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プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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381.  座頭市二段斬り ヒロインに相当する役が「連想ゲーム」でお馴染み坪内さん。座頭市に好敵手に相当する役がこれまた連想ゲームでお馴染み加藤さん、ではなくって、「ヨシ、ワカッタ!」でお馴染みの方の加藤さんなのですが。こういった、本来なら物語で大きな存在感を示すであろう登場人物たちが、もうひとつ目立ってなくって、それはひとえに、「桃屋のCM」でお馴染み三木のり平が、あまりにも存在感を出しまくっているから。 彼の娘役の少女がやたらと歌がうまくって、それがまあ、顔を見たら、小林幸子なワケです。ホント、このヒト、変わりませんね。これは、当時から老けてる、という理解でよろしいのでしょうか。 この父娘の存在が、本作では際立ってます。特に三木のり平。はたしてこの物語は、彼を最後まで生き残らせるのか。それとも途中で殺してしまうのか、そのどちらの展開をとるかで、映画が比較的明るい基調の作品となるのかどん底の暗黒作品となるのかの、大きな分かれ目になります。小林幸子がどうなろうと、もう、知ったことではありません。 それとは別に、演出面では、手持ちカメラのちょっとアングラっぽいシーンがあったりして、こういうのは独特のイヤラシサがあって、いいですね。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-10-12 12:05:33)《改行有》

382.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 警察署というところは、警察官やら、事件の被害者やら、捕まった容疑者やら、その他無関係のよくわからない人やら、とにかく得体の知れない人々がうごめく場所だと相場が決まっていて、このシリーズでも背景にやたらとそういう大量の「よくわからない人々」が映っていて画面を賑やかしておりますけれども、この第3作。なにせ、「警察署の引越し」が描かれる訳ですから、さらに輪をかけて、画面が賑やか、慌ただしい。こういうところからして「テレビではできないこと、映画でしかできないこと」を感じさせてくれます。 と言っても、我々も「引越しシーン」をこの映画に期待して観てる訳ではもちろん無いのですが、物語の方もちゃんと大事件に発展していって、クライマックスでは、新庁舎のセキュリティが暴走し、建物が要塞と化してしまう。いったいどこでどうやって、こんな撮影したんだろう、そんなこと思うだけでもううれしくなってきちゃいます。 登場人物も賑やかで、これまでのシリーズから、そこまでやるかと言いたくなるくらい、出演者が大量動員されていて、おかげで過去の作品を観てない人には意味不明の部分が多々出てきてしまう、という弊害もあるのですが、ま、これは一種のお祭りですから。 という訳で、私は結構楽しんだんですけど、なんだかあまり、評判よくないみたいですねえ・・・?[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-10-09 22:26:17)《改行有》

383.  ロボゲイシャ ネタが「ゲイシャ」ということもあってか、アクションシーンにややキレが無いのが残念ですが(「ゲイシャ」だからキレが無い、とかいう問題だと捉えるべきかどうか、という気もするし、いやそもそもそんなことを気にするべきか、という気もするけれど)。 ただ、「ロボ」の部分で言うと、ロボである以上はロボらしく、「変形」とか「合体」とかいう事に対する偏愛のようなものが感じられて、それが、姉との確執というストーリー骨格ともちゃんとシンクロしているのが、スバラシイなあ、と。 肉体をロボにいくら改造されようが、そんなことは全く不幸じゃなくって、姉と仲良くできないことこそが不幸。このテーマがしっかりと作品を貫いています。 で、そういう「ロボットと言えば、変形・合体やろ」という極めて日本的な発想が、ゲイシャとかフジヤマとかいう日本的なアイテムと結びついて、とんでもなく求心力をもった作品となり果てているのでありました。 デビル志垣も存在感あったけど、斎藤工の起用法が実によくワカッテルよなあ、と。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-09-28 01:52:10)《改行有》

