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性別 男性
年齢 53歳

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521.  トラック野郎 一番星北へ帰る 新沼謙治はいい人オーラ出しまくってるし、黒沢年雄はキャラ立ちまくってるし(その英語交じりのセリフ、あんた地獄組のボスか?)、田中邦衛に至っては『コンボイ』のボーグナインの生霊が乗り移ってます。という、素晴らしき登場人物たちが脇を固めつつ、何かと事件が起こり、事件が起こればまたそこに、地域ならではのさまざまな風物が織り込まれる。そのテンポのよさ。 そんでもって、メインとなるのは、桃さんと、ある母子との交流。桃さんがいかにも朴訥としていて、それがかえって泣かせるではないですか。失恋した桃さんが最後に挑む大仕事、彼の表情たるや、桃さんここで死んじゃう気なんじゃないかと。まさかね。でもいつになくカーチェイスも激しいような。 というわけで、珠玉の一本です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2016-04-13 22:36:39)《改行有》

522.  女番長ブルース 牝蜂の逆襲 アテネ団なる不良少女のグループのリーダー・レイコが主人公。このアテネ団にはアテネ憲法なる鉄の掟があって、要するに、男って何さ!ってな感じなんですけれども、一方でレイコは、ホクシン会なる不良グループのリーダー・次郎と、いささか微妙な男女関係にあるんですな。さらにこのホクシン会の上部には、アキモト組という暴力団がある。またさらに、アテネ団にいらぬチョッカイをかけてきた単車軍団の連中も絡んできて。その四者の関係に、さらにアテネ軍団の内部のリーダー争いを発端としたキャットファイトがあったり、アキモト組に帰ってきた天地茂アニキのエピソードがあったり(天地茂の眉間のシワがスゴイ)、もう、内容はかなりグチャグチャですね。 ただでも錯綜した内容なのに、スキさえあれば、物語に関係あったり無かったりりするエロシーンがヤミクモに挿入される(エッチしながらのバイクレース、もうワケがわかりません)。だからますますグチャグチャなんですが。 なのに、最後まで観たら、エピソードが互いにちゃんと連関を持ってて、見事にまとまっていってます。グチャグチャはグチャグチャなんですけどね。でも何だかまとまってる。まさに魔法のような。 結局、エロと暴力とバカバカしさで彩られた、「みなさんが観たいものを羅列してみました」という作品なんですが、それでも物語は(やや込み入り過ぎているほど)構成の妙を見せている。しかもラストには(とってつけたように)虚無感を伴った余韻をも残すのだから、オソロシイ。 ただ、強い女性を描くと見せかけて、実は女性の弱さを描いているところがあるのは、いささか男性目線の作品と言えるのかも知れませんが。[DVD(邦画)] 7点(2016-04-06 21:21:19)《改行有》

523.  風立ちぬ(2013) 《ネタバレ》 これは、宮崎駿監督がニュー・シネマ・パラダイス(特に完全版の方)を作ったらこうなっちゃうよ、という作品でしょうかね。 向うが映画への愛なら、こちらは空への憧れ、いや、空を飛ぶ飛行機の「美しさ」への憧れ。それも、この作品の主人公たる二郎さん、トト君よりもかなりタチが悪い。トト君の場合、ベースとして幼少期以来の映画への愛があったとしても、そこにアルフレードさんとの交流があり、少女エレナとの恋愛がある。だけどこの二郎さん、基本的に飛行機のことしか頭にない。それでも女性には優しかったりして、それも別に打算がある訳じゃなく本当に優しくって、それでもやっぱり飛行機のことばかり考えている、こういうヒトが一番、罪作り。 終盤で、病の奥さんが最後に布団をかけてくれたことにも気づいていない。この場面で、奥さんが寝顔から眼鏡をはずすのが印象的でした。そういや作品自体も、子供時代の二郎さんが眠って夢を見ている場面から始まったんでしたっけ。このヒト、何かとよく寝てる。そして飛行機の夢ばかり見てる。 何よりこの二郎さん、最後にはすべてを失いながら、まるで後悔も反省もしている気配がない。ニュー・シネマ・パラダイスより、はるかにはるかに重症です。 これが宮崎駿というヒトの一面なんだろうなあ、と。ホントに怖いヒト、その怖さが、他人を感動させる。 という自覚症状に向き合い、それを描ききった、総決算のような作品、なんですかね、これは。[DVD(邦画)] 9点(2016-04-04 19:13:59)(良:1票) 《改行有》

