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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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261.  ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ 岡山弁のJKは最高なんじゃあ。(千鳥ノブ風に)[DVD(邦画)] 5点(2019-04-25 19:46:51)

262.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇 《ネタバレ》 『天』の感想にて、“回収する気のない伏線”や“どうせ畳めやしない大風呂敷”等と書いてしまった事を、まずは謝罪させてください。いやいや監督、御見それしました。ちゃんと特大の風呂敷を綺麗に畳みましたね。何なら完全放置だった『ケイゾク』まで一緒に畳んでしまうとは(まあ、コチラはドサクサ感半端ないですが苦笑)。この結末はTVドラマの時点から決まっていたと考えて差し支えないでしょう。当麻のスペックはこのラストに繋がる伏線でしたか。お見事です。もっとも元ネタが元ネタなので、壮大かつぶっ飛んだ結末も腑に落ちるというもの(まるで『石作りの海』の結末の如し)。またデヴィッド・クローネンバーグ監督の某傑作SFを彷彿とさせる“報われぬ正しい行い”も個人的には大好物であります。瀬文が着せられた汚名は、世界が救われた証に他なりません。私情は厳禁。大義に生きる。これぞシリーズを通じて主張してきた『刑事魂』そのものです。そして何より当麻と瀬文の絆の深さに涙しました。救いなどあるはずもない無限地獄の中の一筋の光。魂で繋がる2人が尊いこと。この余韻は絶品です。『ケイゾク』の柴田・真山、『トリック』の山田・上田、そして『スペック』の当麻・瀬文。堤監督のキャラクター造形は一流。それだけは疑いようもない事実です。お話の方は悪ふざけが過ぎたり、インチキオカルトで煙に巻こうとしたりする悪癖がありますけれども。TVドラマ監督としての信頼感は絶大でも、映画監督としては信用ならぬという(私の中の)基準をそろそろ見直そうかなと。『12人の死にたい子どもたち』も良かったですし。お詫びも込みで8点進呈です。[DVD(邦画)] 8点(2019-04-20 09:24:02)(良:1票)

263.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 漸(ゼン)ノ篇 《ネタバレ》 3週間をかけて、スペックシリーズ一気鑑賞したので感想を書きます。シリーズ完結編・前半戦ハイライトは、やはりゴリさん係長殉職の件。後半怒涛の展開の中では埋没してしまったでしょうし、愛すべき係長に敬意を表する意味では、一応分割した意味はあったかと思います。本作単独での評価は、ほぼ意味を成しませんので詳細は後半の方で。[DVD(邦画)] 5点(2019-04-20 09:23:04)

264.  ラプラスの魔女 《ネタバレ》 コレはアレですね。サイエンスを装ったオカルトと解します。ただし“予知”ではなく“予測”とのスタンスは一貫していますので、様々な超現象にいちいちツッコミたくなるというか、フラストレーションが溜まるというか。その最たるものはクライマックス、廃墟へのダウンバーストの件。そんなに都合良く因縁の施設へピンポイントで気象災害が降りかかりますか?すずちゃんのブーメラン紙飛行機にしてもそう。紙飛行機を飛ばすタイミング、角度、力加減が分かったとしても、実行する技能が無ければ絵に描いた餅。正確無比なコントロールが必要な神業です。この制球力があればメジャーでピッチャーが務まりますがな。というワケで、どう考えても『スペック』か『Xメン』カテゴリーの作品だと思われます。もちろん、だから駄目というコトは全然ありません。ファンタジーと割り切って観ればOKです。それよりも深刻なのは、主人公の影の薄さ。国民的アイドル『嵐』の人気メンバーを主演に据えてこの扱いはどうでしょうか。教授を狂言回し的に使うのはアリですが、それなら櫻井くんでなくても良いワケで。正直、志田未来ちゃんの方が余程存在感がありました。何時の間に大人の女性になったのかとビックリ。というか人妻になられておられたのですね。誤解を恐れずに言えば、エロいんです。毛量の多い黒髪に、印象的な眉毛のクッキリお顔。そしてフェチにはたまらん白衣の研究服。私的には、本作は櫻井くんでも、すずさんでもなく、志田未来さんの魅力爆発の映画との認識であります。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-04-15 19:56:31)