384.  横道世之介 冒頭、ああこれはバブルの時代だなあ、と。個人的には何の懐かしさも感じないけれど、とそんなことを言ってみるのも一種の強がりなのかも知れないけれど。ああ、みんな、シャツの裾をズボンに入れてますねえ。 主人公を演じる高良健吾を始めとして、登場人物たちが、はにかんだようなオドオドしたような挙動を繰り返し、これが昨今のお笑いコントの演技を思い起こさせてちょっと安直ではないの、と最初は心配になるけれど、やがてそれが気にならなくなってくる。長回しが多用される中で、このオドオドした感じが、独特のリズムみたいなものを生み出してるんですね。いや、リズムというよりは、演技の詳細が確定されない中に役者たちが放り込まれ、開放系の中に映画の世界が広がっていくような。 そんな中で、素っ頓狂な吉高由里子はまったくオドオドせず、ブレることなく、純朴な主人公を変人の道(?)に誘い込む。これぞまさに究極のバカップル・・・ってのがこれまた不思議な懐かしさめいたものを呼び覚まします。 時間軸をいじくる構成も、イヤミになっておらず、ラストでは静かな感動に繋がります。 でも、それでもなお、この「世之介」ってヤツ、何なんだよ、という気持ちがどこかにあって、映画ってのは「懐かしがられる人々」ではなく「忘れられた人々」を描いてナンボでしょ、という気もしてしまうんですけれども。[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-09-28 01:51:41)《改行有》

385.  天気の子 公開開始時には何も言ってなかった小学生の息子が今頃になって「見たい」と言い出したので、一緒に見に行ったのですが(むしろ当初興味を示していた娘は欠席)、映画が始まってみると、劇中に、最近息子が興味津々のオカルト雑誌『ムー』が登場(ホント、血は争えませぬ・・・)。さてはコレが息子の目当てであったかと、映画が終わって彼を問い詰めると「いや、まさか『ムー』が出てくるなんて、知らんかってん」とのこと。それだけならまだしも、続けて彼が言うには「でも、『君の名は。』にもちょっとだけ『ムー』出てきたで」。ってオイオイ、オマエはいつからそんなムー的都市伝説を語るようになったんだ? ⇒でもこれは事実なんです、ハイ。『君の名は。』にも、床に伏せて置かれた『ムー』誌が、一瞬だけ登場します。息子曰く、「見てたらたまたま見つけた」とのこと。トホホ。 前置き長くなりましたスミマセン。それにしても、前作に続いてまた、心をチクチクと刺すような映画を作ってきますねえ。災害にあうことなく生き続ける者たちは、災害にあって死んいった人々に対し、何ができるのか、同情だけはしつつも結局は忘れ去って日常を送るだけじゃないのか、という問いを前作では突きつけられたように感じたのですが、本作ではさらにストレートに、我々の原罪を糾弾しているかのようです。「今の我々のぬるま湯のような生活は、不公平の上に成り立ってるんじゃないのか、誰かの犠牲の上になりたっているんじゃないのか、それをみんな分かっていながらノホホンと分かってないフリをしてるんじゃないか」という、痛烈な問い。突き刺さるなあ。 作品は例によってスピード感があり、これは、間を省略したような断片的なシーンを積み重ねる構成によるもので、「もうちょっと間をとってじっくり描くシーンも見たいなあ」と感じなくもないんですけどね。でも、このやや軽い語り口であっても、登場人物たちを印象的に描くことでちゃんと物語を盛り上げていくし、クライマックスの主人公が走るシーンへと繋がっていくのが、いいんですねえ。ここはあくまで、走り「続ける」。その姿の持つ魅力。 舞台となっているのが、雨が降り続く東京の街。異常気象ってのは、騒ぎすぎるのもどうかと思いつつもやはり、我々にとって昨今の大きな不安となっていることは事実。その中で、雨、水、といったものがアニメーションの中で巧みに取り入れられていて(「風」はあまり出てこない作品ですが)、印象に残ります。その雨の中のネオンサイン、あるいは雲が切れて太陽が顔を出す、光の描写もまた印象的。一方、日が差さない「暗さ」をアニメでどう描くか、ってのは、少し難しいところがありますねえ。[映画館(邦画)] 9点(2019-09-28 00:25:51)(良:1票) 《改行有》

