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性別 男性
年齢 53歳

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841.  トラ・トラ・トラ! 映画の大半は、真珠湾攻撃に到るまでの日米両国の動きが描かれますが、まあ、両方の国を顔を立てるような感じの内容に仕上がっておりまして、人によっちゃあ、気に食わないと感じる方もおられるでしょう(「日本側に偏りすぎ」と思う人もいれば、「アメリカに都合よく描きすぎ」と思う人も、いるでしょうねえ。いやはや難しい・・・・・・)。しかしこの映画のニュートラルな視点が、戦争映画としての本作の大きな成功要因になっていると思います。「善」「悪」をひとまず抜きに、徐々に迫る刻限、盛り上がる緊張感がトコトン描かれ、そしてついに戦火の火蓋が切られる。あとはもう、「そこまでやるか」という、怒涛の戦争スペクタクル。これが見事なんだ、凄絶で、美しくすらあります。日本側の攻撃に、離陸することなく破壊され尽くすアメリカ側の戦闘機。巻き込まれそうになる兵士の決死のスタントには、ヒヤヒヤさせられます。あと、“黄門様”のガンコな表情も、印象的でしたね。[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-01 22:26:41)(良:1票)

842.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 新幹線にバクダンが仕掛けられ、時速80kmを下回ると爆発してしまう!このような場合、どうすればよいのだろうか。 ・犯人グループはまずデモンストレーションとして、蒸気機関車に同じ爆弾を仕掛け、単なる脅しではない事を示した。・「蒸気機関車」に対して取り付け可能であることからすると、爆弾は、新幹線の電気系統に取り付けられたものではなく、(何らかの手段で)直接、速度を測定し爆破スイッチを起動するタイプのものであると考えられる。・とすれば、新幹線の内部ではなく外部に取り付けられていること、特に車両底部あたりが怪しいことが、この時点ですでに予想される(これは映画の中で別手段により確認される)。・そこで、対策として、関門トンネル内の線路を液体窒素でジャブ漬けにする。車両底部が浸る程度の深さが好ましい。・新幹線が通りかかると、車両底部が爆弾ごとカチンコチンに凍り、爆破機能が失われる。解凍する前に乗客を避難させる。これで万事解決。・以上が困難であれば(ってか、無理ですね)、液体窒素の代わりに、水を関門トンネル内に注入してもよい。起爆装置はショートし、機能しなくなるのである(ホント?)。・・・・・・とかいう内容ではありません、もっとオモシロイ映画です(笑)。パニック映画のような発端ですが、映画の中心的な内容は、身代金受け渡しにおける、犯人側と警察側のスリリングなやりとり(ちょっと盛り沢山のサービスし過ぎで、スリルが欠けてしまう面もありますが)。最後の“解決”まで一気に見せると同時に、そこにはどこかダーティな印象すら感じさせ、余韻を残します。・・・・・・それにしても、今観ると、「安全」に関わるセリフの数々が、ナントモ皮肉に響きますなあ。[地上波(邦画)] 7点(2008-04-20 15:59:26)

843.  濹東綺譚(1992) 永井荷風の『濹東綺譚』の映画化かと思ったら、もおびっくり!えっちばっかりしやがって。まあいいんですけどね。小説の方は、永井荷風の投影と思しき主人公(だからといって必ずしも永井本人とイコールではないのだけど)の姿と、彼の書く小説の主人公の姿との、二重の構成によって描かれており、そこがクセモノなんですけれども、本作ではそういうヤヤコシイことをせずに、永井荷風を主人公に直接的に描いているのが、映画化にあたってのウマさと言えばウマさ。そして、原作に登場する「お雪」と、作中作に登場する女性「すみ子」との、両方のキャラを併せ持ったようなヒロインを今回演じている女優の名が「すみ田ユキ」というのが、これまたなかなか気が効いております。でもなあ。エロを描きたい気持ちはよ~くわかるが(笑)、ここではもっともっと、当時の風俗とか、“粋”とかいったものの表現に注力して欲しいのであった(確かに撮影セットは立派だったけど、それでも映画全体から受ける印象は、ちょっと、スケールが小さい気がしてしまう・・・)。ところで、映画に何度か登場する「ぬけられます」という電飾、なかなかユーモラスですが、ちゃんと原作にも登場しているのですね・・・。[地上波(邦画)] 6点(2008-03-23 09:38:43)

