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コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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901.  男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 リリーさんと言えば北海道、しかし今回は正反対の舞台、沖縄へ! というわけで、南国のギラギラ照り付ける太陽の下、実に色彩的な映画となってます → なーんとなく、沖縄行く前の、柴又の光景すら、いつになく鮮烈な色合いになってる気がする! しかし、内容的にはいささか不満。前回リリーさんが登場した『相合い傘』、アレは私のお気に入りで、どうにも弱いんですけども、その『相合い傘』で言わば決着した寅さんとリリーさんの関係を、無理矢理蒸し返して、しかもなーんと同棲までしちゃうとは、どーいうことだ、寅さんよ(しかも同棲しておきながら、リリーとは怪しい関係じゃないとかなんとか、普通、そんな言い訳通らんよなあ)。→前回、“相合い傘”というモノに象徴させた二人の関係、本作ではその二人の関係の描き方が直接的すぎて、どうもイマイチ気分が乗らない。とは言え、前半の沖縄の光景の鮮烈さ(別世界っぽさ)と、ラスト近くの、柴又駅での別れの寂しさ(寅さんが「見送る」というのも珍しい光景では?)、その対比は、よく活かされていたのではないでしょうか。ところで気になる点 (1)沖縄に行ったまま音信不通の寅さんについて、おばちゃんのセリフ「ハブにでも噛まれて死んだんじゃないの?」は、‘テレビ版寅さん’を意識したセリフ、ですよね? では(2)沖縄から飲まず喰わずで帰ってきてフラフラの寅さんに、鰻重を用意するおばちゃん、そしてそれを夢遊病者のようにガッつく寅さん。でも昔、どの作品だったか、「鰻は嫌い」と言ってた気がするが? 果たしてこれは、「嫌いな鰻ですら食べちゃうほど飢えていた」という意味なのか、それとも脚本のミスか?[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-08-08 22:21:41)

902.  浮雲(1955) 場面と場面の間の、登場人物の移動を表すもの、そしてそれに伴う時間の経過を表すものが、省略されており、各場面が、断片として積み重ねられている、この落ち着かない感覚(その中で、ラスト近くの汽車&船のシーンが、明確に移動を表現していて、とても印象的で、かつヤな予感もするのだけど)。そう、この断片感覚はまるで、男女2人のショートコント集を観てるような----とか言っちゃうと身もフタもないので-----あるいは、主人公2人をメロディとした変奏曲が展開されているような。このナルセとか言う監督はどーも油断のならない監督で(映画観ながら油断するヤツが悪いってか?)、どーも観てて疲れる、挑戦しがいのある強敵だ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:36:11)(良:1票)

903.  ハンター(2003) 社会に馴染めない不良少年が、ハンターに弟子入りして、大自然に揉まれながら成長していく。ってな感じの映画では「一応」あるんだけども、セリフが切り詰められていることで、ストーリー的にはかなり曖昧な印象。そりゃそうだ、こんなものすごい大自然の中では、個々の人間みたいな小さな存在は、量子論の影響を受けて不確定化しちゃうのだ。しかしその中にあって、やはり自然児たる“ハンター”の存在感は、圧倒的大自然に溶け込むが故に、我々の目を引く(その無表情な表情)。この“ハンター”、オネーチャンと馬上でチョメチョメしちゃう、なかなかのハンターぶりなんだけども、そんな姿がまた、彼の「自然」な姿として、ミョーに納得できてしまう。やがて少年は、以前に起こした事件のためにとっつかまり、ムショにぶちこまれる。映画で初めて現れる文明の姿。それまでの大自然の光景からの余りの違いに、我々文明側の人間の目にすら、異様に映る。少年はその刑務所の中で成長し、一方、“ハンター”はその間も大自然の中で生き続け、そして・・・・・・。我々も時々、山に登ったり、浮世から遠く離れた寺社に行ってみたりしては、「ああ、こんな静かなトコがあったんだなあ」なんぞと思い、また雑多な日常へと帰っていくんだけれども、また会社に行って仕事をしながら、「あそこは今でも静かなんだろうなあ」なんぞとため息をつく。僕らの存在にお構いなしに、この世には様々な世界が存在しており、存在し続けている。僕らはそれらの世界に対し、「選択」することだけはできるのだ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-07-30 22:26:18)