386.  レッドタートル ある島の物語 「セリフ無し」ってのが、挑戦的なようでもあり、映画の宣伝用のギミックのようでもあり、では実際のところどうなのかというと、やっぱりこれは、セリフ無しでならではの世界、ですね。セリフが無いことによる距離感が、このファンタジー世界をむしろ支えていて、また何事も断定することなく「解釈のブレ」も許容している。セリフが無いからこそ受け止めやすく、これ、もしもセリフ入りだと逆にちょっとキツかったりして。 登場人物の顔は極端に簡略化されて(目はただの点で、白目もない)表情が奪われており、その分、全身の動きが精密なアニメーションによって描きこまれています。 物語は、ツルの恩返しならぬカメの恩返し、みたいなところがありますが、別に「恩返し」という訳でもないし、上述のように映画の中では何も断定していない分、色々な受け止め方ができると思います。私は、手塚治虫の「火の鳥」の世界観に似たものを、ここに感じました。 あのカニたちは、男が島に流れ着くずっとまえからそこにいて、この先も未来永劫、ここに住み続けるんですよね、きっと。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2019-09-15 10:10:01)(良:2票) 《改行有》

387.  日本暴力団 組長 もはやタイトルを見ても、ヤクザ映画であること以外は何もわかりませんけれども。関東進出を狙う関西の巨大組織と、関東連合会とが対立する中、横浜を舞台に、しがない弱小組織たちが代理戦争を繰り広げるオハナシ。 刑期を終え出所した主人公・鶴田浩二、彼が所属する浜中組は、件の関西大手組織・淡野組と手を組んでいたが、代理戦争が激化する中で組長が襲われ、組長は淡野組と手を切るように主人公に遺言を残す。この辺りのゴタゴタの中、準主役かと思われた菅原文太が早々に死んじゃうんですが、その代わり、淡野組が次のパートナーに選んだ狂犬のごときゴロツキ軍団、あるいは関東連合会が送り込んだヒットマンが、物語に絡んできて、なかなか巧みなストーリー構成となっています。代理戦争を演じざるを得ない、吹けば飛ぶような存在の彼ら。特にヒットマンとその妻のエピソードが、印象的です。もちろんゴロツキの首領・若山富三郎も存在感を見せつけてくれますけれども。 まだ60年代の作品で、鶴田浩二の品の良さ、ってのは確かにあるんですが、そういう任侠テイストの一方で、後の実録路線を彷彿とさせるドキュメンタリタッチの部分もあって。だから、一種の「滅びの美学」ではあるのですが、キレイな「滅び」じゃなくって、もはや「破滅」の美学ですね。そういう、痛みを伴って心にしみてくるような泥臭さが、ここにはすでに兆しています。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-09-01 21:04:45)《改行有》

388.  容疑者 室井慎次 『交渉人 真下正義』が「動」なら、本作『容疑者 室井慎次』は「静」。スピンオフ2作品を対照的に製作したということなのかも知れませんが、どうしてもコチラの方が印象が薄くなります。 冒頭の空撮でちょっとワクワクして、さあこれから何が起きるんだろう、と期待してしまうのですが、やや動きの乏しい物語。 事件は会議室で起きてるんじゃない現場で起きてるんだあっ、という観点からすると、どっちかというと会議室側の人間をタイトルに持ってきたこれら2作品。本作はギバちゃんにフォーカスされている、その一方で、彼をサポートする役割の人間として哀川翔が登場し、2人が並んでるのを見ると、「おっこれは一世風靡セピアじゃないの」とは思うんですけれども。だったらもうちょっと哀川翔には暴れ回って欲しかったなあ、と。 本作ではむしろ、初代なっちゃんこと、田中麗奈が、重要な役割を果たしてます。もう、彼女が本作の主人公と言っちゃってもいいんじゃないですかね。オジサンたちに代わって、彼女が走り回ってみせ、映画に動きを与えます。もうちょっとカッチョ良く走ってくれると、なお良かったんですが。 八嶋智人演じる弁護士のイヤらしさ以外になかなか盛り上がるポイントが無いのが、ちょっと寂しいんですけれども、都会を舞台にした作品ながら「風」や「雨」を積極的に取り入れているのは、印象的でした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-08-29 20:30:40)《改行有》

389.  亡国のイージス 物語の基本骨格は『ザ・ロック』的な単純なオハナシなんですが(というか、この映画、ブラッカイマーに見つかったら、ちょっとヤバいんじゃないの?)、その単純なオハナシの中に、「いや、実は背景にはいろいろあるんだよ」と言いたげな、よくわからない断片の描写があちこちにあって、何ともモヤモヤしてます。 まさか、これって、原作を読めってことですかね?[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-17 11:40:28)《改行有》

