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コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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761.  20世紀少年 -最終章- ぼくらの旗 広げまくった大風呂敷を一生懸命たたむのが、この「最終章」とやらの宿命なんでしょう、まあとりえず御苦労さまでした。まあ、何となくスッキリしましたよ、とは言っても別に、“ともだち”の正体が判ったからではなく、そんなもん“ともだち”の正体は鬼太郎のオヤジに決まっておろうが、と最初からまるっとお見通しであった訳でして(この言い方で合ってますか?)。このスッキリ感って何だろう、これは作品に対するものではなくて、自分に対するものですね。何というかまるで、以前から大嫌いだったヤツと久しぶりに会話をかわしてみて、意外にも平静な気持ちでいられた、そんな時に感じるような達成感ですね。[地上波(邦画)] 5点(2011-01-08 17:17:51)

762.  フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ これぞプロレス映画。隣近所の迷惑も顧みず、壮絶バトルを繰り広げるは、文字通り血肉を分け合った大巨人同士。譬えるならばまさに、アンドレ・ザ・ジャイアントvsモンスター・ロシモフ、「二人民族大移動」by古舘伊知郎。いや、巨体ながら(アンドレと違って)この素早い動き、これはまさに、ジャンボ鶴田vsジャンボ尾崎。ってそりゃ野球選手だろう。いや借金王だろう。あ、プロゴルファーか。ま、とにかくですね。ひたすら怪獣のバトルを楽しめる映画が、この作品。カラー作品では合成映像が不自然に見えやすい(見えやすかった)ものだけど、本作は見事な処理で、臨場感も満点。理屈抜きで楽しんでください。とか言いつつ、うーん怪獣ってやっぱし爬虫類系とか節足動物系とかがいいなあ。サル系も悪くは無いけど、一匹ならず二匹となると、絵ヅラ的にはちょっとダサい。[DVD(邦画)] 7点(2010-12-16 22:51:45)

763.  20世紀少年 -第2章- 最後の希望 《ネタバレ》 と言う訳で、やっぱり、このカントクさん、苦手だなあ・・・と、思いきや! アレ、この第2作目、面白かったよ(笑)。内容的には、先を読ませぬ意外な展開、と言えば聞こえはいいけど、正直、「行き当たりばったり」な感じもする訳で、でもコレが結構楽しく、少なくとも悪い感じはしません。またこの第2作では、カンナちゃんの走る姿、ってのがひとつのモチーフになっていて、ハイ、ワタシはこういう姿に弱いです(もうオッサンですね)。大量のエキストラを動員し、群衆の中で展開されるクライマックス、そして“ともだち”の葬儀において、彼の復活を目の当たりにした群衆の「オー」という驚きの叫びによる、不協和音の大合唱。これはなかなか盛り上がりました。と言う訳で、意外に面白かったです。この調子なら第3作目も・・・と思いきや![地上波(邦画)] 7点(2010-11-29 23:08:13)

764.  20世紀少年 堤カントクの映画を「もーしゃーないなー」と暖かい気持ちで見守るようなことは、私のようにケツの穴の小さい人間にはできないもんで、もう彼の作品は観ないことにしようと思ってたのですが・・・その決心が簡単に揺らいでしまうあたり、さらにケツの穴を狭めてしまっているのですが。うーん、確かに各シーン、一生懸命撮っているとは思うんですけどねえ。気を使いながら撮っているし、しばしば茶目っ気出してヘンな撮り方、「普通じゃイヤだ」的な個性も発揮しているんだけど・・・しかしやっぱりこの妙なテンションにはついていけない。作品をユニークでヘンテコなものにしようという「遊び」が、何でもないようなシーンに偏っていて、要するに遊びやすい場面で遊んでいるだけでは? 例えば最後の巨大ロボットの登場、誰か、このシーンでワクワクしましたか? 某映画における“マシュマロマン登場”の半分でも、いや10分の1でも、ワクワクしましたか? どうもこの映画、途中のどうでもいいようなシーンでどうでもいいようなオフザケをする割に、クライマックスに向けて盛り上がるべきところでだんだん、段取り臭くなっていって、盛り上がりません。また、映画全体がいささか安直に回想シーンに頼り過ぎていて、かえってノスタルジー的な気分にも欠けてしまっている気がするし。「こんな大人になっちゃうなんて、子供の頃には思わなかった」みたいな忸怩たる思いが、もう少し作品に色濃く表現されていてもいいような気がするんだけど。と言う訳で、やっぱり、このカントクさん、苦手だなあ・・・と、思いきや![CS・衛星(邦画)] 4点(2010-11-29 22:27:07)

