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プロフィール
コメント数 2526
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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41.  クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 《ネタバレ》  今年の『クレしん』映画は今までの中でもベスト級の作品だったと思うわ。  学園ミステリーっていう「らしくない」設定であるにも関わらず『クレしん』映画として、そして娯楽エンターテインメントとして、とても純度の高い作品になっているの。  『クレしん』映画が陥りやすい難点、結局は毎度の「野原一家ファイヤー!」な家族の物語か「かすかべ防衛隊ファイヤー!」な友情の物語に帰結して終わりになるパターンと、最近の作品に顕著だったしんのすけを始めとするレギュラーメンバーがゲストキャラクターの引き立て役に終始しまうパターン。でも今回の映画は両方の要素を拾いつつもそのマンネリなパターンに陥る事を回避しているのね。  今作ではかすかべ防衛隊の5人がメインで、だけど学園に乗り込む事で大量のゲストキャラクターが登場するわ。バリエーション豊かな個性的な面々。脚本はかすかべ防衛隊の個々のメンバーと学園の生徒たちとの繋がりのドラマを多層的に紡いでゆくのね。カスカベ防衛隊で固まってしまう事なくレギュラーの面々とゲストの面々とが有機的に映画を構成してゆくの。それぞれみんなが魅力を持っていて。  ミステリー展開はおふざけでいい加減な作りではなくて「吸ケツ鬼は一体誰なのか」っていう謎と推理とをちゃんと見せてくれるのね(『クレしん』的飛躍の設定が絡む部分はあるにしても)。  そして事件が解決したかと思われた後に続く、最初は蛇足にも思えたかすかべ防衛隊の5人と生徒達が紡いだドラマが開花する感動的なクライマックスの盛り上がりと感動。ミステリー部分が物語の核ではなくて、あの2人こそが、永遠ではないこの一瞬の時が大切だと語る2人こそが今回の映画の核だと判る、『クレヨンしんちゃん』の大切な物語として昇華されるラストシーン。とても巧く美しく書けた脚本だと思うわ。  みさえとひろし(そしてひまわりとシロ)は出番こそ少ないけれど(いつもからすれば極端に少ない、ってレベルね)見事に「起・承・転・結」の要所を締めてみせてるの。  『オトナ帝国』とか『アッパレ戦国』、近作だと『新婚旅行ハリケーン』みたいな「名作だけどコレ子供楽しめてるのかいな?」っていうものとも違って、今回は子供から大人まで『クレヨンしんちゃん』が好きな全ての世代に対応した名作だったわ。[映画館(邦画)] 9点(2021-08-31 22:15:50)《改行有》

42.  竜とそばかすの姫 《ネタバレ》  ディズニーアニメーション版『美女と野獣』をベースに細田監督の少ない引き出しを総動員して創られた名作、といった感じね(一応誉めてる)。それしかないんかい、っていう細田監督毎度の記号で埋め尽くされていて(夏空、入道雲、電脳空間、リング状データ、アバター、獣人、鯨・・・今回Y字路はあったかしら?)、でもそれを完璧とはいかないけれど感動的な物語やメッセージとして形にしてる、細田監督の集大成みたいな作品ね。あと『プロメア』少々。  ネットとリアルの対比は人間の裏表、二面性を示していて、だけどすずの周囲は優し過ぎる気もするわ。モブなヒソヒソ系女子にその役割を与えるけれど、すずとコミュニケーションのある人間は総じて善人なのよね。細田キャラの限界ってところなのかしら?  でもリアルとネットとで別の人格のようだったすずとベルとが1つになってゆく過程だとか、夢物語、創作としての『美女と野獣』ならば、その先のリアルは?という感じの展開だとか、結構のめり込んで見られたのね。  それは最初からディズニー的キャラとして創造された(そもそもキャラクターデザイナーが元ディズニーの人なのだし)ベルだからこそのアタシの好みゆえ、なのかもしれないけれど。  リアル世界のすずよりも仮想世界のベルというキャラに心惹かれていて、でも本当はアニメ映画なのだからどちらもリアルじゃないワケで、そこにリアルは無いからこそリアルについて考える事ができるとも言えて。  幾つもの入れ子細工状態が組み込まれていて、それは見ていて楽しいわ。構成力に難アリなのでバタバタしてる感は否めないのだけど。  お母さんに対するキモチなんかはちゃんと最後に繋がっていって良いのだけれど、お父さんやおばさま達はあまり上手く物語に対して機能できてなかったと思うし、ベルのクライマックスの後のすずのクライマックスは間延びしちゃってたわね。そのクセ結局兄弟をどうしたのか、身バレしたベルとすずの世界での扱いはどうなったのかはスルーしちゃってるし(そこに時間をかけたら更なる間延びになったでしょうけれど)。  あれこれと詰め込み過ぎてる感はあって、もう少し余白があっても良かったかな。  あと細田監督は女性を主役にしつつ、女は男を理解しろ、って視点が毎度見られて、今回もそこから抜け出せてはいないので、そこはアップデートして頂きたいわ。  でも今回はアニメの持つ美しさとか快感とか堪能できたので悪くないわ。良かったわ。いつもはワリと細田監督作品にキビシめなんだけど。[映画館(邦画)] 7点(2021-07-16 22:07:18)(良:1票) 《改行有》

