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プロフィール
コメント数 3873
性別 男性
年齢 53歳

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41.  大いなる旅路 《ネタバレ》 三國連太郎演じる鉄道員の半生記。喜びも悲しみも何とやら、といった感じの作品です。息子役に若き日の高倉健が出てます。要するに「ぽっぽや」の父さんも「ぽっぽや」だった、ということですね。親子役をやるほど歳は離れてないと思うんですけど。でも違和感ないです。 機関車、そして駅が、映画に何度も登場します。この二つが出てくる映画は、まずハズレが無い。とまで言うと、言い過ぎですが、機関車も、駅も、映画では魅力的なアイテム。そして蒸気機関車には雪がよく似合う。 しかもなんとこの作品、機関車の脱線・横転シーンまである。気合い入ってます。この事故で、主人公は九死に一生を得るけれど、先輩は命を失ってしまう。この事故の前は機関車のカマ焚きしかやらせてもらえず腐り気味だった主人公、事故の後のシーンでは、これから心を入れ替えて一生懸命やるぞ、と笑いながら宣言する。先輩が死んでしまったのに、こんな笑ってていいのか?と、気になってしまうシーンですが、その引っかかりがあるからこそ、印象的なシーンにもなってます。現実生活であれば、落ち込む場面かもしれない。映画だからこそ、彼の笑顔が、彼の転機を如実に物語ります。 中盤、主人公は鉄道員というより、単なる頑固オヤジになってしまいますが、ホームドラマでもあるのだから、仕方がない。鉄道以外に印象に残るのが、主人公の家。時の流れとともに世の中は移り変わるけれど、自分の家はいつでも自分の家。 そういや、映画は戦前から始まり、やがて戦時中となって世の中殺伐としてくる。戦後、平和になるのかと思いきや、やっぱりゼネストだとか言って行進してたりして、世の中移り変わると言っても、結局、同じようなことやってるんだなあ、とも思ったり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-28 17:47:30)《改行有》

42.  王立宇宙軍 オネアミスの翼 《ネタバレ》 ライトスタッフに不器用なロマンスを絡めたようなお話、地味と言えばこの上なく地味なんですが、えてしてそういう映画は映像がスゴかったりする訳で、アニメーションのこの見事さには驚き、呆れ、圧倒されます。 この、立体感。一部のシーンではCGを援用したらしきメカニックな動きも見られますが、手描きでこそ感じられる、立体感の危うさ、みたいなものも多分にあったりして。 緻密さと誇張との、せめぎ合い。 で、まあ、最後は宇宙に行って、人間なんてちっぽけだよねえ、と。 そうなんです。我々も日常生活にクサクサしたら、つい宇宙のことを考え、つくづく、自分たちがちっぽけな存在であることを意識するんです。 さらに、そんなこと考えても何の解決にもなってないことも意識するんだけど。。。 何にせよ、この作品も、ついに宇宙に到達して、達観したように幕を閉じる。なんとも感慨深いものが確かにあるんだけど、そりゃ、「宇宙」と言われりゃ自然に感慨深くなるもんであって、この感慨が、この作品の映像から来ているのかというと、よくわからない。打ち上げの素晴らしい映像、その後でそれを上回る「宇宙を感じさせる映像」を見せてくれたらもう納得せざるを得ないんだけど、正直、あれ、こんなもんか、と思っちゃいました。 とかいうのは、贅沢ですかねえ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-23 22:05:18)(良:1票) 《改行有》