765.  天平の甍 《ネタバレ》 今年(2010年)奈良で行われております平城遷都1300年祭も、メイン会場である平城宮跡会場イベントは先日無事、成功裏に終了し、奈良在住の私としましては、多くの皆さまに奈良にお越しいただいて、誠にありがたい気持ちで一杯でございます(開催前は正直、大コケするんじゃないかとかなり心配してましたが・・・終了後)。BS2さんまで、本作を放送していただき遷都祭をバックアップ、ありがとうございました。さて本作。井上靖の代表作の映画化ですが、原作が切り詰めた文体によって、歴史という波間に翻弄される名もなき僧たちの運命の、その果敢なさが痛いほど伝わってくる作品です。と同時に、異国においてもがく日本人の姿は、現代の我々にも強く迫ってくるものがあります。で、この映画化ですが、淡々とした城達也“機長”のナレーションによって進められるあたりは原作の持ち味ですが、全体的な印象はむしろ“ダイナミック”。中国の自然の雄大さをたっぷりと描き、人間の小ささを描き、その小さい存在である人間の喜怒哀楽をストレートに描いています。“映える”映像を作り出すための様々なアレンジ(●恋愛色の絡み ●原作では戒融との再会や後日談が触れられるのに対し、映画では戒融は大自然に消えてゆく ●栄叡は寺の裏ではなく、荒涼たる最果ての山岳地帯に埋葬される ●玄朗との劇的で感傷的な別れ 等々)。そういう濃いドラマの中で、田村高廣演じる鑒真和上の静かで凛とした表情が対照的(ちょっと神懸かり的な面もあり。漂流中に栄叡が予言する降雨も、鑒真の予言へとアレンジ)。原作の小説は、映画として見事に再構成されています(武満徹の音楽も忘れ難し)。あと、実際に奈良の寺でロケしているのもうれしいところ(冒頭に登場したのは、平安神宮のようでしたが。笑)。 ※娘が私の横で意外に映画に見入っておりました。しかもラスト近くの西大寺ロケに、私より先に気付いた。エライ!![CS・衛星(邦画)] 8点(2010-11-23 17:31:40)

766.  上を向いて歩こう 大学の頃、研究室の先輩達とカラオケに行くと、尊敬すべき先輩達は決まってこの“上を向いて歩こう”を下ネタオンパレードの替え歌で熱唱し、その時歌詞の背景にはこの映画のシーンが流れていて、ああ、下ネタの嵐の中、九ちゃんの笑顔の眩しかったことよ。というのも今では懐かしい思い出ですが。さてこの映画。タイトルだけ見れば、いかにもヒット曲にあやかったような、企画モノっぽい胡散臭さを感じちゃうのですが、内容は決してそんな軽いものではなく、意外に暗い内容。演出にも気合いが入っていて、なかなかの力作になっています。冒頭のタイトルの背景の鑑別所のシーン、流れるようなラグビーのパス、食事中に次々に手渡されるヤスリ、そして集団脱走、ここでは人から人への流れ、人と人との繋がりが象徴されているにも関わらず、映画の中で展開されるのはひたすら、すれ違いや誤解、すなわち分断。あくまで“コメディタッチの青春物語”という体裁なので、そうヒドイことにはなりませんが(笑)一歩間違えば凄惨な展開になってもおかしくないところ。物語において、この分断を修復する役目なのが、吉永小百合をはじめとする、女性たちの存在。彼女たちのおかげで、一応、サワヤカな青春モノ、に踏みとどまっています。エンディングは、みんなで主題歌を歌ってサワヤカにお別れ。このサワヤカさ、本当に額面通り受け取っていいんでしょうね? まさか、殺戮の末に全員死亡したということの暗喩じゃないでしょうね(笑)。まあ何にせよ、意外に力作です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-10-30 23:31:20)