524.  宇宙戦艦ヤマト 中盤の端折り方には、それはもうヒドイものがあるのですが(ほとんどクイズですよこれは。「さてこのシーンはTV版のどの回から引用したものでしょう」)、はたまた、イスカンダルでの場面で森雪の腕に突然包帯が巻かれている理由については、TV版で確認していただくしかないのですが。という訳で、多くをTVからの再編集で(かなり無理やり)再構成した作品ですが、それでもやっぱり、面白い、そしてスバラシイ。 まずは何といっても、立体を意識した、手の込んだアニメーションの描写。映画として十分に楽しめ、と同時に、元はTV向けとしてこれだけのものを作ってたんだなあ、ということにも改めて驚かされます(TV版は、子どもの頃、再放送で何度も観ましたが、それでも今なお新鮮)。 また、冥王星における反射衛星砲の猛攻など、中盤がギタギタに端折られてますが、その分、七色星団の死闘や、ガミラスでの決戦が、たーっぷりと描かれています。軍人顔というよりはスポコン顔のドメル将軍、その彼が仕組んだ恐るべき作戦を、ヤマトはいかにして切り抜けるか。そしてまた、冷徹極まりないドメルがいてこそ、その対照としてデスラーの狂気が浮き彫りになり、ガミラスにおけるデスラーとの戦いが、より恐ろしく、より盛り上がろうというもの(実際、ウチの子供たちと本作を初めて観たとき、当時幼稚園だった娘は、このクライマックスに興奮し過ぎて、波動砲の発射とともにワ~ッと大声で叫んだものです)。 ついでに言うと、今、私が好んでクラシック音楽を聴いているのも、原点はもしかしたらヤマトの音楽にあったのかも知れませぬ。主題歌のメロディが、場面場面に合わせ様々に変容して奏でられる、その面白さは、多くのクラシック音楽に共通したものなのだから。[DVD(邦画)] 8点(2016-02-03 22:52:03)(良:1票) 《改行有》

525.  刑事物語 くろしおの詩 恒例行事のように「引退」を繰り返す大仁田厚が、記念すべき「第一回引退?」した頃の出演作。わずかながらセリフもあり、アルゼンチンバックブリーカー(っぽい技)を披露するのが貴重ですね(そもそもサンダーファイヤーパワーボムとDDT以外の技を見られるのが今となっては貴重?)。 それを除くと(ってまあ、それだってどうでもいいんですけどね)、かなーり内容の薄い作品になってしまいました。ひょんなことから、とある女性と知り合い、彼女をサポートすることになる片山刑事、というのはよくある話ですが(笑)、さらには犯人護送の際の失敗(というほどの失敗でもなかろうに)から理不尽にも刑事職をクビになってしまい、事もあろうにやくざ屋さんの仲間に否応なく入れられてしまうという、踏んだり蹴ったりの展開。いやホントよくある話(笑)。しかし、今回のヒロインと片山の関係も十分描かれず表面的だし(「どうして自分にこんな優しくしてくれるのか」という片山への問い、映画としては愚問中の愚問でしょう)、心ならずもやくざ屋さんになってしまう展開もストレート過ぎて、苦悩なり、その逆に可笑しみなり、もうちょっと膨らませられないものかと。ついでに言うと、赤ちゃんが生まれる前からいそいそと粉ミルクを買うのはいいけど、でも「明治ステップ」はまだ買うの早いでしょう(←それはどうでもいいってか)。全体的にエピソードの盛り込みが足りず、十分練られていない印象の一方で、“友情出演”で登場するあの人この人を見ていると、「なんかそういうのでゴマかしてませんか」と。 片山が去るラストも特に盛り上げる要素もないまま、武田鉄矢が竜馬像に語り掛けるだけの自己満足。いやでも、自己満足に正直に向き合うこと、それ自体は、あながち悪いコトではないのでしょう。[CS・衛星(邦画)] 5点(2016-01-24 09:22:14)《改行有》