43.  地獄の警備員 まず何が良いと言って、タイトルが良いではありませんか。「悪魔の~」も悪くはないけれど、「地獄の~」の方がより汎用性が高く、その分、得体が知れない。そこが良い。ちなみのこのサイトでタイトル検索したら、本日段階で「悪魔の」が100件、「地獄の」が76件。意外に健闘してるのでは。で、しかもそれが「警備員」、ってんだから、訳がわからなくって、何だかワクワクします。 その地獄の警備員を演じるのが、いまや「孤独のグルメ」で押しも押されもせぬ国民的大スター(?)となった、松重豊さん。片や殺人、片や食事と、やってることは大きく違えど、観てるとどこか共通点を感じてしまうのは、一体何なんでしょうかね。 氏が演じる謎めいた警備員は、元力士、なんだそうで。しかし、上背は確かにあるものの、ヒョロッとした体形で、いくら廃業したとは言えここまで痩せるもんだか。これがすでに、不条理世界への入り口。 筒井康隆氏の短編でも力士(現役)が襲ってくる「走る取的」というのがありましたが、やはり日本人は、力士という人たちに何らかの神秘性みたいなものを感じているんでしょうかね。その頂点に君臨するのが、デーモン小暮閣下、ということで(・・・悪魔か)。 で、この元力士の警備員が、理由もなく殺戮を繰り返す。警備員だから、制服を着ている訳で、この制服姿での殺人というのが、また不気味。この辺りは『マニアック・コップ』からの影響もありそうな。ちなみに日曜洋画劇場での放送時のタイトルはもちろん、『地獄のマッドコップ』! しかし松重警備員の殺人には、マニアック・コップよりもさらに動機が無く、それ故さらに純化され、さらに不条理に徹しています。ホラー映画には「恐怖」があればよいのであって、それをわざわざ中和するような「真相」なんて、要らないでしょ、と。 終盤、主人公たちが閉鎖空間に閉じ込められるのも、いや、いくら何でもどっかに逃げ道が無いわけないやんか、という場面ではあるのですが、そういうのを理屈で補おうとすればするほど、大抵ボロが出る。ので、ここでは細かい理屈は無視して、シチュエーションだけを映画にぶつけてくる。バカバカしさと紙一重の、恐怖。 ホラー映画では常套手段として、前触れなく突然襲われるような(実際は何でもなかったというカマシを含めて)我々をビックリさせるシーンがしばしば登場しますが、この作品では「驚きと恐怖とは別物でしょ」と言わんばかりに、あくまでジワジワ系の恐怖で勝負。 で結局、この作品が途轍もなく怖い作品に仕上がっているかというと、さすがにそこまででは無いですが、シンプルさの周囲をとりまく不条理、不条理ゆえのユーモア、ユーモアゆえの不気味さ、要は、わけのわからなさ。そういった魅力ですね。[インターネット(邦画)] 8点(2022-11-20 08:58:47)(良:1票) 《改行有》

44.  Fukushima 50 原作は門田隆将の『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』。当時の経緯を詳しく知りたいのであれば原作を読んだ方がいいだろうし(読みやすく書かれてるしね)、より冷静かつ俯瞰的に知りたければ、船橋洋一の『カウントダウン・メルトダウン』を読むのもよいでしょうし、NHKスペシャル『メルトダウン』取材班の『福島第一原発1号機冷却「失敗の本質」』などは、誰が良いの悪いのというのとは別として、事故の経緯に対する印象を一変させるかもしれません。あるいは別角度の視点として、高嶋哲夫の『福島第二原発の奇蹟』とか。 とは言っても、この『Fukushima 50』という映画は、原作本の内容をただ映像に置き換えて再現してみました、という訳ではなく、やはり、映画ならではの訴えるパワーをもった新たな作品として、しかしあくまで実話に沿ったノンフィクションとして、作られたものなんでしょう。 であれば、ウソを織り交ぜろとは言わないけれども、何かもう少し、「事実の再現」以外に、映画らしい演出があってもバチは当たらない気がするんですけどね。悲惨で絶望的な光景ばかりではなく、そういった光景に囲まれる中でふと目を上げれば、そこにはかつての美しい空があったり、自由に宙を舞う鳥がいたり。ってのはさすがにベタかもしれませんけれど、要は、対比、ですよね。 主人公の描き方も実にストレート。原作通りっちゃあ、原作通り。確かに、本店なり首相なりの(やや誇張された)愚かしい姿との対比はあるかもしれないけれど、ここには想定内の、我々の期待に完全に応えてくれるヒーローらしいヒーロー像しかない。同じ渡辺謙がかつて『硫黄島からの手紙』で演じた栗林中将が、我々の期待をはぐらかすようにいまいちヒーローらしからぬ人物、しかし(あるいは、だからこそ)印象的な人物として描かれていたことを、ふと思い出します。 この題材を、このタイミングで映画化して、それだけでも何かと難しい面が多々あるだろうけれど、その結果、こういう作品として仕上がって、ご苦労様なのですが、つい、「無難な冒険」、と呼びたくなってしまうのです。[地上波(邦画)] 4点(2022-10-23 18:08:29)(良:2票) 《改行有》