767.  河内山宗俊 音声が聞き取りにくく、観ててもつい耳の方に神経が行きがちになるのですが、それでもとにかく面白いです。登場人物たち、場面、エピソードが、互いに絡み合いつつクルクルと輪を描き続ける感じ、それが何だか無性に面白い。そして、その輪が収束していった先には、劇的で鮮烈なクライマックスが。惜しむらくは、人物の仕草等でカットの繋がりが良くないところが多々あって、少々気になってしまいますね。ただ、それを補って余りある、テンポの良さとスピード感。あと、「ウワッ、加東大介って、若い頃からすでに“加東大介”顔をしていたんだ」とか、妙なところに感心してしまいました。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-10-13 22:44:16)

768.  ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃 ・過去の作品からの流用が多いのはいいとして(いや全然良くない)、別によりによって“エビラ”なんか流用しないでも、なあ。 ・新作のガバラってやつがこれまた、造形がヒドくて(ガキ大将の象徴だからこれでいいのだ、いや良くないッ!)、ゴーヤに目鼻を付けただけ、とでもいいますか。とにかく、「ワタクシ、怪獣でございます」と言わんばかりの、何の工夫もない造形。 ・ミニラがしゃべる。まさかこんな普通の声だとは。ミニラがしゃべるとなんだか、“長年洗ってないガチャピン”に見える。 ・他人の夢の話を聞かされるのは基本的に、苦痛です(つげ義春みたいに一部例外もありますが)。[DVD(邦画)] 2点(2010-10-02 03:21:06)(笑:1票)

769.  男たちの大和 YAMATO 派手で残酷な戦闘シーンといい、いかにも「わかりやすい」テーマ音楽といい、「どうやったらハリウッド大作っぽく見えるか」みたいなバイアスが感じられる面があるのですが、だからと言って、決してそれだけにはとどまらない作品になっていると思います。確かに、人物描写にはやや類型的なところがあるかも知れないけれど、それは決して、単に「この辺で喧嘩の場面を入れておこう」「多少は恋愛なども織り交ぜてみよう」みたいな適当なものでは無くって、この大和を中心とした物語を、ひとつの神話へと導くことに成功していると思います。・・・しかしそれに比べると、「現代」のパートが、イマイチよくわかりませんなあ。鈴木京香はいつ、何歳で養子になり、そしていったい今何歳なのか? 仲代が発作で一度死にかけて見せるのもなんだか蛇足(しかも鈴木京香にサービスされてビンビンになって生き返るというのは、どうも、なあ)。ですが、その辺りは目くじら立てないことにして。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-28 22:53:47)

770.  エクスクロス 魔境伝説 《ネタバレ》 ナイトスクープ的表現をすれば、一種の“パラダイス”ですね、この村は。でまあ、その怪しげな村で怪しげな儀式が行われており、『2000人の狂人』を想起したところで、意表をつく“レザーフェイスvsバンボロ”の死闘が展開される、という、まあ、そういうホラーの寄せ集めみたいな映画です。そういえばトイレに隠れるシーンは、こちらは『刑事ジョン・ブック/目撃者』のパロディのようですが、監督の頭の中ではジョン・ブックもレザーフェイス系の映画ジャンルに分類されているのでしょうか? で結局、この映画の言いたかったことは、「どんなホラーより、ブサイクが一番怖い」ということだったようです、はい。[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-09-23 03:49:17)

