかに!?[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-10-19 23:01:54)

275.  眠狂四郎 無頼剣 いやはや、実にハードボイルドなる一本。「断っておくがワシはマトモな人間ではない」とのたまう狂四郎様。なーにをおっしゃるんですか、シリーズ他作品に比べりゃ相当マトモでっせ。何しろ、全然スケベじゃない。まさか別人、このヒト本当に大塩格之助だったりして、ウヒョヒョ。←というわけで、狂四郎の人違いに始まり、裏には裏のある、なかなかに奥の深いストーリーが、紙芝居のごとき場面転換、モンタージュ風のカット挿入によって、実に小気味よく進められていきます。一方、じっくり見せるところはじっくりと。この緩急の心地よさ、まさに快作と言ってよいでしょう。さて今回の敵は、天知茂演じるところの明智小五郎、じゃなかった、ニヒルなテロリスト・愛染。ちなみにワタシの知り合いで、「眠狂四郎シリーズってたしか、敵役は毎回、天知茂が演じてたんじゃなかったっけ?」などというワケの解らない勘違いをしている人がおりました。こんな勘違いが生じるくらいだから、まさに本作の天知茂はシリーズ屈指の印象深い敵役と言ってよい、のかどうか(???)。円月vs円月という、何かヘンテコな儀式のようなクライマックスに続く、どこか悲しさと虚しさが漂うラスト、脱帽であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-28 23:41:13)(良:2票)

276.  お茶漬の味 クライマックスが「お茶漬け」という、おそらく空前にして絶後の映画。この映画、まず冒頭の女性たちの異様にハイピッチな会話(ほとんど機械のよう)に始まり、やけに冷淡すぎる妻とやけに物静かすぎる夫のやりとり、そしてラストの明らかに過剰な妻のセリフまで、不自然さを隠そうともしないこの奇妙な感覚。そういえば、ラーメンをすするシーンや鉄橋を列車が渡るシーンのしつこさ、ほとんどパラノイアと言いたくなるほど。しかし、その故意の不自然さゆえなのか、あの極端にまったりした「お茶漬けシーン」が、これまた素直に受け入れられちゃったりする。実際、かなりじ~んときたよ。あくまでウソ臭く、あくまで他人事、まあ無責任な感動なのかもしれませんが、それでもいいモン見たなあ、と。その前の佐分利信が飛行機で発つシーンで、彼の姿を写さず、後のセリフで「寂しそうだった」と描写するのも効いている気がします。普段からいつも寂しそうな彼がとりわけ寂しそうに見えたんだから、余程寂しかったんじゃないか、と、ものすごーく気になっちゃう! ところで、おばちゃん(?)4人組が修善寺ではしゃいでるシーン、彼女らの浴衣の模様がまるでホルスタイン、やけに似合ってたなあ。あはは。あと、笠智衆に久しぶりに会った佐分利信の「今晩君に会えるとは思わなかったよ」というセリフ、めちゃめちゃ同感してしまった(こんな役柄でお会いするとは・・・)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-26 23:28:35)

277.  山の音 《ネタバレ》 台風による停電の夜。真っ暗になると何となく、口数が増えるものでして、バーサンもハイテンション、ペラペラ喋り続けまくり(こないだの夜はジイサンが本読んでる横でイビキかいて眠りこけてたのになあ)。しかし、そんな夜においてすら、息子夫婦の間に会話は無い・・・。夫・修一は外で浮気、妻・菊子は家で何やかんやと家事を押し付けられる毎日←押し付けられるっちゅうても、描き方は余り角が立たないよう、マイルドですが、やってることだけ見れば、殆どシンデレラ状態。姪にバカにされる菊子、夫の家族のためにひとり柿を剥き続ける菊子、なーんてシーンが、当たり前のように続く、この執拗さ。ジジイだけは味方、らしいんだけどイマイチ頼りない。エラソーなこと言ってる間があったらジジイも家事手伝えよ~と言いたくなるが、そこは時代背景ということで、ぐっとこらえましょう。さてそんな中、ジジイ(と我々)の知らぬ間に、何と菊子は、捨て身の「復讐」に出ていたのでありました・・・しかし(映画の中ではジジイ以外の人達はやたら単純で冷淡に描かれているので)、ダメージを受けたのはどうやら、菊子本人とジジイだけ、らしいというこの皮肉。曲がりなりにも穏やかに描かれてきたこの映画が、俄然苦味を帯びてくる。そんな中でのラストの公園のシーン、別に何かが解決したわけでもない、別離のシーンなのですが、何ともいえない透明感のある、不思議なサワヤカさのあるラストでありました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-20 23:51:54)(良:1票)

