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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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881.  アルゼンチンババア 《ネタバレ》 (1番投稿失礼いたします。なお本文には妄想エロ表現が多数含まれていること、並びに初球から暴投みたいな投稿でありますことをお許しください。)  役所を虜にしたアルゼンチンババアの魅力とは何でしょう。彼女の優しさが、憔悴していた役所の心を癒したのは、想像に難くない。でもポイントは其処ではありません。彼に生きる力を与えたもの。それはアルゼンチンババアの女としての魅力だと感じました。もっとも外見に囚われると分かり難い。ボサボサの白髪。悪臭漂う住まいと身なり。年齢も相当イッている。普通なら性の対象にはなりません。しかし中身はどうか。アルゼンチンタンゴの情熱ほとばしる“モテポヨ”ボディ。真っ赤なルージュ。そして何より顔は鈴木京香ですもん。一度抱いてしまうと脳がとろけちゃう。「クサキモチイイ」禁断の熟れた果実です。浮世の辛さを忘れるのには、肉欲に溺れるのが手っ取り早い。相当の床上手と推測します。家族の再生が表テーマとするなら、裏テーマは“生と性”。直接的な表現はほとんどありませんが、間接的なエロ表現が多い。例えば、竹輪を食べる従兄弟、魚肉ソーセージを頬張る役所。長さといい、食感といい、自分にはアレの比喩表現としか思えない。つまり、その、あれですよ。「パックンチョしてもらった」ということ。京香は妊娠していましたし、堀北の二日酔いの嘔吐もツワリを連想させます。前フリは、従兄弟の卑猥な言葉に戸惑う(というより、自分の気持ちに気付いたような)堀北のアップ。彼女はもう「おぼこ」じゃないと睨みました(笑)。堀北は子供ではなく女。だから全てを許して、父や新しい母を受け入れたのかなと。死に行く命もあれば、生まれてくる命もある。その事をダイレクトに表した希望のラスト。ただ、随分とお気楽な着地点だとも思います。普通に考えて、役所のやっていることはメチャクチャですし。そんなに人生簡単なら、役所も逃げたりしないと思う。最後に堀北へ忠告。プロの料理人を目指すなら、台所にネコを入れるのは止めてね。[DVD(邦画)] 5点(2008-01-07 18:20:16)(笑:1票)

882.  空中庭園 《ネタバレ》 隠し事を一切しないのが家族のルール。小泉が創り上げたユートピアは、ソニンに言わせれば「幸せな家族を演じる学芸会」です。それでも彼女は構わないといいます。ウソもバレなければウソじゃない。それはある意味正しいです。ただ危険な思想でもあります。真実は意味を持たないということだから。小泉の記憶、その母の記憶。共に自身に都合の良いように改ざんされていました。小泉母の「繰り返し、やり直し」呪文のような言葉。いくらでも事実は、記憶の中で書き換えられるのです。血の雨に打たれて泣き叫ぶ小泉。それは彼女の生まれ変り。綻びが露呈した家族の“やり直し”の儀式。息子のカレンダーに記された赤い丸。「そうか私の誕生日だったんだ」そう考えれば全ては丸く収まります。母のためにプレゼントを持ち寄る家族。でも、それが現実だと裏付けるものは何もありません。自分には、単純なハッピーエンドだとは思えませんでした。ただ仮に妄想だったとしても、希望であることに変わりはありません。どこの家庭だって、多かれ少なかれ問題を抱えています。完璧な家族なんて存在しません。家族みんなが健康であること。これで十分幸せなんじゃないでしょうか。小泉の“やり直し”が、“事実を書き換えること”ではなく、“自身の価値観を変えること”であって欲しいと願います。そう、息子とソニンのやり取りが印象的でした。「南向きの窓は、みんなに光が届いて幸せになるためのもの?」「違うわよ。洗濯物が乾くようによ。」幸せの“かたち”に囚われる必要はありません。キャストは満点クラス。特に小泉と永作がめちゃくちゃ上手いです。凝ったカメラワークや演出については、少々煩い気もしましたが、トータルバランスが取れていたのでOKでしょう。[DVD(邦画)] 8点(2008-01-06 19:59:45)(良:2票)

