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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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601.  ももへの手紙 《ネタバレ》 「もう帰ってこなくていいから」と言い放った相手が本当に帰らぬ人となったら、大人でも堪えます。その相手が父親ならば尚更のこと。ももが心に負った傷の深さは計り知れません。ですから、彼女が母親の危機に暴風雨の中飛び出した気持ちは、痛いほど理解できます。でも周りの大人はももを止めなければいけませんでした。母親を救うために、子が命を落とすことなどあってはなりません。絶対に。彼女が父親の件で教訓とすべきは、過ちに気づいたら直ぐに謝ること。親子関係を良好に保つこと。親が悲しむ選択を、奇跡を拠り所として美談に変えるのは間違いだと感じました。これでは主人公が精神的に成長したことにはなりません。その結果、彼女の成長を示すはずの“橋からの飛び込み”に説得力が生まれず(単に島に馴染んだだけのように思える)、感動に繋がらなかったように思います。本文の書いていない『ももへの手紙』。その文面を想像する力を身に付けることが、彼女にとって本当の意味で“成長の証”だという気がします。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-04-15 19:52:56)(良:1票)

602.  小川の辺 《ネタバレ》 一言で言い表すなら、リアリティに拘った映画。行燈の明かりを表現する室内のライティングに、感傷主義に振り過ぎない抑えた脚本。外連味を感じたのは殺陣くらいのものです。配役も然り。東山の侍姿は本当に絵になります。さすがジャパニーズソウル調味料・しょうゆ顔アイドル。尾野真千子も着物姿が素敵です。さて問題は、菊地凛子。あのアバンギャルドな顔立ちに日本髪と着物を合わせたらどうなるものか。印象的な頬骨と鰓が、強情な内面を物語る女剣士の出来上がり。完璧な人物造形ですが、正直“これじゃない”感は否めません。同じ藤沢周平原作時代劇の女剣士でも、片や北川景子、片やリアル小姑フェイス。勝地に同情こそすれ、祝福する気になれないのはちと辛い。もっとも、女剣士という単語の前に“可憐な”とか“美少女”なんて装飾語を勝手に付けて想像してしまう自分に問題があるわけですが。[DVD(邦画)] 6点(2013-04-13 18:16:43)

603.  貞子3D 《ネタバレ》 『貞子3D~2Dバージョン~』。このタイトルからして、もうちょっと面白いのですが、終始ホラー映画を観ている感覚はありませんでした。そう怖くないのです。繰り返されるのは、白い手が画面から飛び出てくるシーンに「お前じゃない」の声。脳裏に超絶美少女橋本愛ちゃんの顔が浮かびます。思わず顔がニヤける始末。主人公に迫りくる危機も、彼女自身の超能力で撃破できますし、漂流教室の未来人みたいな奴も物理攻撃が有効でした(蝶(蛾?)になって消えるってどういうコト?)どう怖がればいいのでしょう。染谷翔太や田山涼成部下の死に様などは、笑わせに来ているとしか思えません。3Dの映像技術を楽しむ映画としての価値はあるのかもしれませんが(劇場で観ていないので知りませんが)、それ以外で観るべき部分は皆無だと感じました。おそらく本作最大のホラー要素は、2013年夏に続編が公開されるということ。正気の沙汰とは思えません。こちらの方がよっぽどホラーではないかと。[ブルーレイ(邦画)] 2点(2013-04-06 18:59:16)