904.  男はつらいよ 噂の寅次郎 例によって大原麗子のクネクネぶりに、思わず背中がむず痒くなること請け合いの本作。いやあ、ホントにムズムズするこのキャラクター、こんなヒトに「好きヨ」なんて言われちゃあ、寅さん、魂抜けちゃうわな。このシーン、カメラ手前に写るおばちゃん・さくらとの遠近感で、寅さんの背中がミョーに小さく写されていて、可笑しくてたまりません。マドンナが少々影が薄い分、おしゃべりピン子やら、博の父・ウン一郎氏やらが旅先で登場、脇を固めて盛り上げます。何よりも、この旅先の風景が実に美しい! それがピン子の顔で台無しじゃないか! というのはウソで、それを差し引いても(笑)、まさに一見の価値ありの光景です。そして、旅先の宿でウン一郎氏と寅さんが語り合うシーンなども、シリアスな音楽とともに、なかなかの見所となってます。あと、ラスト近くの、電気の消えたとらやの光景が、不思議に印象に残りました。それにしても、恋愛の極意とは、昔、某女優がCMで言ってたとおり、「すこし愛して、ながぁく愛して」ってなとこ、なんでしょうなあ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-07-23 21:59:29)(良:3票)

905.  殺人遊戯 サイレント映画に対してトーキー映画が有利な点ってなんだろう、なんぞと、浅はかながら考えまするに、ここはひとつ逆説的に、「トーキーの方が、‘静寂’や‘沈黙’をより効果的に表現できる」のではなかろうかと。サイレントは音が無いがゆえに、映像から‘音’を感じさせようとするわけですが、トーキーは音や声を直接出せるがゆえに、その対比として、音や声の無い‘静寂’‘沈黙’をサイレントよりも強いインパクトで表現できるのではないか・・・。で、ナゼか、本作について、です。なんでやねん、ははは。まあ要するにですね、普段のフニャフニャした饒舌な鳴海サンの姿があってこそ、あるいは周囲の登場人物のセリフの数々があってこそ、その対比として、鳴海さん戦闘モードの‘沈黙’が実に効果的なのであります。セガールよりよっぽど‘沈黙’だぜ。そしてその寡黙さあってこそ、クライマックスの超長回し銃撃戦の緊迫感も数層倍になるのでありますなあ。それにしても、戦闘モードの鳴海サンの姿、どー考えてもキャメロンはこれを見て『ターミネーター』の造形を考えたとしか思えないのであります(←妄想)。でもシュワにはこんな機敏な動きは出来まい、うふふふ。[地上波(邦画)] 8点(2006-07-18 21:47:03)

906.  アザー・ファイナル 人生の教訓。上を見たらキリが無いけど、下を見たら、実は、もっとキリが無い。映画だってそうでしょ、所詮ラジー賞だなんだっつうても、話題になるのは大抵有名な作品、本当に無名で光の当たらないどうしようもない映画の数々からなる暗闇が、その下には広がっている。そこはまさに恐るべきクズ映画の底なしの深遠だ。恐るべし。とまあ、それはともかく、サッカーの世界にも、上には上がある(というのは今回の2006ワールドカップで、皆よ~くよく認識している今日この頃だと思いますが)のと同じく、下には下がある。だけど、こちらは映画の世界と違って、一応、ランキング付けが完全になされており、無限の底無しじゃない。しかも映画の世界と違って(!)、最下位にいたるまで皆、真剣にサッカーに取り組んでる。だもんで、202位のブータンと、203位(最下位)のモントセラトで、最下位決定戦をやっちゃおう、という企画。これがすごい。島国モントセラトは、火山噴火の影響で練習もままならない。が、持ち前の明るいカリビアンパワーでやる気満々、飛行機を乗り継ぎ乗り継ぎ、ブータンまでやってくる。サッカー以前にまず、つくづく世界は広いと思う。さまざまな困難を乗り越えつつ、いよいよ決戦へ、よくもまあ、こんな企画、実現したもんだ。映画はポップな演出を交え、テンポよく、その一部始終を見せてくれるが、その中で、スポーツの商業化への疑問もちゃっかり絡め、そのワカリヤスサが観てて何だか気持ちよくなっちゃう。映画的には多少安直な面があろうとも、試合の白熱ぶり、苦難にめげない選手の真摯さには、心打たれること間違いなし。できれば、試合のシーンまでポップに見せてくれなくてもよくって、も少しじっくり見せて欲しかったけど・・・。[地上波(字幕)] 8点(2006-06-25 22:05:43)