771.  眠狂四郎 女地獄 これは面白かった。まず、狂四郎が久しぶりに(?)イイ人。少年から何度も何度も「おじさん、ありがとう」と言われるのが印象的。いやもちろん、エロさは相変わらずで、近寄る女性には必ずエロい要求を。しかし心配ご無用、「近寄る女性」ってのはことごとく判で押したように、その正体は“女刺客”ですから。だからやっぱり狂四郎は今回、イイ人なのです(多分)。しかしその連発された「ありがとう」から一転、狂四郎の軽はずみな行動のために、少年と連れの女性は、命を奪われてしまう。そう、自分が彼らの命を奪ったも同然なのだ・・・と、心に傷を抱えた(のかどうかは外見からはよくわからんが)狂四郎は、やがて、藩のお家騒動に巻き込まれていく訳ですが。それぞれに心の傷を抱え屈託を持ったキャラたちが、その争いの中でドラマを生み出し、多層的な面白さがあります。そしてラストのいささか唐突の大雪、その中での対決。狂四郎は、自分のせいで罪もない少年と女性の命を奪ってしまったが、彼はその運命を背負って生きていかなければならない、それは誰しも同様、死ぬ自由など無いのだ、生き残ってしまった者は、恥も苦悩も抱えながら生き続けねばならないのだ、と。シブいぜ~。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-08 00:15:20)

772.  野獣死すべし(1980/日本) 《ネタバレ》 なんという演出。無愛想なドキュメンタリ調かと思えば、時には凝ったカット繋ぎに神経を配り、しかし結局は“長廻し”がすべてを凌駕する。オノレの演技に酔いしれ、ついには演技が映画を支配してしまう。それでいいのか。あかんかも。でも圧巻であることは間違いない訳で。ところで、小林麻美が射殺されるシーン、彼女の体に仕込まれた火薬が銃撃の凄まじさを演出する訳ですが、火薬が多過ぎたのか、「弾に当たった」だけなのに彼女からモクモクと煙が上がってしまい、これがあたかも、「一体何がどうなってるのやら状況が理解できず、アタマの回線がショートして死んでしまった」ように見えたのが、なかなか面白かったです、どうでもいいことですが。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-07 23:55:39)(笑:1票)

773.  東京暮色 《ネタバレ》 暗い内容と言われればそうなんだろうけれど、それは要するに、より現実に近い内容を孕んでいる、ということなのかも知れなくて。現実の世界、現実の人生における、喜劇的な悲劇、それは、互いのすれ違い。それも、どうしようもない程のすれ違いではなくて、ちょっとした認識のズレ、いやそれこそ、ホンの僅かの、認識のタイムラグに起因するものだったりして。ちょっとのズレさえ解消できれば、みんな理解しあえて、みんなハッピーになれるのかも知れない、だけど決して、金輪際、そのズレはこの世から無くなることはない。脇役の中村伸郎などそのズレの典型か。彼の会話はいつもズレている。もちろん、彼は悪くない、彼は何も知らされていないのだから。知らぬが故に、妻の苦悩に気付くこともなく呑気な会話を繰り返したり、妻とその娘の過去を結果的に暴いてしまうような、要らぬ一言を言ってしまったりする。このような些細なズレは、他の登場人物も皆抱えており、現実世界の我々も同様で、それが悲劇の元となりうる・・・。だけどこの映画、最後の最後に至って、皆が共通の認識に辿り着いたように見える(中村伸郎ですらすべての事情を知っている)。でも、事ここに至ってなお、娘は母の見送りに現れることは無い。最後まで溝が埋まり切ることは無い。そして、父とすらも離れる決心をする。所詮、皆が認識を共にできたところでやっぱり、全員が幸せになれる“解”など、無かったのだろうか、と。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-09-02 22:02:37)(良:1票)