883.  半落ち 《ネタバレ》 嘱託殺人。その罪から逃れられないのは当然です。執行猶予がつかない判決が出たのも妥当だと思います。ただ、単なる人殺しでは片付けられないと思う。殺人が犯罪だからという理由では、真の意味では裁けない。「私を殺してって頼んだら、私を殺せる?」鶴田のこの言葉にハッとさせられました。もし自分が、寺尾の立場だったらどうかと考えます。多分殺さない。いや殺せないと思う。呵責の念に耐えられないから。結局自分がカワイイからです。愛が無くては、妻の願いを聞き入れる事は出来ない。ただ、もうひとつの側面も忘れてはいけません。妻の介護に疲れた。苦しむ妻を見るのが辛かった。そういう理由も少なからずあったでしょう。妻のために殺した。自分のために殺した。どちらも真実だと思う。精一杯寺尾に同情する一方、彼は間違っていたとも思います。個人が、家族が、社会が、求める幸せや正義は必ずしも一致しないのではないか。自分には何が正しいのか分かりません。だから単純に考えることにします。臓器移植で救われた青年が寺尾に叫んだ言葉「生きてください」。それが今の自分の“基準”です。誰でも必ず死にます。だからそれまで生きよう。生きる努力をしようと思います。心の琴線に触れるお話でした。ただ、このテーマを扱うには、けれんみが強すぎる。吉岡のキャラ付けはウソ臭いです。それに最後の守山直太朗の歌がいけない。良い歌ですが、初っ端から強い歌声が入るのは余韻を壊します。『たそがれ清兵衛』のエンディングに匹敵する選曲ミスだと思いました。未読ですが、原作はもっと素晴らしいであろうことは容易に想像がつきます。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-29 17:05:52)

884.  THE焼肉ムービー プルコギ 《ネタバレ》 (最初の投稿失礼いたします。)焼肉への“こだわり”や“愛”を感じたい。「焼肉が好き!」という魂の叫び、肉を焼く煙と香り、肉汁のしたたりを感じたいと思う。観終わって思わず焼肉屋へ足を運びたくなるような。それが、食を扱う映画に自分が求めるもの。でも残念ながら本作にはありませんでした。焼肉の魅力が伝わって来ませんでした。焼肉をしている画は沢山あります。でもその画に付加価値がない。良く言えば日常の風景に溶け込んでいる。食=人生というテーマにも沿います。でも物足りない。食い足りない。もっと貪欲に“美味そうな画”を入れて欲しかったと思います。それに食材に対するリスペクトが感じられなかったのも残念。ラーメン屋が試行錯誤の過程でスープを捨てるのは分かる。勿体無いけど仕方ない。でも焼肉屋が修行で焼いた肉を食べずに捨てるのはどうだろう。その他にも肉をモノとして扱っているシーンに首を傾げます。ラストのバトル。最高級カルビをあえて不味く料理。流れ的には、その意図も分からないではない。でも料理人なら耐え難いことだと思う。食材に対する感謝と、食する人への思いやり。食文化を扱う映画に必要不可欠なものだと思います。人情話+焼肉。もっとホットでいいと思いました。淡白で低体温なコメディは別の料理の時にお願いしたい。キャストはやたら豪華でしたが、おなか一杯にはなりませんでした。[DVD(邦画)] 3点(2007-12-26 18:43:27)

885.  長靴をはいた猫(1969) 《ネタバレ》 ストーリーとしては原作の方が洗練されていると思います。でも良かったのは、ピエールが自らの身分を姫に明かした件。最後までウソを突き通して幸せを掴むオリジナルよりも気持ちがいいです。キャラクターデザインの素晴らしさは、言うまでもありません。ペロがその後、東映マンガ祭りのキャラに選ばれたのも頷ける。動きも実に滑らか。あるべき子供向けアニメ映画の魅力が本作には詰まっています。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-24 18:09:32)(良:1票)