907.   《ネタバレ》 思いつめ自ら命を絶った主人公、彼が必要としたのはあくまで自己完結、それのみであって、ラストシーンで剣道部員達が彼を理解し共感しようとするのは、余計な通俗化のようにも思えたのですが・・・ふと考え直して、これはこれで、映画らしい終わり方なのかもしれないなあ、などとも思ったり。映画の中で描かれる剣道部のトレーニング風景は規律正しく、非人間的でメカニックな動きのシーン。一方のラストシーンは、部員達が道場に静かに佇むシーンであり、主人公の一貫性を重視した生き方のもつ非人間性を象徴するシーンでありながら、映画全体の動的な印象とは対照的な、静的なシーンとなって、映画を締めくくる。確かに、こういうラストも、アリかもしれない。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-06-17 22:46:02)

908.  男はつらいよ 葛飾立志篇 御前様の身内で大学の研究者とやらいうヒトが、とらやに下宿する、だと! どっかで聞いた話だ! そうそう、「寅次郎夢枕」だ! そのヒトって確か、米倉斉加年演じる東大の助教授。 でも肝心の米倉氏は、本作では巡査役やってるぞ! どうなってるんだ、こりゃ、米倉二役か?! と思ったら、今回は米倉ヘンテコ助教授ではなく、考古学専門の女性の助手で、これが今回のマドンナでしたとさ。いや~びっくりしたよ、もう。というわけで、次シリーズのパロディを織り込んでいるという、なかなかシュールなギャグでありました。そういえば、女子高生役の桜田ズン子のそばで、米倉巡査が現実世界での彼女のヒット曲(ようこそここへ~クッククック~)を口ずさむシーンなども、これに近いシュール・ギャグ。というわけで、今回の作品は、パラレルワールド感あふれる作品となっていますね、あはは。もう一つ付け加えてきますと、マドンナの勤め先はセリフ中では触れられないけど、彼女が本郷通りから東大正門に入っていくシーンが、しっかりと織り込まれておりまする。前置きが長くなりました。本作、いささかストレート過ぎるかな、という展開で、スッキリアッサリしております。人はなぜ学ぶのか。先生が美人だから? うんそりゃ確かにそういうハナシなら、一生懸命勉強するわな。でも、田所教授を見よ。生活にはな~んの役にも立たん知識を山ほど有している。確かにな~んの役にも立たないようなんだけども、そのおかげで、寅さん程の異色の存在に対しても一歩も引くことなく、丁丁発止と会話を弾ませていく、そのカッコよさ。そうだ、ナゼ学ぶかと言えば、自分の世界が広がるから。とっかかりはそれでいいんじゃないの。学問が幸せに直結するとは勿論限らないんだけど(ってか、学問に打ち込んだ教授と打ち込まなかった寅さんが意外に相似してたりもする)、それでも、田所先生、カッチョよいぞ。こういう存在に、憧れる。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-05-29 20:40:47)(良:2票)

909.  あずみ ワタシも人の子、「上戸彩主演のチャンバラ?そんなの無理無理」なんぞとつい思っちゃうワケですが、これが思うツボ、観てみたら意外なほどサマになってまして、こうやって先入観が覆されると何だか不必要かつ不用意にウレシくなっちゃうもんであります。いやはや映像マジック。女子プロレスラー役だってできるんじゃないか、この技術力なら。かつて無数の名作を生み、やることやりつくされてしまった感のあるチャンバラ映画の世界、たまにはこういう風が吹くのも、ええんでないの。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-06 23:02:17)