844.  ジャンケン娘 映画の冒頭、修学旅行先の京都の光景を見ると、ああ、京都もずいぶん変わったよなあ、と思う、その一方で、美空ひばりはこの頃から老けており、晩年の姿とあまり変わらないなあ。というわけで、「今も昔も変わらぬ佇まい」とは、古都・京都よりも、彼女にピッタリの言葉です、ハイ。それでもよく見りゃ、何となく若い3人娘の活躍(?)を描いた、他愛ないオハナシ。3人の中でも特筆すべきは、江利チエミの強烈なパワー、もう圧倒されまくり。明らかに彼女は生まれながらの「オバチャン」です。それと、ラストのあまりに有名なジェットコースターのシーン、これまたスゴイ。いや勿論、スゴくはないんだけど、どういう発想をすれば、こういうシーンを撮ろうと思うのか。正直、負けた、と思ったね。ところで、ミュージカル仕立てにするのなら、もう少しオリジナルのナンバーが多くてもよいのでは、と思ったが・・・。[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-03-17 22:03:43)

845.  魔界転生(1981) 子供の頃から、だーい好きな映画なの。まあ子供に安心して見せられるタイプの映画ではないかもしれませんけどね。とにかく、登場するキャラクターの豪華さは、まさに夢のよう、『リーグ・オブ・レジェンド』なんてメじゃないね、と真剣に思うぞ。そしてこのキャラ達を演じる役者陣がまたナイス。イイ声担当のジュリー、スタント担当の真田広之、エロ担当の佳那晃子、などなど、各ジャンルにおいて定評のある才人が結集しております(エロに定評って・・・)。なかでもスバラシイのが、若山先生の驚異的ともいうべき殺陣! さすがは座頭市・・・の兄貴。もちろん忘れてならないのは主演の千葉ちゃん、渋い、渋い、渋すぎる。宮本“これって緒形拳?”武蔵との対決シーンがこれまたシビれる。とかく暗いシーンの多いこの映画で、しかも後半のスピード感あるドス黒い流れを敢えて断ち切り、この二人の夢の対決を、陽光の下の海岸に求めたのが、印象的で心憎いところ、サービス満点です。というわけで、特異なストーリーによってこそ実現する、特異なシチュエーション、特異なシーンのオンパレードに、アゼン愕然、キモチワルくてユカイで楽しい映画、なのです。[地上波(邦画)] 9点(2008-03-10 10:35:58)(笑:1票) (良:1票)

846.  影武者 私の周りでも「勝新主演で観たかった」「仲代ぜんぜんダメ」との声をよく聞く、この映画。わたしゃ、好きですけどねえ。確かにイビツなこの映画、しかし、そのイビツさゆえに、決して忘れられませぬ。大量の物量・人員投入、そして、矮小な人間の運命を冷たく見通す天の視点。戦闘がただ「死体の山」として描かれる本作のラストは、『乱』における、あの酸鼻を極める三の丸の悲劇につながるもの。『影武者』『乱』の2作は、確かに批判も多い作品ですが、私にとっては大事な作品、黒澤監督にとってもきっと「どうしても撮らなければならなかった作品」だと思いたい。ところで、音楽界のダジャレ帝王こと池辺先生の音楽ですが、“スッペの軽騎兵序曲をイメージした曲”との指示があったので、こういう曲を作ったらしい(『羅生門』の“ボレロ?”など、黒澤映画でクラシック曲にそっくりな音楽が出てくるのはこれが原因)。さすが池辺先生、実に見事に無理難題(笑)にこたえているではありませんか![CS・衛星(邦画)] 9点(2008-03-01 09:00:52)