45.  風来坊探偵 赤い谷の惨劇 冒頭にニュー東映のマーク。ギザ付き10円玉を見つけた時のような微妙な嬉しさがありますね。 深作欣二の初監督作品、ということですが、後の実録路線などで見られるような手持ちカメラによる暴力描写はまだ見られません。まあ、サブタイトルが多少おどろおどろしいとは言え、基本はコミカル路線の作品ですしね。その代わり、俳優の細かい所作でもって、カットをどう繋ぐか、あれこれと工夫を凝らしたりして、才気はしっかり感じさせます。実際に雪山でロケしてるのも作品の雰囲気をしっかり出してるし、墜落したセスナ機を実物大で山の斜面に再現しているのには、ちょっと驚かされます。本物らしきセスナ機が登場するシーンもありますが、まさかこんな場所に着陸させて撮影したの?と、これもビックリ。 主演は千葉真一、こちらも初主演ですが、いやはや若い。もともと声にはそんなに貫録が無い人ではありますが、この頃はさらに甲高くて頼りないですね。しかし動きはさすがに機敏、殴り合いのアクションをキビキビと展開します。 一見風来坊の彼の正体は、セスナ機墜落事故の真相を追う私立探偵、だそうですが、そんな簡単に自分が探偵だと身分を明かしたり、依頼主についてしゃべっちゃったりして、よかったんでしょうか。よくは無いでしょうが、要はそういう、軽いノリ。ライバルとのやり取りのセリフも実にクサくって、まさにこれぞ、千葉真一。 これでもかと展開される銃撃戦、さらにはダイナマイトまで使用して、ド派手にブチかましてくれます。1時間ほどのいわゆる「B級」な映画ならではの、痛快かつデタラメな作品に仕上がってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-23 12:28:47)(良:1票) 《改行有》

46.  記憶にございません! 総理大臣が「サラメシ」で、官房長官が「美の壺」ですか。これぞ、NHK党ならぬ、NHK内閣ですな。 ロッキード事件以来、お馴染みのこの「記憶にございません」というフレーズ。何が記憶に無い、だよ、記憶喪失じゃあるまいし、というツッコミもこれまで陰に陽に、何度も繰り返されてきただろうけれど、それをそのまんま物語の軸としてコメディにしちゃう、というのが、意外な盲点でした。なるほど、その手があったか。 総理が演説中に狙われる、という設定が、今となっては単純に笑い飛ばしづらい微妙なものがあるのですが、基本的には、政治家がこうやって茶化され、それが笑いになっているうちが健全なのかな、という気もいたします。おエラい政治家の方々が庶民とはかけ離れたムズカシイ話をしているからこそ、パロディも成立するのであって、国政がこの映画で描かれてるレベルだと本気で受け取る人ばかりになってしまっては、本来の可笑しさは伝わらない訳で。残念ながら世の中、その「伝わらない」方向にどんどん向かってしまっている気がするのですが・・・。 三谷幸喜はやっぱり舞台のヒト、ということなんでしょうか、脚本に色々と仕掛けを仕込んでおいて、あとは芸達者な役者さんたちが悪乗り気味に演技を繰り広げて笑いをとる。中盤に何度か長回しのシーンがあって、一種のコント仕立てのようになってるのもそういう表れ、なんでしょうけれど、やるならやるで、もっと徹底して長回しをキメて欲しかったかな、とも。多少なりともカメラがギクシャクしてしまうと、それだけでそのシーンが変に狭苦しく感じてしまう。 小ネタを入れて膨らませるのも、やや過剰なセリフを入れるのも、サービス精神の表れではあるでしょうが、やり過ぎるのも考えもの。単純にサービス精神なのか、それともスキ間があると不安になってネタで埋めてしまいたくなる性分なんですかね。場合によっては、ツラいけど削ぎ落すことも必要。全体的に、作品が間延びしてしまった印象も。 ま、でも、やっぱり、、、憎めないねえ。 テレビ越しの斉藤由貴のツッコミは、ナイスでした。[地上波(邦画)] 6点(2022-10-10 11:29:13)《改行有》