604.  ポテチ 《ネタバレ》 (ネタバレあります。未見の方はご注意願います……) 出生の秘密を知った主人公は、いったい何に衝撃を受けたのでしょうか。彼女は言います。母親との血の繋がりの有無でもなければ、本物の母親に会いたいわけでもない。多分、お母さんが可哀そうだと思ったのではないか。もっと優秀な息子を持てたかもしれないのだからと。おそらく彼女の指摘は当たっています。主人公は母親思い。彼がまず考えたのは、自分のことよりも母親の事だった気がします。「死んだお父さんは酒豪だったけど、忠司の(酒の)弱さは隔世遺伝かね」という母の台詞。尾崎の母が昨年心臓病で亡くなったという話。そして健康診断を初めて受けた主人公が、母親にも健診を強く勧めた理由。これらの事柄から、主人公の身の上に“ある悲劇”が起きている事が推測されます。母親を一番悲しませてしまうこと。劇中語られぬ隠された真実に届いた瞬間から、喜劇調の物語は色を変えました。主人公がどんな思いで、尾崎に肩入れしていたのか気づかされます。空き巣狙い、美人局、ポテチ。物語を紡ぐ要素は、すべて何かの身代わりを象徴していました。本物ではなく、代用品。主人公が“気づいてしまった”のもまた、身代わりの人生でした。今の尾崎は代打専門。そして弓子(母親)にとっては本物の息子。そんな男が放った渾身の一撃は、特大の場外ホームランでした。代用品も、本物も、関係ないという力強いメッセージが其処には在りました。万有引力の法則や三角形の内角の和の定理も、誰かが先に見つけただけ。主人公の発見も本物に違いありません。身代わりの人生なんて、そもそも無いのだと思います。誰もが自分の、本物の、人生を歩んでいます。気づかない方が幸せ?そうかもしれません。でも気づきは喜びです。ホームランのように誇っていい人生であれ。[DVD(邦画)] 8点(2013-03-30 19:50:55)(良:6票)

605.  骨壺 《ネタバレ》 (いきなりネタバレあります。未見の方はご注意ください。)  呪いの元凶となった遺骨は、命乞いの甲斐なく惨殺された妊婦のものでした。彼女の怨霊は、憑りついた人々から体のパーツを奪い、この世に生まれることが出来なかった子供の姿を再現しようとします。我が身を分け与え、子の命を育むのが母親。遺骨の一部を身の内に宿した者は、彼女の身代わりという訳です。なんという痛ましい、やるせない物語。『仄暗い水の底から』と同じ“切なホラー”路線。しかし主人公はそんな妊婦(遺骨)の思いを知るはずもありません。彼女は単に自責の念で命を絶ったのです。確かに見る事すら叶わなかった“我が子”を成形した妊婦は満足そうでした。しかし誰ひとり救われていません。最悪の結末でした。同じく見るに耐え難い内容でも『ミスト』や『オールド・ボーイ』といった傑作と本作は決定的に違うと感じます。それは“物語の構想”と“監督の意思”の有無。この結末にたどり着くまでの道筋の中に、監督の意思が全く感じられなかったのは致命的だったと思います。残念。最後に篠崎愛について一言。いわゆるロリ顔巨乳というカテゴリーのタレントさんですが、芸はある様子(歌は上手い)。演技も磨けば光りそうです。ただグラビアでは強力な武器となるバストが、女優では足枷にならないかと、余計な心配までしてしまいそうです。[DVD(邦画)] 4点(2013-03-27 19:51:31)

606.  あなたの知らない怖い話 劇場版 《ネタバレ》 『観ると呪われるビデオ』ならぬ『観ると相手を呪い殺せる能力が手に入る動画』。呪い殺そうとした対象者も同じ動画を観ていた(既に呪い殺す能力を有していた)場合に限り、呪いが跳ね返される危険はありますが、誰かの死を望まない限り自分自身は安全です。怖がる必要もなければ、少女の怨念を解く必要もない訳です。核武装をして専守防衛ならば問題なし。しかし自分だけ武装が許されるはずもありません。それが世の道理。誰か一人が武器を手にした以上、全員が同等の武器を手にするしか“世界の平和”は望めません。そして銃を手にしたら撃ってみたいのが偽らざる本音。連続怪自殺事件から数年。鳥古町は平和な日々を取り戻したと言います。しかしそれは仮初の平和。いつ、だれが、引き金を引いてもおかしくない。呪いの連鎖は決して断ち切れないのだと思います。ラストシークエンスの解釈について。産婦人科で懐妊を告げられる主人公。「あの先生、変な事言うんですけど、わたし」に続く言葉は何だったのか。何故産婦人科医は呪い殺されたのか。そしてエコー写真の胎児に刺さっていた釘の意味は……。呪殺少女は主人公の子として転生(処女懐胎)し、堕胎を阻止するために産婦人科医を呪い殺した”と推測しますが、かなり唐突な印象を受けます。何故、このタイミングで少女は主人公に助けを求めたのか、よく分かりません。もっともこれが呪いの連鎖を断ち切る唯一の手段だとすれば、ハッピーエンドと捉えられなくもありません。[DVD(邦画)] 6点(2013-03-21 19:56:18)