886.  バトル・ロワイアルⅡ 鎮魂歌 《ネタバレ》 銃撃戦の手ブレ画面が不快。これは本当に観づらい。デジタルっぽい質感の映像と相まって、頭がクラクラしてきます。見せ場となるアクションの度にテンションが落ちるのだから辛いです。物語の構想もピントがずれている。顕著な例が、「男子○番 ××××死亡 残り○名」というキャプション。『バトルロワイアル』では最後の一人になるまで殺しあえという指令が出ていたから意味があった。ところが本作ではそんな設定ありません。煽るなら、「ターゲット(七原秋也)まで○メートル」のほうが正しい。“子供同士の殺し合い”という意味では、確かにバトルロイヤルの要素はあります。でも現実は紅白戦です。しかも後半はそれさえ無くなる。代わりに提示されるのがVS大人という概念やアメリカ批判。説教臭い。おまけに浅い。1作品として、出来は良くないと思います。さらに続編としての罪がある。『バトルロワイアル』の後日談として最悪です。命の大切さを身にしみたはずの七原が、テロリストに堕ちるとは。革命が必要なのは分かる。ただそのために命が失われても構わないなら、彼は先のゲームで何も学ばなかったことになってしまう。彼が忌み嫌った大人と何も違わない。全ての大人に宣戦布告する?笑わせてくれる。ただ、前田愛のキャスティングに前作を補完する意味(教師キタノが中川典子に執着した理由説明)があったこと、困った息子を持つ母に『三田佳子』という配役が神レベルだったので、その分加点します。[DVD(邦画)] 1点(2007-12-22 18:21:54)(良:2票)

887.  チェケラッチョ!! 《ネタバレ》 キャラクター設定は物語を紡ぐ最初の一歩。彼にはこう動いてもらおう。彼女にはこんな役目を。登場人物に役を担わせる“構想”が必要だと思います。山口紗弥加の荒い性格、ケンカばかりしている親父、恋愛真っ只中の先生、ばあちゃん幽霊。物語に有機的に絡んできません。賑やかしならゴリ一人で十分です。全然童貞に見えない主役も含めて、展望のないキャラクター設定に疑問を感じました。モテたくてラップ。甘い考えが打ち砕かれて挫折。ここまではイイです。でもその後がいけません。ライブ失敗は“ハートの問題”と玉山から指摘されます。でも本当は違う。基本的な演奏技術が未熟だったことが原因。単純に準備不足でした。そこを曖昧にしたらダメ。もっとも、もう一度練習し直して挑戦するほど、彼らは音楽に情熱を抱いていない。汗をかかない解決策としてサンプリングマシンが、手っ取り早い自己表現法としてラップが選ばれたように見えます。出だしは“モテたくて”でもいい。でも音楽への愛が感じられないと悲しいです。ラップに対しても失礼だと思う。リベンジライブの観客は身内主体。今回はホームゲーム。成功のハードルが下がっています。暴風雨は困難な状況に見せかけるための苦肉の策。これではスカッとしない。人の恋愛に割って入って爆発させた、高校生の机上の恋愛理論が通ってしまうのも何だかなあと思う。青春スポーツ感動作の王道プロットを利用しながら、爽快さが足りないのは、大切なポイントを幾つも省いたからだと思います。軽いノリだけで乗り切るのは厳しいです。[DVD(邦画)] 4点(2007-12-20 18:26:07)(良:2票)

888.  バトル・ロワイアル 特別編 「中学生同士が殺しあう」というセンセーショナルな設定ゆえ、良識ある大人から批判を浴びてしまうのも仕方が無い。自分も子供に積極的に見せたいとは思いませんし。ただ自分が観る分には全然OKでした。IFの世界だから。どんな無茶苦茶な設定だってあり得ます。それに本作は、殺し合いを是としていない。主人公たちは、ルールに盲目的に従うことを拒否しています。善悪の判断を他人に委ねていない。これって重要だと思う。ですから本作には肯定のスタンス。また原作ファンという立場で感想を述べます。バトルロイヤルの特徴は、ルールはオモシロイが実際にやるとツマラナイということ。これは本家プロレスのバトルロイヤルを観たことがある人ならよく知っている。戦いの焦点が定まらず散漫になりがち。しかも映画の場合、2時間程で40人近く殺さなくてはいけません。そもそも無理がある。その点を考慮すると、何人かの主要キャラを中心に上手くエピソードを重ねていると感じました。配役も概ね良好。映画オリジナルの教師キタノも、物語に一つの軸を提供しています。エピソードの扱い方や演出に不満が無い訳ではありませんが、よく纏めたなと。オリジナル公開版よりも本作のほうが、より強くそう思います。(感想はこちらに書いたので、オリジナルの書き込み消去。ちなみにオリジナルの点数は6点です。)[DVD(邦画)] 7点(2007-12-19 18:33:53)