910.  青い山脈(1963) 昨日、国民の休日の昼下がり、BS2にて「おかあさんといっしょ」~アニメ「アルプスの少女ハイジ」~映画「青い山脈」という絶妙のラインナップで放送されていたので、違和感なく観ることができました(笑)。つまり、そういう、のほほ~んとした映画です。城下町を舞台に、ロッテンマイヤーさんを彷彿とさせるイジワル女子高生軍団と対立しつつ、旧態依然の保守的な町の雰囲気に風穴をあけるスーパーカブライダー・小百合さんの大活躍!というほどではありませんが。コメディタッチのノリにもそれなりに楽しく、笑い3割・苦笑7割ってとこですかね。しかし今の目から見ると、イジワル女子高生の方になんとなく肩入れしてしまう。彼女たちは奥床しい日本の美徳を守る最後の砦。その美徳が失われ、今のオゲレツな日本の社会へと移り変わり始めたのは、まさにこの頃、なんですかなあ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-05-05 10:35:07)(良:1票)

911.  村の写真集 我が家の徳島出身者の話では、「徳島弁がヘン」だそうですが(笑)。ここはやはり出演者を徳島関係者で固めないとな。まず高橋写真館長は坂東英二だな。しゃべりまくりそうやな。じゃあジャンボ尾崎か。行方不明の姉役には、えーとえーと、瀬戸内寂聴。なんでやねん。ほんで、息子役は、困ったな、お、そうそう、大川隆法。 とかいうヨタ話はさておき。ユーモラスな人間模様と、美しい徳島の風景が、実に魅力的な映画でした。ちょっと親父を美化しすぎるセリフが過剰にも思えたものの、まあ、このくらいのサービスはあってもよいかな、と。ガンコ一徹藤竜也は、「村の風景」を写真として残すことに情熱を燃やしながら、徳島の自然あふれる「村の風景」の中に自らが溶け込み、静かに消え去っていく。写真を撮る瞬間の控えめな笑顔がたまらない。映画を観てる最中よりも、観終わった後で、あの笑顔が脳裏に浮かび、何だか泣けてくる。まさに即身仏ですよ、こりゃ。しかし村の他の人々もまた、自分達の生活を営みながら、彼同様にこの谷間の静かな村に溶け込んでいく存在なんだけども、ダム建設により村そのものが変化していきつつある、その脆さ。皮肉にも、その非永続というギリギリの線に美しさがあったりする。この先いつでも撮ることのできる映画ではない、「今撮っておかなければいけない」映画、なのでしょう。また、映画の中でかわされる、様々な「ありがとう」の言葉。藤竜也は写真を村の人々の写真を撮らせてもらうたびに頭を下げて丁重な礼を言う。その彼もまた、「生前の親父を撮ってくれたことに対して」「病身をおして山奥まで写真を撮りに来てくれたことに対して」ありがとう、の言葉を受ける。故郷・徳島に対して思い入れの無かったはずの息子もまた、徳島まで足を運び「来てよかった」と言う中国人(?)彼女に、ありがとう、の言葉を漏らす。ちょうど、この「ありがとう」の言葉が、通奏低音のごとく、映画を貫いて流れつづけます。というわけで、映画『村の写真集』はオアシス運動を応援しています、提供は立木写真館でした、なんちゃって(蛇足ですが本作の写真監修は立木義浩氏)[DVD(邦画)] 9点(2006-04-29 10:40:58)(良:1票)

912.  幕末 主演の中村錦之助、本人は自分のことを「サカもとりょーま」と名乗っているが(注:カタカナ部分にイントネーションをつけて読んで下さい)、途中からはやはり、宮本武蔵の霊が降臨しちゃってる。寺田屋騒動ではナゼか敵をバッサバッサ斬りまくり!まさに「錦ちゃんのどこまでやるの」状態!いよっ待ってましたっ。でも小百合さん、露出が少なすぎるぞ~っ。ってそれはどうでもいいですけど。まあ、日本史において圧倒的な人気を誇る坂本竜馬を描いた映画ということで、各人のイメージに合うかどうかが難しいところ、少々豪快さに欠けるネクラな印象の竜馬ではあります。しかも、映画全体がややブツ切りのエピソードの積み重ねで、坂本竜馬という主人公が見えにくい。でも、それを補うように、最後の夜のシーンでは、しっとりと彼に語らせ、その後に訪れる暗殺の衝撃を盛り上げるのに成功しているように思えます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-16 11:14:15)