526.  彼岸花 「心理描写に優れた映画」ってやつだったらきっと、主人公のオヤジは娘の結婚に表向き反対しつつも、ああでもないこうでもない、どうしよう、と苦悩の表情を、映画を観る我々の前にこれでもかと見せつけるんでしょうけれども、この映画はそうじゃない。佐分利信は映画の冒頭で堂々と、恋愛結婚はスバラシイ、と述べてみせ、その直後には堂々と娘の恋愛結婚に反対して見せる。頑固で理不尽であればあるほど、面白い。そんで、彼の娘を含めた3人の若い女性が入れ代わり立ち代わりチクチクやって、彼の妻も控えめながらチクチクやって、トドメを刺すように中村伸郎がすました顔でチクリとやる。ホントは佐分利信の内面を、各登場人物が代弁しているのかも知れないけれど、それを一人の男がウジウジ悩む姿ではなく、軽妙な人物関係に投影して描いて見せる。これぞコメディ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2016-01-21 22:38:19)

527.  黒い十人の女 《ネタバレ》 「好きな男性のタイプは、優しい人!」とか女性が言ってたとしても、別に、例えばお年寄りに席を譲るような男性が好きなわけじゃなくって、「この私に対して」優しい人、という意味なんでしょう。 さてこの映画。「名うてのプレイボーイに弄ばれた女たちが、一致協力して男に復讐するオハナシ」という体裁ながら、なかなかそうスムーズに事が運ばないところがミソ。復讐されるべき男ってのは、なるべく卑怯で狡猾で、できればマッチョな方が、復讐され甲斐もあろうかというもの、それが本作では船越英二なもんで、どうにも頼りない。この自分が殺されなきゃならないほど悪いことをしたか、と本人が思うのもごもっとも、こんな敵役には向かないフニャフニャ男を殺すオハナシなんて、まさにオハナシになりません。という訳で、事態は迷走を始めて。迷走すればするだけ、映画が「女優の演技合戦」みたいになっちゃうのが、チト重くもあるんですが。 何にせよ、現実では、殺されるなんていうのは悲劇中の悲劇、だけど映画なら、殺されて映えるキャラってのもある訳で、結局、「殺される価値のない男」は殺されることもなく葬られてしまう。 この「誰のためにもなってない」感って、何なんでしょうね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-01-07 22:52:18)《改行有》

528.  刑事物語 《ネタバレ》 シリーズ第1作、ハンガーヌンチャク誕生秘話(という程でもないけど)が描かれてます。そう、この武器はたまたま敵の商売道具としてそこにあったもの。これがもし、敵の商売がほかのもの、例えば・・・すみません、面白いコト何も思いつきませんでした。 それはともかく、ユーモアあり、アクションあり、涙ありの、娯楽作品、にしては少々モッチャリしたところもありますが。それでもこの作品、物事の「微妙な境界」という事に関しては、よく押さえています。例えば、“個室付き特殊浴場”を取り上げることで、性的な要素を描いておりますけれども、不幸にも風俗産業に身売りされ不本意に働かされているヒロインを描く一方で、必ずしも不幸一点張りでもない(むしろある種の自信すら感じさせる)ヒメコさんという風俗嬢も登場させてみたり。片山刑事が女子高生に説教とも懇願ともつかぬ語りかけを行うのも、倫理というべきなのか、それとも単なる願望というべきなのか。ヒロインに喫茶店の仕事を進める際、片山は、(風俗店と違って)キチンとした真面目な仕事、と言うのだけど、風俗が不真面目であるかのような言い方の一方で、風俗に救いを求める片山の姿もあったり。しかし、必要悪として風俗産業を全面的に認めてしまえば、その先にはやっぱり様々な不幸が生まれるだろう、ってのが今回の事件でもある訳ですね。 世の中、そういう線引きの難しさってのがあり、ときにはその境界において矛盾とも向き合わねばならないこと。本作では、もうひとつ大きな問題が取り上げられていて、障がい者であるヒロインと、彼女を思いやる片山刑事とが、描かれるのですが、相手を思いやる気持ち、支えてあげたい気持ちというものが、どこまで相手を尊重することでありえるのか。これについては、ラストの片山の、一抹の悲しみを湛えた祝福と反省の言葉によって、作品のもうひとつのテーマであったことに気づかされます。いい映画です。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 16:13:41)《改行有》