847.  大学の若大将 親の世代の映画ではありますが、この「何から何までチュート半端」なところが、昭和の良さってヤツですかね。そりゃまあ、過激なところもあった時代ではありますが、この映画のノホホンとした、はっきり言やあ「面白く無さ」ってのも、昭和らしさかもしれません。少なくとも現代のような“何でもゼロ/イチで割り切る(あるいは割り切ったフリをする)”時代では失われた味わいが、ここにはあります。過激さと言えば、唯一の過激さは主人公の極端なキャラクター、あとはまさに「何から何までチュート半端」な、どーでもいいオナハシ(映画に魅力があるからといって、オモシロイとは限らないのだ)。若大将と青大将のライバル関係が見所と言えば見所、湖上の決闘のシーンでは、つい、「あっ、若大将め、とうとう青大将を殺っちまいやがったな」と早とちりしてしまった私は、もはや平成の時代に毒されているのでしょうか(←そんなバカな)、まあ結果的には、盛り上がりも盛り下がりもない、大したことのない展開。そうですね、あとは、若大将の素晴らしい水泳フォーム「秘儀:腹から着水」でも、ご堪能下さい。[CS・衛星(邦画)] 5点(2008-03-01 08:17:13)

848.  ローレライ 私は昔から、ミニチュア撮影というものには結構甘いのです、えへへ。だからね、この作品のように「ホラ、ミニチュアじゃないよ、ちゃんとCG使ったよ、観て観て!」みたいな映像を見せられると、ちと困っちゃう、心の準備ができてないもん。・・・この露骨に書割みたいな背景は、映画の中では実際の背景のつもりなのか、それとも映画の中でもあくまで書割なのか?等々。私はもっとミニチュアのシーンが沢山あってもOKですけどねえ。CGばかりの戦闘シーンは、ほとんどゲーム感覚。しかし、このイ何とか号という潜水艦の孤軍奮闘ぶりを観ていると、「そんなバカな」と思いつつ、宇宙戦艦ヤマトのあのムチャクチャな大活躍を思い出して、興奮してしまう。ギバちゃんの姿が、サナダさんに重なって見えてきたりするのです。[地上波(邦画)] 6点(2008-02-16 08:31:01)(笑:1票)

849.  スキージャンプ・ペア ~Road to TORINO 2006~ ナンセンスのものが無意味に存在しているからこそ大いに笑えたあのCG作品。それにわざわざ物語という“意味”を付け加えることによって、ここまでツマラナくなるものなのか。あわよくば第二の少林サッカーにでもなると思ったんですかねえ。ドキュメンタリのパロディっちゅうのも、NHKの「プロジェクトX」の影響で、TVのバラエティなんかでも散々やってましたからねえ、もはや食傷気味。それでも2箇所くらいで笑っちゃったので、2点というところ。[地上波(邦画)] 2点(2008-02-09 17:16:28)

850.  福沢諭吉 東映が40周年を記念して世に送ったのがこの、“柴田恭兵主演『福沢諭吉』”なのであります。いかにナイスな企画であるかは、そう、キミの財布の中の一万円札の肖像画がもしも柴田恭兵だったら、どれだけイカしているかを想像してみればよいでしょう・・・? なかなかの力作だと思うのですが、いやあ、しかし、福沢諭吉が主人公の映画。舞台は幕末から明治維新なのであるからして、全国8000万人の幕末ファンの血が騒ごうというもの。しかし、その主人公がよりによって“福沢諭吉”とは、少々地味ではないかい? という不安は誰しも感じる、おそらく監督だって脚本家だって、感じるでしょうなあ。というわけで、福沢ひとりではとても映画が盛り上がらんわい、とばかりに、クライマックスは福沢そっちのけ、戊辰戦争ドンパチ大いに盛り上がります。いやまあ、ここは、内乱の世の中と、敢えて学問の道を選んだ福沢諭吉との対比、なんでしょうけども・・・どっちかというとコレ、“リング内で年配レスラーが渋いグラウンド技を延々と繰り広げてしまい、これじゃあプロレスが盛り上がらんと、若手が派手な場外戦で会場を沸かせている構図”に近いものがあります。福沢諭吉、影薄すぎ。仲村トオルとナンノちゃんのエピソードの方が、とおおおっても判り易く、映画を盛り上げてます(キャラ大量投入でとにかく盛り上げる手法)。え?ナンノちゃんよりももっと演技力のある女優を使えって? ま、いいじゃないですか、彼女の独特の演技力のお陰で、かえって印象的なキャラになってますから。そういえば、諭吉の上役である奥平、豪快なところのあるこの役を、榎木孝明が演じているというのが、一見ミスキャストに見えて、これもなかなか味わい深いキャラになってます。端正な顔立ちの男性が泥酔している姿というのは、実際なかなか美しいものだと、わたしゃ思うんですけどね。[映画館(邦画)] 6点(2008-01-16 23:17:06)