43.  ゴジラvsコング 《ネタバレ》  最近の国産ゴジラ、『シン・ゴジラ』といい『アニゴジ』といい『ゴジラSP』といい、なーんかピンと来ないのよね。どれもゴジラ(怪獣)をダシにして描きたい事(押し並べてスノッブなナカミ)を披露するばかり、みたいな。ゴジラ(怪獣)を他のモノに置き換えたって全然構わない程度の扱い。  大体、これまでレビューで何度も何度も何度も書いてきてるけれど、怪獣と人間ドラマは水と油の関係、どっちも両立させようなんてのは無理なのよね。人間ドラマ描いてる間は怪獣をどっかにただ置いておくしかないし(海の中とか怪我して休んでますとかのんびり移動してまーす、みたいな)、怪獣が暴れてる間は人間は為す術なく右往左往して逃げ回るしかなくて。そしてそれでも無理して両立させようとすると超能力で怪獣と繋がってますとか、科学者や兵隊さんなのでいちいち怪獣の前に出ちゃいますとか、こじつけるような設定、展開をさせるしかないのよね。  で、前置きが長くなったけれど今回の映画はかなり割り切ってるのね。あくまで怪獣が主役。人間はドラマなんて抱えてなくて、ただ怪獣を動かすお膳立てをするためだけに登場するの。  もう人間達、かなりいい加減だわ。なんでも判ってるかのような科学者が何人も登場してはしたり顔で解説してくれたりして(あの陰謀論者はだからそこら辺を皮肉ってもいる存在ね)。昭和ゴジラや昭和ガメラの科学者みたいなモノよ。悪役は悪い事してます、って判り易さだしね。毎回悲壮感漂わせてる父ちゃんは今回ただ出てくるだけ。観客から「お前何してん?」ってツッコまれるだけの役。  その上トンデモ科学みたいなのも色々登場して。轟天やスーパーXなみに「それ、どう見ても飛ばないわよ?」みたいなスーパーメカ出てくるし、アレはVSキングギドラと機龍のハイブリッドみたいだし。  更になんかメカの中に入ったら動き出しちゃって悪の秘密基地に到着しちゃうとか、システム止めるにはコレがいちばんとか、あんた達、昭和ガメラのお坊っちゃん達なの? 悪の組織、セキュリティガバガバ?  一方でゴジラとコングはココロ持ってて感情剥き出しで、ふきだしポワンと出して「やっつけろ」「りょうかい」とか会話しだしてもおかしくないくらいだわ。  だからね、今回の映画は昭和、平成、ミレニアムのゴジラにぐーっと寄ってるカンジなのね。前作から続くレジェンダリーチャンピオンまつり感は更に強まったの。とにかく怪獣がどつきあいしてナンボ。でっかい生き物が大スクリーンいっぱいに暴れて壊してみせればそれで十分、それ以外に何が必要?みたいな。アタシの中にある怪獣映画って、そういうモノだし。  街並が怪獣の足で破壊されて、カメラがぐーっと上を向くとビルの間に巨大な怪獣の姿があるって、もう「コレコレ!コレが見たかったの!!」って。斜に構えた映像じゃなくて、日本から絶えて久しい、真正面から怪獣を捉えた怪獣の映画。2021年の技術で表現された昔ながらの怪獣映画。  「バカで結構」こそが『ゴジラVSコング』の矜持、誇りなんじゃないかしら?[映画館(字幕)] 8点(2021-07-03 17:48:36)(良:4票) 《改行有》

44.  いのちの停車場 《ネタバレ》  ムビチケ貰ったので(協賛企業経由なヤツ)見に行ったのだけど、なんだか色々と残念な映画だったわ。  冒頭の大事故スペクタクルなシーンが、ただ病院が大混雑したために手が回らなくなりました、という状況のためだけに存在していて。  田中泯と吉永小百合が親子っていう設定に無理があって(吉永小百合を40~50代として見てくださいね、という事なのかしらね)。  役者さんたちの会話のタイミングが妙に悪くて(特に西田敏行の間の空け方は危なっかしさすら感じて)。  患者が出てきては死んで泣かせてのパターンを繰り返して。  広瀬すずの境遇が明かされるのが結構経ってからで(あんな少人数の職場でそんなに長く明かされないものかしら?)。  何故か小池栄子と伊勢谷友介のエピソードは放ったらかしなままで終了して。  ラストはまさかの絶望エンド。  なんていうか、コロナ禍でちゃんと撮りきれないまま公開するしかなかったのかしら? 伊勢谷友介はまあアレがあったからアレだけど。  在宅医療や終末期医療、安楽死の問題を盛り込んで人間性、情の側面から現代の医療を捉えているのは判るのね。でもひたすらに感情的、感傷的になってしまっている気がして、それはどうなのかしらねぇ。もちろん心が無いのは良くないけれど、法律には勿論それが存在することの意味があるのだから、それを無闇に間違っている、あるいは法律よりも優先されるべきである的な投げかけをしても良くないのよね。冷静に論理的に考えるべきものまで感情論で潰しちゃダメだと思うわ。さすがにサユリスト向き映画的情緒で片付けちゃいけないわよね。  救いは松坂桃李かしらねぇ。喜怒哀楽ハッキリしたキャラなので映画の中で生きてる!ってカンジがしたわ。莫迦だけど。[映画館(邦画)] 4点(2021-06-18 21:07:26)《改行有》