265.  GAMBA ガンバと仲間たち 《ネタバレ》 鑑賞中に号泣しました。これは比喩表現ではありません。自分でもちょっと引くくらいの本気泣きです。ただ、本作に感激したというワケではなく、TVアニメ版『ガンバの冒険』の記憶が走馬灯のように甦ってきたから。こんな泣き方をしたのは初体験で、私自身大いに戸惑いました。嗚呼、自分は『ガンバの冒険』をこれほど愛していたのかと。そりゃテレビに噛り付きCMを抜きながらS-VHS標準録画で永久保存版を自作するほど好きだったんですもの(注:再放送です)。出崎統監督の大傑作と比べるのは野暮ってもんですし、そもそも本作は『ガンバの冒険』のリメイクでもありませんし。原作児童小説(こちらも既読。大好きです)とTVアニメ版のちょうど中間みたいな位置づけでしょうか。まあこんな事情もありまして、私には公正な判断は無理なんでありますが、嬉しかったのはやはり野沢雅子さんを起用してくれたこと。例えるなら、助さん役の里見浩太朗が黄門様として帰ってきたみたいな。違うかな。いずれにしても粋なファンサービスでありました。素直に感謝いたします。ツブリたち海鳥がノロイを海中へ深く深く押し込場面には昂りましたし、エンディングテーマも素晴らしかったです。ただ『冒険者たち』(あえてこう言います)の最重要ポイント“なぜ船乗りネズミたちは命を捨てる覚悟で忠太を助ける気になったのか?”この部分に対する訴求力が弱かったのは残念でした。[DVD(邦画)] 5点(2019-04-10 19:46:50)(良:1票)

266.  嘘八百 《ネタバレ》 (ネタバレあります。ご注意ください) 中井・佐々木が悪徳骨董商に仕掛けた罠は、詐欺の罪に問われるでしょうか?知らぬ存ぜぬ(所謂善意の第三者)が通用するほど、司法は甘くないでしょう。少なくとも、佐々木が自作した陶器という物的証拠もあるワケですし。ポイントは、騙された側が訴え出るかどうか。後日談となるミニエピソードを見るにつけ、どうやら告発する気は無さそうです。もちろん、そこまで折り込み済みの詐欺計画に違いありません。つまり、後日贋作は(当然)見破られるが、それでも近藤正臣は黙ると。これは騙し取られた1億800万円よりも、鑑定士としての信用や沽券の方が大切という意味。言い換えるなら、これまで(そしてこれから)贋作を掴ませて儲けてきた(儲けるであろう)高の方が、騙し取られた額を遥かに上回るということ。なんとまあ、恐ろしい世界でしょうか。それに欲に目が眩むという状態も(中井は体験済ですね)。大金をせしめ、因縁の相手に一泡吹かせて溜飲を下げて終わりではなく、佐々木の陶芸家としての将来へ目をむけた未来志向の落としどころも良し。おそらく佐々木が背負った十字架は後々彼を苦しめると思いますが、コピーではなく本物を越えるオリジナルを目指した点に、陶芸家として死なずに済んだ、というか僅かな救いがある気がします。物語の構成や人物造形はシンプルで分り易く、役者も達者揃い。気楽に観られる娯楽作品として充分な価値がある映画と考えます。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-04-05 21:57:21)《改行有》

267.  セーラー服と機関銃 -卒業- 『セーラー服と機関銃-卒業-』とかけまして『腕のいい大工』と解く。その心は・・・かんな使いが上手いでしょう。[DVD(邦画)] 7点(2019-03-30 21:04:52)(笑:1票)