851.  こま撮りえいが こまねこ 冬休みということでBSで放送しておりましたので、録画して家族で観ました。2歳3ヶ月の娘も大人しく観ていた(半分寝てたのかも?)のですが、最終話のいよいよという場面になって突然、手を左右に振りながら「ちわう(違う)!」と言って逃げていってしましました。何がどう違うのか、今もって判りませんが、きっと何かが違っていたのでしょう(汗)。ま、とにかく、デジタル時代のこま撮り映画、マニアックな印象は皆無で、人形アニメならではの愛らしい動きがたまりません(その一方で、アナログ的ギクシャクこま撮りも楽しめる親切設計)。上はおじいちゃんおばあちゃんから、下は幼児(3歳以上)まで、皆で楽しめる映画だと思います。2歳以下の場合は、お子様とご相談ください(ちなみにコレを書いている今、娘にもう一度見せています)。[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-01-06 18:01:17)

852.  時をかける少女(1983) 《ネタバレ》 昨日の夜中、突然目が覚めてしまい、どうにも寝付かれなくなったもんだから、こっそり起き出し、TV放送を録画したモノを物色するうち、「ああ年末年始休暇も終わっちゃうよ、時間戻らないかねえ」という気持ちと一致したのか、目にとまったのが本作。夜中暗がりで一人観ていると、あの人形が動くシーンが結構怖かったりする(笑)。それにしても原田知世。当時は周りにも結構、ファンがいたりしたのよね。本作のワンシーンの弓矢を構える姿を、体育祭の応援タテ看板にしてたクラスもあったっけ。今の視線でみりゃあ、キツイものは当然、ある。未来人とやら、あんたエライよ、はるか未来から来ていながら、このダサさに見事に馴染んでるもんね。それにしてもこのなんともいえない懐かしい雰囲気。広島に一時住んでたときには何度も足を運んだ尾道の風景がよい。尾道といえば何かと『東京物語』が引き合いに出されるが、オノミチ指数の高さはもちろん大林作品の方がはるかに上。そしてまたこの、“80年代前半”という、私が中学生だったころの空気。周囲の(一部)の知世ファンも含め、当時のこと、色々と思い出されちゃったりする。ああ、半端な特撮さえ無ければなあ、と思いつつ、これもまた無ければ無いで寂しいよ、きっと(笑)。さて見終わって寝室に戻り、すさまじい寝相で寝入っている子供をエイヤッと布団に引き戻し、隣に私も寝転がる。ついこの間まで一人気ままにプラプラしていたように思える私にも、気づけばこうして子供がいたりするのだなあ、と。ああ、時の流れよ。[地上波(邦画)] 7点(2008-01-06 16:39:56)(良:5票)

853.  楢山節考(1983) 小説『楢山節考』と比べてしまうと、どうしても、“悲惨さ”の印象が強くなってしまいがちなのが、映像化ということの宿命か。要するに、小説、映画、それぞれの持ち味があるわけですけれども。それにそもそも、深沢七郎の小説における、人の生死を淡々と描くあの超然としたニヒルさの裏には、それに匹敵する憐れみの心が感じられてならないし、その相反する両者の帰着が独特のアナーキズムに結びついているのでしょう。本作では、土俗的なエネルギーを映像化することで、ほとんど呪術的なエゲツナサにまで発展してます。まあ、ここまでくると、監督の趣味もだいぶ入っているのかもしれませんが(笑)、「どひぇー、日本ってこんな国だったのか」と外国人をビビらせるにはもってこいの映画であります。個人的には、モノクロで撮ってくれた方が、何がしか「キレイな」作品になったんではないかといく気もしますが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-30 17:44:53)