529.  炎のごとく(1981) 主人公の会津小鉄を演じる菅原文太、関西弁のイントネーションがおかしいんですけれども(かつて宮城米のCMにも出てたように、宮城出身)、それがかえって、武骨なバイタリティを感じさせちゃったりもするのです。その主人公のエネルギッシュな生き様を軸に、平和だった京の街が無法地帯のようになっていく激動の幕末が描かれます。脇を固める俳優陣が豪華なのも楽しいところですが、中でも、なんとなんと、あの松竹新喜劇の藤山寛美と、あの吉本新喜劇の岡八郎とが、カラミこそ無いとは言え、ひとつの作品に登場するという、まさに豪華さもここに極まれりと言えましょう(なんのこっちゃ)。 それにしても、2時間半と長めの尺ながら、エピソードを密度高く描きこんで、お腹いっぱいになっちゃうのですが、それなりに大団円を迎えるラストで、すべてを覆すような不穏な空気が漂っていきなり作品が終わっちゃう点。これが一番の驚きでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-26 13:22:33)《改行有》

530.  網走番外地 吹雪の斗争 これは人権蹂躙だ~ などと、こういう作品を観て怒る人もさすがにいないでしょうけれど、劣悪この上ない刑務所の中に放り込まれた、42号こと健さん。やがて脱獄するも、道中、妙な連中に出くわし、彼らのダイヤ強奪計画に巻き込まれていく。とは言っても、健さんには健さんなりの、ある目的があり、前半の刑務所のエピソードがちゃんと後半に繋がっていくんですけれども、いやそれはよくわかるんですけれども、それでもなーんか、気持ちの上で前半と後半がつながらないんです、あの前半に対して後半どうしてこうなっちゃうの、と。それを言い出すと、さらに終盤の雪原における逃走劇、これこそどうしてこうなっちゃうのか。西部劇のごとく、疾走する馬、銃撃戦、果てはダイナマイトまで持ち出し、爆発でバラバラになっちゃうヤツまで出る始末(しかもこういう場面がフツーの出来事であるかのようにサラッと描かれるのが・・・)。突拍子もなくって、もーついていけません。この堂々たる暴走ぶりが、スバラシイんですね。いちいち真面目にとらえていては、それこそ「頭がもつれちゃう(by42号)」。オハナシとしての「つながり」は、映画を暴走させるための手段であり、我々はその暴走に身を任せていれば、ラストの『夕陽のガンマン』を彷彿とさせる対決へと、ちゃんと連れて行ってくれるのだから。 惜しむらくは、タイトルに「吹雪の」とあるのですが・・・撮影期間中にうまく吹雪かなかったんですかね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-13 08:07:35)《改行有》

531.  ダイナマイトどんどん やくざ屋さんたちのハチャメチャ野球大会。じゃりン子チエを少し思い出しますな。あと2軍時代の番場蛮とか。もう何でもありの、治外法権。野球というスポーツを心底、真剣に愛する人にはとても見せられたもんじゃありません。これだけ乱痴気騒ぎ大暴れしていても、何となく映画として整って見えてしまうのは、さすがと言ってよいのか、いけないのか。 それにしてもこういう作品を見てると、菅原文太というヒトはやっぱりコメディ俳優なんだと思います。で、一番クールな北大路欣也が、なぜか一番暑苦しいという・・・ (ところで昭和25年という設定だったら、当時米国は48州なので、国旗のデザインが違うのでは。どうでもいいですけどね)[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-12-06 07:42:23)《改行有》