47.  必殺4 恨みはらします 時代劇、ですけれども、「必殺」、ですから、例えば時代考証がどうのこうのなどと言い出す人はまさか、いないですよね。 と言う訳で、何でもアリなんだろうから、いっそ『魔界転生』みたいにブッ跳んだ時代劇を好き勝手に作ってしまおう、ということなのかもしれませんが、いや、それ、松竹じゃ無理でしょ。というのは偏見でしょうか。 いかにも魔界転生チックな分、ハードルも上がってしまい、ちと物足りない。でも歓迎します。でもでも、歓迎はするけれど、だからと言って楽しめるわけじゃない。やっぱり企画的に、必殺とは相性悪かったんでしょうか。 千葉真一が住んでる川のほとりの庵。これ、どこでロケしたんですかね? とかいうコトだけ、妙に気になる。小川が直接、海に流れ込んでるの?[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-10-09 10:32:54)《改行有》

48.  あなたへ 《ネタバレ》 一部のシーンでカメラがテレビドラマみたいに安っぽく見えてしまい違和感があったのと、ラストの「余計なオチ」に向かってセリフが増えて行ってしまい野暮ったくなったのとが、残念でした。あと、回想シーンが多すぎるかな、とも。物語の流れが滞る印象。 とは言え、もちろん誰もこれが健さんの最後の作品になるとは思っていないでしょうけれども、まるで別れを惜しむかのようにみんなが集まって、健さんを中心としたロードムービーが展開されるのが、味わい深い。 富山から長崎への旅。当然、日本海側を攻めていくんだろうなあ、と思ってたら、まるで違う予想外のコース。いや、大阪まで寄ってくれるのは結構ですが、大阪と言えばどうしても、グリコの看板出さなあきませんか。さすがに寄り道し過ぎ、どう考えても草ナギが悪い。 関門付近の風景はやっぱりいいですねえ。狭い海峡をひっきりなしに船が行き交いして、見てて飽きない。唐戸市場に行けば食い物は美味いし安いし。こんな場所で北海道物産展やって、大丈夫なのか? ついでに因縁の巌流島にでも寄って行きますかね? 佐藤浩市が最初から挙動不審のところがあって、これがラストの「オチ」に向けた伏線であったことに最後に気づく訳ですが、最初はそんな事とは思わないし、健さんの役が刑務所勤めなもんだから(この言い方は語弊がありますね。「おつとめ」ではなく、ホントの職業)、てっきり佐藤浩市はかつて富山刑務所で健さんにお世話になった一人だったんじゃないか、などと思ってしまったのですが。これって一種のミスディレクションだったんですかねえ。 余貴美子に託された写真が、どのように海に沈んでいくのか、というのを期待した私としては少し肩透かしで、「余計なオチ」と言いたくもなるのですが、ここは骨がキラめきながら沈んでいくシーンで充分、ということでしょうか。 田中裕子が、イイですねえ。でも出過ぎ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-10-02 05:42:09)《改行有》