278.  武蔵と小次郎 ニュースフィルムみたいなドキュメンタリータッチの、愛想の無いナレーションで始まる本作。小次郎っていうと美剣士を想像しちゃうけど、いやあ、こんなタルんだおっさんだとは。こりゃただのセクハラ親父。さて一方、武蔵はというと・・・中盤の見どころ、吉岡一門との死闘! まさに静と動の織りなす、舞踏のような立ち回り! とは言っても、ちょっと「静」が多すぎるぞ~。もっと一生懸命、動け~。辛くも勝利を挙げる武蔵、しかし深手を負い、荒治療に必死に耐える・・・。つまり、ですね。ここでの武蔵も小次郎も、決して超人ではありません。いわば、人間「武蔵」と人間「小次郎」を描いた映画、であります。後半の武蔵にいたっては、ナゼかちょっと小恥ずかしい青春ドラマに突入。オネエチャンの頭を指で小突いて「こいつぅ~」とかやってみたり、果てはブランコに乗ってみたり。ああ、そんな武蔵殿の姿、見とうなかった(笑)。さて突然ですがここで問題。八雲太夫は小次郎に何回「斬らないで」と言うでしょうか(本当に突然だ)。正解は後ほど。物語の構成としてはまず、「吉岡又七郎との決闘の八百長依頼&それに伴う悲劇」というモチーフが、「八雲太夫の武蔵への決闘回避依頼」へと再現されるとともに、前述の八雲の「斬らないで」モチーフが巌流島直前の篠の「行かないで」に再現されるという、この構成の巧みさ。しかもこの巌流島前夜、小次郎は「八雲にそっくりな」照世と、静かな、不気味な時間を過ごしており、彼の悲劇が暗示される・・・。さてクイズの正解ですが、私の勘定によると16回、なかなかクドいですね。暇な方、誰か確認してネ。最後に、クライマックスの決闘シーンについてですが、これまたちょっと動きが足りなーい。でも、それを補うかのごとく、カメラアングルをグルグル振り回し、なかなかダイナミックに描かれておりましたね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-12 22:38:21)

279.  眠狂四郎無頼控 魔性の肌 ウヒャー成田三樹夫がエライことになってるぅ~。必見です。さて本作、もしも濡れ場をイチイチ丁寧に描いていたらほとんどポルノになってしまいそうな、アヤしい展開。そしてアブノーマルな雰囲気。狂四郎の出生の秘密が描かれる冒頭の黒ミサ儀式からすでに、ショッカーの秘密基地かなにかのよう。ストーリーは、金のマリア像を狙う黒指党と、彼らの襲撃から像を守る狂四郎の活躍!のハズだけど、実際にはマリア像なんかそっちのけで狂四郎は単独行動、そしてバレバレの罠を狂四郎にかけてくる黒指党。狂四郎がマリア像を持ってないことは知ってるくせになぜ狂四郎を斬ろうとするのか?この中盤が、ほとんどショートコント集にしか思えませんでした、ははは。この映画、狂四郎の「心の成長」を描いているのがヘンと言えばヘン、見所と言えば見所。最初は(というか前々から?)女性をまるでモノのように扱う狂四郎。そのくせイジメの仲裁に入ったりするのがまたまたヘン。いいところだったのに止めるなっての(←アホか)。その、まるで女性の敵であった狂四郎が、後半、意外な(?)優しさに目覚めて行く。そしてラストの怒りの表情。しびれる~。映画全体に惜しげもなくちりばめられた名セリフ&迷セリフの数々も聞き逃せない。「血を流すには美しすぎる・・・」などなど、これまたシビレまくり~。狂四郎の宗教観も聞かせてもらえます。[地上波(字幕)] 8点(2005-09-06 22:38:54)

280.  眠狂四郎 円月斬り 雷蔵の狂四郎メイクには正直、絶句してしまうこともあるのですが、この映画の雷蔵、ホントにカッチョいい。セクシー! しかし、この映画の見所はむしろ、狂四郎を取り巻く人たちの人間模様。そう、これは、各々が暗い背景を持ち、各々が狂四郎に複雑な想いを抱く人々の、壮大かつ重厚な人間ドラマである。と、そこまで言うとウソになるが、しかし実際、この映画にはそういう、本来感じてはイケナイ「厚み」を感じましたよ、いひひひ。そしてストーリー進行の合間に一応挟まるアクションが映画をビミョーに引き締める。石階段での死闘は必見です。何しろ、ワケがワカラン(あはは)。ラストは、むさ苦しい男に「おら、おめえさんのことが好きダ」と告白され、少し焦りの表情を見せつつも、死地に赴く雷蔵の姿、実にシビレました。ちびっこハウスを後にする伊達直人をつい思い出しちゃいましたよ。そうか、狂四郎はタイガーマスクだったのか。これでエロくなければいい人なんですけどね。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-08-27 01:16:15)(笑:1票)

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