532.  日本侠客伝 雷門の血斗 舞台は浅草、演劇の世界。健さん演じる主人公も演劇一座の興行主。え~ヤクザ映画じゃなかったの~というところですけれども、一座の前身はヤクザであったりして、はたまたそこに別のヤクザ一味の嫌がらせがあったりして、ちゃんとヤクザ映画路線になっていきます。これがアリなら「健さん演じる自治会長」とか「健さん演じる校長先生」とかでも日本侠客伝になりそうですが、いやいやいや。やっぱり演劇の世界を描いてこそ、本作の魅力があるのですね。少なくとも、本作の魅力は、主演の健さんよりも(実際、少し影が薄い気も)、脇を固める役者さんたちにこそありそうな。妙にツヤツヤした顔で朗々と浪曲を披露する村田英雄、まさにこれこそが「芸」だぜ、と言わんばかりのツヤツヤ顔。ほんとツヤツヤ(笑)。藤山寛美が意外にも重要な役で登場し、まあこの出演は寛美さんの破産と松竹解雇によるものかも知れませんが、いずれにしても、(多くの場面では目立ち過ぎないように控えつつ)ここぞという場面では寛美節をさく裂させて、ああ新喜劇ならここで拍手が起こるところだなあ、と。そしてそして、一番いいところを持って行ったのは、やっぱり元ヤクザとしての凄みをチラリと垣間見せる島田正吾でしょうか。こうなるともはや健さんも出る幕無しか、というところですが、最後のたち回りではダイナミックにしっかりと魅せてくれる。実際、本作で割を食ってしまったのは、女優陣ではないでしょうか(あと、長門裕之ね)。男の色気、芸の色気。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-11-22 16:19:36)

533.  トラック野郎 熱風5000キロ まずこの「熱風5000キロ」というのがわからなくて、劇中で5000kmも走っちゃいないだろうから、きっと「キロ」とは「キログラム」のことだろう、しかし5tトラックという訳でもなさそうだから、この5000kgってのは何だろう、春川ますみ母ちゃんの体重だろうか。 ってなことはどうもよくって、本作、マドンナ役が小野みゆきでいわゆる男勝りのキャラ、桃次郎もいくらか惚れたりはすれど深入りせず、どさくさまぎれに唇奪ったりしてもアッケラカンと健康的。むしろ彼女との酒飲み対決が見どころですが、この対決シーンが描かれ方がしつこい。しつこいと言えば、橋の上での地井武男とのにらみ合いもしつこくって、こういった「しつこい対決」が、見どころ、面白さになっています。離れ離れの母と子が互いに駆け寄っていく場面なんかも、この「しつこい対決」の延長戦にあるものでしょう。 まあ、物語の現実味という点では当然ながらムチャクチャな点もありますが、それもご愛敬。エピソードの繋がりと要所要所の盛り上げという意味では、ポイントを外さないのだから。ただしこのオハナシ、復讐譚の落としどころとしてはどうなんでしょう。確かにこれはこれでひとつのケリなんだけど・・・少し寂しいものも感じたり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-11-15 09:34:08)《改行有》

534.  思い出のマーニー 緻密な動き、風の描写。見事なアニメーションは惚れ惚れするばかりで、感動的です。しかし物語の方は、マーニーの思わぬ言動を交えつつも、最終的には謎とき風に小さくまとめてしまった印象(それも、おおよそ想定範囲内というか、さもありなんというオハナシ)、ちょっと残念ではありました。あと、アニメーションにこれだけの複雑な動きをさせておきながら、ここぞというところで主人公に「泣く」という単純な演技をさせてしまうのも、感動が伸びない点です。しかし、公開当時、夏休み映画ということで(平日なので私は行かず)ウチのカミさんと子どもたちで映画館に観に行き、知り合いにも母子で観に行ったというケースが多かったようですが、何でも「母親の立場で観ると泣けてしまう」作品でみなさん意見が一致しているそうです。私にはよくわかりませんが(笑)。幼稚園の息子に聞いたら、サイロの場面が怖かったとのこと、これは、よくわかります。[地上波(邦画)] 7点(2015-11-08 10:26:18)

535.  日本侠客伝 花と龍 「花と竜」を日本侠客伝の世界に取り込み、一介のゴンゾウだった主人公がやがてオヤブンになっていく、大河風の内容で、このジャンルの作品としては2時間弱とちょい長め。特に下積み時代の主人公を描く前半は、コミカルで明るい雰囲気です。主人公のタマキンがやたらと出来過ぎクンなんですけれども、健さんが演じれば、何となくイヤミが無いんですね。彼を招いたゴンゾウ仲間が二谷英明っても、一見違和感があるけれど、その後の展開を見れば、なかなかうまい配役。最初は主人公をやさしく見守るような立場で、後半主人公へそっと想いをよせる藤純子、ここが演技の見せ所とばかりムズカシイ表情を見せる場面もあれど、最後は晴れやかな表情なのが、イイんですね。モテる男とモテる女の組み合わせ、ちきしょー憎いね、と。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-10-25 09:53:55)