913.  男はつらいよ 寅次郎夢枕 ナントモまとまりのない作品なんですけども、その分、ドタバタの効いたファースな作品になっております。セリフが冗長でクドイと思えてしまう部分もあるものの、ギャグも充実してて、一長一短。個人的には、冒頭の渋柿のくだりでバカ笑いしちゃったもんで、この時点で笑いの導火線に火がついちゃった、ははは。途中、旅先のシーンでヴィヴァルディの『四季』をかなり長々と引用して、ちょっと真面目な雰囲気も出すけど(なんだか『四季』がまるでイイ曲みたいに聴こえてしまったぞ)、あとは、寅さんの恋と、ナゾの東大助教授とが、噛み合うようで噛み合わず、支離滅裂なストーリーのまま強引に終わっちゃうスゴイ展開、暴走気味の作品でした。どうでもいいけど大学でのロケ、ありゃ東大じゃあないよな。もしやニセ助教授だったのか?  (ところで、最後にせっかくイイ感じになったのに引いてしまっていまくいかない寅さん、ウチの妻が観てて業を煮やし、「こんなの男じゃない!」と。「じゃああの助教授の方は?」「あれは人間じゃない!」・・・だそうです)[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-16 10:29:39)(笑:1票)

914.  巨人の星 大リーグボール 何で登場人物みな、始終泣いてばかりいるのかと思ったら、そうか、そういうことだったのか。泣いてない時は瞳の中に炎が燃え上がっているので、時々涙で延焼を防いで調節しているんだね、きっと。ところでワタシは子供の頃「侍ジャイアンツ」派だったこともあり、どうもこの一連の「大リーグボール」と言うヤツに馴染めませんでした(強いて言えば消える魔球が好きだったかなあ、野球盤にもあったしなあ)。さて、今回は大リーグボール一号を編み出すオハナシですけども、今回改めて観ますと、ウン、まあ、アニメで見たら、それなりにオモロイ魔球ですな。でも実際の野球でこんな魔球使われたら、かなりツマラン試合になると思うが、どうか。今回描かれる、魔球を生み出すまでの過程はまさに壮絶(若干意味不明の部分も)。画家のミロはシュールレアリズムの作品を生み出すために、自らを飢餓状態に追い込んで幻覚を見たとも言われるが、飛雄馬にもそれと同じくらい鬼気迫るものを感じる。いや、魔球の実験台にされる伴宙太の方がスゴイかもなあ。しかしやがてこの苦痛が、飛雄馬に対する倒錯した愛へと変貌し・・・・という展開ではなかったので、安心、安心。[CS・衛星(邦画)] 6点(2006-04-02 23:03:02)(笑:2票)

915.  巨人の星 行け行け飛雄馬 巨人軍入団最後のチャンスに賭ける飛雄馬、その壮絶な闘いを描く感動のアニメ巨編! 各方面より絶賛の嵐! 「類を見ない心理描写」(ウシントン・ポスト紙) / 「むくつけき男たちの情熱、そして熱い友情。これが真のベースボールだ!」(NYタ仏ズ紙) / 「日本野球快進撃の秘密が、ここにある」(ホヒー・ハレンタイン監督) / 「巨人軍の監督としてただ一人、チームを優勝に導けなかった堀内。今にして思えば、当時から詰めが甘かった」(続売新聞)・・・・・・すんません勿論ウソですけども。で、私の感想ですが、そうですね、登場人物みんな、本当によく泣きますねえ。情緒不安定なんでしょうなあ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-02 22:50:09)(笑:1票)

