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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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921.  ガラクタ通りのステイン~エピローグ~ディレクターズカット 「ガラクタ通り」は文字通り、不要なものや使えなくなったもの、値打ちの無いモノの吹き溜まりです。“モノ”は“物”であり、“者”でもあります。毎回、ステインが拾ったガラクタに端を発する物語は、いつも可笑しく、ときに哀しくほろ苦く、驚くほど“毒”を含んでいます。そして「生きる厳しさ」や「幸せの意味」を問いかけてきます。本作『ハーモニカ』は、レギュラーの短編13話に比べて異色の作品です。毒気の薄いラブファンタジー。かなり一般向けにアレンジされた印象です。シリーズファンからすると物足りない。しかし本作がエピローグであることの意味はとても大きい。あのステインが、“生きている人間”に恋をしています。これは作品の世界観を揺るがす大事件。ステインの住むのは人間社会から隔離された世界。貧しくても、人間関係の棘はありません。生暖かな心地よさがある。そこから踏み出し、社会と関わり合いを持ち始めたエンディングに意義を感じずにはいられません。シリーズ全体としてなら満点ですが、本作単独なら6~7点といったところ。でも思い入れの分、オマケさせてください。心優しきステインとガラクタ通りの住人たち。笑いながら、彼らから大切なことを学びました。[DVD(邦画)] 9点(2008-01-04 21:07:28)

922.  半落ち 《ネタバレ》 嘱託殺人。その罪から逃れられないのは当然です。執行猶予がつかない判決が出たのも妥当だと思います。ただ、単なる人殺しでは片付けられないと思う。殺人が犯罪だからという理由では、真の意味では裁けない。「私を殺してって頼んだら、私を殺せる?」鶴田のこの言葉にハッとさせられました。もし自分が、寺尾の立場だったらどうかと考えます。多分殺さない。いや殺せないと思う。呵責の念に耐えられないから。結局自分がカワイイからです。愛が無くては、妻の願いを聞き入れる事は出来ない。ただ、もうひとつの側面も忘れてはいけません。妻の介護に疲れた。苦しむ妻を見るのが辛かった。そういう理由も少なからずあったでしょう。妻のために殺した。自分のために殺した。どちらも真実だと思う。精一杯寺尾に同情する一方、彼は間違っていたとも思います。個人が、家族が、社会が、求める幸せや正義は必ずしも一致しないのではないか。自分には何が正しいのか分かりません。だから単純に考えることにします。臓器移植で救われた青年が寺尾に叫んだ言葉「生きてください」。それが今の自分の“基準”です。誰でも必ず死にます。だからそれまで生きよう。生きる努力をしようと思います。心の琴線に触れるお話でした。ただ、このテーマを扱うには、けれんみが強すぎる。吉岡のキャラ付けはウソ臭いです。それに最後の守山直太朗の歌がいけない。良い歌ですが、初っ端から強い歌声が入るのは余韻を壊します。『たそがれ清兵衛』のエンディングに匹敵する選曲ミスだと思いました。未読ですが、原作はもっと素晴らしいであろうことは容易に想像がつきます。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-29 17:07:06)

923.  THE焼肉ムービー プルコギ 《ネタバレ》 (最初の投稿失礼いたします。)焼肉への“こだわり”や“愛”を感じたい。「焼肉が好き!」という魂の叫び、肉を焼く煙と香り、肉汁のしたたりを感じたいと思う。観終わって思わず焼肉屋へ足を運びたくなるような。それが、食を扱う映画に自分が求めるもの。でも残念ながら本作にはありませんでした。焼肉の魅力が伝わって来ませんでした。焼肉をしている画は沢山あります。でもその画に付加価値がない。良く言えば日常の風景に溶け込んでいる。食=人生というテーマにも沿います。でも物足りない。食い足りない。もっと貪欲に“美味そうな画”を入れて欲しかったと思います。それに食材に対するリスペクトが感じられなかったのも残念。ラーメン屋が試行錯誤の過程でスープを捨てるのは分かる。勿体無いけど仕方ない。でも焼肉屋が修行で焼いた肉を食べずに捨てるのはどうだろう。その他にも肉をモノとして扱っているシーンに首を傾げます。ラストのバトル。最高級カルビをあえて不味く料理。流れ的には、その意図も分からないではない。でも料理人なら耐え難いことだと思う。食材に対する感謝と、食する人への思いやり。食文化を扱う映画に必要不可欠なものだと思います。人情話+焼肉。もっとホットでいいと思いました。淡白で低体温なコメディは別の料理の時にお願いしたい。キャストはやたら豪華でしたが、おなか一杯にはなりませんでした。[DVD(邦画)] 3点(2007-12-26 18:44:07)