889.  鉄コン筋クリート 《ネタバレ》 子供の頃、宮崎駿の『未来少年コナン』や『カリオストロの城』が大好きでした。いや愛していました。今もそれは変わりません。ロマン溢れる物語もさることながら、あの“動き”に魅了されたのだと思います。「コナンの足の指掴み」とか、「ルパンの大ジャンプ」とか。思い出しただけでワクワクする。物語世界の中で自分も一緒に走り回って跳び跳ねました。その感覚に近いものを本作から感じ取りました。縦横無尽に街の中を疾走するシロとクロ。まさしくネコのよう。これがもう楽しくて楽しくて。常職の垣根を越えたアクションに脳が喜びました。それは終盤、クロの内面世界に突入しても継続します。今度はイメージの渦に飲み込まれる。ゆっくりと闇に心が奪われていく。絵に侵されていくような感覚。“アニメ”という手法が持つ武器を最大限に発揮していると感じます。これはもうホントに素晴らしい。かといって、派手な要素のみが優れている訳ではありません。ちゃんと人が演技をしている。ドラマがある。人間の役者顔負けです。あのアクの強いキャラクターに魂を宿すのだから大したもの。そう、声優も良かった。特に蒼井優。声質がたまらなく魅力的です。「こちら地球星シロ隊員。応答どーじょー」頭の中でリフレインしています。その他声優素人さんの淡白な声も世界にマッチしていました。メッセージもしっかり胸に届きましたよ。文句なし。これぞ魅せるアニメーションです。『マインドゲーム』に引き続き、またしてもスタジオ4℃にやられました。[DVD(邦画)] 9点(2007-12-18 18:18:04)

890.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 静かな映画。その設定とストーリーゆえ、派手な展開が無いのは当然ですが、演出もかなり抑えられています。例えばミチルが侵入者の存在を疑う重要な場面。食パンの枚数を確認します。それはもうさりげない。アキヒロの言い分が本当に正しいのか、ミチルはハルミに事件との関わり聞き出そうとします。「彼氏はどんな人だったんですか?」過去形で問うキラークエッション。疑惑の外堀を埋める決定打です。彼女の頭のスマートさがよく分かる。でも際立たせようとする演出はありません。流して観てしまう。一貫して平坦な画を重ねています。それは田中麗奈の撮り方にも表れている。表情が薄く、その美貌と魅力を封じ込めています。冴えない普通の女の子に見える。事件解決後、アキヒロの話を静かに聞く姿なんか仏様のよう。だからほんの少しの変化が劇的に思えます。湯上りの飾りない素の表情。ラスト彼と向かい合った時の横顔。彼女の素顔は、なんて素敵なのでしょう。気の持ち方で表情が変わる。生き方が変わる。抑制の効いた演出だからこそ、小さな変化に価値があることに気付かされます。「土鍋キャッチ」や「ホームに出現するハルミ」など印象的なシーンが心に刻まれるのも同じ理由です。共に暗い世界にいた2人。偶然の出会いを“待ち合わせ”に替えて、これから一緒に歩いて行こう。希望は薄明かり。厳しい人生が待っていることに変わりはありません。でも手を繋ぐ人がいるだけで、どんなに力強いことか。勇気がもらえることか。歩幅を併せてくれる人が隣にいることに感謝しなくては。「目が見えないのだからしょうがない」「外国人なので仕方が無い」もう言い訳は捨てていい。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-14 18:17:55)(良:2票)