607.  ×ゲーム2 《ネタバレ》 明らかに不自然な描写が2ヶ所ありました。ひとつは、バケツを持って立ってろの刑。重りはご婦人が苦も無く運んできた球(ボーリング球?)。確かにバケツに入れるとキツイでしょうが、大の男が耐え切れない程の負荷ではありません。もうひとつは、顔面パンチの刑。振り子の質量から考えて、絶命は考え難いです。いずれも同一人物に対する刑罰。ということは、彼は刑罰執行側のスパイだった(演技で苦しんだふり)?一応結末とも符合はするのですが、どうも真相は違うようです。つまり単純に演出が稚拙であったということ。何故このような“間違い”が発生してしまうのか不思議です。とはいえ、前作よりも格段に見応えがあったのは事実。その点は評価します。オチ、演出共に、ソリッドシチュエーションスリラーの代表格『○○○』をお手本にしたような気が、しないでもありません。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-11 22:26:05)

608.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 幽霊や超常現象なし。音楽で恐怖を煽らない。過度な演出をしない。日常から逸脱しない。このコンセプトは強く支持したいところ。事実、雰囲気は抜群でした。それだけに細部の粗が悔やまれる出来でした。如何にスクリーンの日常を自身のそれと置き換えて物語に飛び込めるか。本作を楽しむためにリアリティは絶対条件。その点で大いに不満が残ります。コールセンターや宅配便の業務については、リサーチ不足を感じさせます。固まらない血も現実的ではありません。最終2話についてはリアリティ云々の前にアンフェア。これはいけません。ティーン向けのライトホラーと割り切って楽しめば問題ないかもしれませんが、自分はもうワンランク上の完成度を狙える設定と考えます。改良版の続編を期待します。追伸。宅配便の話の女優さんが絶品でした。笹野鈴々音さん。TV版でも評判を呼んだ模様。この存在感は圧倒的です。前田敦子の物真似でブレイク中のキンタロー。もお笑いの仕事が無くなったら是非ともホラー映画の世界で活躍されては如何でしょう。笹野、キンタロー。の悪夢の?競演が観たいような、観たくないような。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-05 18:53:54)

609.  ジョーカーゲーム(2012) 《ネタバレ》 当局の思惑はどうあれ、ルール上は一人の勝者を決める戦いではなく、一人の敗者を決める戦い。この設定が秀逸でした。前者であれば、全員が戦わざるを得ません。しかし後者は違います。積極的に戦う必要がありません。自身がたった一人の敗者にならなければいい。そんな消極的な思考を助長するのが“契約制度”でした。生死のかかった戦いを代理人に委託する。余りにリスキー。怖くて二の足を踏みそうなものですが、契約を結ぶ者が続出しました。でも不思議ではありません。おそらくこれが一般人の思考。面倒な事は誰かに身代わりしてもらいたい。“自分で決めた事だから、悲惨な結果でも悔いはない”ではなく“他人が決めた事だから、悲惨な結果でも自分の責任じゃない”が勝るのです。そんなバカなと思うかもしれません。でも現実世界も同じ。責任の恐怖に慄き、代理システムに馴らされているのが現代人だと思います。主人公はそんな姿勢から一歩踏み出せた様子。そこに本作のメッセージがありました。シンプルなゲームでありながら、戦略性が発揮できるジョーカーゲーム。ドラマ性も豊富。面白い素材だったと思うのですが、脚本の出来はイマイチでした。暴力とイカサマを公認してしまったのは、ゲームの面白味を激減させる悪手。一から脚本を練り直してのリメイクを希望します。最後に本作のヒロイン、北原里英について少々。演技云々に注文を付けるつもりはありません。大体みんな同レベル。よくも悪くもバランスは取れています。気になったのは前髪です。あの長さでは女優の生命線“眼力”を殺してしまいます。前髪はオンザ眉毛(死語?)でお願いしたい。なんか生活指導みたいになっちゃいましたが。[DVD(邦画)] 5点(2013-03-02 22:54:58)(良:1票)

