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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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461.  かしこい狗は、吠えずに笑う 《ネタバレ》 これは凄い。スゴイです。一級品のミステリーです。先に投稿されているレビュワー様がおっしゃる通り、情報シャットアウトでご覧になる事をお勧めします。以下鑑賞済みの方のみ、お読みいただければ幸いです…。ややもすると、イズミの狂気が熊田に連鎖した、あるいは、イズミの人格が熊田に受け継がれたと解釈したくなる結末ですが、これは誤りと考えます。延々と観客が見せられていたのは、あくまで熊田の弁明(供述調書)。客観性を裏付けるものは何処にもありません。おそらく真相は、熊田がイズミの立場で、周りの人間をコントロールしていたのでしょう。熊田こそが事件の中心に居た張本人。マニキュアの色、生きていたインコ、ラストカットの席位置等の状況証拠に加え、鏡を割り『自分を守るための嘘、あなたの武器でしょ』とつぶやくシーンが決定打。こんな特殊なシチュエーションが偶然繰り返されるはずがありません。つまり、当初イズミの姿で再生された鏡割りは完全なフェイクと判断できます。さらに“あるミスリード”が、この仮説を強力に裏付けます。それはスーツ姿のふくよかな女性の正体について。体型と生理痛。たった2つの共通点だけで、観客はスーツの女=成人した熊田の姿と思い込まされました。しかもこのミスリード、本筋とは一切関係ないのです。本来必要のないミスリードを何故わざわざ仕組んだのか。其処に込められていたのは、監督からの“思い込み注意”のメッセージでありました。人は一度確定させた事実を覆したくないもの。何故なら自身の決断を否定するのは苦痛だからです。熊田=可哀相な被害者として一度認識してしまった以上、彼女が真犯人なんて不都合な真実、本当は認めたくないのです。ですから冒頭に示したような“イズミの狂気が熊田にも連鎖した”という、観客にとって都合の良い解釈が生まれてくるというワケ。何とまあ意地の悪い趣向でしょうか。全部まるっと熊田の創作話との解釈で問題ないと思いますが、そんな嘘の中にも幾つか“ほんとう”は隠されているはずで、それを想像すると…何とも味わい深い作品とも言えます。いやー、いい映画を観させていただきました。でも多分、監督はけっこう性格が悪いと思います。もちろんコレは褒め言葉ですが。[DVD(邦画)] 9点(2015-06-02 01:16:31)(良:3票)

462.  青春☆金属バット 《ネタバレ》 脚本は洗練されているとは言い難く、どのキャラクターも褒められません。主人公は金属バットを振り回して強盗を働き、アル中女の傍若無人ぶりは酷いものです。そんな2人が海まで行って、花火をやって楽しかった?「なんじゃそりゃ」な内容です。でも描かれている心の動きには、リアリティがありました。行動は支持できなくても、感じるものがありました。「青春」という言葉を辞書で引くと、「夢や希望に満ち活力に溢れる若い時代を人生の春にたとえたもの」とあります。若さはエネルギー。夢に対してムキになれます。それは直進する力。イメージ的には将棋の香車でしょうか。上手く機能したときの威力は絶大です。壁をぶち破る力を秘めています。でも頭に歩を打たれただけで、身動きが取れなくなることもあります。主人公も警官もアル中女もこの状態と言えましょう。金縛り。もちろん誰もこのままでいいなんて思っていません。でもどうにもなりません。否応もなしに、過ぎてゆく貴重な時間。だから焦るのです。警官は「どうだっていいよ」と自分を誤魔化し、男は闇雲にバットを振り続け、女は酒に逃げるという構図。行為の違いこそあれ皆同じです。不器用なんだと思います。そして根が真面目だから、こうなってしまうのだとも思います。迷惑な奴らだとは思いつつも憎めないのはこのため。3人の出会いと再会は、視点を変える良いチャンスでした。滅茶苦茶だけど、とりあえず動き出しました。動けば視界が開けてくるはずです。次の一手を思いつくのは、そんなに先のことじゃない気がしました。だって、彼らの青春はまだ終わっていないのですもの。それにしても、坂井真紀のダメ女ぶりは素晴らしかったです。マイナーな声がたまりません。巨乳ならぬ虚乳に、女優魂をみました。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-30 12:46:52)