45.  映画大好きポンポさん 《ネタバレ》  ツイッターで評判になっていて、映画好きならば当然心の底から楽しめるのでしょう、と期待していたのだけれども、どうやら何千って映画を見てゆくウチにアタシはつまんない映画オタクへと堕してしまったようね・・・。自分でも驚くほど響かなかったの、この映画。  これって映画についてのアニメ映画なのだけれども、あくまで映画の言語ではなくてアニメの言語で描かれているのね。そりゃアニメ映画なのだから当たり前なのかもしれないわ。ヘン顔とか汗とか。だけど劇中劇(というかアニメ映画内映画)までもがアニメの言語で描かれてしまっていたら、それは違うでしょうと。そこはあくまで映画としての括りで描かれていたのだから。  追加の脚本部分、アレは本当にポンポさんが書いてしまったの? 主役でもなければ語り部でもない追加の登場人物がいきなり心の声を響かせてしまう、そんなアニメの言語で描かれたようなモノが通用するのかしら?   それにピアノの前の老人の黒い禍々しい影と瞳の光のエフェクト、アレも無しよね。そんなアニメアニメした即物的表現(あるいはマーベルとかDCとか怨霊モノとか)が必要? 編集画面にきっちり描かれていたのでアレはあくまで素材そのものに刻まれたモノよね。  それがラジー賞ならともかく最優秀作品賞とか最優秀脚本賞とか獲れるの?あの題材、あの撮影素材が果たしてそんなに素晴らしいものなの?っていう疑問はともかくとしても。  登場人物が揃いも揃って影を持たず、ポンポさんは天才で、物事は全てポジティブに進み(銀行の件など困難ではあってもネガ方向のベクトルではないわ)、映画製作の裏に存在する闇などなくて、でもそれはそれで現実の投影である必要はない、観ているみんなに希望を与えるものであってもいいでしょう。でもどうにもアタシにはそれがムズムズと居心地の悪い、キモチの良くないモノなのね。みんな仲良し馴れ合いワールドで映画ができました~・・・やっぱりキモチ悪いわ。アタシマジダメなオタク。  でもアタシ的に楽しめたところもあったわ。  頻出するフィルムの絵、アレに光学式サウンドトラックとドルビーデジタルのデータはハッキリ確認できたけど、SDDSのデータは微妙で(多分無い)、DTSの同期信号は無しだったとか。  女優の顔さえ綺麗に撮れていればそれでいいというのはアタシが前からレビューによく書いているコトなのでバリバリ共感したり。  飛行機のシーンでのベクトルを観察したりとか。西海岸からヨーロッパ方面に飛ぶ飛行機をどっち向きに描く? 客席は進行方向に向いているべきだけど、どうだった?  あと作ってる映画を自分ならどうする?って考えたり。前半のコンサート部分はタイトルバックに詰め込んで本編いきなりアルプスから始めるとか。コンサートからアルプス以前までの出来事は回想として断片化するとか。老人が屋根から落ちたら笑えないでしょ?むしろ心配でしょ?だから切る、とか。  映画についての映画だけど、五月蠅い映画オタクとかシネフィルとかいった存在は意識してたのかしら。むしろ切り捨てるべきと考えたかしら。映画って出来上がった作品が総てだからそこは判らないわね。  そうね、だからアタシはダメな映画オタクだけどさ、1本1本の映画はこうして真剣に真面目に見てるのよね。そこについては認めてね、と自己弁護しておしまい。[映画館(邦画)] 5点(2021-06-18 20:16:52)(良:1票) 《改行有》

46.  JUNK HEAD 《ネタバレ》  「アニメ」大国日本だけど「アニメーション」全般となると色々と弱いのよね。CGアニメーションにしてもそうだし、ストップモーションアニメーションとなると、最早不毛の地みたいな感じ。日本の長編ストップモーションアニメーション映画って一体どこまで遡るのかしら? サンリオの『くるみ割り人形』(1979年)?  これはそんな日本の、そして世界のアニメーション界に革命をもたらすかもしれない作品ね。何しろライカやアードマンのようなストップモーションアニメーションの大手の作品、何百というスタッフの手と何十億という資金によって創られたモノと比べても、ちっとも遜色のない作品、しっかりと娯楽エンターテインメント作品になっているのだから。最初1人、長編化が決まってからも4人ほどで創られていながら。  グロいのは得意じゃないし、ここに描かれた世界はまるで悪夢のようね。夢に見そうよ。でも、その独特な個性を放ちまくる作品世界にすっかり魅了されたわ。広がる地下世界に棲む、起源を同じにしつつ色々と株わかれしたキモチ悪い生き物たちに触れてゆくうち、段々と親しみを抱いて、最後には愛着も湧いちゃうって、主人公が辿る道と観客が映画に抱く感覚の流れがシンクロしてるカンジね。  世界の造形が凄いの。完全にアタマの中のイメージの映像化をコントロールしきってるように思えるわ。大スケールな画から細部に至るまで独自のセンスで支配されてるの。  そして大切なのは、そこだけに集中してないってコト。パンフ読むと判るのだけど、作品世界はかなりコマゴマと設定されているのね。歴史がどうこう、その世界の成り立ちがどうこう、って。で、日本のアニメってそれを延々と説明しがちなのが大きな欠点だと思うのだけど(それに終始しちゃってるモノも多いわ)、コレはそこにあまり留まらずに物語をちゃんと転がしてゆくのね。物語が面白いの。説明やアクションのために物語が停滞する部分が無いコトはないのだけど、ちゃんと娯楽映画としてのバランス感覚を持ってるわ。  ティム・バートンやヘンリー・セリック、ニック・パーク、ウェス・アンダーソンといったストップモーションアニメーションにプンプンと匂い立つような独自の個性を発揮する作家たち、この堀貴秀という人は彼らに比肩し得る存在だと思うの。凄いモノ見たわ。[映画館(邦画)] 9点(2021-04-14 22:33:17)(良:2票) 《改行有》

47.  ソニック・ザ・ムービー 《ネタバレ》  最初にハッキリ言っちゃうと往年のセガオタクなアタシにコレはヌルいわ。ヌルゲーよ。なんなの?ソニックのあのガキっぽい淋しがり屋のエイリアンって設定は。ソニックっていったらもっと尖っててクールでカッコいいハリネズミでしょ?  ってアタシの中のソニックはメガドラの『1』『2』『3』とメガ-CDの『ソニックCD』、サターンは飛び越して(何しろ『ソニック』、サターンじゃ格闘ゲーくらいしか出てない)、ドリキャスの『アドベンチャー』『2』くらいまでなのよね。それ以降の、敵だったハズの京都のヒゲ親父と慣れ合うようになってからのソニックはもうどうでもいいので知らないのよね。って、つまりこのソニックってお子ちゃまに媚びまくり出してからのそっちに寄ってるのかしら?  大体ソニックはスピード命ではあるのだけど、この映画じゃそれ通り越して超高速、DCコミックのフラッシュかマーベルのクイックシルバー状態だわよ。つまりその能力の見せ方自体も何番煎じか、ってカンジよね。  そのクセ、弱いわ。具合悪くなっちゃうソニックって、なんなんでしょ?  せめてファンサービスでゲーム版の音楽を流してくれてもいいのに、そこもほんのちょっとだけ。ちなみにアタシが好きなのは『1』のスターライトゾーンの曲ね。あそこ、前の面の水中でさんざん窒息しそうになった後での高速面で一気に解放感、星空の多重スクロールがキモチいいの。ってどうでもいいわね。  全体的にB級、ジム・キャリーもなんだかB級役者みたいに見えて可哀想ねぇ、ってカンジなのよね。  ただ、つまんなくはないの。娯楽映画としてはそれなりよ。コレがソニックでござい、って言われると「はぁああ?」ってカンジではあるのだけど、元気な青いETです、みたいな視点で見れば悪くないわ。安っぽいなりに色々とアクションの形を見せてくれるし。カーチェイスシーンなんか頑張ってます、みたいなカンジよね。大変さが見えちゃうのもどうかとは思うけど。  リングの扱いはもう少しなんとかして欲しかったケド(アレ、機能としては面クリ後のボーナスステージ行きのリングだわね)。もっといっぱい出してハデにばら撒いてよ!みたいな。  ラストに至ってエッグマン誕生、テイルス登場で、ああここからが『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の世界?ってカンジで実は前日譚?みたいな、でもじゃあここから尖ってクールでカッコいいハリネズミになってくれるのかしらねぇ?[映画館(吹替)] 6点(2021-04-08 21:41:05)(良:1票) 《改行有》