390.  交渉人 真下正義 「踊る大捜査線」の本シリーズ2作に続く、スピンオフですが、前作2作では舞台としてお台場が想定されていたのに対し、こちらは東京都心部そのものが舞台。犯人に操られた試験車両が、地下鉄の路線を暴走する(この試験車両の風貌を見てると、なんでラピートがこんなところを走ってるの?とか思っちゃうのですが)。その謎の犯人に立ち向かうは、交渉人サンタマリア。 という訳で、パニック映画の要素を取り込んでいて、よくこんな撮影をやったもんだ、と感心させられます。地下鉄の構内・線路のさまざまな光景が登場し、エキストラもタップリ動員して、圧巻です。 主人公のサンタマリアは犯人との交渉役なもんで、基本的にはコントロール室で犯人とボソボソしゃべるだけですが、代わりに寺島進が街に出て暴走し、笑いとスリルを提供してくれます。 ヒッチコックを模倣したような後半の展開の先には、楽しくもバカバカしい顛末があり、しかしここでようやく主人公も、事件が起きている「現場」へと向かうことになる。少し苦味のある、大団円。 前2作よりも、楽しめました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-08-15 18:38:09)《改行有》

391.  アルキメデスの大戦 《ネタバレ》 映画冒頭に大和の最期を描き、そこから時代を遡って大和建造に関わる物語を描く、という構成。本来はこの作品の物語の「外」にある大和轟沈のエピソードを、冒頭で我々に見せるのは、ひとつにはスペクタクルシーンの提供、ハッキリ言うとサービスなんでしょうけれど、この構成が成功したと言えるかどうか。そりゃま、確かに我々もその迫力を、ハッキリ言うと楽しむ訳ですが。 ただ、将来訪れる日本の敗北と、この大和の最期とは、物語の上で重ねられている訳だから、それを見せるシーンとしては、あまりに駆け足で、バランスが悪いような気もします。その最大の特徴である「巨大さ」が充分描かれる前に、どこか模型のような機械的な動きで横転し、爆発する大和。 ヤマトつながりで言うと、10年近く前の大失敗(?)を少し思い出してしまうのですが・・・。 と、それはさておき、時代が遡って本編の物語が始まると、もう菅田将暉の独壇場。エキセントリックな言動とオーバーアクション気味の演技で、物語をグイグイ引っ張ります。物事を何でも「美しい!」とか「美しくない!」とか評している姿は、仮面ライダーWのフィリップ役でしきりに「興味深い!」とか言ってたのを彷彿とさせたり。 脇を固めるベテラン勢は控えめの演技で、橋爪功は多少オーバーでコミカルに敵役を演じてますが、舘ひろしの山本五十六も一歩引いた感じ(それでも人柄を表すために、しばしば彼が披露したという逆立ちエピソードなどは盛り込まれてますが)。あくまで熱い菅田将暉と、おそらく同じくらいの熱さを内に秘めた柄本佑を中心に据えて、若い役者さんに存分に表現してもらう、この点は間違いなく本作の魅力となってます。 熱い言動の一方で、図面にじっと見入る菅田将暉の視線。彼の視線、彼の横顔が我々を惹きつけますが、一方、映画の終盤で、敵役である田中泯が、君と自分は同種の人間だ、などといって横顔を見せると、確かにそこには同種の横顔、同種の視線がある。 静かな、しかし圧倒的な説得力を持つクライマックスだと思います。たとえ冒頭シーンが無かったとしても。[映画館(邦画)] 7点(2019-08-15 16:45:43)《改行有》

392.  多羅尾伴内 多羅尾伴内こと藤村大造が終盤に、謎解きと言ってよいのかどうなのか、事件の真相について何やら総括めいた事(被害者がどうの、加害者がどうの、というヤツ)をのたまうのを聴くと、「大して面白い事件でもないように思ったけど、なるほど、そういう捉え方もあるのか」と、ちょっと感心してしまいました。確かに、誰が真の黒幕なのか、二転三転、なかなかよく練られたミステリであったことに気づかされます。でも逆に言うと、せっかくの練られたオハナシなのに、イマイチその面白さが観てて伝わらないんです。 まあ、アキラがギター爪弾きながら「昔の名前で出ています」を熱唱するなど、中盤はストーリーと関係ない歌謡ショー状態。もともとそんなにミステリとしての完成度を追求した作品でもないんでしょう、アキラの変装、アクション、猟奇性といったものが盛り込まれてさえいれば、それで良し、といったところ。 それにしては全体的に大人しい印象に、収まってしまってますが。[DVD(邦画)] 6点(2019-08-10 14:17:16)《改行有》