854.  眠狂四郎 炎情剣 変態性欲丸出しのセクハラ大魔王と化した狂四郎サマ、いやはや、これはもう、炎情剣と申しますか、はたまた劣情剣とでも申しますか。狂四郎サマと中村玉緒とのキワドイ場面などを目にすると、どうしても現在の玉緒オバチャンの容姿が脳裏にてオーバーラップしてしまい、観ている私の劣情も、制御不能のオーバーヒート、ああ、変態が伝染ったよ。しかし狂四郎サマには、実は清純派(なのか?)には弱いという一面もあったりするのでした。そこがまた変態。ま、それはともかく、本作、ウラにはウラがありそうで、実はあんまし盛り上がらない地味なオハナシだったような気もするのですが、登場人物たちのキャラの多彩さが印象的。西村晃の一癖も二癖もある表情と声、だんだんマモーに見えてきてしまう(笑)、こりゃ無気味。序盤に出てくるヘンテコマスクの刺客も捨てがたい。さらには、狂四郎サマの“無頼ぶり”もなかなかのもの。円月殺法を出しすぎるのが、これまた盛り上がりに欠ける点ではありますが、「どこからともなくやってきて映画が始まり、映画の中では人を斬りまくり、そして最後はデザート代わりの斬捨て御免とともに、どこへともなく去っていく」という、一種のスガスガシサが、魅力ですね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-28 01:13:13)(良:1票)

855.  トゥモロー・ワールド これほどの充実感も久しぶりのもの。感動というより感激です。とにかく長廻しの緊迫感、臨場感が、絶大な効果をあげてます。あるいは、「部屋の中」と「窓の外」のふたつが画面に展開するおもしろさ。そして何と言ってもクライマックスの、戦場での兵士の中のアカンボ、というシーンは、まさに、現代における(または未来における)、一種の“宗教画”とでも言いたくなるもの。観てよかった。[DVD(字幕)] 10点(2007-12-03 00:40:36)

856.  ガメラ 大怪獣空中決戦 「こんなの、どこがガメラだよ~」と言うと、普通なら非難の言葉ですが、ここではまさしく喜びのあまり、そうつぶやいてしまう! 怪獣映画って、ホントはこうあるべきだったんだ、と正解を見せてもらったような。満を持して登場の平成ガメラ、敵は、あの、昭和ガメラが最も苦しめられた、そして昭和ガメラシリーズもっとも感動的な戦いを繰り広げた(笑)、ギャオスであります。ギャオスは首の骨が2本あり、これが音叉の役を果たして、口から殺傷能力の高い超音波を出す(音叉がこんなに大きくては、低周波しか出ない気もするが)。その代わり弱点として、構造上、首が回らないため、背面からの攻撃に弱いのだ・・・・・・って、アレ、だいぶ雰囲気が違いますね。そう、こんなアホな設定を削ぎ落とすことで、シリアスな怪獣映画が誕生したのです。まー、ここで例えば平成ギロンなんかが出てきてもらっては、シリアスさが台無しになりますよね、いくらギャオスより強いとは言え。という訳で、あの「崩壊した東京タワー上のギャオス」という名シーンが生まれ、「平成ガメラここにあり」と、我々の心に強烈なインパクトを残してくれたのであります。[地上波(邦画)] 7点(2007-09-15 00:32:09)(良:2票)

857.  眠狂四郎 勝負 眠狂四郎という、正義感は強いけれどちょっと照れ屋さん、容姿端麗、剣を抜いたらピカイチの好青年の活躍を描いた、痛快時代劇。ははははは。でも本当だからしょうがない。これを観てから後のシリーズ作品を観て「なんじゃこりゃ~」と腰を抜かすのも良し、後のシリーズを観てから本作に立ち返って、「なんじゃこりゃ~」とのけぞるも良し。世直しに燃える勘定奉行のジイさん(←どっちかっつーと、「農民A」といった佇まいだけど。笑)の改革を、影に日向に支える狂四郎。極めてノーマルな映画、サワヤカ過ぎて張り合いがないぞ~(ノーマルだからとケチをつけられる狂四郎って一体・・・)。でも、謎の女占い師の暗躍、ポンコツ刺客の襲撃、アノ有名人との対決(?)など、物語は起伏に富み、見せ場も多く、これはこれでなかなかナイスな作品なのでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-09-14 23:48:52)