49.  戦後最大の賭場 《ネタバレ》 関西が舞台ということで、鶴田浩二と高倉健が関西弁で軽口をたたき合う場念があって、これが正直、少々違和感があるというか、この二人には似合わないような気がしてしまって、もう少し若い世代に主演をやらせてもよかったかな、と思わないでもないのですが。ま、でもこの二人の共演、ありがたく拝見させていただきます。 要は、昔気質で友情と信頼に結び付けられたこの二人と、巨大利権を背景にした経済ヤクザの台頭との対比、ってな感じですかね。盃をもらうだの返すだの、いくら言ったところで、時代の流れは止められない。経済、さらには政治へ。はい、そのテの役は、金子信雄の出番ですね。 クライマックスは任侠映画らしく殴り込みの場面、にはなるのですが、その後のラストシーンはちょっとホラー。主人公が歪んだ血濡れの鏡の向こうに自分の姿を目撃したとき、何を思ったか。結局は、自分達の古い「仁義」が、この事態を招いたのではなかったか。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-09-25 17:47:28)《改行有》

50.  昭和残侠伝 吼えろ唐獅子 冒頭のクレジット見て、主役は当然健さんだわな、準主役に松方弘樹か、そしてこれまた当然の池部良。そんでもって、鶴田浩二まで! とか思ってても、映画見てるうちにそういうのは念頭から消えてしまうので、後で本当に鶴田浩二が出てくると、やっぱり驚いてしまう(笑)。 この作品でも、昭和残侠伝のフォーマットは守られていて。いつも通りっちゃあいつも通りなんですが、今回は、任侠映画であると同時に、剣豪映画のようにも見えてくる。剣の達人同士、互いに通じ合うものがある、高倉健と鶴田浩二。剣の道を絶ち、今は一介の市井人として暮らす池部良。若侍・松方弘樹の運命を狂わせるのは、ヤクザ渡世の仁義というよりも、もはや、封建社会の理不尽さと言うべきか。 健さんもまた、結果的にその理不尽さに加担せざるを得ない、やるせなさ。静かな怒りが頂点に達したとき、その先にあるのは「革命」・・・とまでは言わないけれど、旧秩序を、束縛を蹴散らす、カタルシス。「その後」が描かれることが無い、映画ならではの大団円です。 一部、撮影に荒さを感じる部分もあったけど、そういうのも作品の迫力の一つ。 いや~オモシロかった! けど、そもそも親分に嫌われてるのなら、どうして、松方弘樹はムショ行きを免除されたんだろうか??[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-09-19 09:10:16)《改行有》

51.  旗本退屈男 謎の決闘状 《ネタバレ》 いったいこのオハナシのどこが「謎の決闘状」なんだろう、というのが最大の謎なんですが、それはともかく、女性ばかりが犠牲となる謎の連続毒殺事件、その謎を追うのが市川右太衛門演じる旗本退屈男こと、早乙女主水之介。妙に自信満々の顔と堂々たる態度、なんですがどうしてこうも頼りなく見えてしまうんでしょうか(笑)。いや、実際は頼りになるんですけれども。 例によって、将軍綱吉のバカ殿ぶり、というものが物語の背景にあるわけですが、そういう世の乱れにつけ込む悪党どもの暗躍を、天下御免の向こう傷が許すわけには行かぬ。 事件の謎を追い、どこにでもやたら都合良く現れる旗本退屈男、その流れるような殺陣は、さすが、と思わせるものの、なんとなく最低限の動きだけで敵を蹴散らかす(ように見せかける)省エネ殺法のようにも見えてくるのですが、とにもかくにも、快刀乱麻を断つかのごとく、無事に事件を解決してしまうのでした。いや、さすが。あまり納得はいかないけど。[インターネット(邦画)] 6点(2022-08-06 22:17:42)《改行有》

52.  ツングースカ・バタフライ ―サキとマリの物語― 主演の亜紗美さんが「企画立案」でもクレジットされてて、引退作の企画に自ら関わった、ということになるのでしょうか。 SFか何かを思わせるようなカタカナ書きの難しげなタイトルですが、あくまで日常の中に繰り広げられる物語。いや、日常の狭間、と言うべきか。前科のある孤独な女性と、万引き少女が出会って・・・というオハナシ。ちょっとした仕草などで二人の関係の深まりを描いていくのが、いい感じ。 しかしあくまでアクション映画。危ない連中の危ない金に手を出してしまったせいで、窮地に陥る二人。 格闘アクションがすばらしい。いかにもカラテです、とか、カンフーです、とかいうのとはまた違った、流れるようなな動きながらもゴツゴツした、骨太のアクションで、なかなかの見応え。 カッコいい。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-26 22:55:09)《改行有》