393.  男はつらいよ 寅次郎心の旅路 当時のウィーン市長が寅さんのファンだったもんで、ラブコールをいただいて実現した、『男はつらいよ』シリーズの海外進出。ではあるのですが。 残念ながら、寅さんを海外に連れ出す、という設定を無理やり作り出すだけでもう限界、という印象。あとは大した起伏もなく、すみません、以前観てた時は、途中で居眠りしちゃったんです。 だいたい、肝心の寅さんがヒマそうにしてるし。途中から、寅さんが遠い異国で連れ(柄本明)とはぐれてしまう、という展開になり、本来ならこれは大事件でいくらでも盛り上げようがあるだろうに、どういう訳か、本作の物語は妙に大人しいんです。寅さんは竹下景子に何となくフラフラついていくだけ。一応彼女はマドンナ役だから、寅さんは彼女にホレてる、ということになるんでしょうが、それすらもハッキリしない。一方の、騒動の発端である柄本明も、独自にウィーンを楽しんで、寅さんの物語にはロクにからまないし。 無為に時間だけが過ぎてゆき、なんとなくそれぞれがバラバラに納得して、物語が終わってしまう。 あと、第三の男のパロディなんかも出てきますけれど、別に面白くも何ともないですしね。これを言っちゃあオシマイなんですけれど、男はつらいよシリーズの根本的な欠陥というのは、コメディなのに山田洋次カントクにお笑いのセンスがない、ということに尽きるんじゃないでしょうか(あ~あ、言っちゃった)。[CS・衛星(邦画)] 5点(2019-08-04 18:16:38)《改行有》

394.  片腕マシンガール 「プラネット・テラー」は片足マシンガールだったけど、こちらは失った片腕にマシンガン取り付けて。 で、どうなるかといえば、マシンガンをチェーンソーに付け替えたら、アッという間に「キャプテンスーパーマーケット」に早変わり。 女子高生が制服のまま戦うカッコよさ、ってのは「キル・ビル」を思い出すけれど、栗山千明がふりまわしてた鉄球よりもさらに凶悪な武器を、本作では主人公ではなく敵役のヤクザの親分が振り回してます。これ、いわゆるアレですよ、「空とぶギロチン」です。 で、親分の奥さんは奥さんで、さらにさらに凶悪な殺人兵器・ドリルブラを披露してくれるのですが、見ててふと、「鉄男」のドリル〇〇〇を思い出してしまいました。 結局、本作には一番近いのは一体何なのか、ってことになりますが、ずいぶん昔、ワハハ本舗か何かのネタで「手首切って噴き出る血で水芸」ってのがありませんでしたっけか。そういうイメージです。まあ、噴き出ること噴き出ること。豪快に血をぶちまけてます。 ここまでくると、もはや「痛そう」ってのは、無いんですね。花火みたいなもんです。もちろん血が噴き出た本人は悲鳴を上げるけれど、花火には「音」も必要ですから。「音」があるから、花火は一層の迫力が出るんです。 という訳で、過去のいろんなモノをちょっとずつパクって、残酷描写で味付けしてみました、というような作品ではあるのですが、でも、決してそれだけにとどまらないのです。いちいちアクションがズバリとキマって、いちいち見得を切って、とにかく、カッコいい。異常なほどに、カッコいい。いや、異常なのは残酷描写の方ですが。でも、せっかくなら、眉をひそめずに映画を楽しむよりは、眉をひそめて楽しんだ方が、より楽しいでしょう、と。 いや、本当にそうだと思います。こんな映画でまさかと思うほど楽しんで、まさかと思うほど映画が短く感じらえ、まさかと思うほど、充実したのでした。やっぱり一番近いのは、昭和のダサカッコよさ、じゃないでしょうか、これは。[DVD(邦画)] 8点(2019-08-04 17:43:33)(良:1票) 《改行有》