268.  映画ドラえもん のび太の月面探査記 《ネタバレ》 シリーズ随一と思われる豊富な伏線、そして練りに練られた脚本の秀逸さにには素直に驚かされます。異説から定説への大胆な転換を”是“とする力業が生む奇跡。彼らの生き方を変える大きな決断が異説となり得ることの意味(ここ、最重要ポイントです!)に涙。ドラえもん映画のブランドの名に恥じぬ良作であったと考えます。いつもよりカオス多めな展開も好みの味付けでありました。その一方、王道というより既視感を覚える(つまりシリーズオリジナルのムーブメントではない)描写やセリフ、骨子となるトリックがオリジナリティに欠けるなど、気になる点も散見されました。非専業声優陣の力量に明らかに差があったことも作品のクオリティに影を落としています。要するに、可もあり不可もあり。それでも総合的に満足度が勝るのは、流石としか言いようがありません。[映画館(邦画)] 7点(2019-03-23 16:10:17)(良:1票)

269.  銀の匙 Silver Spoon 《ネタバレ》 進路を決めるなら早い方が望ましいと思いますが、かといって将来の展望なく進学する事が悪いとも思いません。学ぶうちに出てくる選択肢もあります。ただし、酪農を専攻するのであれば何かしらビジョンが欲しいですし、せめて動物好きであって欲しいと思います。主人公の場合はどうでしょう。父親が指摘したように、実際のところ逃避ですよね。父が息子に幻滅した気持ちも理解できます。父はきっと“出来る人”なんでしょう。自分に置き換えて考えるのは一般的な思考法ですから。ただし、獅童先生が言うように“生きるための逃げならアリ”には賛同します。逃げることすら選べず腐ったり死んだりするくらいなら、とりあえず現状を変えるのは有効な手法です。大切なのは自分で決めること。そして自身の生き方を否定しないことと考えます。最初から正解がわかる人生なんてありゃしませんし。人生万事塞翁が馬。ばんえい競馬のように、坂道の前では一旦止まって力を貯めましょう。さて、現実問題。主人公の行く末は?アリスちゃんの婿コースが濃厚ですが、地頭が良いので畜産関係の研究者なんて道もあるかもしれません。いずれにしても彼の将来は決して暗くありません。ちゃんと自分の頭で考え選択する、人生の基本が出来ています。それにイケメンは超有利ッスよ!!って映画批評はおろか、映画の感想ですらなく申し訳ありません。いつもの事ですって。あいすみません。淡々とした物語展開が妙にクセになる“ザ・日常”青春映画。真摯に酪農と向き合う姿勢は好感ですし、アリスちゃんが悪魔的に可愛いところもポイント高し。結構好みの映画です。ただ、この風味が吉田恵輔監督らしいと言っていいのかどうか微妙ですけれども。[DVD(邦画)] 7点(2019-03-20 19:50:32)

270.  ねむれ思い子 空のしとねに 《ネタバレ》 SFこそヒューマニズムを語るに最も相応しいジャンル。本作のストーリーは相当好みです。ただ、絵(画)のクオリティや声優の力量が、脚本のレベルに追いついていない気がします。一昔前のTVゲームのムービーシーンを彷彿とさせる無機質な画に、心動かされる要素はありません(注:これは完全に私の趣向です)。脚本は命ですが、映像もまた命。アニメーションなら尚更のこと。どんなに素晴らしい料理でも、紙皿やプラカップに盛り付けたのでは魅力半減と考えます。聞けば、ほとんど個人製作だそう。その努力は称賛に値しますが、それを作品評価に反映させることは監督に対してかえって失礼かと。努力賞は素人の特権ですから。然るべき製作スタジオの技術を駆使してリメイクしたらどんな素晴らしい映画になるだろうと想像してしまいます。[DVD(邦画)] 6点(2019-03-15 22:23:15)