891.  フリージア 《ネタバレ》 「敵討ち法」に惹かれて鑑賞することに。犯罪被害者が加害者に合法的に復讐することが認められている社会。それも一方的な制裁ではなく反撃(返り討ち)もアリだという。まさに江戸時代の仇討ちが現代に蘇ったという設定。被害者、加害者、助太刀、その仇討ちに関わる全ての人のドロドロ、葛藤などが見られるものと期待しました。ところが本作の焦点はそこにはなかった。冒頭のエピソード“フェンリル計画”の被害者である2人。心を凍てつかせてしまった2人が、感情を取り戻していく物語。フリーズ爆弾でフリーズしてしまった心。だからフリージアなのかな?いずれにしても、敵討ち法はあんまり関係なかった。これにはガックリ。“心が無い殺人者”という設定なら、ただの殺し屋で構わない。実際、メインのVS西島については合法ではありません。せっかく面白い設定なのだから、活かさないと。どのキャストの感情も分かりづらく、感情移入しそびれました。それなりにスタイリッシュ。でも自分の心を捉える「何か」はありませんでした。[DVD(邦画)] 5点(2007-12-13 18:18:10)

892.  ゲド戦記 《ネタバレ》 『宮崎アニメ』と『ジブリのアニメ』は全く別物。ファンはその事を十分認識しています。だけど…混乱してしまう。デザインは、紛れもなく宮崎駿のキャラだから。それに名前も。どこかで『ナウシカ』や『ラピュタ』と比較してしまう自分がいる。酷だと思います。でも仕方が無いとも思います。父と子が同じ土俵で勝負する以上、避けられない宿命です。監督自身が誰よりも承知しているはず。主人公の“父殺し”を、宮崎親子の関係とダブらせずにはいられません。そこで疑問。何故監督は父と同じキャラクターデザインを使ったのか?もし自分が監督と同じ立場だったら、絶対にオリジナルデザインで勝負したと思う。例えば漫☆画太郎氏のキャラだったら。同一次元での比較を避け、容易に自分の色を出すことができたでしょう。(勿論別の猛烈な批判はありましょうが。)でも監督はそれをしませんでした。というより許されなかったのだと思う。さらに原作の問題。『ゲド戦記』はファンタジー界のビックネーム。これが危うい。タイトルの響きだけで先入観を持ってしまう。壮大なスケールの物語を期待すると肩透かしを食らいます。柔らかなタイトルの字体。“スペクタクルではありませんよ”というヒントは出ていました。もっとも、それに気付けというのは無理な話ですが…。監督は、最も厳しい道程を選んだと思います。しがらみも多かったでしょう。その心情は察するに余りあります。ただ、それと評価は分けないといけない。何者とも比べず、予断を入れず、ただ一作品として評価すること。敬意を払って感想を述べます。本作は少年の心の成長物語。ハイタカやテルーとの出会いが、主人公を変えるという図式です。しかし物足りない。それは苦労がないから。ピンチはハイタカが助けてくれる。大切な事はテルーが教えてくれる。主人公は自ら動いていません。与えられて得たモノの高は知れている。悪い魔法使いが死に行くクライマックス。この作画が非常に悪い。醜いです。このシーンだけで作品のクオリティを著しく下げています。終わってみればごく普通のアニメ映画。それ以上でも以下でもないと感じました。“宮崎アニメの本物”は、宮崎駿監督にしか作れない。宮崎吾朗監督には、“宮崎吾朗アニメの本物”を目指してもらいたいです。[DVD(邦画)] 5点(2007-12-11 18:18:07)(良:1票)

893.  どろろ 百鬼丸VS化け物の戦いをカタログ的に見せたこと。大河ドラマにしてしまったこと。この2点に問題があると感じます。所詮2時間程度で語るのはムリな話。「この1作で完結でもいいけど、出来れば続編も作りたい」そんな思惑が見え隠れ。それでは中途半端になるのも道理です。完成度が高くない以上、評価が芳しくないのも仕方が無いと思います。ただ、良い部分もありました。化け物の造形は悪くありませんでしたし、立ち回りも予想より上でした。(でも百鬼丸のキメポーズはダサイです。)原作は原作。アニメはアニメ。映画は映画と割り切って、バトルエンターテイメント色を打ち出すのもアリだったかもしれません。[DVD(邦画)] 6点(2007-12-08 18:34:18)