395.  この世界の片隅に(2016) 最近も吉村昭の「戦艦武蔵」を読んでたら、この巨大戦艦を建造するという計画が極秘中の極秘なもんで、造船所の方を見てたというだけで一般人が片っ端から連行されてしまった、みたいな話が出てきて、巨大戦艦建造という一大プロジェクトの前には、個々の人間の運命なんて芥子粒みたいなものなんですけれども(そしてその膨大なエネルギーが注がれたプロジェクトの、果敢無い顛末)。 で、本作でもやっぱり、主人公がうっかり港の絵を描いてしまったばかりにどえらく叱られる場面がありますけれども、本作から受ける印象って、真逆なんですよね。戦時下だろうが何だろうが、あくまで市井の人々が中心にいて、その一人であるにすぎない主人公の姿が描かれる。その喜怒哀楽こそが、重大事件な訳で。戦時下には戦時下の暮らしがあって、「たくましく生きている」と単純には言えない、つらさ、恐ろしさとも向き合わなければいけないんだけど、やっぱり生きている以上は、生活していくしかない。そのとめどなく続いていく日常、ってのは、やっぱりこれは「たくましさ」なんだよなあ、と。 でも、かけがえのないものを失う悲しさ。物語の前半に登場する「指さし」の仕草が、印象的で。[DVD(邦画)] 9点(2019-08-01 22:00:28)《改行有》

396.  万引き家族 色んなものを安く売ってくれているスーパーマーケットというところが、私は大好きなもんで、万引きなんかされては困るんですけどね。しかもこんな子供に万引きさせるなんて、もう、ドン引きしてしまいます。←結局、コレが言いたかっただけなのか。 それはともかく、この家族。「店においてあるものはまだ誰のものでもないもの」「万引きも店がツブれない程度ならいいんじゃない」という、迷惑といえば実に迷惑なことを仰る訳ですが、とりあえずそういう考え方らしい。で、その考え方に立つとして、では、「まだ誰のモノでもない“幸せ”」が道に落ちていたなら、それは持って帰ってもよいのではないか。これはそんなオハナシですね。持って帰っちゃっても他の誰も困らない“幸せ”。それ自身が持って帰ってもらうことを望んでいるような“幸せ”。 だけど、よその子を黙って連れて帰っちゃあ、アウトな訳です。本作においても、万引きという明らかな犯罪行為からの流れで描かれていて、間違いなくアウトな訳です。だけど。 だけど一方では、「ささやかな“幸せ”」からの流れとしても、それが描かれている。テキトーで、ささやかで、でもかけがえがなくって、なのに果敢無くて。だから、切ないんですね。 カップ麺を食べる、というささやかな幸せ。でも映画とかでカップ麺を実に美味そうに食ってるシーンを見ると、羨ましさを通りすぎて、何だか腹が立ってくるのは、どうしたことか。まあ、自分も後で食べればいいだけの話なんですけれども。 まんぷく姐さんとリリー・フランキーが愛し合うシーンの、ささやかな幸せ。股間のおでん君が映らないように、気をつけましょう。って大きなお世話。[地上波(邦画)] 7点(2019-07-30 21:28:14)《改行有》

397.  座頭市あばれ凧 いつも誰かに命を狙われている座頭市、今回もいきなり銃撃を受けて負傷。それが縁となって、川渡しを仕切る親分のもとに居候することに。 坊主頭にズングリ姿の勝新が居候しているのを見てると、なんだかドラえもんみたいに見えてきちゃうんですけどね。 例によって例のごとく、ガツガツとモノを食らう座頭市の健啖ぶりが、圧巻です。白ご飯だろうと何だろうと、ドラ焼きのごとく食って食って食いまくる、このバイタリティ。 でまあ、居候生活が平穏に続く訳もなく、座頭市の前にはいつも事件が待ち受ける。縄張り争いの果てに、ついに血で血を洗う惨劇へとなだれ込むことになるのですが、恩人の復讐に立ち上がる座頭市、明るい場所でも充分強いのに、視界の効かない暗闇では、もはや鬼神のような強さ。あの「暗くなるまで待って」ってのはもしかして座頭市をヒントに作った舞台&映画なんですかね(多分違うと思う)。それはともかく、暗がりの中で、刃先に蝋燭の炎を載せた仕込み杖を振り回すと、それにともなって照明を切り替え、まさに光の乱舞ともいうべき殺陣を展開してみせてくれます・・・。 とは言え、このクライマックスを除くと、もうひとつ中身が薄い気もしなくもないんですけどね。 あの、急に川に入って、急に水に潜って、ユルユルと敵を切りまくる、水中殺陣のシーンだけは、何がしたかったのかよくわかりませぬ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-24 20:07:40)《改行有》