53.  日本女侠伝 激斗ひめゆり岬 《ネタバレ》 1971年の作品、ってことですから、沖縄返還直前ですね。まだアメリカに占領されてたころの沖縄。 藤純子がバリバリのおきなんちゅメイクで登場し、違和感ありまくりなのですが、男勝りでちょっとガサツな感じのお姉さん、といったところ。こういうのを「女侠」って言って、いいんですかねえ。任侠道でも何でもなく、普通に「社長」です。 とは言え、そこには例によって例のごとく、あくどいヤクザどもが登場し、あの手この手の嫌がらせ。 かつての激戦地沖縄、ということで、不発弾を始め、ヤバそうな武器がゴロゴロしていて、ちょっといくら何でも、と言う気がしつつ、見て見ぬふりを。 主人公と最初はぶつかりつつも、やがて互いに信頼関係で結ばれるヤクザ者が、菅原文太。二人の向こうには海に沈む夕日。いやあ、沖縄だなあ。 普通ならクライマックスの殴り込みでそのまま映画が幕を閉じるところ、この作品では苦みに満ちた後日談を付け加え、沖縄の置かれた状況の理不尽さを表すワケですが、ちょっと無理矢理、ですかねえ。[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-25 22:16:21)《改行有》

54.  おしどり駕篭 《ネタバレ》 錦之助演じる左官屋の源さんは、美空ひばり演じる町娘と互いに憎からず思う関係なのに、強情っぱりなのもお互い様なもんだから、なかなかうまくいかない。ところで源さんの正体は実は若殿様で(んなアホな)、プチお家騒動が起こって・・・という、何とも他愛ないオハナシ。それを、美空ひばりが起用されてるだけあって、ミュージカル仕立てで描きます。なんなら、もっと歌や踊りが盛り込まれていてもよかったかな、と言うくらい。 しかしコレ、それ以前にまず、マキノ映画。なんでもないようなオハナシなので、一見なんでもないようなシーンも多いのですが、そこにこれでもかと「アクションつなぎ」の演出が投入されてます。動きのないところに、動きを作り出すこの、ご苦労サマな演出の妙。 勿論見どころはそれだけではなくって、クライマックスでは大勢の敵に囲まれた錦之助が、流れるような刀さばきで敵を打ち倒していく。殺陣が上手い、というのとは少し違うかもしれないけれど、まさに流麗、と言ってよいでしょう。そして、全ての敵を薙ぎ倒し、まさに死屍累々たる惨状のド真ん中で、錦之助とひばりがラブラブ~~~というこの光景は、ちょっとした見ものだと思います。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-23 12:57:42)《改行有》

55.  海底軍艦 ムウ帝国ってのがどれだけ高度な文明を持ってるのかと思ったら、ほとんど南洋の未開の島、みたいな感じで、原住民たちが儀式めいた踊りを、踊り狂ってるワケですが(まあ、一種の「あるある」です)、しかしこのシーンにここまで大勢のエキストラを投入するか、と思うと、なかなか圧巻でもあります。 その過去の超古代文明たるムウが、現在の地上文明に攻撃を仕掛けてくる。映画が始まってからだいぶ待たされるものの、この破壊シーンは見応えあり。 立ち向かう、海底軍艦・轟天号。これも、活躍するまでさらに待たされますが、さすがの強さ、カッコ良さ・・・と言いたいけれど、うーん、コレ、ホントにカッコいいのかなあ。先頭にドリルが付いて、大変ワカリヤスイ外見ではありますけど。だから、イイっちゃあ、イイんですけど。でも、軍艦にしちゃあ、ズングリムックリなのよねえ。。。 囚われの身となった高島忠夫たちが「マンダの生贄にする」と脅されて、「マンダとは一体何なのか?」という謎でもう少し物語を引っ張っても良さそうなところを、早速マンダを登場させてしまうのは演出としてちょっと勿体ない気もしましたが、あくまで窓からその姿を部分的に見せる、というのは、悪くなかったですね。[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-12 22:50:33)(良:1票) 《改行有》