48.  風の電話 《ネタバレ》  モトーラちゃんの演技は最初「きついわー」と思ったのね。東日本大震災を題材に、一家でただ一人生き延びてしまった少女を演じるには、ちょっと荷が重すぎるんじゃない?って。  現実としてあの震災はまだまだ生々しい傷をのこしていて、1つの閉じた作品としてパッケージングして昇華してしまうことが正しいとは到底思えないし、モトーラちゃん以外にもお馴染みな顔の役者さん達の作り物なカンジがリアルの重さに対してあまりに無力なんじゃない?とも。  でも、その作り物、創作の中にどんどん沁みこんで侵食してくる現実が境界を曖昧にして創作が現実に対して抗いきれなくなってゆく、そしてカメラはその過程を捉えてゆく感じでとても不思議なモノを見ている感覚になったのね。  入管に囚われたクルド人難民のエピソードなどは、もうその殆どがリアルで、その前で役者はただ与えられた役だけが形骸化されて残っているような状態。その状況を前に創作は果たしてどんな希望を与えられるっていうの?  一人の少女の旅は、今の日本にこびりついたリアルを背景とすることで虚実の狭間を彷徨うの。その世界ではモトーラちゃんの特異な存在感は演技力云々で量ることなど意味がなくなって、こちらはただただ不安定な彼女という存在と時間を共有し、寄り添ってゆくのね。  そして旅の末に辿り着く風の電話は何かを具体的に救済する訳でも、この物語自体に救済をもたらす訳でもないけれど、そこに少しでも思うところ、感じるものがあるとしたら、今はそれだけでも十分なのかもしれないわ。  今のこのニッポンに生きる意味を考える、癒しとか救いとかいう判りやすいコトバとは違うモノを探る、そんな時間をくれる映画だと思うの。[映画館(邦画)] 9点(2021-04-08 16:28:03)(良:1票) 《改行有》

49.  君が世界のはじまり 《ネタバレ》  ゾンビの出てこないゾンビ映画、みたいなイメージを受けたのね。閉館の決まったショッピングモールに象徴される、暗く澱んで死に向ってゆくかのような世界、繰り返される日常の中で腐ってゆきそうな高校生たち。  でもそこに生への足掻き、抵抗があって、それは痛いけれど、でも羨ましいわ。深夜のショッピングモールに忍び込んで過ごしたひと夜の狂乱が確実に刻むモノ。その意味。  最初に提示され映画の進行に常に影を落とし続ける具体的な破滅、死のイメージは実のところミスリードだったりするのだけれど、そこに堕ちてしまう危うさを内包しつつ、でも映画はあくまで希望を志向してるのね。  映像が暗いの。最近の日本の青春映画にありがちな、画面全体をキラキラ飾りつけようとしてる、あまりに世界をハイキーで描こうとするあまりにヒロインの顔面が白飛びしちゃってるようなモノとは正反対の、光量が絶対的に不足した画ばかりの映画。それはこの世界や高校生たちの心象を映しているようでもあるけれど、同時に夜明け前のようでもあって。いつか照らされる時が来る、その前のずーっと奥行きのある闇、みたいなイメージ。その暗さもまた心地良いわ。  背景になる生活空間が持つ独特な空気感の中で、じわじわと沁みるように高校生の不安定なココロを描いた青春映画の秀作ね。  ただ、今のコたちにブルーハーツは無いんじゃないかしらねぇ。アタシ自身の中にもブルーハーツが無いのでそこには違和感を抱いてしまって。その世代からのお仕着せ、みたいな気がしてしまったわ。  あと大阪人、やっぱり普通にお好み焼きをおかずにご飯食べるのね・・・[映画館(邦画)] 8点(2021-04-07 20:29:23)《改行有》

50.  宇宙でいちばんあかるい屋根 《ネタバレ》  清原果耶の繊細な透明感と、相変わらず個性的演技の桃井かおりの存在感がいいわ。セットとVFXによる作り物感丸出しな屋上も箱庭っぽくてそれはそれで味があって。だけど、映画はパラリパラリと散漫なイメージが連なっていて綺麗にまとまってはゆかない感じで見ていてストレスたまるのね。  伊藤健太郎と姉、その恋人のエピソードなど、映画内の不協和音としてフラフラしてるばかりでカタチを成さないままに置かれている感じがするし(姉は健太郎の説明セリフ一つでフェードアウトかいな)、主人公の実母と新しい母親の設定と展開は読めまくって仕方ない定番お馴染みワールド。  屋根探しからの真実へ到達するまでの流れはこの映画の世界にとって必ずしも重要ではないんじゃない?とも思うし。  時代設定の意味がラストシーンのためだけにあるとしか思えないのもなんかねぇ。  主人公と星ばあだけの時間の尊さをもっと純化してくれていたら、と思うのね。そりゃ主人公は色々と悩みや問題があるわけだけれども、それを具体的に映像で羅列してゆくとどんどん陳腐に、雑味になってしまって。ひたすら苦悩顔を続ける吉岡秀隆、なんてのを別に何度も見たくはないわよ。  この映画の場合、他の現実的要素がガチャガチャしてるからこそ対比して二人の時間が純化してゆく、っていう手法は違うと思うのね。映画そのものから俗っぽさは排除されていても良かったんじゃないかなぁ?  書道教室の講師に勧められ、実母の仕事に魅かれ、水墨画の道を進んでゆくにしても、これこれこうだからこうなりました、って説明的な映像ではなくて、主人公の成長に絡めてカタチ作られてゆくものだったら良かったんじゃないかしら。  映画の視点がもう少し主人公の近くにあった方が良かったと思うわ。[映画館(邦画)] 5点(2021-04-07 19:53:50)《改行有》