924.  長靴をはいた猫(1969) 《ネタバレ》 ストーリーとしては原作の方が洗練されていると思います。でも良かったのは、ピエールが自らの身分を姫に明かした件。最後までウソを突き通して幸せを掴むオリジナルよりも気持ちがいいです。キャラクターデザインの素晴らしさは、言うまでもありません。ペロがその後、東映マンガ祭りのキャラに選ばれたのも頷ける。動きも実に滑らか。あるべき子供向けアニメ映画の魅力が本作には詰まっています。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-24 18:09:32)(良:1票)

925.  チェケラッチョ!! 《ネタバレ》 キャラクター設定は物語を紡ぐ最初の一歩。彼にはこう動いてもらおう。彼女にはこんな役目を。登場人物に役を担わせる“構想”が必要だと思います。山口紗弥加の荒い性格、ケンカばかりしている親父、恋愛真っ只中の先生、ばあちゃん幽霊。物語に有機的に絡んできません。賑やかしならゴリ一人で十分です。全然童貞に見えない主役も含めて、展望のないキャラクター設定に疑問を感じました。モテたくてラップ。甘い考えが打ち砕かれて挫折。ここまではイイです。でもその後がいけません。ライブ失敗は“ハートの問題”と玉山から指摘されます。でも本当は違う。基本的な演奏技術が未熟だったことが原因。単純に準備不足でした。そこを曖昧にしたらダメ。もっとも、もう一度練習し直して挑戦するほど、彼らは音楽に情熱を抱いていない。汗をかかない解決策としてサンプリングマシンが、手っ取り早い自己表現法としてラップが選ばれたように見えます。出だしは“モテたくて”でもいい。でも音楽への愛が感じられないと悲しいです。ラップに対しても失礼だと思う。リベンジライブの観客は身内主体。今回はホームゲーム。成功のハードルが下がっています。暴風雨は困難な状況に見せかけるための苦肉の策。これではスカッとしない。人の恋愛に割って入って爆発させた、高校生の机上の恋愛理論が通ってしまうのも何だかなあと思う。青春スポーツ感動作の王道プロットを利用しながら、爽快さが足りないのは、大切なポイントを幾つも省いたからだと思います。軽いノリだけで乗り切るのは厳しいです。[DVD(邦画)] 4点(2007-12-20 18:28:19)(良:2票)

926.  バトル・ロワイアル 特別編 「中学生同士が殺しあう」というセンセーショナルな設定ゆえ、良識ある大人から批判を浴びてしまうのも仕方が無い。自分も子供に積極的に見せたいとは思いませんし。ただ自分が観る分には全然OKでした。IFの世界だから。どんな無茶苦茶な設定だってあり得ます。それに本作は、殺し合いを是としていない。主人公たちは、ルールに盲目的に従うことを拒否しています。善悪の判断を他人に委ねていない。これって重要だと思う。ですから本作には肯定のスタンス。また原作ファンという立場で感想を述べます。バトルロイヤルの特徴は、ルールはオモシロイが実際にやるとツマラナイということ。これは本家プロレスのバトルロイヤルを観たことがある人ならよく知っている。戦いの焦点が定まらず散漫になりがち。しかも映画の場合、2時間程で40人近く殺さなくてはいけません。そもそも無理がある。その点を考慮すると、何人かの主要キャラを中心に上手くエピソードを重ねていると感じました。配役も概ね良好。映画オリジナルの教師キタノも、物語に一つの軸を提供しています。エピソードの扱い方や演出に不満が無い訳ではありませんが、よく纏めたなと。オリジナル公開版よりも本作のほうが、より強くそう思います。(感想はこちらに書いたので、オリジナルの書き込み消去。ちなみにオリジナルの点数は6点です。)[DVD(邦画)] 7点(2007-12-19 18:34:58)

927.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 静かな映画。その設定とストーリーゆえ、派手な展開が無いのは当然ですが、演出もかなり抑えられています。例えばミチルが侵入者の存在を疑う重要な場面。食パンの枚数を確認します。それはもうさりげない。アキヒロの言い分が本当に正しいのか、ミチルはハルミに事件との関わり聞き出そうとします。「彼氏はどんな人だったんですか?」過去形で問うキラークエッション。疑惑の外堀を埋める決定打です。彼女の頭のスマートさがよく分かる。でも際立たせようとする演出はありません。流して観てしまう。一貫して平坦な画を重ねています。それは田中麗奈の撮り方にも表れている。表情が薄く、その美貌と魅力を封じ込めています。冴えない普通の女の子に見える。事件解決後、アキヒロの話を静かに聞く姿なんか仏様のよう。だからほんの少しの変化が劇的に思えます。湯上りの飾りない素の表情。ラスト彼と向かい合った時の横顔。彼女の素顔は、なんて素敵なのでしょう。気の持ち方で表情が変わる。生き方が変わる。抑制の効いた演出だからこそ、小さな変化に価値があることに気付かされます。「土鍋キャッチ」や「ホームに出現するハルミ」など印象的なシーンが心に刻まれるのも同じ理由です。共に暗い世界にいた2人。偶然の出会いを“待ち合わせ”に替えて、これから一緒に歩いて行こう。希望は薄明かり。厳しい人生が待っていることに変わりはありません。でも手を繋ぐ人がいるだけで、どんなに力強いことか。勇気がもらえることか。歩幅を併せてくれる人が隣にいることに感謝しなくては。「目が見えないのだからしょうがない」「外国人なので仕方が無い」もう言い訳は捨てていい。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-14 18:43:49)(良:2票)