463.  バイロケーション 《ネタバレ》 (ネタバレ厳禁映画につき、鑑賞後にお読みいただければ幸いです)劇場ポスターのメインコピーは『バイロケはもう一人の自分。必ず本人を殺す』。これは秀逸です。観終えて改めて、その味わいの深さに唸りました。サブコピーは『○○を超える、衝撃的な結末』。よく耳にするフレーズですが、こちらは酷いネタバレです。私のような盆暗はナチュラルにスルー出来ましたが、ミステリー好きならこのヒントで真相に気付けてしまうでしょう。上質なミステリーですので、興味のある方は情報をシャットアウトしてご覧になる事をお勧めします……。W○W○Wさんで『表』と『裏』バージョンを続けて放送という英断のおかげで改めて鑑賞し、その設定の秀逸さ、脚本の巧みさを再確認しました。やはりポイントは“バイロケが自分自身をバイロケと認識できない”という部分にあります。つまり、バイロケは自身をオリジナルと信じ、バイロケ被害者であると疑わないのです。加害者と被害者という関係ではなく、共に被害者が正しい認識。でも相反する生き方を選択した者同志、共存は叶わないのが道理です。本当に切ないお話でした。さて、今回『裏』を初めて拝見しましたが、単にアナザーエンディングという位置付で少々ガッカリしました。加賀美の忍への問いかけ「それであんたの結末が変わる」、あるいは高村から桐村への逆提案。後半に重大な岐路が2か所も用意されていたにも関わらず、どちらも完全無視で『表』と同じ道程を辿ります。いくら“裏切り”がミステリーの醍醐味とはいえ、これはいただけません。何をもってハッピーエンドと捉えるかは難しいところですが(其処が本作の素晴らしいところ。裏も決してハッピーエンドではありません!)、偶発的な要因に起因せず、主人公の能動的な選択で別の未来を手に入れる結末も観てみたいと思いました。それでこそ「私のことは、私にしかわからない」という鍵となる言葉が活きると思うのですが。監督の画づくりには少々趣味に合わない部分(例えば加納が忍を殴打するシーンの凡庸さ)もありますが、これだけ手の込んだミステリーを頂戴出来れば十分満足です。同じモチーフを有する黒沢清監督の『ドッペルゲンガー』(こちらも傑作!)と見比べてみるのも一興かと。[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-05-30 12:06:05)

464.  バックダンサーズ! 《ネタバレ》 サクセスストーリーでありながら、障害を乗り越えていく感覚に乏しいのがツライです。苦悩は見えても、努力が描かれていません。解散したバックダンサーズが再び集う場面。彼女たちは「悔しい」と涙を流します。その想いは確かに伝わってきます。とくにサエコのブサイクな泣き顔が素晴らしいです。(基本的にカワイイから許される顔。彼女に比べると他の娘たちの泣き顔はまだ甘いかな。)彼女らが選択したのは、オーディションを兼ねたダンスコンテストに出場すること。イチからやればいい。ただ踊りたい。そう決断したのだと思いました。ただ、ここからの展開がいただけません。ステージ終了後、主人公は元マネージャーに訴えかけます。「私たちをなんとかして」と。彼女たちに他意は無いのでしょう。でもそれならば「私たちは踊りたい」が相応しいのでは。「なんとかして」という言葉からは、タレント意識が垣間見えてしまいます。落ちるところまで落ちていないから、這い上がる爽快感が薄いのです。最後のステージに向けて、サポート側の苦労はきちんと描かれています。でもその一方、彼女たちはほったらかし。レッスンに汗を流す姿をきちんと描くこと。丹念な描写の積み重ねが、最後の感動に繋がると考えます。正直、物足りません。でもキライってわけじゃありません。まあまあ好き。いや、はっきりと言いましょう。気に入りました!だって4人ともカワイイのですもの。平山は普通に可愛いし、サエコはギャル可愛いです。ソニンはマッチョ可愛いし、hiroはスピード可愛い。演技はイマイチでも許せてしまいます。主題歌の『いつか2人で』が何気にいいじゃないですか。劇中でバックダンサーズと陣内のバンドがセッションするシーンが、クライマックス以上にステキだったりします。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-25 23:55:05)(笑:1票)