271.  氷菓 《ネタバレ》 本来、学生風情が刑事事件の捜査に携わるなんてアリエナイわけで、そんな“なんちゃってミステリー”より、日常の些細な疑問を考察と想像力を駆使して紐解いていく本作のスタンスの方が、遥かに現実的と言えましょう。ただし、証拠に基づく検証・推理ではなく、多分に自分たちに都合の良い仮説の披露に終始しているのはご愛嬌。もっとも主人公も大切なのは真実を明かすことではなく「千反田が納得するかどうか」とハッキリ言及しているあたり潔し。誰かを罰したり、断じたりするワケではなく、自分がスッキリするための「結論」には証拠は要りませんものね(ん?)。文集『氷菓』の秘密については、ネタを思いついてからストーリーを逆算した気がしないでもありませんが、殺人や傷害に頼らずとも、人生そのものが“スペクタクルなミステリー”との趣向は支持したいと思います。続編があるなら観たいです。[DVD(邦画)] 6点(2019-03-10 09:57:56)

272.  日々ロック 《ネタバレ》 (ネタバレあります。未見の方はご注意ください) ザ・ロックンロールブラザーズ(以下RRB)はそもそも自慰バンドでした(ボーカル背中の空気人形が動かぬ証拠)。自分が気持ち良くなればいい典型的なアマチュアです。宇田川に童貞を指摘されたり、プロデューサーに歌う意味を問われたりしたのも無理からぬこと。プロなら相手を楽しませてみろ。お金を頂くとはそういうこと。「女のひとりも抱かずにロッカーを名乗るな」は、あながち間違っていません。そんなアマチュア風情に何故スーパーアイドルは惹かれたのでしょうか。たぶん奴らにかつての自分の姿を見たから。仲間と共に音楽を奏でる楽しさと喜び。スターになる為に、自分が捨ててきたもの。余命幾ばくもない宇田川には、馬鹿たちが輝いて見えたのでしょう。そんな彼女は、ロックに、華々しく逝きたいと口にしました。きっと強がり。しかし病に侵された体は、彼女の願いを受け入れてはくれませんでした。弱っていくのは体だけではありません。遠路はるばる日々沼がオリジナル曲を届けに来てくれたのに、受け取る気力すらない有様。思い届かず…か。しかしこんな時頼りになるのは仲間。あるいは腐れ縁。バンドメンバーは勿論のこと、盟友「犬レイプ」(酷いネーミングセンス!)や、地元のクソ馬鹿ヤンキーに干物工場の先輩。きっと誰か一人欠けても、日々沼があのステージに立つことは適わなかったでしょう。友情と我武者羅さ。豪雨と感電と。おそらくこれがロック。これこそがロック。RRB激情の一曲は偶然か奇跡か、あの娘の心を捉えました。生きろ、生きてくれ。気力を振り絞り、サンキューひよこを頬張る宇田川。食べること=生きようとする意思。その美しい笑顔に涙しました。エピローグは記念写真。バカ3人と美女1人。このワンカットに辿り着くために物語は在り、一曲の感動だけで本作の価値が保たれています。音楽の力って偉大だなあと。ほとんど反則級のエモーションでありました。やっと目の前の一人に思いを届けられたRRB。今度はライブハウスの観客相手に、そして見えない大衆に対して、彼らは思いを届けられるでしょうか?まだ今はポンコツ。自走すら危ういもの。でも若者には未来があります。それで十分ではないですか。 芸能人に疎い私は、日々沼役の野村周平はロックミュージシャンだとばかり思い込んでおりましたが、役者さんだったのですね。役作り的には『北の国から』の五郎さんのエッセンスが強い気がしますが、気のせいかもしれません。繰り返しになりますが、楽曲の力が映画の評価に直結する音楽映画って、ホントずるいです。良い映画の気がしてなりません。気のせいかもしれませんが。[DVD(邦画)] 8点(2019-03-05 19:58:48)《改行有》