610.  指輪をはめたい 《ネタバレ》 一言でいうなら、『ドリーマー片山くんの修羅場天国』。もうね、片山くんが羨ましくて。「何のために絆創膏持ってんの?思いっきり転ぶためでしょ!」って、なんて素敵な言葉なんでしょ。何も無いより、辛くても、苦しくても、思い出はあった方がいいと思ってしまいました。美人で性格も素晴らしい、個性豊かな3人の乙女たち。寿司とカレーとラーメンなら、そりゃローテーションで食べられたら最高でしょう。浮気の魅力というか、“魔力”の一端を垣間見た気がします。もっともこれはファンタジー。本当の修羅場はこんなもので済むはずもなく、失恋で狂っていたとはいえ、何の落ち度もない3人の女性を傷つけた事実は消せません。(寝ている彼女の指に指輪をはめてみるって、そりゃ気づかれたらダメでしょうよ…)片山くんが再起不能にならなかったのは監督(女性でしたか!)の武士の情けといったところでしょうか。自身の心にケジメをつけた彼は、ゼロからスタート出来ますもの。妄想シーンは『嫌われ松子の一生』の方法論と同じ。痛い物語には幻想的なデコレーションが相応しい。いろいろと勉強になる映画でしたが、一番感銘を受けたのは別れの台詞でした。「あなたといてもツマラナイ」抽象的なのに的確かつ圧倒的な人格否定。コレを言われたら、ちょっと立ち直れないです。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-28 22:09:09)

611.  NINIFUNI DVD収録のメイキングでプロデューサーと脚本家は、こう明言しています。本作は答えの無い映画。出来事を提示して観客が何を感じるか投げかけているだけであると。その説明に嘘偽りはありませんでした。なるほど、そういう映画もアリなのかもしれません。映画の解釈は観客の手に委ねられているものだとも思います。ただし、シチュエーションの提示だけなら40分は必要ない気がします。2分で十分でしょう。尺は観客のイマジネーションを刺激するための仕掛けに費やして欲しいと思いました。本作を楽しめるのは、映画鑑賞の達人か感性が豊かな人だと思います。自分にはまだ無理でした。それでは最後に自分の率直な感想をば。「やっぱり怪盗は6人バージョンがしっくりくるな」[DVD(邦画)] 2点(2013-02-27 18:51:54)

612.  バカリズム THE MOVIE バカリズムコントの映画版。それ以外に評しようもありません。これを映画と呼んでよいかどうか微妙な気はしますが、自分は楽しめました。何度「くだらねえ」と突っ込んだことやら(ホメ言葉です)。個人的には津田主演の『(株)ROCK』が一番好きです。そして何よりエンディングの『バカリズム THE MOVIE音頭』の身も蓋もない歌詞に大笑いしました。バカリズムが面白いと思う方のみどうぞ。[DVD(邦画)] 6点(2013-02-18 18:45:58)