465.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 新しい環境で、初めての仕事を、人間関係ゼロの状態から、身に付ける。勇気は新社会人ですから当然の事とはいえ、本当にキツイ作業です。実は私もこの4月に異動となり、彼とほぼ同じ状況と言えます。ですからその気持ちは痛いほど分かるつもり。私の場合、新人ではないので仕事の質に対する要求は彼よりも厳しいでしょうが、その分職場の人間関係ではアドバンテージがあります。やはり人との繋がりは、最も重要な要素。そう、どんなに大変な仕事でも、人間関係さえ良好ならば乗り切れるのです。乗り切れるはず。乗り切れるといいな、ですかね。正確には。主人公には、強烈な先輩が居たワケですが、きちんと信頼関係を築けた事が厳しい研修を遣り遂げられた最大の要因でしょう。ストレスを受け流す技術と、対人スキルの高さは、間違いなく彼の長所。私には不足している能力なので、見習いたいものです。仕事の厳しさ、苦しさを知り、その一方で喜び、誇りを知り、そして居場所が出来たのならば、それに勝る幸福はありません。駅で与喜と抱き合う勇気を見て泣きました。私も勇気のように、職業人としても、人間としても、成長したいと思います。おちゃらけ要素は不快ではなく、林業に対する理解とリスペクトもしっかりと感じられる点は好感度高し(伊藤のチェーンソーの扱いには感心しました。手元に集中するのではなく、周りに気を配るのですね)。私の、今現在の個人的な境遇もあるでしょうが、実に沁みる映画でありました。ただ、一点注文を付けるとすれば、勇気と直紀の別れの場面。「さようなら」と「さようなら」の往復は清々しいですが、少々味気ないです。『愛羅武勇』タオルでの“告白”の破壊力は抜群なので、直紀には「さようなら」の中に混ぜて一言「ばかやろう」くらい言わせても、ラブストーリー的にはアリだった気がします。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-05-15 00:59:14)(良:1票)

466.  薔薇色のブー子 《ネタバレ》 主人公の行く手を遮るクロネコ・カラスの大群、そして流血を連想させる赤ワインは、最悪の暗示。渋川剛気先生以来、史上2人目の護身完成といったところでしょうか。にも関わらずブー子は進むことを止めませんでした。その結果彼女を待っていたのは、落とし穴、バスジャック、水難、自動車事故、暴力団の抗争。アンラッキーの役満状態。とてもデパートの来客記念程度の幸運で補えるものではありません。まあ、今まで避けてきた困難が一挙に押し寄せたのですから、こんなものでしょう。文字通り、死ぬほど酷い目にあったと。勿論、本当に死んだら困りますが、死なない程度の修羅場は潜り抜けないと成長もありません。安住のマイホームから一歩踏み出した彼女の決断は正しかったと思います。ただ、忘れてならないのは、彼女には助けてくれる人が傍にいたということ。何時でも、何処でも。それが親の愛です。自分ひとりの力で幸せを手に入れられるなんて、ゆめゆめ勘違いすることなかれ。父親に感謝できたとき、彼女は本当に生まれ変れたのだと思います。それは不満とは逆ベクトルの心。幸せになるためのヒントは、きっと誰の手の中にもあります。福田監督の笑いは、一見してシュールながらも土台は驚くほど典型的な王道コメディ。この古典様式に、指原がベストマッチしているのが驚きでした。流石日本酒のCMが出来る日本唯一のアイドルです。この才能は、素直に凄いと思いました。指原莉乃、見直しました。(ももクロファンを公言している身で、他所様のアイドルグループの大看板の主演映画にモノ申す事に若干の躊躇いはあったものの、あくまで一映画ファンとして率直な感想を述べさせて頂きました。)福田監督の映画が好きな人ならば、問題なく楽しめると思います。[DVD(邦画)] 7点(2015-05-05 20:22:06)(良:1票)