51.  アルプススタンドのはしの方 《ネタバレ》  ほぼ野球場のアルプススタンドだけで展開する映画。ちょろっと球場外側の通路も登場するけれど。  自分の高校の試合を義務的に傍観しているコたち。応援のカタマリの中じゃなくて人もまばらな端っこの方にいる、それは中心にはなれないコ、中心になることを諦めちゃったコである事を端的に示しているわ。高校生活を送ってゆく中で、負けちゃった事、夢破れた事を自覚して色々と諦めちゃっていて。  でも、中心にいるコにも中心である事の大変さ、つらさがあって。それぞれ痛みをただ抱え込んでいただけで終わっちゃったら悲し過ぎるし、そこからどうやってその先の人生の長い長い時間を過ごすの?って、そんな映画。  『桐島、部活やめるってよ』的なお話を『セトウツミ』的視点で描いたようなカンジなのだけど、最初はコミカルな青さ、若さが、映画が進むと共にそれぞれの端っこなりの生のカタチを成してきて、共感しまくりの世界になってゆくのね。  生徒を演じたコたちの無名であるがゆえの余計なイメージのない存在感が映画を更に純化させていたわ。  ただ、ラストは残念。エピローグ部分は完全に蛇足。アレがあるせいで「今を生きるコたちのための物語」から「過去を懐かしむ大人たちのための物語」へと転じてしまったのよね。作品を大人が子供から奪っちゃってるの。それはダメ。あくまでこの映画は今を生きてるコたちのためにあるべきなのよね。[映画館(邦画)] 8点(2021-04-07 16:04:33)《改行有》

52.  モンスターハンター 《ネタバレ》  ゲームは360で『フロンティア』をひと月だけやっただけで(アレ、オン専用の課金ゲーなので、最初の課金だけでやめちゃった)『モンハン』全体を把握できてはいないので比較して語る事はできないけれど、なんだかあんまり新鮮なモノを見た!って感覚には乏しい映画だったわ。  最初からしばらくずーっと『エイリアン2』で、その流れがやっとひと息ついたと思ったら、なんていうか『ゼイリブ』?みたいな。そのドタバタは一体いつまで続くの?っていい加減ダレてきた後にやっと狩り始めるのだけど(『トレマーズ』感を醸しつつ)、結局は『ヒックとドラゴン』だったわねぇ、って。っていうか『ヒックとドラゴン』はちゃんと早くから火を吐くドラゴンの、その燃料について言及して伏線張ってたけれど、これは唐突だわね。  この監督ならばこのくらいでしょう、っていう、その予想からなんにもハミ出してゆかない、毎度のミラが主役な躁状態の娯楽映画で、だけどそう割り切って見に行ったのだから、モンク言うのも筋違いかしらねぇ。でもでも、クルマひっくり返って中の人間が「うぎゃ~」ゴロゴロ~ってショットを何度も繰り返し過ぎ(3~4回あったわよね)とか、せっかくの日本人キャストな山崎紘菜ねえさま、顔がマトモに映ってる画が10秒もないんじゃない?とか(双眼鏡覗いてるショットの方がよっぽど長いわ)、モンスター相手の戦闘シーンはゲーム的な闘いよりも現代兵器でバリバリ!ってシーンの方が割合が多いんじゃない?とか、どうしても不満は色々出てきちゃうわ。トニー・ジャーのアクションシーンも細切れだしねぇ。  カプコンのゲームの映画化作品って、ツッコミどころが多いモノばかりだったりするので、まあコレもそんな意味ではカプコンらしいっちゃらしいのかもしれないわね。[映画館(字幕)] 5点(2021-04-05 13:09:42)《改行有》

53.  シン・エヴァンゲリオン劇場版:|| 《ネタバレ》  『惑星大戦争』?『惑星大戦争』なの?と思ったそばから『さよならジュピター』で「やりやがったな」みたいな。  それはともかく、期待したほどではなく、でも危惧したほどでもなくて、まあこんなモンでしょう、みたいなカンジで。『Q』であそこまで違った道を進んだのだから、そこから続く今作はもっともっと違ったモノを見せてくれると思ったのだけど、『THE END~』のクライマックスの存在がやっぱり影を落としてるし、だけどアレほどにはポカーンって状態ではなくて、それなりの結末を見せてくれて。前作ほどには突き放してなくて、もっとずっと人に寄っていて。  でもまあ『まどマギ』みたいな『エヴァ』よね・・・  ゲンドウのクライマックスの自分語りがまー超ウザくってさ、だけどアレがある意味エヴァって事象に対する監督の言い訳というか紆余曲折した上での今の心境みたいなモノなのね、と思うと、んー、まあどうでもいいわ。はいはいそうですね、くらいなモンだわ。あそこ、長さの原因になってる感じだけど、もっと削って欲しかったくらい。ダレたわ。  気合いの入った、パワフルな絵創りは良かったわ。シネスコの画角いっぱいに横倒し状態で人物入れるのが頻出するのはちょっとやり過ぎな気もしたけど。  エヴァの時代っていうのがもう時代遅れで恥ずかしい世界になるギリギリのところでエヴァに完全にケリ付けて、俺らはここに残るのでお前ら若者達は先へ進め!みたいなカンジになってる気もしたのね。冒頭に書いた映画群とか『さらば宇宙戦艦ヤマト』とかの露骨な引用もオールドタイプの自認みたいなモノで。それを自覚してるあたりは潔いのかもしれないわ。だけどカヲルくんがあんなだから第4、第5のエヴァが現れる危険性もないことはないのかもしれないわね・・・ 【追記】  気になったところ。男をしょうもないダメな生き物として描きつつ、最後にはそういう男を女に受容させるっていうのは男目線の甘えよね。何十年も生きて表現してきた上でなお男のだらしの無さを女に許容させるって、それはアニメ界に巣食う病みたいなモノかしら。パヤオも御大もそういうところあるでしょ。細田監督もそう。そろそろ業界全体でアップデートしたらどうかしら?[映画館(邦画)] 6点(2021-03-08 20:03:30)(良:2票) 《改行有》