894.  幸福のスイッチ 《ネタバレ》 口を開けば文句ばかり。プライドだけは一人前。世間知らずもいいところ。上野を観ていると腹が立ちます。でもちょっと苦くて、むず痒い。自分自身を観ているようだから。間違いなく、ああいう時期が自分にもあった。というか、今もその傾向が無いとは言えません。なんともお恥ずかしい限り。だから彼女の気持ちや考え方はよく分かる。電気屋は家電製品を売るのが仕事。部屋の模様替えなんかに付き合っていられるか。ごもっとも。でもそれは普通の電気屋の考え方。それではライバル店には勝てません。ジュリー夫妻は開店当初、顧客開拓のために町内の家々を全て回ったという。さらに“売った製品の面倒は最後までみる“というポリシーを貫いてきた。他の店がやらないこと。だから価値がある。量販店が他では出せない低価格で製品を提供するのと同じ発想。商売で成功する秘訣をジュリーは知っている。しかもその仕事に喜びを感じ、みんなから感謝されている。こんなに素晴らしいことはない。外面の天才?それがどんなに凄いことか。学校の勉強では教えてくれないこと、経験して初めて分かることがある。彼女は直に電気屋の仕事に触れることで、ジュリーの偉大さに気付いたはずです。(もっとも素直にそう思えるまでは、もう少し時間が必要かと思いますが。)幸せのスイッチは”気付くこと“だと思う。それは大人の入り口にある灯り。人生を照らすひかり。彼女は今、パチンとスイッチを入れました。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-06 18:23:08)(良:3票)

895.  口裂け女 《ネタバレ》 殺しても死なない理由。口が裂けているワケ。「わたし、キレイ?」の意味。ディテールを活かしたストーリー化はお見事でした。荒唐無稽な設定に、如何に意味を持たせるか。それが都市伝説の醍醐味でしょう。こういう“こじつけ”は好きです。口裂け女は、そもそも小学生向けの与太話。子供の被害者は必然でしょうが、予想以上に直接的な表現を多用していたことに驚きました。ホラー・スプラッタでの暗黙の了解「幼い子供は虐殺されない」が反故にされています。正直観るに耐えませんが、そこを回避してしまうと腑抜けたホラーになってしまいます。これくらいが、ギリギリのラインでしょうか。サトエリの顔は梅図かずおマンガのキャラのようで怖かったですし(コレ褒め言葉です)、口裂け女の造形もなかなか。ただ結末はしくじったと感じます。ゴールが明らかに見えているのに、そこへ向かわないのは不自然です。ラストシーケンスでのサプライズ用にネタを残しているのが見え見えでした。オチはしっかり付けた上で、次の展開を考えれば良かったと思います。第2の口裂け女にあの人はピッタリですしね(コレも褒めてます)。終盤こそ、グダグダだったものの概ね満足しました。ジャパニーズホラーとして標準以上の出来と考えます。それだけに「半分笑ってやろう」くらいの気持ちで臨むと痛い目に合うかもしれません。あと子供は観ちゃダメ。[DVD(邦画)] 6点(2007-12-05 19:11:30)(良:1票)