536.  ブラック・レイン 今回観たのはずいぶん久しぶりで、あれ、こんなに面白かったんだな、と。多分、昔観た時には、作品との距離感が、今観るのとだいぶ違ったんでしょう。当時はお馴染みだった、都会系の刑事アクション映画、そしてこれまた自分にとってお馴染みの大阪の街、その2つの融合とくれば、何だか距離感が近すぎて。どうしても先に立ってしまうのは、違和感と、「あ~あ、やっぱり、やっちゃったね」という(期待通りの)失望感。しかしそれも、今となってみると、80年代アクションを観る機会も減ったし、この映画に出てくる大阪の光景も、今では見られなくなってしまったものが多くなってきて。で、今回、素直に観て、素直に楽しめちゃった。幾分は「変なニッポン」も出てくるけど、基本的には日本らしい日本が登場する、要するにその点では決してキワモノではなく、むしろ刑事アクションとしてやや変則的である点の方が、特徴的と言えるかも知れません(無論、日本を舞台にしている事がそこに一役買っているのですが)。 まず、マイケル・ダグラス演じる刑事ニック、例によってダメダメな感じで、妻子とも別居している。では映画を通じて妻子とヨリを戻すのがテーマかと思いきや、全くそうではなくって、子供のひとりをバイクの後ろに乗せ走り出した次のシーンでは、もう子供は乗っておらず、今度はアンディ・ガルシア演じるチャーリーと出会って彼をバイクの後ろに乗せるシーンとなる。要するに、チャーリーはニックにとって自分の子供と同じ可愛い存在、なんですね。で、実際、このチャーリーという男、実に実に「いいヤツ」として描かれてます。健さんとニックの関係がどうもギクシャクしている時、いつもチャーリーが間に入って、いい味出しつつ何となく間を取り持っている。だもんで、チャーリーの死のインパクトは非常に大きく、かつこれを契機に健さんとニックの間も近づいていく。一方、松田優作演じる敵役の佐藤、(広島の黒い雨になぞらえて語られるのがピンとくるかどうかはともかく)戦後に現れた得体の知れない新しい存在、しかしそれは間違いなく戦後の日本とアメリカが生み出した存在、つまり彼もまた一種の「息子」というべき存在。チャーリーと佐藤は、陽と陰を代表する「息子」たち、だからこそ、2種類の結末が撮影された本作において、最終的に採用されたこの結末、これでよかったんではないか、と思えてきます。--- それにしても、ガッツにホタテ、パチパチパンチ、みんないい顔してるじゃないですか。USJがまだ無かった頃、「ハリウッドが大阪にやってきた!」という、やっぱりお祭り映画でもある訳で。[CS・衛星(字幕)] 8点(2015-10-15 23:28:14)(良:1票) 《改行有》

537.  日本のいちばん長い日(1967) よくこれだけのキャストを集めたなあ、という大作ですが、影の主人公は「時計」でもあります。玉音放送までの24時間、作中では何度も時計が映し出され、時刻が言及されます。着々と進めれらる、「敗戦」への準備。前半だけでも十分にスリリングで面白いのですが、後半は一部の軍人の暴走が描かれ物語はますます加速の一途、これほど手に汗握る緊張が漲った作品も、なかなかありません。もう、誰が正しいとか間違ってるとか、そんな事言ってられる事態を通り越して(もはや取返しがつかないにも程がある、という事態なのだから)、登場人物たちの必死さや焦りに、息を飲み圧倒されます。今の目からみたら狂気としかいいようのない暴走軍人たちも必死なら、NHKの加山雄三だって必死だし、加東大介ですらも(あの顔で一応)必死。鈴木貫太郎首相だって、笠智衆が演じるからノホホンといい味だしてるけど、やっぱり命がけには違いない。そんな中で、最も貫録を誇っている阿南陸軍大臣、演じるは三船敏郎、さんざん貫録を見せつけ、最後も壮絶な切腹を遂げるのだけど、この緊急事態を収めうる唯一の人物と思われた彼が、およそ何もせず、自殺というトンチンカンな行為に逃避してしまうその様は、何とも皮肉です。それにしても、何と多くの人たち、想像するのも困難な数の人たちが、死に追いやられたことか。これだけの犠牲を払った末に、かろうじて成し遂げられた終戦は、まさに一歩間違えば実現されなかったかも知れなかった、というのもまた、大きな皮肉。[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-10-06 22:35:43)