273.  翔んで埼玉 郷土”愛“が根底にあり、かつ実際は”そんなわけない“から成立する差別ギャグ&自虐ギャグ。当事者となった埼玉県民や千葉県民が一番楽しめるのは間違いないでしょう。かくいう私も、川口と八王子に在住経験ありで親近感もあり。地名で笑えるのは、その土地に大なり小なり愛着があるからに他なりません。他の地域でも、同じようなライバル関係はあるでしょうし。散々な言われようをした関東北部県の皆さんは楽しめたのか気になるところです。関東全部引っくるめて『首都圏』でくくっていまう田舎者(新潟県民)としては、微笑ましい兄弟喧嘩を眺めさせていただいた感じでございます。Gacktさんや、伊勢谷さんは、注文通りのキャラ設定に熱演で安定感あり。二階堂さんの男性役は、正直たまらんものがありました。もしかしたら自分、新しい世界が開けたかもしれません涙驚。(以下余談)今回錦糸町で劇場鑑賞したのですが、勝手に錦糸町って千葉県だと思い込んでおりました。だから、どうということもありませんが、警鐘を兼ねてご報告まで。そんな警鐘要りません?失礼しました。[映画館(邦画)] 7点(2019-02-24 21:13:45)(良:1票)

274.  十二人の死にたい子どもたち 《ネタバレ》 連帯保証人にはなるな。夜中にラーメンを食べるな。と同じレベルで、『堤監督のサスペンスに期待をするな』との自身の中の鉄の掟を破って、久々の劇場鑑賞でありましたが、これが思いの外面白くて。正直びっくりいたしました。オフザケを封印した堤監督やるじゃんと(イニシエーションラブでも同じような感想を書いてましたね。監督、本当に失礼しました陳謝)。と前置きはほどほどにして、本題の感想に入りましょうか。集団自殺志願者の中に、紛れ込んだ殺人犯は誰か?この謎解きが主軸となって物語は展開いたしますが、まるで『金田一少年の事件簿』の如きノリ。ちゃんと探偵役までいるという親切設計です。種明かしをしてしまえば何ということも無いですし、そもそも推理が成立しているかも怪しいのですが、サスペンスミステリーの空気感創出は見事なものでした(監督、よくぞいつもの悪戯を我慢してくれました!)。真摯に役と向き合ってくれた若手役者の皆さん全員に拍手を送りましょう(個人的にはロリータパンクの子の方言と、金髪今どき娘が好印象!)。また、12人全員にバランス良く見せ場が用意されていた事にも感心しました。メッセージも定番ながら良いんじゃないでしょうか。ひとりで死ねない時点で、本当は生きたいと願っているのは明白ですから。最近いろんな面で行き詰まっていたので、元気を貰えた気がします。そんなこと全然期待してなかったのにね苦笑。エンディングスタッフロールでの時系列整理は秀逸なサービス。ジャッキーのNGシーン集のように不要なサービスとは違い、本当の意味での心遣いを感じました。エンドクレジット最後の注釈『未成年者の喫煙は、法律で禁止されています。』の皮肉が最高に効いていたので、座布団1枚ぶん点数上乗せします。[映画館(邦画)] 8点(2019-02-10 13:24:59)(良:1票)