467.  女子ーズ 《ネタバレ》 ノリノリでアドリブ(?)をかます佐藤二朗の怪演を頂戴出来るだけで、個人的には十二分に満足なのですが、それに負けない若手女優の熱演にも心打たれました。5人とも持ち味を如何なく発揮し、輝いていたと思います。中でも目を惹いたのは桐谷と高畑。桐谷の「うえっ」顔の口のかたちはまさに絶品。クロエ・グレース・モレッツはたらこ唇で世界を魅了しましたが、桐谷は“歪んだお口”で世界を獲れると思います。割とマジで。あと『チャン・グンソクに似ている時点でイケメンじゃない!』は近年邦画史に残る名台詞であると断言します。高畑のコメディエンヌとしての才能は本物。ボケもツッコミも両方イケる万能タイプです。スゴイと思いました。『数えを笑う者は数えに泣きますよ』をあの空気感で言える女優さんは、そうはいないはずです。シュールとベタミックスの福田雄一監督の流儀は好き・嫌いが分かれそうですが、私はドハマリしました。なんと『HK/変態仮面』の監督さんでしたか。どおりで手が合うワケです(笑)。これから大物女優に成長していくであろうキャストの皆さんがオファーを受けてくれるうちに、是非是非、続編をお願いします。[DVD(邦画)] 9点(2015-03-29 18:27:15)(良:3票)

468.  悪夢ちゃん The 夢ovie 《ネタバレ》 ももクロの主題歌『さらば愛しき悲しみたちよ』が縁で鑑賞したTVシリーズでしたが、思いの外面白くてビックリしたものです。そしてこの劇場版『悪夢ちゃん』も予想を裏切るお話でした。深刻過ぎてビックリ。小学低学年にはシリアス過ぎますし、メインの客層は小学高学年~中学生くらい(とその親御さん)でしょうか?う~ん、狭いです。でも子供たちの成長が真面目に描かれていて好感が持てましたし、少年夢王子が犯した罪もきちんと処理されていて良かったと思います。勝手に家を抜け出したクラスメイトたちには大目玉が必要でしたけど。この映画切欠でスペシャルドラマが製作され、北川景子+ももクロ=きもクロという奇跡のユニットを生んだという意味でも評価いたします。[DVD(邦画)] 6点(2015-03-29 18:24:16)

469.  謝罪の王様 《ネタバレ》 『土下座の向こう側』や『土下座を超える究極の謝罪』なるモノに結構興味があったのですが、まさか『わき毛ボーボー自由の女神』とは。これ、文化風習が異なるワケですから土下座と同じ尺度で比較するのは論点のすり替えですよね(真面目か自分)。もっとも、リアルに土下座以上の謝罪方法となると、『カイジ』でお馴染み“焼き土下座”か、シリアスに“切腹”となってしまうのでしょうし、最早コメディでは無理なのでしょう。それにしても『わき毛ボーボー』の娘さんの可愛いこと。子役の破壊力恐るべしです。エピソードの中では、高橋・松雪夫妻のお話が一番好きでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-03-21 00:42:30)

470.  映画 はなかっぱ 花さけ!パッカ~ん♪蝶の国の大冒険 《ネタバレ》 江角マキコ女王様は、手下を使ってやまびこ村の村民に大変酷い行いをしました。その後何やかんやあって江角は反省。村民に謝罪しますが、『私も母親よ。あなたの気持ちは分かるわ(byはなかっぱのお母さん)』と快く許してもらえたのでした。まるで冗談みたいな脚本ですが、マジなんです。何かのプロパガンダかもしれません。[地上波(邦画)] 6点(2015-03-18 18:15:58)

471.  地球防衛未亡人 河崎実印の“悪ふざけ風刺チープコメディ”。これで分かる人には分かる映画。河崎監督のオリジナルジャンルなので、一般評価対象外です。お好きな方(物好きな方)のみどうぞ。あと壇蜜って本当に真面目なヒトなんだなあって思いました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-03-15 21:27:42)