538.  日本侠客伝 チャンバラ映画ではない、任侠映画。健さんを始めとする登場人物たちは、敵をバッサバッサと斬り倒しまくるスーパーマンじゃなくって、命がけで相手に立ち向かっていく、生身の人間なんですね。で、任侠映画であると同時に、いやそれ以上に、この作品は青春映画でもあります。片思いも含めた、幾組かの男女の物語。それぞれに、相手への想いがあり、テレみたいなものがあり、その一方で信念を貫くと言えば聞こえはいいけど要するに破滅の美学みたいなものがあって。こういうのこそ、ロマンチック、というのです。[CS・衛星(邦画)] 9点(2015-10-06 21:38:58)

539.  獄門島(1977) 金田一さんのターザンロープ(?)あたりの悪乗りは楽しくって、私も子どもの頃から好きだったんですけどね。ただ、ミステリとしては正直、あまり面白くない。むしろ大人になってから原作を読んで、こんなにスゴイ推理小説だったのか、と。趣向を凝らしに凝らした、3重の見立て殺人。この映画、原作から一部変更を加えられており、例えば「謎の復員兵」の処理などは(原作より無理があるにしても)なかなか悪くないと思います。ただ、実行犯が少し変更されている点、変更すること自体は結構だとしても、そんなに面白い変更でもないし、そのせいで終盤をここまでダラダラ引っ張ってしまったのは、どうもいただけません。石坂金田一シリーズにおける金田一さんは、中盤アタフタしている一方(これは原作のテイストでもありますが)、ラストの真相解明の部分で、根拠もロクに示さず妙に何でも断言してしまう感があり、「オイオイなんでそんな突然強気になってるんだよ」と思いつつもそこが魅力であったりもするんですけどね、本作の終盤のダラダラ感はそんな魅力も打ち消してしまい、といって原作にない新たな魅力(ロマンスなり、それに伴う哀切なり)を盛り込めている訳でもなし。あと、原作の巧みなトリックも、あまり印象的には描かれておらず勿体ないですね。第一の殺人なんて、原作では犯人をうまく隠してますけど、この映画ではほとんどバレバレ寸前の描写になってしまっており、むしろこういう部分で原作を離れてみてもよかったんではないか、とも思います。それともう一つ、本作の医石坂金田一さん、過去2作よりもなーんか野暮ったい顔してますなあ。そこも惜しい。[CS・衛星(邦画)] 5点(2015-09-30 22:39:08)

540.  鴛鴦歌合戦 とかく浮世はままならぬ、日傘さす人、作る人。って、なんのこっちゃですけれども、片や日傘をさしたおとみさん、片や日傘を作るお春さん、千恵蔵演じる浪人を巡って、確かに何かとままならぬ訳です。しかし、作った傘を干しているとそこに通り雨、傘が濡れては大変と、これをキッカケに男女がうまく引き寄せられたりもする。はたまた、お春さんが父親の骨董道楽を嘆いている場面、千恵蔵が「そのうち掘り出しモノでもするかもよ」と言うのに対してお春さんは「そういう夢みたいなこと大っ嫌い」と言い放つんですけど、これがラストの伏線になってる。なってるけど、でもこのラストは、衝撃的です(笑)。いやホント、みんな笑ってていいのか~と思うんですけど、いいいんでしょう、きっと。もはや一種の躁状態。時代劇ミュージカルなんていうハチャメチャな作品ですから、オチもハチャメチャでいいんです。で、音楽はというと、一曲一曲は他愛ないものですが、会話の中に歌がピタッとはまってくるのが気持ちよく、とにかく楽しさ満点です。中でも、ディック・ミネのあまりに気持ちよさそうな歌いっぷりが、何やら悟りに近いものすら感じられて(笑)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2015-09-29 22:47:17)

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