54.  約束のネバーランド 《ネタバレ》  浜辺美波のまるでヅカの子供役みたいな感じと、ヅカオタな北川景子の、もうヅカ意識しまくりました!みたいな役作り&演技とで、これはもうヅカオタなアタシとしては大感激!・・・とはいかなかったわ。  映画と言うよりは舞台的な、意識的に「作り」ました、って世界なのだけれど、浜辺美波と北川景子の100点な状態の中間に60点くらいの渡辺直美がブレブレな状態で存在していて(明らかにこの映画のトーンに合わないノリで、それって笑わせたいの?)、子供達の20点30点のきっつい演技で学芸会ノリがブレンドされて。申し訳ないのだけど、メイン3人のうちの黒髪のコが喋るとなんか可笑しくなってしまって。もう少しなんとかしてあげられなかった?  脚本と演出がね、かなりシンドいの。一本調子っていうか、緩急、メリハリ無いの。一大事が訪れてもそれまでのテンポとかテンションとかと一緒に流れてゆく感じ。ひたすらエピソードの羅列よ羅列。  それに意外性が全然無いのね。このキャラはこういうキャラ?って見えてるそのまんま。渡辺直美も北川景子もこう見えて実は!みたいなカンジじゃなくて。っていうか自分からペラペラどんどん自分を語ってしまうしねぇ(そこら辺はやっぱりマンガ原作よねぇ、って)。  作品世界もアレだわ。『わたしを離さないで』に『進撃の巨人』と『メイズランナー』混ぜました、以上。みたいな状態で。もうね、壁映画。『キング・コング』を始めとして『進撃の巨人』とか『ウォームボディーズ』『ワールドウォーZ』等でお馴染みの壁映画でございますよー、ってカンジ(塀映画が正しいのかしら?でも「へいえいが」だと語感悪いし~)。ちなみに同様に壁映画にカテゴライズされそうな『ウルフウォーカー』は今年の、っていうかここ10年くらいで最高のアニメーション映画なので超お薦め。・・・話が逸れたわ。  緑を基調とした画作り、光と影のコントラストを強調したライティング、その雰囲気はいいのね。いいお仕事してるの。でも、そこにきっついノリの素材がぼんぼん放り込まれてる状態で闇鍋状態だわ。カオスよ。  結局は「俺たちの戦いはこれからだ」状態の映画で、また1つオタク系作品の痛いノリを見せられました、ってカンジだわねぇ・・・[映画館(邦画)] 4点(2020-12-23 18:59:31)《改行有》

55.  新解釈・三國志 《ネタバレ》  新解釈と言いつつ、基本は『三国志演義』ね。で、キャラや設定のデザイン関係は『真・三國無双』シリーズ頼り。桃園の誓いから赤壁の戦いまでを描いてみせました、って点でもなんかフツーっていうか。『レッドクリフ』フツーに持ってきたよね?みたいな感じもあるし。  要はキャラが面白い、会話が面白い、ってところがキモなんだけど、そこがつまり毎度の福田雄一ワールドなワケで、そこにウンザリしちゃう人間にはなんの価値もない映画よね。アタシ的には嫌悪感を抱くほどでもなく、笑える時は笑える、って程度なんで、まあこんなモンでしょう、みたいな。ただし佐藤二朗のねちっこい芸風は全く笑えないのだけど。今回はそこがそんなでもなかったのでまだマシ(何しろ董卓なので出番は最初の方だけだし)、でも代わりにムロがねちっこかったわね。  安いアクションシーンとか、肝心のところを省略しまくりとか、そういう部分をツッコんでも仕方ない、って程度の映画。でもただのネタ集状態で、殆どのキャラに流れが存在しないので退屈しちゃった。ドラマにも物語にもなっていなくて、どのキャラもオチてないの。その生にケリが着いてないのね。上っ面だけを羅列した状態のモノに、映画的感動なんて求めるだけ無意味なんでしょうけどさ。  最大の問題は渡辺直美の扱いかしらね。今時酷いルッキズム。っていうか正確にはルッキズムを笑おうとしつつ、そこに堕しちゃってるカンジなのよね。広瀬すずをオチみたいに出した事でおかしくなっちゃった。彼女をブス扱いする事で今の時代の価値観も絶対視してないのよ、ってスタンスのハズが、当時(というかこの映画の世界)の価値観を笑うだけのシロモノになっちゃってるのよね。渡辺直美のままに美しく散らせる事が必要だったのよ。彼女には彼女だけの美しさがあるのだから。  そこら辺の福田雄一のセンスとそれを許してしまう出演者の意識、そこに問題があると思うので減点ね。[映画館(邦画)] 4点(2020-12-20 14:28:20)(良:2票) 《改行有》