472.  ジャッジ! 《ネタバレ》 序盤に提示された“無意味・無価値なアイテム”の数々が、まるで昔話『三枚のお札』の如く主人公を助ける“武器”に変わる様は爽快の一言。しかも、最も強力な武器となったのが彼の馬鹿正直な性格というのがまた良いじゃないですか。“正直者が馬鹿をみる”のが世の常。そんな既成概念の反転には大きな感動がありました。主人公は己が信じる“正しい判断”で輝ける未来を手繰り寄せたのです。ただし、今後の成功が約束されているワケではありません。彼のクリエイターとしての技量は未知数。というより、皆の評価は“仕事が出来ないダメ男”で確定済みです。さて、真相は如何に。周りが彼の持ち味を活かせていなかったのか、はたまた本当に無能なのか。主人公の行く末を占う意味で、注目すべきは太田ひかりの存在でしょう。根っからのギャンブラー気質の彼女が打った大博打(つまり竜也より太田を選んだ)の勝算は?太田は、尊敬する審査委員長(ジャック)のようになれるのでしょうか、あるいは第2の鏡さん、それともプチ大滝一郎になってしまうのでしょうか。続編を観たいような、観たくないような。不思議な感覚です。[地上波(邦画)] 8点(2015-03-09 21:22:50)

473.  小さいおうち 《ネタバレ》 いやー参りました。あやうく健史の三文芝居に、いやタキ婆さんと健史の絆の深さを見誤るところでした。健史は空気の読めない馬鹿者ではなかったのですね(以下妄想を含めた個人的解釈です。未見の方はご注意願います……)タキは何故奥様の手紙を板倉に届けなかったのでしょう?2人の不貞が明るみになり、家族が壊れてしまう事を恐れたからでしょうか?いいえ、違います。もし彼女がそう考えたのなら、手紙など始末してしまえばいいのです。送り主(奥様)も充て主(板倉)も死んでなお、誰も幸せにならない不貞の証拠など大事に取っておく必要はありません。にもかかわらず、タキは死後“不幸の手紙”を健史に託しました。その意図は何だったのでしょう。私はこう考えます。“この手紙を坊ちゃんに届けておくれ”。どうしてそんな惨い事を望んだのでしょうか。それは奥様に対する憎悪。夫がありながら愛しい人に手を出した性悪女。数十年の時を超えた奥様に対する復讐。それがタキの隠された本心であったと推測します。しかし自叙伝からは、そんな気持ちなど微塵も伝わってきません。それもそのはず。タキは本心を必死に隠し、自分に嘘をついて、生きて来たからです。(そんなタキの心を見抜いたからこそ、健史は彼女に自叙伝を書く事を勧めたのでしょう。そして「過去を美化するな」「事実をありのままに書け」と。タキの心を救うため)たった一通の手紙に、一人の女性の人生が縛られました。なんと哀れな事でしょう。ですから、健史はタキの真意を汲み取ったうえで、奥様への恨みを晴らす事に一役買ったものと考えます。しかし、ここで驚くべき事が起きました。坊ちゃんはタキを許したのです。「苦しまなくていいよ。小さな罪はとっくに許されているよ」と。母親を憎め、そして私(タキ)を恨め。そんな気持ちで持ち続けた不幸の手紙だったはずなのに、大きな心で許されるとは。憎しみを超えるのは、愛。慈しむ心。タキが坊ちゃんに注いだ愛情がこんな形で返ってくるとは。タキの魂はきっと救われたに違いありません。以上、私なりの解釈でした。もちろん、タキはもっと高潔な女性だったかもしれませんし、2人の仲を裂いた自戒の念ゆえ手紙を持ち続けたと考える方が自然かも。しかし、タキは泥臭く生々しい感情を内に秘めた“普通の女”であったと考える方が、このお話は沁みると思うのです。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-02-24 22:12:52)