916.  男はつらいよ 寅次郎恋歌 《ネタバレ》 作品の基底に連なる「母」のモチーフ。さくらの歌う「かあさんの歌」、博の母の死、そして寅さんが惚れる今回のマドンナも子持ちの「母」。そこから浮かび上がるテーマは、「人生の重み」であり「幸せとは何か」、ということ(ここで寅さん自身の母親について触れられないのは、さすがにそこまでやるとあまりに見え透いているのと、蝶々さんのイメージではちょっとテーマに対し違和感があるから?)。母の人生は不幸だったと言う博。臨終を看取った兄は、母は満足して世を去ったと言うが、博は、そんな人生に満足すること自体が可哀想だと訴える。確かに、昔からよく世に言う、「幸福とは自分の不幸に気付いていない状態である」と。ではその人は実際は幸福だったのか不幸だったのか?ナントモ言えない問題であり、博の訴えは一理あるのも確かだし、自己矛盾しているのも確か。結局、幸せとは、絶対的にそこに「ある」ものではなく、人それぞれが「見つける」もの、あるいは「受け止める」もの、なのでしょう。ふと、モーパッサン「女の一生」の最後のあの有名なセリフ、あれを思い出し、あれこそが人生の幸不幸を的確に表現したセリフだったんじゃないか、とも思えてくる・・・。今回の寅さんは、明確な失恋を味わうわけではないけれども、より厳しい「人生の重み」を目の前に突きつけられ、嵐の夜、静かに柴又を去っていく。その後姿が哀しい。人生って、必ず、いいこともあれば、わるいこともあるのだよ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2006-03-26 23:11:26)(良:1票)

917.  男はつらいよ 寅次郎忘れな草 ゴジラシリーズにおけるキングギドラ、ウルトラマンにおけるバルタン星人、に匹敵する、寅さんの永遠の好敵手、リリー松岡!が初登場の本作。キップの良さと、その裏に孤独を隠し持っている点では、寅さんに相通ずるものがある彼女だけれど、その「孤独」の性質が寅さんとはチト異なる。むやみに惚れっぽく直情型、でも照れ性で孤独から抜け出せない寅さんに対し、リリーはどこまでも冷静な観察者、それでいて情熱への憧れが捨てきれない。そこに彼女の孤独があり、これはむしろ寅さん正反対のキャラとも言えるかもしれません。よって二人はまさに凸凹コンビ、互いに補い合ってピッタリの相性に見えることがあっても、実は二人は絶対に結ばれえない間柄のようにも思えます。とりあえず本作における彼女と寅さんとの関係は、少々拍子抜けするほど、アッサリ唐突にケリがつけられます。後に『相合い傘』で描かれる彼女との再会は、大変苦いものとなるのですが・・・(『相合い傘』の方が本作よりも内容的に深いものを感じます)。ところで、本作において、リリーと寅さんが水辺で語り合うシーンで、ナゼか彼女の足元を写すカットが挿入され、瞬間、ちょっと不思議に感じたのですが、続けて観ているうちにフト、「あのカットは、彼女の足元を見せたかったんじゃなく、彼女が手にしていたタバコを見せたかったんだ」と気付きました。つまり、「彼女がタバコを吸う女性である」ことを見せることで、彼女がどのようなキャラクターかを端的に表現したカットである「はず」が、何しろ現代の感覚からすればタバコ吸う女性なんて珍しくもなんともないもんで、私はその意味をすぐに読み取ることができなかったんですね。まあ私がウカツであることには違いないんですけども、時代は変わったんだなあ、とも思わせられたシーンでした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2006-02-28 23:18:28)(良:1票)

918.  MEMORIES 3話構成のオムニバスで、互いのストーリーなり設定に直截的な連関はないのですが、いずれにもレトロなムードが漂って、どこか繋がりを感じさせます。そして、後の物語ほど、時代背景が古くなっていく---らしい---のですが、それでいて実は後の物語の方がどこか終末的---実はこちらの方が時代的には後なんじゃないか?と何となく思わせる雰囲気があります。わたしゃ個人的には、2話目の、あの研究所の雑然とした雰囲気が、ものすごーくリアルで好きですね。もしや、ホントにどっかの研究所を取材したのでは?廊下にダンボールが積み上げてるあたり、なかなか実写映画のロケでは表現できません、多分、研究所側が気をつかって、事前に片付けちゃうからね(それに、消防法違反?)。いずれの作品も、動画の緻密さは実に見事でして、この映画を観、この緻密さに触れていられるひと時というものは、実に贅沢な時間であります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2006-02-19 22:39:26)