398.  緋牡丹博徒 鉄火場列伝 これまた、人物配置が実にお見事で、印象的な登場人物たちを巧みに絡み合わせて、そりゃもう面白くならない訳がない、というもの。 緋牡丹お竜を取り巻くは、カタギになって藍の小作人たちの権利を守る労働組合委員長(?)になった待田京介。少女を連れた渡世人・鶴田浩二。敵役もそれぞれにワルさの度合いが異なりそれぞれに魅力的だけど、何と言ってもアヤシイのが、ピストル片手に上から下まで真っ白のスーツ姿の丹波哲郎。もうちょっと足が長くてスマートだったらもっとサマになってたんですけどね。こういった個性的で魅力的な登場人物たちが惜しげもなく投入され、物語の中に的確にハメこまれて、これじゃもう、熊虎親分の出番は無いでしょ、と言いたくなるくらいなのですが、そうはいくかと熊虎親分もとってつけたような大活躍を見せてくれます。 ここまでくると、もし登場人物を誰かひとり削らないといけないとしたら、緋牡丹お竜を削るしかないんじゃないか、と。 いや、もちろん彼女にも見せ場は準備されていて、カタギの立場を貫こうとする待田京介との関係とか、賭場シーンで見得を切って見せるところとか、いろいろあるんですけどね。しかしクライマックスの立ち回りにおける彼女の活躍もやや抑え気味。祭りの終わった阿波の地から、静かに姿を消していく。そんな印象です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2019-07-23 20:41:02)《改行有》

399.  日本暗黒街 鶴田浩二演じる主人公、今ではカタギになってステーキハウスのオーナーやってるけれど、ある日、速水機関とやらのボス・藤田進に呼び出され、一回限りの約束で、下部組織の麻薬密輸のテコ入れを引き受けることになる。が事はそれだけで終わるわけもなく・・・。 ってオハナシですが、やっぱり鶴田浩二のド真面目顔はステーキハウスのオヤジにしか見えず、この顔で麻薬取引だの何だのと言われても、正直、違和感は拭えないんですけれども。ただ、まあ、金子信雄よりはスゴ腕のキレ者なんだろう、ってのは確かに、見れば充分伝わります。 こんな優秀な人材を組織が簡単に手放す訳もなく、一回限りの約束のはずが、深みにはまっていってしまう鶴田浩二。 内なる復讐心を胸に秘め、ついに鶴田浩二は組織の殲滅を図ることになるのが、お約束のクライマックス、なんですけれども、藤田組と金子組をタブらかして互いに戦わせよう、っていうズルさが、『用心棒』のミフネなら許せても、これが鶴田浩二だと「その顔で、なんて卑怯なんだ」と言いたくなってしまう。二枚目のツラいところ。 ズルくても何でも、その結果、クライマックスはしっかりと一大銃撃戦へと相成りますので、その辺りはご勘弁を。 という訳で、主役はもうちょっと二面性を感じさせる俳優さんの方が良かったのでは、という気もしますが(中国人役の安部徹はさらに似合わない気もしつつ)、一方で、西村晃は見事にハマリ役。主人公を慕いつつ、しかしついつい要らぬ事を仕出かしては主人公に迷惑をかけてしまう、まさに、疫病神そのもの(笑)。彼と主人公の何とも言えぬクサレ縁を目の当たりにすると、この映画の主役はやっぱり「面倒見良さげ顔」の鶴田浩二でよかったのかな、という気もしてきます。どっちやねん。[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-13 09:34:00)《改行有》

400.  ルパン三世(1978) 《ネタバレ》 カリオストロと並んでさんざんテレビ放送されてる映画版ですが、コチラの方がテレビ版の懐かしさに直結してる、ってのはあります。テレビ版パート2をベースにしながら、パート1のアダルトな感じもあって。ルパンのキャラがストレートに活きてるのは、間違いなくコチラでしょう。 今のアニメ映画と比べると、どうしてもアニメーションが荒い印象は拭えませんが、躍動感という点では決して負けてません。 地上で戦争に明け暮れる人類をよそに、宇宙に消えていくマモー。怪しさ満点のキャラクターですが、西村晃さんのセリフが「仮装ぱーてー」と聞こえてしまうのは気のせいですかね?? あと、銭形警部の名前って、銭形平次??[地上波(邦画)] 7点(2019-07-07 10:20:55)(良:1票) 《改行有》

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