474.  ヌイグルマーZ まさに“サブカル中二病的大槻ケンヂの世界観+井口昇監督のエログロナンセンス”炸裂な一作。要するに“どうかしている”映画なのですが、大槻ケンヂ率いる『特撮』×中川翔子の主題歌挿入歌がとても良くて(元々『筋肉少女帯』は好きなのですが、最近はももクロの楽曲でNARASAKIさんにお世話になってます)最後まで楽しめました。ただ、最近ゾンビ映画ってちょっと多過ぎないですかね。素材としてお手軽なんでしょうか。少々食傷ぎみです。[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-07 08:55:58)

475.  闇金ウシジマくん Part2 《ネタバレ》 ヤンキー愛沢に起因したトラブルと、ホストに貢いだ女の転落劇。原作未読(御免なさい立ち読みくらい)のため詳細は承知しませんが、単独では映画用エピソードとしては弱いので2つ纏めてボリュームを持たせた印象です。実は双方のお話は繋がっていました的な“上手い”仕掛けは無いものの、同時進行する性質の異なる2つのエピソードをバランス良く配した巧みな脚本術と感じました。今回、お見事だったのはメインゲストのキャラクター造形。門脇麦は純粋無垢で孤独な少女を好演しましたが、秀逸だったのは中尾明慶でしょう。馬鹿なオマケに極悪非道のクズ人間・愛沢は、本来嫌悪の対象でしかありません。彼がどんなに悲惨な目に会おうと知ったこっちゃないのです。ところが中尾演じる愛沢には、不思議な愛嬌がありました。中尾明慶個人が有する善人オーラとでも申しましょうか、これが極悪クズ設定のキャラと化学反応を起こしました。愛沢ならぬ“哀”沢とでも呼びたいようなトホホ感。彼のオトシマエに対して、多少なりとも同情を誘えた事で悲惨な結末に人情の味わいが加味されたと考えます。困窮者の弱みに付け込み法外な金利を貪る闇金と、違法と知りながら闇金を利用し堂々と「被害者」を名乗る債務者は、いわば持ちつ持たれつの共犯関係。貸す方が悪いのか借りる方が悪いのかって話です。双方とも犯罪者で間違いありませんが、社会のルールを破るのなら、その恩恵も放棄して欲しいとは思います。義務は果たさないのに、いざとなれば公権力やセーフティネットを頼る気満々の“善良な市民”ってのが、一番タチが悪い気がしますが。さて、闇金を利用するつもりが無い大多数の観客にとって『ウシジマくん』は、未知なるアナザーワールド。『スタートレック』感覚で、日常の隣にあるエグい世界を疑似体験してみるのも一興かと。悪趣味ですが、原作に比べれば相当にマイルドな劇場版第2作目でした。[ブルーレイ(邦画)] 7点(2015-02-03 20:57:58)(良:2票)

476.  ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜<TVM> 《ネタバレ》 『カリオストロの城』だけでなく『ラピュタ』や『未来少年コナン』からの引用も確認できる、パロディジャンルの映画。これを“原点回帰”と呼ぶのは、ルパン3世ブランドに対する冒涜に他ならないと考えます。素人の自主製作でしたら評価もしますが、そうでないのなら“志が低い”と感じてしまいます。「あたしの足にキスをしなさい」からウィンクの流れには、鳥肌が立ちました。[地上波(邦画)] 1点(2015-01-30 19:58:02)

477.  人狼ゲーム 《ネタバレ》 数多存在するB級(以下の)邦画シチュエーションスリラーと寸分違わぬパッケージ。正直全く期待していませんでした。ところがどうでしょう。これが見応え十分の力作だったのです。徹底的にBGMを排し、お化け屋敷的ドッキリに頼らぬ真摯なサスペンス演出。若手俳優のリアリティを担保した熱演。元ゲームの醍醐味をスポイルせず単純化し、敷居を低くしたルール設定。そして何より物語で魅せてくれました。主人公は“平和ボケの日本人”を体現する女子高生。観客もまた唯一カード(村人)が明かされた彼女の立場で、ゲームに強制参加させられる仕組みです。彼女の精神的な成長を主軸に置いた事で、キワモノホラーの中でドラマ性が際立ちました(彼女に多少イライラするくらいが、また丁度良い匙加減です)。また“実は主人公が人狼でした”なんてありきたりな、でも手軽に衝撃を与えられる結末をハナから放棄したことも評価します。ストーリーで勝負する決意の証ですから。プレイヤーの中に血縁者を配した仕掛けが値千金と考えます。家族愛が単なる“殺し合い”を超えた“騙しあい”に繋がりました。もしあなたが“人狼A”の立場なら、どのように葛藤し、どう行動するか、是非自分自身に置き換えてみてください。決着のつけ方にも美しさを感じます。“人狼B”の選択、いや生き様に胸を打たれました。最後の村人殺害に武器を使わなかったこと、そして決死の全力疾走。尊厳と覚悟の輝きが其処にはありました。これは掘り出し物。個人的には『口裂け女2』以来の衝撃です。まさに“人間の皮を被った狼”ならぬ“駄作の皮を被った佳作”であったと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-01-24 21:29:39)(良:1票)