858.  ガメラ3 邪神<イリス>覚醒 前半の渋谷大パニック、後半の京都駅ビルの死闘は、日本怪獣映画究極の到達点ともいうべき、奇跡のような出来栄え。素晴らしい!ありがとう! ま、逆に、「ただそれだけの映画」になっちゃってますけど(笑)。ガメラが、ギャオスが、何のために生まれたとかいう話、「このヘンでそういう話も織り交ぜないと、作品に厚みが生まれないからな~」とばかり、クライマックスの京都駅であわててそんな会話を繰り広げても、手遅れです。そんなことより、3作を通じて、ガメラがだんだん人間味を増していくプロセスが、いいですね。満身創痍となっても、次なる戦いに向かおうとするその姿、それなりに感動モンです。ところでところで、奈良県南部で生まれたイリスがガメラと戦うクライマックス、「奈良市内を飛び越えて」国際観光都市・京都を舞台としてしまうあたり、う~む、やはり現在奈良に住む私としては複雑な気持ちに。東寺の五重の塔は絵になっても、興福寺の五重の塔ではダメなのか。東大寺大仏殿ではダメなのか。奈良の宣伝のためにも、少しは写してあげてくださいな。[地上波(邦画)] 7点(2007-09-09 18:57:30)(笑:1票)

859.  ガメラ2  レギオン襲来 ガリガリと物々しく進む戦車隊、その手前に写る小屋に貼ってある、大村崑のオロナミンCの広告のユーモラスさ。昭和ガメラでお馴染みのコンちゃんを、こういう形で「出演」させるとは、心憎い。かつての怪獣映画は、そのチープさを、悪く言えば誤魔化すために、ユーモアを介在させていた面があるのですが、平成ガメラは、スペクタクル作品としてのシリアスさ、リアルさで直球勝負、時に織り交ぜるユーモアを、単なる「逃げ」に使っていない点が、良い悪いは別にして、“新鮮”であります。第2作の本作も、「シリコンからなる宇宙生物」という、SFではやや古臭いネタを用いつつも、ちょっとした文明批評みたいな要素を見せつつ、自衛隊と怪獣のリアルな戦闘を見事に描いております(制服を着た永島敏行が新幹線で普通に移動しているのを見ると、さすがに「自衛隊大丈夫か?」と思ったけど)。そんな中で、傷つき大流血しながら戦うガメラの姿。ガメラに流血は昔から付き物で、まあ、アブドーラ・ザ・ブッチャーのプロレスみたいなもんなんですけども、「文明」vsレギオンの戦いの中で、どこまでもアナログ的に流血試合をするガメラの姿、血沸き肉踊るとはまさにこのこと。・・・そんでもって最後に、「ガメラは地球の生態系を乱すものを許さない」なんぞという、あまりにもアバウトで焦点の定まらないボケボケの結論には、さすがにそりゃないよと思いましたね。シリコン生物というものの持ちえたかもしれない寓意性が、この結論で雲散霧消しちゃいました。[地上波(邦画)] 7点(2007-09-03 11:04:17)(良:1票)

860.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 冒頭、マーちゃんがふらっと現れるシーンがとにかく印象的。ふらっと、唐突に、まるで空中から現れたかのように、それこそ“幽霊”みたいに。そのまま舞台は主人公二人の高校時代へ。 その後展開する物語と、冒頭の雰囲気とを合わせると、悲劇的なラストを予想せずにはいられない、マーちゃんはいずれ、命を落とすのであろうと。しかし、この映画は、そんなお約束的な描き方はしない。私の安直な想像を嘲笑うかのように、ラストにおいて校庭の二人は、学校の窓から森本レオによって「実在のもの」として認識され、しっかり溜息をつかれちゃうのだ。過去というものの“苦味”をそのまま“苦味”として、ヤンチャに、肯定的に描く。さらには「不死身宣言」とも言うべきラストによって、カッコ悪かろうとなんだろうと、とにかく何度でもやり直してやるぜ!文句あるか!と言わんばかりのエネルギッシュな存在感を示した北野監督には、勇気づけられずにはいられない。迫真のボクシングシーンも文句無しで、作品のエネルギーを見事に体現し、映画を盛り上げる。[地上波(邦画)] 9点(2007-08-28 00:33:00)(良:3票)

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