774.  あらくれ大名 どこからどこまでが史実なのか(というより、多少なりとも史実を含むのか)よくわかりませんが・・・時は大坂冬の陣。市川右太衛門演じる松平直次郎、家康の息子でありながら豊臣側につき、八面六臂の大活躍。とにかくやることなすこと豪快で、何かと無茶をしでかしては「がっはっは」と高笑い。最初から最後まで、右太衛門の高笑いがこれでもかと繰り返され、観終わった時には耳の奥底にこびりついて離れなくなること請け合い。それもヤケクソみたいな高笑いで、目は全然笑ってなかったりするのがちょっとコワかったりします。でまあ、とにかく、合戦あり、陰謀あり、ちょっとした恋愛あり、と、非常に楽しませてくれる作品になっているのですが・・・映画の大詰め、家康のいる伏見城へ乗り込んでいく右太衛門の勇姿にシビれ、敵味方の関係になったとはいえ、あくまで父である家康とのやりとりにちょっとホロリと来たところで・・・え~なんじゃそりゃ~といいたくなるような腰砕けのクライマックスが。罰ゲームかいな、これは(機会があればぜひ本作を観て、のけぞって下さい)。ま、しかし、大坂夏の陣を前に、颯爽と豊臣側に去っていく右太衛門、この後の波乱を感じさせつつも大団円、というラストが、これまたホロリときますね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-31 00:21:07)

775.   《ネタバレ》 どうもこの映画にノリ切れないのは、何やら、カメラが「人物」ではなく「部屋」を写すことに専念しているようなところがあるから。確かに、映像にチラと写り込む幽霊、という演出において大きな効果をあげているし、「実は主人公の彼女は幽霊でした」という真相に対して説得力を与える演出にもなっているようには思います。ですが、カメラが主人公と距離を置き、主人公の「心理」に迫ろうとしない手法をとったせいで、やっぱり「恐怖」を描くには弱いかな、と。だから、オドロオドロしい割には、コワさは感じないですね。どちらかと言えば、切ない映画です。主人公の、心理ではなく行動が、切なさを表現しています。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-13 18:02:10)

776.  若親分あばれ飛車 若親分が久しぶり(という程久しぶりでも無い気が)に大浜市へ帰郷するところからお話は始まりますが、かつての南条組の面々は「二代目がかえって来なすった!」と、まさに歓喜の渦。さらには若親分の海軍時代の士官仲間たちまで、若親分を頼って集まり、「貴様には海軍魂がある」なんぞと持ち上げる始末。間違ってこの五作目から若親分シリーズを観てしまった人は「この若親分、何者なのよ」と唖然とすることでしょう。勿論、シリーズ1作目から順に観てる人だって、誰も納得はしていないと思いますが(笑)。さて今回はと言いますと、政治家とつるんで大浜市を牛耳る北門組と、若親分の死闘が描かれる、という、正直言ってなーんにも変わり映えのしない内容ですが、単純に楽しめて結構盛り上がります。若親分に対して何かとつっかかる士官仲間。若親分を慕う元南条組の猪之助と、その子であり、ヤクザの父を持って苦労したせいで若親分を毛嫌いする五郎。はたまた、若親分が昔斬った男の娘。と、多彩な登場人物が、映画を盛り上げます。ただ、最終的にはみんな若親分の魅力のトリコになってしまうという展開が、やっぱりこのシリーズの変なところですが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-08-13 17:26:24)

777.  若親分乗り込む 《ネタバレ》 憲兵と供託し悪事の限りを尽くす郷田組に対し、ついに若親分の怒りに火がつく。という、なんだか芸が無いというか、工夫が無いというか、まあ、単純に楽しめる映画にはなっていますかね。若親分が敵地に乗り込むクライマックスの殺陣は、思い切ったロングショットに「おや」と一瞬思うのだけど、このロングがいささかしつこくないですかね。雷蔵に任せておけば、あとは撮るだけ、みたいな。しかも最後は「エライ人に言いつけてやる」という決着のつけ方。娯楽映画にしてはすっきりしないラスト。ちょっとヤな感じ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2010-07-31 21:30:42)