919.  嵐を呼ぶ男(1957) 裕チャンかっこいい! 顔がつるつるツヤツヤしております。今ならオバチャン族に人気出そうなタイプ。しかし、いつになったら「嵐」を呼んでくれるのかと思いながら見てたけど、大して何も起こらないでやんの。結局、家庭劇でした。裕チャンは、一応「ダメ長男」で、母と反目するわけですが、どう見てもこの人の奔放さは、次男タイプですよねえ。演技があまりうまくないせいか(?)出番が必ずしも多くないのが、残念(しかも、だからといって、もうひとりのキーパーソンであるはずの弟についても、やっぱりさほど深く描かれていないので、な~んか、ラストが盛り上がらんなあ)。とりあえず、目を覆いたくなるようなこっぱずかしい当時の風俗を、のけぞりつつも堪能すべし(今の流行なんて、ウン十年たったらきっと、もっと恥ずかしいヨ)。[CS・衛星(字幕)] 6点(2006-01-15 22:21:35)

920.  男はつらいよ 純情篇 《ネタバレ》 オープニングのタイトルバックが、ヘリからの空撮による葛飾柴又の風景、というわけで、「故郷」というのがひとつのキーワードである本作。冒頭も夜汽車での「故郷」に関する寅さんの独白から始まりますが、この語りからして何だか寅さん、ダンディだね。缶ビールをあおってみたり(これは様にならず笑いを呼ぶ)。そして、九州で知り合った宮本信子とのやりとり、これまたダンディ。なかなかハードボイルドしてて、シビレます。もっとも、この後、柴又に飛んで帰っちゃってからはテンでダメの、いつもの寅さん。博の退職騒動での驚異の無責任ぶり、トンでもないドタバタに発展し、今度は苦笑まじりの笑いを誘う。それにしても、故郷を離れたらダンディだった寅さんも、故郷の柴又では実にノビノビしており、子供のよう。若尾文子の着替えに大興奮しつつも必死で自分を抑えようとする姿など、思春期の中学生みたいで、見てるこちらも一緒に赤面しちゃうけど、こういう感覚は誰しもの十代の頃の記憶に何となく繋がり、懐かしい感じもします。寅さんの惚れ易さが時に迷惑になることについても「頭じゃわかってるけど、心はそうはいかない」などとカワユイことを。←これはロバート・K・レスラーによる凶悪猟奇殺人犯の分類では「無秩序型」に当てはまるそうです(何でやねん)。それはともかく^結局は失恋して柴又を去る寅さん、発車直前の電車からさくらに「故郷ってのはよ・・・」と話かけるが、そこでドアが閉まり、その後はさくらにも我々にも聞こえない。こんな辛い別れのシーンも珍しい。一方、ラストでは冒頭エピソードの後日談が描かれ、静かに涙する森繁久弥が映画を締めくくる。寅さんシリーズって、映画の性質上、わかりやすく作られているので、ちょっとセリフが説明過剰に思われる場合があり、仕方ないんだけど、そんな中で、森繁久弥の役はセリフがかなり控えめで、逆にインパクトを残します。このラストはじーんと来ました。ちなみにこの映画、初代おいちゃんと2代目おいちゃんが登場する楽しさも。こりゃまるで007にショーン・コネリーとジョージ・レーゼンビーが登場するような豪華さ(←じゃあ大した事ない?)。 (ところで若尾文子にやんわり断られるシーンで寅さんは大勘違いをするが・・・実は寅さんは「わかっててわざと」勘違いして見せたのではないか?などと空想するのもまた楽し)[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-01-08 22:02:28)(良:1票)

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