896.   《ネタバレ》 葉月に憑かれた者は、みな殺人者に。相手を海水で溺死させるという手口。それは彼女が病院で折檻されていた手法と同じ。主人公だけは、彼女の居場所を突き止めたので赦してもらえた。終盤、事態は飛躍的に悪化。葉月自ら殺人鬼と化し、世界は終焉へ向かう。これが物語の外郭です。でも真相については判然としない。ここをどう解釈するか。それが黒沢作品のお楽しみ。ではいつものように自分なりの解釈を。押さえておきたいのが、葉月の心情。彼女は一人で寂しかった。誰も私のことを気にかけない。絶望の中、残像が焼きつく程長い時間、彼女は外を眺め続けた。幽霊となった葉月は、船で見かけた人の夢(意識)の中へ潜り込んだ(オダギリ説)。“自分を相手にしなかった者を殺してやる。”それが彼女の復讐。葉月に感化された者は、大切な人を手にかけた。医者と奥貫はその心情を吐露。ロン毛男も婚約破棄されている。全員、強い孤独と疎外感を抱えています。「全てを無しにしたい。」葉月と同じ想い。そこに付け込まれた。勿論、これは役所にも当てはまる。小西の行動から、生前2人の関係は疎遠になっていたものと推測されます。そこで疑問。何故幽霊の小西は、あんなに役所と睦まじいのか?役所を怨んで当たり前。「(殺されて)仕方がなかったの」なんて言うはずがない。幽霊の小西は、生前の小西とは別人です。その正体は…。役所は2人の遺骨を同じカバンに詰めます。ラストカットは小西の叫び。それまで叫んでいたのは誰。似たようなワンピース。2人が同時に出現していないこと。これらから導かれるのは、小西=葉月。役所は葉月にとって特別な人。記憶の中に自分を留めていてくれた唯一の人。葉月は彼を愛していた。「叫」は恐怖に慄く悲鳴ではなく、孤独な魂救済の叫び。そして切ない恋の叫びでした。世界に終わりが訪れたのは、誰もが孤独を抱えているから。みんな葉月を受け入れてしまう。ロマンス的に解釈するなら、“あなた以外は何もいらない”ということ。以上です。本作では観客の“思い込み”を巧みに利用しています。特徴的な赤い服、男のロン毛、タイトル。前半大いに惑わされます。このあたりの仕掛けは流石に上手い。ただ残念だったのは、全然怖くなかったこと。『LOFT』より演出的に冴えていたものの、やはり有名女優の起用は難がある。本作は怖くなければ意味がありません。ホラー⇒ロマンスの転換に驚きが生まれないから。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-04 18:20:05)(良:2票)

897.  ミッドナイトイーグル 《ネタバレ》 (すいません。大いにネタバレありですので、未見の皆様はご注意ください。)     雪山に挑む大沢と玉木。彼らが命を賭す理由が見えません。謎の集団に狙撃され、雪崩で荷物を失い、それでも目的地を目指すという。雪山での“勇気”が何かを、彼らはよく知っているはずです。玉木の「逃げたくない」では動機不十分。増援ヘリの出動も意味が分からない。吉田と大森の友達トークなど聞きたくない。トマホーク着弾までのおよそ10分間、核爆弾をテロリストから死守することがどれほど困難か。そんなときに呑気にカメラを拭いている大沢に呆れる。どれもほんの少しのフォローがあれば納得出来ました。吉田から2人に事情を説明して助力を請えばいい。ヘリは状況説明のために一機落す。大沢は銃が持てない程負傷すれば問題ない。難しい仕掛けは要りません。気遣いが欲しいのです。それが娯楽作品でのリアリティだと思います。他にも気になる点がある。キーパーソンは大沢の無線を受け取った濱田岳くん。民間人である大沢に最終手段を提案されるほど、当局は不甲斐無い。なら岳くんだって後半活躍できたはず。せっかくの良キャラを活かさないのは勿体無いです。大沢と竹内の関係性も希薄。重要な2人のドラマが迫って来ない。竹内の最後の台詞「許さない」が、単に冷たい言葉に聞こえてしまっては意味がない。大切なのは構想だと思います。一人のキャラ、一つの台詞を活かすためにどうするか。そのための尺はたっぷりとある。その場しのぎでは、どんな魅力的な人物も、深い言葉も、輝かないと思います。[映画館(邦画)] 5点(2007-12-03 18:10:34)(良:3票)

898.  星ノくん・夢ノくん 星ノくん、夢ノくんは宇宙人。彼らは地球に修学旅行にやってきたという。普通ならVFXなりCGを駆使して、彼らが宇宙人だと印象付けたいところ。でもそれをしていません。理由は2つ考えられます。ひとつは金銭的・技術的に無理なこと。そしてもうひとつは物語に余白を残す意味。2人は宇宙人であってもいいし、そうでなくても構わない。そんな設定の遊びが物語の雰囲気を柔らかくしています。キャスティングも素晴らしい。とくに星ノくんのキャラにはやられました。阿部サダヲ風のノッペリ顔。童貞気質丸出しの言動が確かに宇宙人っぽい。結局のところ演技の良し悪しはニの次だと思う。如何にイメージにあった役者をキャスティングするか。物語の中で役付けしていくか。監督の技量が問われるところです。あとは良い脚本と演出のセンスがあればいい。もちろん製作費はあるに越したことはない。でも絶対条件ではありません。大切なことは、監督が自分の武器を理解すること。お金が無いなら、そのことを逆手に取った演出を考えればいい。自主映画の良作を観ると、その事を再認識することが出来ます。星ノくんの“アノ時の顔”が忘れられません。彼の早業に敬意を表して+1点でお願いします。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-02 20:32:18)(良:1票)