275.  オー・ルーシー! 《ネタバレ》 (長文失礼します)ダイナーでジョンとハグした時のルーシーの顔!目を見開き、唇を結ぶ様は、まるで子供の顔でした。実を言うと、私の二女も同じ顔をするのです。ハグというより、一方的な抱き付き。ここからは私の妄想です。もし節子が、当時も同じような顔で彼氏に抱き付いていたとしたら・・・。彼は尻込みしたのかもしれません。彼女の全てを受け止める度量が、若い彼氏には無かったのではないかと。だからと言って姉に乗り換えるのは在り得ませんけども。もし大切な人を取られたくないのなら、節子は戦わなければなりませんでした。彼とも、姉とも。でもそれをしなかったから、過去の恋愛を引きずるハメに陥ってしまった気がします。モノで溢れかえった部屋は、彼女が区切りを付けられていない証。姉との関係性をみても、泣き寝入りをしたことが窺えます(当然の絶縁案件ですよ!)。その後悔の念が節子を突き動かし、ジョンをアメリカまで追わせたとも言えます。ただ、時すでに遅し。節子は四十路。ジョンにとって、彼女は恋愛対象にはなりませんでした。おそらく彼女も、年下の姪と張り合えるとは思っていないでしょう。だからこそ、ジョンと関係したことを美花に顕示したかったのだと思われます。あるいは姉への怨みを、姪へ意趣返しかも。愛のままに我儘に、節子は自分を傷つけました(ん?)。やり残した宿題。自殺の一歩手前まで追い込まれる程、必死になって、馬鹿になって、自分の人生と向き合う必要が、節子にはあったのだと思います。小森と抱き合う節子の顔は、明らかに変化しています。自分の思いを預け、相手の気持ちを受け止める。対等な抱擁でした。この恋が成就するかどうかは分かりません。しかし、この縁を引き寄せたのは、彼女が必死に足掻いた結果に違いありません。人生の希望が此処にありました。本作の表テーマが“抱擁”とするなら、裏テーマは“身投げ”でしょうか。物語冒頭の衝撃描写。列車への投身自殺は、全体を通じた伏線となっています。駅ホームに佇むお局さんを取り巻く不穏な空気。誰だって、何時だって、すぐ傍に崖があるワケです。列車に飛び込んだ男、海へ身を投げた美花、そして修羅場の人間関係に身を投じた節子。待っているのは地獄です。ただし自暴自棄で身を投げた前者に対し、節子は“自身の欲望に従い”飛び込みました。どちらも賢い選択とは言えません。でも、人としてマシなのはどちらでしょう。私は愚かな節子が愛おしく思えます。満たされない中高年女性の“リアル”を演じせたら、寺島しのぶの上手さは抜きん出ています。見事なまでの“閉塞感”。凄い女優さんです。ルーシーは、あなたの横にいる、あるいは、あなた自身。だから沁みるのです。(以下余談)映画ポスターコレクターとしての視点。センスが悪いことでは定評がある邦画ポスターの中にあって、本作のデザインは上等です。あのシーンを切り取るとは。メッセージ性、インパクト、ともに抜群でした。というより、ポスターデザイン先行で該当シーンを挿入した気さえしてしまいますが。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-01-30 00:29:27)

276.  高台家の人々 《ネタバレ》 物語の骨子は『ローマの休日』『プリティ・ウーマン』『ノッテイングヒルの恋人』と同じ格差恋愛もの。主人公の妄想癖は『赤毛のアン』や『アメリ』でお馴染み、愛すべきヒロインの定番キャラ設定のひとつ。平凡な主人公が、数々の障害を乗り越えて王子様と結ばれるまでを描くシンデレラ型ラブストーリーです。言わずもがな、本作最大の特徴は“王子様がテレパス”ということ。個人的には、DVや浮気癖に匹敵する無理案件だと思いますが、それを乗り越えるところに浪漫があるのでしょうね。さて、押さえておきたいポイント。それは木絵に対して語りかけた由布子の言葉「ちょっと妙な力があるくらい何よ」。母が子供たちの特殊能力に気付いていたことが判明します。2人の結婚を反対したのも、身内にテレパスがいる大変さを知っていたから。何となく流してしまいそうな事実ですが、これって結構重大な告白。何故なら、子供たちは両親に自身のテレパス能力を隠しているのですから。夫婦は“子のテレパス能力に気付かないふり”をして、育ててきたワケです。特殊能力など全く意識せず、丸ごと子供たちを愛してきた証。茂正Jr.の“空気を読まないほど馬鹿正直に思いを口に出す”人となりも、“何故そのような性格が形成されたか?”を考えると泣かされます。テレパス能力が無い人とだって、ちゃんと良好な人間関係が築けるのよ。だから自分の能力を否定しないで。それが父と母からのメッセージであり、高台家の教育方針。何という大きな家族愛でしょう。『高台家の人々』というタイトルの味わいが増します。この手の天然ヒロインをやらせたら、綾瀬はるかの右に出る者なし。素敵な“家族愛”の物語でありました。[DVD(邦画)] 7点(2019-01-20 00:28:43)(良:1票)