613.  SADO TEMPEST 佐渡テンペスト 《ネタバレ》 主人公は島に流されたのか、呼び寄せられたのか?本田博太郎は存在するのか?島に春が来ないとはどういう事?鬼とは一体何なのか?話が進むに連れ積み重なっていく謎。そして矛盾点。十分な説明のないまま始まった物語は、明確な種明かしをせずに幕を閉じます。スクリーンを前にして、しばし呆然。しかし不条理映画でもなければ、説明放棄でも無い事だけは確信がありました。その拠り所となるシーンは2つ。薬を盛られた主人公が鏡を拭く場面。そして囚人たちが道具を持たずに砂金を探す場面。前者は“目の霞み”を、後者は“カネに価値は無い”という事を端的に表現しています。説明のための台詞ではなく、描写で観客に伝えようとする姿勢を感じました。この監督は信用できます。果たして物語を読み解く鍵は何だったのか。それは医者の言葉に隠されていたと考えます。「時間は真っ直ぐに進むと思うか?それとも大きな輪を描いていると思うか?」島にはもう何年も春が来ていないと言いました。終わらない冬の正体。歌(魔術)によって島の時間の流れがループしているとしたら……これで多くの謎が説明できるのではないかと。蓄積されない。辿り着かない。いずれは元通り。だから刹那の快楽にしか価値を見出せない。“死”さえも終着点でないとしたら、島の人間が死に対して不感であった事も説明が付きます。時の流れを干渉するほどの魔力があれば、人の心を操る事など造作もないでしょう。ジュントクは(もしかしたら“今回の”ジュントクは)、春を呼び寄せ島に秩序を取り戻した。鬼とは島の精霊。自然の摂理と共に有るもの。変革がもたらしたのは、世界が本来あるべき姿でした。オール佐渡ロケーションで製作された映画。冬と春を映し出す色調整も的確で、佐渡の自然が持つ厳しさと美しさを存分に表現してくれたと思います。ジルバの歌も心に響きました。劇中歌(春を呼ぶ歌)は心を震わせます。大衆受けする映画ではないでしょうが、監督の作家性が伝わってくる作品に仕上がっていたと思いました。最後に一箇所だけツッコミを。施設長が要求したのは、佐渡では造れない美味い酒だったはず。真野鶴は佐渡が誇る美味しいお酒でございますよ。[試写会(邦画)] 7点(2013-02-15 18:57:22)

614.  怪談新耳袋 異形 《ネタバレ》 女性アイドル映画でホラーは人気のカテゴリーです。カワイイ女の子が怯える姿は画になりますから。それに“恐怖”という感情は単色で表現し易いという側面もあるでしょう。演技に不慣れなアイドルには有り難いのでは。よく目にするシーンは「キャー」からの失神です。ところがこれが意外と難しいのです。演技力が伴わないと、凄まじく嘘臭い「キャー」になってしまいます。恐怖の悪寒とは違う意味でのお寒い状態。そこで本作。スマイレージの皆さんの絶叫も、残念ながら後者の部類でした。ももクロの『シロメ』のようにハナから演技を要求しない手法も一つのアイデアですが、本作ではコメディ要素を加味することで、“いた堪れなさ”を緩和しています。これが井口昇監督を起用した最大の理由と考えます。ご丁寧にも、オムニバス4話全てにギャグが挿入されていました。中でもコメディ色が最も強い『部屋替え』の出来が一番良かったのは、ホラー映画として喜ばしい事なのかどうなのか。怪談新耳袋シリーズ中、異色の一作でありました。もちろん、キャッチコピー「この恐怖、笑えない」は大ボラです。[DVD(邦画)] 4点(2013-02-03 22:59:01)(良:1票)

615.  南極料理人 《ネタバレ》 みんなの意見に従い、伊勢海老をフライにした西村くん。このエピソードが好きです。彼が持論を貫いて“正しく美味しい伊勢海老料理”を提供したとしても、満足してもらえなかったと思います。どんなご馳走も想像の味には適わない。“やっぱり刺身だったなと愚痴りつつ伊勢海老フライで我慢する”がこの場合の正解でした。ラーメンの在庫が底を尽いたと知り、落胆する一同。ここでの正解は唯一ラーメンのみ。うどんや蕎麦、スパゲティじゃダメなんです。それを知っていた主人公は、かんすいの代用法を聞くや否や駆け出しました。結果、彼の作った一杯のラーメンは、きたろうやバター男の病んだ心を救います。味は大事。栄養も重要。でもそれだけじゃありません。胸焼けする不味い唐揚げが、傷ついた心を癒したりもするのです。西村くんの料理は、本職のシェフに味では劣るかもしれません。でも、間違いなく良い料理です。料理には人柄が出るといいます。高級料理も素晴らしい。でも自分は、幸せな気分になれる料理を食べていきたいと思いました。愛すべき南極料理人を堺雅人が好演。彼独特の笑み(堺スマイルと勝手に命名)が、人の良さを物語ります。南極行きを上官から告げられ、「家族と、相談を、させて、ください。」を繰り返す半泣きの西村くんが、気の毒だけど可笑しくて。彼が困る度面白かったです。その他の面子も芸達者を揃え、手堅い布陣。ただし、きたろうの存在感が強過ぎて、シティーボーイズの舞台を観ているようでもありましたが。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-01-26 22:15:50)(笑:1票) (良:1票)