56.  劇場版 鬼滅の刃 無限列車編 《ネタバレ》  「映画いっぱい見てるのに?」「オタクなのに?」ってかなりキメハラ喰らい気味だったので、ネトフリでテレビシリーズ26話イッキ見した上で見てきたわ。  映画は、アニメ表現の低い限界点の問題がつきまとう?、みたいな視点で見始めたのだけど、それ以前の問題だったわ。物語の途中から始まって途中で終わる、これ一作では映画作品としてキチンと成立してないシロモノ。ただのテレビシリーズの延長、26話の続き。何しろ画角だってビスタサイズですらないんだもの。テレビと一緒で16:9よ。  テレビシリーズはそれなりに楽しめたのね。アニメ独特の低い低い表現の限界が気になりはしたけれど、アニメとしてのクオリティは高い方だったし、物語もありがちとは言え楽しめたわ。善逸と伊之助がひたすら空回りして物語の進行を阻害しててウザー、とか禰豆子は重要なキャラなハズなのにほったらかしな時間長過ぎてイライラ、とかあったけど。  でも、映画は映画としてキチンとして欲しいのよ。もう全然テレビシリーズと変わんない。伊之助は今回、頑張ってていいカンジだったけど、禰豆子ほったらかしモードは映画になっても相変わらずだし、キャラがみんなして心の声で状況から心情から物語から何から全部説明しちゃうのも相変わらず。  映画ならではのケレン味とかね、独自の映像表現とか欲しいわけ。元からカッコつけてるんで映画で特に突出させる必要はありません、みたいな? 原作準拠なので仕方ないです、とか?  今回、煉獄さんの映画として特化しました、みたいなカンジなのだけれども、だったらもっと煉獄さんに寄った構造で良かったハズよ? 映画の視点は炭治郎にへばりつき過ぎてて煉獄さん、かなり唐突な存在だったし。後半のアイツは伏線無しで何故か夜明け前にのこのこ出てくるし。そこら辺は別に原作と違って映画を綺麗に流してみせるための再構成をしていいのよ? 映画作家としてのウデはちっとも見えてこないのよね。  コレが日本の映画興行収入の記録を更新するカンジなのだけれど、こんなレベルの作品でいいのかなぁ? テレビシリーズや原作見てる人前提とか、こんな猟奇的な作品(血しぶきブシャブシャ、生首ころころ、腕やら足やら切れまくり)が小学生に大ウケとか、アタシの周囲の映画クラスタが揃いも揃って『鬼滅』からは目を逸らしてるとか、色々あるんだけど、マンガ=アニメの狭い世界でみんなで揃って閉塞してるカンジがどうにもあまりキモチ良くないのよね。暗く閉塞したコロナ禍での生活を象徴するような作品、ってネガティブに思えてしまうのね。[映画館(邦画)] 4点(2020-12-01 19:33:32)(良:8票) 《改行有》

57.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》  『おジャ魔女どれみ』シリーズを見て育った世代を通して(アタシはその時点で十分に育ちきってたけど)、子供の頃から今まで経てきた時間、そしてこれから生きてゆく時間について描いた映画。主役は3人の魔法の無いリアルを生きる女性で、作品世界としては『どれみ』と直接的な繋がりはほぼナシね。  まだ若いけれども人生どんづまり気味の3人が『どれみ』を通じて知り合って、意気投合して、でもケンカしたりもして、お互いが大切な存在になってゆく姿は感動的だし、『どれみ』に思い入れがあればその感動は更に大きなものになるわ。  ただし問題はいっぱい。これって「あー感動した」で済ませていいの?っていう。  まず、3人以外の登場人物が3人のドラマを描くためのダシでしかないのよね。レイカのクソ野郎な彼氏にしろ、ミレの会社のバカ達にしろ、ソラが告白する男にしろ、きちっとハナシにケリを付けずにほっぽりだすだけなのよね。それがたとえロクでもない存在であってもドラマとして雑だわ。  でも、いくらなんでもレイカのお父さん周りの描写に関しては雑過ぎるでしょ。お父さん、もう余命幾ばくもないのは明らかよね。再婚相手とまだ幼い娘がいて、当然そこにはレイカと母親の姿を投影していいハズなのよ。なのにそこはドラマにはせずにほったらかしで終了。あの母娘は映画の中で全く救われないの。  レイカはクソ野郎を捨てた直後にほいほいと東京のミレの元に行ってしまうけれど、いきなり辞められたバイト先のお好み焼き屋はどうなったのかしら?  ミレも会社をさっくり辞めたけれど、なんで前の上司に辞表出したの? 彼女の役職だと辞表じゃなくて退職願じゃなくて? レイカ同様いきなり辞めちゃえるモノ?  そして、そういう雑さの上で彼女達の選択って、過去の嫌なしがらみは全部切り捨てて、好きな者同士だけで閉ざされた世界を作ってそこで生きていきましょう、って結論なのよね。それでいいのかしら? 飛び立ってゆくどれみ達の姿とは裏腹に随分と内向きじゃなくて?  このところ、海外アニメーションの名作、傑作が次々と公開されて、それらに慣れた目にこの映画は良くも悪くも「アニメねぇ」って感じなのだけど、そしてその記号的アニメ表現は『どれみ』準拠なのは当たり前なのでしょうけれど、未来を指向する作品なのに先に進めてない、むしろ後退してると思うの。『どれみ』ノスタルジーならばそれでもいいのかもしれない、でも2020年という今にアニメという日本独自の文化がどういう道を選択すべきなのか、って点に関して、ちょっと無自覚過ぎる気がするのよね。御大やパヤオの嘆きも判んないコトもないわね。[映画館(邦画)] 6点(2020-11-20 15:57:27)(良:1票) 《改行有》