277.  夜明け告げるルーのうた 《ネタバレ》 巨大な御陰岩は、「既成概念」や「古い価値観」あるいは「主人公の内なる心の壁」の象徴と見て取れます。つまり御陰岩の崩壊という結末には“変化を恐れるな”というメッセージが込められていると考えます。カイ父も“結果を恐れるな”と。自ら人型に変態し、かつ他者に人魚化を促すルーは、変化のシンボルです。今回の一件を通じ、まさに人生の分岐点にあった主人公は勿論のこと、貝類採取の激減が見込まれる漁港の人々の生活、そしてルーを含めた人魚族の行く末も、否応も無く変化が訪れるでしょう。そう、変化には痛みが伴います。それでもなお、環境や状況に適応し、変化し続けなければ生きていけないのが人間です。というより、全ての生物に架せられた宿命。歩みを止めたものは消え去るのみです。都会で成功しかなった伊佐木先輩が、故郷で新しい夢を見つけたこと。老若男女で力を合わせて開けた水門。途切れ途切れ、ゆっくりでないと伝わらない屋外放送。そして人間と人魚族のチームプレー。己が人生に立ちはだかる“壁”を打ち破るためのヒントは、ふんだんに出されています。覚悟なく、安易に変化を望んだ『人魚ランド』なる目論見が失敗したことも見逃せません。チャレンジの先に未来があります。日本アニメーション界の巨匠であり、神とも言える宮崎駿監督の代表作のひとつ『崖の上のポニョ』に真正面から対抗した本作にも、先述のチャレンジ精神が隠されている気がしてなりません。躍動感と疾走感あふれるアクション、デフォルメと記号化で印象強化、そして豊かな想像力。観客の心を突き刺す湯浅政明スタイルは、宮崎監督とは違う新たな価値観を呈示しています。日本アニメーションの新たな“夜明けを告げる”本作の心意気に対し、私は『ポニョ』と同じ10点満点というかたちで応えたいと思います。[DVD(邦画)] 10点(2019-01-15 18:55:44)

278.  来る 《ネタバレ》 極端な物言いをするなら、本作の是非を決定付ける分かれ目は、松たか子さんのキャラクターに魅力を感じるか否かに尽きると考えます。完全無欠のプロフェッショナルとして、ある種の冷酷さを漂わせていたスーパー除霊師が、最終決戦で露にした”愛“や”情“すなわち”人であるが故の弱さ“に価値を見出だせるかどうかが鍵。(ちなみに、“何か”が姿を現したシーンの衝撃は絶大でした。絶望は美しいです)あれ?この感想って中島監督の『告白』の時と同じですね。やっぱり中島監督は、松たか子さんの使い方がお上手なようで。そして終わり良ければ全て良しと(ハッピーエンドという意味ではなく)。王道のオカルトでありながら、ホラーを観ている感覚はありません。これまた不思議な味わい。怖いというより、面白い、興味深いとの印象です。ちなみに”何か“は、難病や麻薬中毒なんかと置き換えても成立するでしょう。恐ろしい敵と対峙したとき、人の値打ちが明かされます。[映画館(邦画)] 8点(2019-01-12 17:37:14)(良:1票)

279.  犬猿 《ネタバレ》 私は長男で、妹が一人。また三姉妹の父親でもあります。本作は個人の経験(人間観)と照らし合わせて楽しむタイプの映画。同じ兄弟でも、異性と同性では当然ながら関係性は異なるワケで、私の場合は比較対象とするサンプル=娘たちとなります。車の座席、おやつの分配、お風呂の順番、外食先の店選び。全然すんなり決まりません。その一方タッグを組んで強力なおねだり作戦を敢行することも。仲が良いんだか悪いんだか。絶対的に頼れる友であり、最高に苛立つ永遠のライバル。今はまだ幼い娘たちですが、大人になったらあんな風になるのかと思うと、感慨深いことで(苦笑)。本作のタイトルは『犬猿』。これは愛あるタイトルと捉えましょう。嫉妬しようが煙たかろうが、本作の兄弟姉妹はいずれも相手を認めています。同じ桃太郎チームの一員です。桃太郎=親が不在となったとき、どのように関係が変化するか(あるいはしないのか)興味深いところですね。現実には全く相容れない『水と油』な兄弟もざらに存在しますので、充分微笑ましい兄弟関係の物語と感じました。あのシチュエーションで厄介者の兄を見捨てなかった弟は尊いというか、お人好しというか。監督の人の良さが現れていると思います。その一方、コーヒーカップに乗るニッチェに豚鼻の効果音を入れたりと、嫌らしい(悪戯な)一面も。実に吉田恵輔監督らしい映画であったと思います。最後にキャストにも触れておきましょうか。男の方は人気と実力を兼ね揃えた俳優コンビであるのに対し、姉妹ペアは芸人とグラビアタレントの組み合わせ。本職役者組と比べると演技面では流石に敵いません。しかし、彼女らは彼女らなりに、生々しい犬猿姉妹の空気感を見事に作り上げてくれました。何より顔の造作が似ているところがポイント高し。コント上手のニッチェ江上は兎も角も、筧ちゃんが予想外に良くてちょっと驚きました。決して演技が上手いわけではないですよ。でも自らのリアル芸能人生をキャラにダブらせ、身を削った心意気や良し。根性もありそうです。要するに、筧ちゃん=二代目磯山さやかという結論でファイナルアンサー。[DVD(邦画)] 8点(2019-01-05 16:58:05)