616.  お姉チャンバラ THE MOVIE 邦画C級アクションにありがちな“おちゃらけ”が無かったのは意外でした。冗談抜きでシリアス路線。この製作姿勢は支持したいのですが、悲しいかな出来の良し悪しとは別の話。90分足らずの尺ながら体感は2時間超。退屈しました。内容的には10分で終わる物語ですから。エフェクト盛り沢山の殺陣は見ごたえがありましたが、誤魔化している感は否めません。良くも?悪くもゲーム原作らしい映画だったと思います。[DVD(邦画)] 3点(2013-01-19 01:08:16)

617.  極道めし 《ネタバレ》 とある刑務所のとある雑居房で繰り広げられる『美味いめし話選手権』。今まで食べた中で一番美味かった料理の話を競い合うというもの。相手に生唾を飲み込ませる事が出来れば得点。優勝者は、正月の特製弁当の中から好きなオカズを1品ずつ頂戴できるご褒美。何と言っても、披露される料理のチョイスが絶妙でした。卵かけごはんは、焼きトウモロコシとバター入り。カレーがけオムライスに中にはびっくりカルボナーラ。すき焼きのタレは特製ミソベース。インスタントラーメンも一工夫。観客に既知の味覚を頭で再現させるのではなく、どんな味なのか想像させるところがニクイです。料理の背景にあるドラマ込みですから、感慨もひとしお。中でも新入りチンピラのエピソードが物語後半の核となっています。まるで『幸せの黄色いハンカチ』をなぞるような展開に、期待と不安が入り混じります。めしは人生と共にあるもの。ときに心を和ませ、ときに心をえぐり、全てが血肉にかわっていく。あの再会ラーメンの描写は反則でしょう。泣けました。チンピラくん、いい男になれよ。エンディングもこれしかない『上を向いて歩こう』。(でもここはカバーじゃなくて坂本九のオリジナルで締めて欲しかったです。)めし話の再現ドラマのチープさといい、刑務所の日常の描き方といい、監督の意思と意図がよく伝わってくる演出は素晴らしいと感じました。MVPは麿赤兒で文句なし。木村文乃にはお年玉をあげましょう。[CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-10 19:00:22)(良:1票)

618.  アフロ田中 《ネタバレ》 社長「これはこれは、無断欠勤中の田中くん。今日はどうしたんですか」田中「はい。私、今日はずっとダラダラとしておりました。あ違います。正確にはヘラブナ釣りを少々」社長「で、わざわざ私を探しに来たということは、私に何か言う事があるんだろ」田中「いえ、私の方からは何も言える事はありません。あるのはただ、無断欠勤をしたという事実だけです」社長「だからこそね、何か言う事があるんじゃないのかってこと」田中「いえ、私からは何も。あるのはただ、無断欠勤をしたという事実だけです」社長「そこを押すよな、さっきからな。ま、でも一応反省はしているんだよな」田中「それはもちろんです。社長」社長「ん、それならまあ今後マズい事やんないようにな」田中「ありがとうございます。失礼します」社長「もやもやするなあ」以上完全再現させていただきました。この件に大爆笑。腹を抱えました。完全無欠の謝罪技術、社会人なら是非身に付けたいものです。さて、本作の長所はキャラクター造形の素晴らしさに尽きると感じます。超絶美人だけれど、今まで魅力的とは一度も思った事がない佐々木希を、これだけ愛おしく撮れるのは凄いと思いますし(『ハメ●り?!』なんて台詞を吐かせたのは金メダル級の大仕事)、悪友たちもみな、肩の力が抜けていてイイ感じ。そして主演の松田翔太。菩薩もびっくりアルカイクスマイルから、悩み慄く眉間の皺まで、表情豊かで観ていて楽しかったです。童貞倫理審議会が認定する優良童貞ボーイでありました。そんな田中にシンパシーを感じてしまう自分が情けないやら愛おしいやら。披露宴会場ロビーにて、肩を寄せ合いタバコをふかす野郎どもが美しく見えました。失恋上等。情けなくてバンザイ。死ぬ間際、きっとあいつら5人は思いだし笑いで死ねる。そんな人生の一コマを集めるために、人は生きていくのだと思います。[DVD(邦画)] 9点(2013-01-01 00:00:33)(良:3票)