56.  侠骨一代 山本麟一って、どの映画でもたいていヘンな気がするのですが、この作品では特にヘンです。というのがすでに「いつも通り。」という話もありますが。 軍隊時代から一本気でつい無茶をやらかしてしまう主人公。演じるは勿論健さんで、理不尽な上官にブチ切れて特大マシンガンを手にひと暴れ。このシーン、背景に、映ってはイケナイような近代的な構造物がマル映りになっちゃってますが、これはご愛嬌。この後は風情のある風景もたくさん出て来ますので。 それはともかく、戦後、ホームレス状態になった健さんが、志村喬の親分に気に入られ、子分を率いるようになるサクセスストーリー。と言ってもサクセスの部分はあくまで敵役に崩されるためにあり、ラストの殴り込みへ前奏曲でもあるわけで。 百戦錬磨の剣の達人、という訳では無く、一種、朴訥としたところが主人公の魅力でもあるので、バッサバッサと敵をなで斬りにするというよりは、刀をブンブンと振り回し、その風を切る効果音が、印象的。 ちょっとマザコンなところのある主人公像ですが、それが侠気と表裏一体になっていて、健さん、コレまさにハマリ役と言っていいんじゃないでしょうか。[インターネット(邦画)] 7点(2022-07-06 22:53:47)《改行有》

57.  モスラ(1961) シン・ゴジラがユニークだったのは、ミニラがゴジラへ変身する過程をちゃんと見せたところ。いや、ミニラでは無かったですけれど、とにかく、ゴジラの形態を変化させた・・・というのはつまり、ゴジラをモスラ化させた、とでも言いますか。 モスラってのは要するに、映画の中で形態を変化させる怪獣、ですよね。幼虫と成虫、2形態で怪獣映画を楽しめる、というのもあるのですが、なんかこの過程が、神秘的、というよりは、不気味。 怪獣というものは、街を破壊するために現れる、いわば悪意の塊のような存在ですが、実際には、デカ過ぎることもあって(あるいは人間が小さすぎることもあって)、悪意があるんだかどうなんだかよくわからない。その最たるモノが、このモスラ。 小美人を誘拐してきて金儲けを企む人間どもの方が明らかにワルい訳で、モスラは小美人を救うためにやって来ただけ。しかしそれすらもよく判らなくって、モスラは淡々と破壊を続ける。その特殊効果が、お見事としか言いようがない。1954年のゴジラのモノクロ映像ならではの迫力に対し、カラーになってアラも目につくようになり、そりゃミニチュア撮影であることは丸わかりなんですけれど、それでもなお、ミニチュアでここまで表現できるのか、という驚きの連続。ほぼ、究極レベル。 ついに禁断の東京タワーまで破壊の手を伸ばすモスラ、しかしここで繭にこもりサナギと化してしまう。人間たちに対しトドメを刺すことも無く、我が道を行くその行動パターン、これ、十分に不気味です。 神、ってのは、そういうもんだと思う。 羽化してからの成虫モスラの羽ばたく姿も、これまたお見事。ホント、ここまで表現できちゃうんですねえ。 登場人物はゴジラで見たような面々が目立ちますが、その中心にフランキー堺の人懐っこい顔があって。破壊に次ぐ破壊が描かれる怪獣映画ながらも殺伐とせず、ユーモラスな雰囲気を醸しだしているのも、ゴジラやラドンとは一線を画していてユニークなところ。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:53:09)《改行有》