478.  ゲームセンターCX THE MOVIE 1986 マイティボンジャック 《ネタバレ》 BSなら『吉○類の酒場放浪記』が、CSなら『ゲームセンターCX』が、私の中で“やっているとつい観てしまう番組”の代表格となります。ほぼ下戸で、最後にやったTVゲームが初代『モンスターハンター』な私ですが、どちらも不思議と好きなんですよね。出演者が基本オッサン一人なのに成立している不思議な番組。これをこのまま映画化出来れば、それこそ奇跡だったのでしょうが、そうも行かなかった模様(そりゃそうだ)。で、『ゲームセンターCX』映画版ではいつもの有野の挑戦(ゲーム攻略)と並行して、挑戦ゲーム発売当時(つまり昭和の)とある少年の日常が描かれます。ファミコンカセット『マイティボンジャク』の貸し借りに端を発した少年の“一大事”は、何故か時空を超えて有野の挑戦とリンクしたりします。柔道なら“技あり”とまでは行かなくとも“有効”くらいは貰えそうな『世にも奇妙な物語』チックな脚本でした。郷愁にふけりなさい、さあ泣くがいい、みたいなノスタルジーの押し付けではなく、かつての子供=今の親父世代が当時をほんのり懐かしむのに丁度良いお話でした。映画としての評価は難しいですが、番組ファンなら十分楽しめると思います。[CS・衛星(邦画)] 6点(2015-01-21 18:26:30)

479.  呪怨 -終わりの始まり- 《ネタバレ》 『呪怨』正当の系譜を継ぐ一作。タイトルからして“ビギニング”や“エピソードゼロ”に該当するのでしょうが、前にも同じような内容を観た気がするのは、『呪怨』シリーズが完全な様式重視作品である証と考えます。ストーリーは在って無いようなもの。呪われた家に関わった者は漏れなく死ぬ。白塗りの少年がちょこちょこ出てくれば、それで『呪怨』は成立します。この様式美が好きな人は問題なく楽しめるでしょうし、興味の無い方は観る必要が無い映画という認識で間違いないかと。最後に女優さんについて一言。佐々木希が予想外に良くてビックリしました。特にラストシーン。悲鳴を上げるでもなく、号泣するでもない“絶望”の表情が絶品でした。このワンシーンだけで本作の存在価値を認めたくなります。もう一人の看板女優トリンドルさんについては、全くもってロバでした。もちろん可愛いロバですよ。でもロバに見えて仕方ありませんでした。映し方の問題でしょうか。本作出演で、彼女に得は無かった気がします。[DVD(邦画)] 6点(2015-01-19 18:55:02)

480.  映画 妖怪人間ベム オリジナルアニメ(昭和43年放映)はもとより、実写ドラマ版も未見ですが、設定といい、キャラクターのビジュアルといい、物悲しいストーリーといい、今の時代むしろハイセンスな印象を受けます。実写化が成功しているかどうかは別にしても、埋もれていた秀作にスポットが当たるのは喜ばしい事だと思いました。闇夜に3人が飛び上がるシルエットは実に美しかったです。個人的な好みを言わせていただければ、ベムは新井浩文にお願いしたいです。[地上波(邦画)] 5点(2015-01-15 21:20:45)

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