58.  映像研には手を出すな! 《ネタバレ》  嫌な予感はしてたわ。  監督は『トリガール!』『3D彼女 リアルガール』と「オタクを題材にしながらオタクを見下した視点」で映画を撮る人だから。その不安はこの映画でも解消されてない。  メイン以外の様々な面倒なオタクを笑いモノにしてみせるし、メインにしたところで、その情熱のカタチの表層を描くことはしても、その対象への姿勢、そして努力の末に結実したものをキチンと見せる事はしないわ。ゴチャゴチャと盛り込んだ(多くはただ映画を賑やかすための)要素によって掻き消されてしまったモノも少なくないのね。  『映像研に手を出すな!』が描いたものは、こんなガチャガチャとしたバカ騒ぎ(オタクには厳しいクセに一方で『踊る大捜査線』のパロディの、お決まりのセリフの脇で室井さんのモノマネしてるなんてところまで拘るのよね)じゃなくって、アニメーション(アニメでなく。この映画はその違いすら理解できないままに描かれるんじゃない?と思っていたけれど、それ以前の問題だったわ)についての真っ直ぐな情熱を描いた物語なハズじゃ?って。  それでもコレを酷い映画と切り捨てる事ができないのは、乃木坂46のメイン3人が、ちゃんと浅草氏、金森氏、水崎氏に見えたから。っていうか、それ以外の何者でもない、そこに3人がいたから。再現度とかなんとかってレベルじゃなくて、今のアイドルに疎いアタシにはその3人が映像研の3人としか思えてなくて、生きた彼女達の姿を見ているコトが単純に嬉しかったのね。斎藤飛鳥氏、梅澤美波氏、山下美月氏の功績は大きいわ。  あと、音響部が繰り出す音、アレは映画館って環境があればこそ。5.1chをガンガンと鳴らしてみせて、少なくともそこには映画化の意味があった感じね。  彼女達がアニメーションに向ける情熱と、その結果としての作品の全貌は、アニメ版を見て補完するのが吉ね。『未来少年コナン』の再現も含めて湯浅政明監督のアニメーションに向ける情熱がシンクロして映像研の目指したモノが完璧なカタチで見られるから。[映画館(邦画)] 6点(2020-09-29 20:40:18)(良:1票) 《改行有》

59.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》  テレビシリーズを見ているか否かで、伝わってくるものに大きな差が出てしまうのは、もう仕方のないことなのかもしれないわね。いきなり映画版から見て「意味不明」って文句タレるコトが多いアタシだけど、これはネトフリで全話見ていたのでこの映画版に期待してたし、しっかり堪能することもできたわ。  それまでに描かれたエピソードを見ていれば、ヴァイオレットの表情1つ1つにどんな背景があってその顔をしているのかが理解できて、切なかったりツラかったり。ヴァイオレットが学んできた人の心、ヴァイオレット自身の心、その流れが最後にこの映画に辿り着いて。  冒頭から『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の物語を過去の話とすることで、ここでピリオドが打たれる、って宣言しているワケで、テレビシリーズと前回の番外編的な映画を経てきていると感慨深いものがあるわ。  でも映画として不満点もないではないのよね。  140分と長尺だけど、物語的には2時間以内に収まるわよね? なんか勿体付けた演出が多くて(やたら意味ありげに尺を取ってるカットが多いわ)、テンポ悪いしダレ場もあって。これで完結、ってコトで一応レギュラーメンバー出しておかないと、って感じで必要とも思えないキャラを出して時間を浪費してるようなシーンもあるわ。会話シーンの単調さをごまかすためか、会話途中でハンパに俯瞰(キャラ2人くらいをちょっと見おろしてる)になる絵が何度か登場するけれどそのカメラポジションは無意味だし。そのハンパさはシネスコの画角を持て余しているようにも思えたわ。  それに容赦のなさで定評のある?吉田玲子脚本は今回語り過ぎ。まー、みんな心を説明するする。見せ場押す押す。  ユリスのシーンはここぞとばかりに泣かせを引っ張りまくり。  最後なんかアレ、ヴァイオレットと少佐の浜辺のシーン長過ぎじゃない? いよいよこれで終わり!ってコトで盛りまくって盛り過ぎた、みたいなカンジでクドいわ。でもほんの短い1カットだけヴァイオレットの泣き顔にあえて鼻水描いたのは良かったわ。そりゃ泳いであんだけ泣きゃ出るわよ、鼻水。  個人的にはヴァイオレットちゃんがロリコン少佐の呪縛から解放される結末を期待してたんだけどねぇ(台無しな感想)。ヴァイオレットちゃんが幸せならば、まあそれでいいんじゃない?[映画館(邦画)] 7点(2020-09-22 22:48:09)《改行有》

60.  思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ映画版) 《ネタバレ》  実写版は三木孝浩監督と浜辺美波、北村匠海って鉄板の布陣で爽やかな良い青春映画となったけれど、このアニメ版もコレはコレで。日本のアニメの良さが実写版とは全く違った魅力を放ってるわ。  基本的な物語こそ一緒だけれど、全くの別物と言っていいレベル。実写では不可能なデフォルメを多用してキャラに魅力を持たせてるし(ここら辺は原作準拠なのかな?)、ラブラブな展開に突入すると共に突如入るキラキラエフェクトは見ていて恥ずかしかったりもするけれど、それもアニメならではの魅力ね。  ただ、終盤になって失速してしまうのがなんだかもったいなくて残念。実写版ではそれぞれの家庭環境や現実的な問題、将来の夢や目標も盛り込んでいたのに対して、こちらはラブラブメインの展開で、だけど終盤になって家庭や将来がのしかかってくるので、そこでスローダウンしてテンションダダ下がりになっちゃうのよね。せっかくテンポ良く(良過ぎて移り気で恋多き面々になっちゃってる感はあったけれど)ラブラブほんわかワールドだったのに。そのまま上がりきらずにエンドロールになっちゃう感じで、ちょっと画竜点睛を欠く感は否めないのね。もっとあっさりすっきりまとめちゃって良かったんじゃないかなぁ。  高台から眺める風景なんか、実写版に比べるとあまり重要視されてなかったりして、何かキーになる映像なりアイテムなりがあれば、って思ったわ。その役割を果たしそうだったハズの朱里のジュエルケースはちょっと全体のトーンから浮いた感じの存在だったし。  でも、こういうアニメはやっぱりキャラクターデザインと作画が命なので、その点、魅力的な絵を見せてくれたところは評価したいわ。[映画館(邦画)] 6点(2020-09-19 23:57:43)《改行有》

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