899.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 17年といえば2昔弱前。当時を過ごした人にとっては懐かしく、そうでない若者にとっては目新しい。何時の時代もそうですが、少し前の文化風俗は笑うには丁度いいネタ。バブル経済崩壊の後遺症が癒えつつある今、本作のような作品の登場は必然だった気がします。プロットは極めてオーソドックスな「タイムトラベルもの」。ですから安心して楽しめる。バブルのノリそのままにライトに仕上げています。ドタバタも面白かった。ただし、オチの付け方は全然ダメでした。正直キライです。“今”を完全否定したエンディングだから。確かに国の財政破綻は目の前。地獄の淵にいるのかもしれない。でもそれは明日の話。これから変えられる。変えなきゃならない。それに景気低迷の中、必死に生きてきた人たちの苦労が報われない。フィクションだからと受け入れるには、17年間は長すぎる。リアル過ぎる。やはりタイムトラベルの“お約束”は大事です。通達阻止は叶わず。バブル崩壊は食い止められなかった。でも伊武は失脚みたいな流れなら締まったと思います。広末が序盤に手にした200万円で、彼女は当面の借金生活から開放される訳ですし。それくらいのご褒美で十分だと思いました。本作は一見、能天気なハッピーエンド。全てが丸く収まったよう。でも発想は後ろ向き。自分は手放しで喜べませんでした。[DVD(邦画)] 6点(2007-11-30 21:29:31)(良:4票)

900.  ぼくらの七日間戦争(1988) 《ネタバレ》 新訳日本版「15少年漂流記」だと感じました。社会の荒波にのまれた子供たちが漂流の果てに辿り着いたのが陸自の廃倉庫。子供たちだけの生活が始まります。ただ無人島ではないので、何不自由しません。親の監視の目が無い分、のびのびとして楽しい。ですからサバイバルのドキドキやワクワクは希薄です。代わりに提供されるのが、“VS大人”という概念です。アホな教師や親にパンチを食らわす。そこに爽快感があるのでしょう。公開当時、自分は主人公の年齢に近い高校生でした。でも愉快でも痛快でもなかったことを覚えています。その理由が今見返して分かりました。それは、子供たちが今回の事件を通じて何も成長していないから。ただ、ダダをこねて、バカをやっただけに見えます。教師は理不尽なワルモノ。親は勉強しろと言うばかり。大人は何も分かっちゃいねえ。そんな奴らの鼻を明かしてやった。全部子供の発想です。それが悪いとは言いません。彼らは子供だから。そういう社会背景が無かったとも思いません。現実に自分も経験してきたことです。でもあまりにも浅いです。お粗末過ぎます。小中学生でも分別はあります。“やっていいことと悪いことがある””悪いことをしたら謝る”そんな当たり前の事が本作では無視されていました。騒動を肯定したまま終えたのは罪だと思います。それが子供観客への媚びだとしたら情けない話です。最後の花火大会も大人へ向けた「これはファンタジーですから」という言い分けに見えます。いずれにしても程度が良いとは思えません。子供のストレスを巧みに利用し共感を煽り、センセーショナルなストーリーで娯楽性を追及。商業映画のコンセプトとしては正しいのでしょう。でもそこに監督の理念が無かったら寂しいと思います。エンディング「次は国会議事堂だ」と息巻く子供たち。その後、ゆとり教育が推進された現実を考えると、本作には先見の明があったのかもしれません。ただそれが、子供たちが理想とした未来であったかどうかは別ですが。[CS・衛星(邦画)] 3点(2007-11-26 18:25:55)(良:1票)

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