619.  ライアーゲーム-再生- 《ネタバレ》 テーマ、オチ共に劇場版『ファイナルステージ』と同じです。ですから感想もやはり同じで、「1億円はそんなに軽々しく扱える金額じゃねえぞ」と思ってしまいました。馬鹿正直の神崎直が言うならまだしも、本作のヒロイン篠宮優は至って普通の人。訴えかける力も弱い。敗者の居ないハッピーエンドの結末が、空虚な絵空事に思えてしまいます。また、前作に比べてキャラクター造形が弱い点も気になりました。衣装は派手なのに、人格が際立ちません。秋山のライバル格・桐生、教祖様張本。準主役級はもっとクレバーに、そしてアクを強く。要潤、小池栄子、野波麻帆らいい味を出せる役者達には見せ場を与えて欲しい。そしてレギュラー福永。トラブルファクターを上手く活かしてこそ脚本家の腕の見せ所かと。キャスティングは素晴らしく豪華なので、この使い方では不満が残ります。椅子取りゲームと見せかけての国盗りゲームというアイデアは秀逸で、戦略も見応えがありました。ゲームから脱落した者たちが鍵を握るという仕組みはイイですね。それだけに、この出来では勿体ないと感じます。[CS・衛星(邦画)] 5点(2012-12-31 23:59:01)

620.  恐怖新聞(2011) 《ネタバレ》 恐怖新聞は呪殺プログラム?新聞配達人が鬼形と因縁浅からぬ同級生であった事から、まるで同級生が主人公を呪い殺そうとしている印象を受けます。「許さない」なんて恨み節まで吐いていますし。しかし呪いの主は同級生ではありません。そもそも10年程前の恨みを、今になって晴らす必然性がありません。新聞を送りつけている呪術主は、ラストカットで明かされます。主人公のバイト先、喫茶店すずらんのマスター。恐怖新聞の入った棚に、呪いの人形をしまう姿が示されています。何故、マスターは鬼形を呪う必要があったのでしょう。いや、何故恐怖新聞を送りつけたのでしょう。何十年も続いている喫茶店。そのマスターは年齢不詳。霊気探知機もマスターに反応していました。棚の数だけ恐怖新聞を送っているとしたら…奪った寿命でマスターは不死を手に入れていると推測されます。恐怖新聞は呪殺が目的ではなく、永遠の命を実現するためのシステムだった?!ちなみに、喫茶店名“すずらん”は毒草です。花言葉は幸福とのこと。なるほど。おそらく日刊は撒き餌。本命は号外で寿命を一挙に獲得すること。今回は上々の成果と言えるでしょう。童顔俳優の宮川一朗太をキャスティングしたのも道理というワケ。この設定は面白いと思いました。ただ、お楽しみの謎解きは淡泊過ぎて拍子抜け。主人公の“50年”の扱いもあまりに軽いと感じました。彼が命をなげうったのは“贖罪”のため?それとも愛する彼女を救うため?彼の葛藤はテーマの根本を成すもの。ドラマ処理が不十分でした。やはり映画で70分は短尺。もっともっと恐怖新聞の世界を楽しみたいと思いました。[DVD(邦画)] 5点(2012-12-16 21:58:52)

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