58.  関東テキヤ一家 喧嘩火祭り 《ネタバレ》 今回は「ごろめんひまつり」と読むんだそうです。 例によって多彩な登場人物。冷静に考えるとお馴染みのメンツが殆どのような気もするけれど、梅宮辰夫やら渡瀬恒彦やらが惜しげも無く投入されて物語は膨らむ一方。しまいにゃ、どう考えてもエキストラに毛が生えたような花屋のお姉さんまで、菅原文太の顔を見るや、「死んだ兄にソックリ」などと言って強引にストーリーに絡んできて、もう、定員オーバーです。 しかしそういう複雑怪奇な(というか、行き当たりばったり出たとこ任せの)人間関係を、物語の進行とともに見事に捌き切っている、これはまさに名人芸としか言いようがありません。 鈴木則文、おそるべし。 とは言え、渡瀬恒彦の起用は、少し勿体なかったですかね。あと、岡八郎。は、どうでもいいか。 地方の祭りの光景が映画に織り込まれていて、ちょっとトラック野郎みたいですが(実際、トラックも出てくる)、祭りの光景とリンチ・暴行が並行して描かれる凄まじさ。その勢いでクライマックスの殴り込みに突入し、銃を振り回す梅宮辰夫の姿は、前半の射的のシーンからの一種の変奏でもあるけれど、ちょっと、不良番長魂が降臨したかのような。 いやはや、盛りだくさん、でした。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:23:03)《改行有》

59.  キン肉マン ニューヨーク危機一髪! 《ネタバレ》 キン肉マン映画ってのは7本ぼどあって、確かこの「ニューヨーク危機一髪!」ってのはまだ見てなかったと思う。んだけど、どうも既視感がある。 「この映画見たハズなんだけど、全然覚えてなーい」ってのはアリガチな話ですけど、見てない映画なのに既視感とは、これ如何に。だって、キン肉マン映画なんて、どれもこれも寸分たがわず、同じパターンなんだもん・・・。 いやしかし。 そういう意味では、この作品は既視感が薄い方。同じパターン、ではないですね。いつもなら正義超人たちの行く手を敵が遮り、「ここはオレに任せて、先に行け、キン肉マン!」と言っては一人また一人と脱落するところですが、この作品では、仲間はすでに悪魔将軍の中に取り込まれてしまい、キン肉マンのロンリーバトルが展開される、という趣向。悪魔将軍が、とにかく強い。危うしキン肉マン。 でもまあ、コテンパンにヤラレた挙げ句に、突然、火事場のクソ力で逆転する、というのはいつも通り。素晴らしきはマンネリズム。 特に映画ならではの楽しみもなく、テレビと大差ない気もするのですが、それはそれでオモシロいもんだから、文句を言う筋合いでもないかな、と。 そこがキン肉マンの限界でもあり、魅力でもあるわけで。[インターネット(邦画)] 6点(2022-06-29 22:20:52)《改行有》

60.  東京キッド 《ネタバレ》 それにしてもワルい大人ばかり出て来ます。無人島に置き去りにされかかる美空ひばり。って、ここまでくると、ちょっとオモシロいですけれども。 しかしまあ、いいオハナシです。たぶん。 美空ひばりが身寄りの無い少年の役。のはずなのに女の子の言葉遣い、どうなってるんだよ、と思ってたら案の定、そうなっていたのでした。 あちこちに歌が挿入されるミュージカル仕立て、ドラマの中で突然、歌が始まると、妙な具合になってしまうところ、美空ひばりの場合はドラマの方が何となく妙で、歌が始まると安心してしまいます。いや、演技がヘタな訳じゃないんですけどね。 囚われの身の彼女を捜すため、ギターを爪弾くと、彼女の歌声が返ってきて、居場所が判る、というこのシチュエーション。『知りすぎていた男』はコレを参考にしたとしか思えん。 ラストシーンは向こうに向かって道を歩み去る後ろ姿。堺駿二にチャップリンの霊が乗り移ったようにしか見えないのでした。まだ死んでないってか。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-28 22:56:11)《改行有》

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