778.  伊賀忍法帖 《ネタバレ》 時は戦国時代、東大寺大仏殿焼失事件を軸に、三好義興の謎の死、松永弾正の暗躍と名器「平蜘蛛茶釜」の行方、幻術師・果心居士との関わり、さらにはお馴染みの服部半蔵やら柳生宗厳やらも登場。と言う、史実(なのかな?)を交えつつ、怪しげな忍術妖術合戦が描かれる、いわゆる伝奇ロマンな訳ですが。要するに前年の『魔界転生』の二番煎じですね。原作も同じ山田風太郎なら、柳生一族を演じるのも同じ千葉真一。内容的に若干エロい点といい、真田広之がイモっぽい演技ながら冴えたアクションを披露してくれる点といい、何もかも同じですね、ははは。本作、しっかりとキャラ立ちしてる5人の妖術僧と対決してゆく過程がやっぱり面白い。ストロング小林改めストロング金剛(暴力担当)に、こちらはあんましストロングではない佐藤蛾次郎(ゲロ吐き担当)。いやそれよりも、日本一の斬られ役、後にサイレントサムライとして真田広之と共闘する、あの福本清三氏が、「妖術界のお医者さん」ってのが気が利いてます。何しろ、仲間が斬られても生き返らせることができるのに、自分が斬られたら、もうどうしようもないんですからね。どうせ例によっていつも通り、斬られるに決まってるのにね(ま、木にハリツケになるという、なかなか豪快な死にざまではありました)。と言う訳で、面白かったのは面白かったけど・・・やっぱりちょっと物足りないのは、強かった5人の妖術僧が、あんまりあっさり斃されちゃうところかな。これに比べると、やっぱり『魔界転生』の対決シーンにおけるモッタイの付け方は、さすがだったと思います。あと、本作の「やっぱり若い者には負けるわい、うひょひょ」的なジジ臭いラストは、何とかならなかったのですかね。・・・などとケチをつけつつも、中盤の大仏殿のシーンは、これは冗談抜きで、大したもんだと思いましたよ。見事に東大寺大仏殿を再現しており、まるで本当に現地ロケしたのかと見まがうほど。その大仏殿が焼け落ちていくのだから、まさに圧巻でした[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-07-31 10:34:46)

779.  化石の荒野 角川映画ここにあり、と言わんばかりのダイナミックなアクションで彩られた本作。中でも、あっという間にスクラップの山を築いていくハチャメチャなカークラッシュシーン、何とあの『五福星』よりもコチラの方が先なのです、とは言っても勿論、『ブルース・ブラザーズ』の方がもっともっと先ですけどネ(じゃ、アカンやんか)。まあ、このシーン(カーチェイス~ヘリで自動車釣り)に関しては、単なる賑やかしとでも言いますか、ストーリーに関係なく無理やり挿入されたような感じですけれど、それ以外にも、ロープウェイからの脱出とか、雪山での銃撃戦とか、あの手この手で楽しませてくれます。アクションだけじゃなくて、実際に山でロケ撮影されているのが、イイですね。金塊探しという夢のあるオハナシを、ロケが結構、盛り上げてくれます。さらにそこに、主人公の生い立ちの秘密、というドラマが加わり、ちょっと物悲しさをかき立てたり。あとはまあ、観る側の我々が、このテンションと強引さにどこまでついていけるか、ですけれど。[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-07-19 22:32:17)

780.  鬼龍院花子の生涯 登場人物は皆、いかにも類型的なんですけれども、仲代演じる鬼政に至ってはもはや、「ここまで類型的なヒトが本当にいたらコワいよね」というレベルに達しており、要するに、“類型”も極めてしまえば“理不尽”となり、ある種、形而上の世界へと繋がることがよくわかります。俳優座魂をかけた仲代のトリップぶりともあいまって、強烈な存在感、いやあ、実に絵になっております。彼の血の繋がらない娘である主人公の、これまた類型的なほどのマトモさ(ここまでくるとマトモではない、という話もある)が、これはこれで、異常な環境との対比、なんでしょうけれども。やはりただの「対比」では済まない訳で。「私は血が繋がっていません」では済まない訳で。「この環境へ引き取られてきた」という運命を背負わざるを得ない訳で。だもんで、アノ有名なタンカを切るシーンとなり、我々はその光景を観てゾクリとすると共に、自分の業の深さとも向き合わざるを得ない訳で。コワい映画です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2010-06-19 14:01:47)

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