280.  百円の恋 《ネタバレ》 デビュー戦が決まった晴れやかな表情の主人公に、冷や水を浴びせる会長の言葉「10年遅いよ」。全くもって正論です。『人はいつだってやり直せる』。巷に溢れるのは、希望に満ちた心地よいフレーズ。でも実際はそんなに甘くありません。ピークを過ぎれば、坂道を下るように人の能力は衰えていきます。知力、体力、そして気力さえも。それが自然の摂理。一子はもう32歳。元引きこもりニートがボクシングの真似事をしたところで、高が知れています。しかし、思いもよらぬ出来事が転機となるのもまた事実。主人公の場合は、男の裏切りに対する“怒り”がキッカケでした。自堕落な生活を送っていた頃の“逆切れ”や“八つ当たり”とは違う“本気の憤り”は持続力を有し行動原理となり得ます。ボクシングに打ち込む主人公は素晴らしく魅力的に映りました。人は変われる。これならデビュー戦勝利も夢じゃない気がしたものです。しかしリングの上で待っていたのは、一発のパンチさえ当てられぬ厳しい現実でした。いくらシャドウが様になっても、所詮仮想の敵は自身。ままならぬ他人との対戦は別物です。経験が物を言う世界。それは恋愛も同じですよね。ボコボコにされ、血反吐を吐くみじめな姿は、彼女が無為に過ごしてきた人生の中間決算と言えましょう。長年己が人生から逃げてきたツケが、一時の頑張りで完済できるはずもなく。でも、それでも、崖っぷちで繰り出した渾身の左フックは、彼女が積み重ねた努力の結晶に他なりません。遅過ぎる頑張りだとしても、しないよりずっとマシ。勇気を出して手を出さなければ、ラッキーパンチさえ望めません。泣けました。それはもう泣けました。主人公がこの先“客を呼べるプロボクサー”になるのは難しいでしょう。でも観客(家族や元彼)の思いを背負って戦えたのなら、もう立派にプロだと思うのです。一子、凄いよ。前言撤回。まだ32歳。まだまだ、これからです!彼女がリング上で見せた闘争心は、自らの人生と対峙する際にも役立つはずです。その彼で大丈夫ですか、そうですか。今度は逃がさないように。思う存分、真正面から、ヤツと戦いましょう。KOして尻に敷いてやりましょうよ。 キャラクター造形は繊細で、前フリのドラマが長いこと。いつまで経っても主人公がボクシングを始めやしない(苦笑)。でもその分、どっぷり主人公の内面に潜る時間が持てました。なんという丁寧なつくり。その上で、これまた丹念にトレーニングシーンを描いてくれるのですから、感情移入するなって方が無理な話。デビュー戦のカタルシスは絶大でした。安藤サクラの女優としての非凡な才能なくしては成立しなかった、正しいボクシング映画。傑作です。[DVD(邦画)] 9点(2019-01-01 00:00:01)(良:4票)

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