928.  フリージア 《ネタバレ》 「敵討ち法」に惹かれて鑑賞することに。犯罪被害者が加害者に合法的に復讐することが認められている社会。それも一方的な制裁ではなく反撃(返り討ち)もアリだという。まさに江戸時代の仇討ちが現代に蘇ったという設定。被害者、加害者、助太刀、その仇討ちに関わる全ての人のドロドロ、葛藤などが見られるものと期待しました。ところが本作の焦点はそこにはなかった。冒頭のエピソード“フェンリル計画”の被害者である2人。心を凍てつかせてしまった2人が、感情を取り戻していく物語。フリーズ爆弾でフリーズしてしまった心。だからフリージアなのかな?いずれにしても、敵討ち法はあんまり関係なかった。これにはガックリ。“心が無い殺人者”という設定なら、ただの殺し屋で構わない。実際、メインのVS西島については合法ではありません。せっかく面白い設定なのだから、活かさないと。どのキャストの感情も分かりづらく、感情移入しそびれました。それなりにスタイリッシュ。でも自分の心を捉える「何か」はありませんでした。[DVD(邦画)] 5点(2007-12-13 18:18:10)

929.  ゲド戦記 《ネタバレ》 『宮崎アニメ』と『ジブリのアニメ』は全く別物。ファンはその事を十分認識しています。だけど…混乱してしまう。デザインは、紛れもなく宮崎駿のキャラだから。それに名前も。どこかで『ナウシカ』や『ラピュタ』と比較してしまう自分がいる。酷だと思います。でも仕方が無いとも思います。父と子が同じ土俵で勝負する以上、避けられない宿命です。監督自身が誰よりも承知しているはず。主人公の“父殺し”を、宮崎親子の関係とダブらせずにはいられません。そこで疑問。何故監督は父と同じキャラクターデザインを使ったのか?もし自分が監督と同じ立場だったら、絶対にオリジナルデザインで勝負したと思う。例えば漫☆画太郎氏のキャラだったら。同一次元での比較を避け、容易に自分の色を出すことができたでしょう。(勿論別の猛烈な批判はありましょうが。)でも監督はそれをしませんでした。というより許されなかったのだと思う。さらに原作の問題。『ゲド戦記』はファンタジー界のビックネーム。これが危うい。タイトルの響きだけで先入観を持ってしまう。壮大なスケールの物語を期待すると肩透かしを食らいます。柔らかなタイトルの字体。“スペクタクルではありませんよ”というヒントは出ていました。もっとも、それに気付けというのは無理な話ですが…。監督は、最も厳しい道程を選んだと思います。しがらみも多かったでしょう。その心情は察するに余りあります。ただ、それと評価は分けないといけない。何者とも比べず、予断を入れず、ただ一作品として評価すること。敬意を払って感想を述べます。本作は少年の心の成長物語。ハイタカやテルーとの出会いが、主人公を変えるという図式です。しかし物足りない。それは苦労がないから。ピンチはハイタカが助けてくれる。大切な事はテルーが教えてくれる。主人公は自ら動いていません。与えられて得たモノの高は知れている。悪い魔法使いが死に行くクライマックス。この作画が非常に悪い。醜いです。このシーンだけで作品のクオリティを著しく下げています。終わってみればごく普通のアニメ映画。それ以上でも以下でもないと感じました。“宮崎アニメの本物”は、宮崎駿監督にしか作れない。宮崎吾朗監督には、“宮崎吾朗アニメの本物”を目指してもらいたいです。[DVD(邦画)] 5点(2007-12-11 18:28:42)(良:1票)

930.  ストロベリーショートケイクス 《ネタバレ》 詳細なキャラクター設定と的確な描写に唸りました。ここまできめ細かに人を描けている作品は、そうそう無いと思います。彼女たちの心の内、考え方がよく理解できました。リアリティを欠いていたら、こうは行かない。もっとも、リアルではあるけれどツマラナイ作品も多い。そんな中、魅せる要素を忘れていないのも素晴らしかった。棺桶ベッドなんかがその例。リアルでなくても彼女の人物像を伝えることに役立っています。とかく男性諸氏へのサービスになりがちなヌードやエロ。本作では盛りだくさんです。でも全て必要だと感じました。無駄な裸はひとつも無かった。こういう作品で脱ぐ女優さんは幸せだと思います。彼女ら4人は、みな心に隙間を抱えている。満たされる幸せを願っています。2組のペア。望むものを相手が持っているという図式です。池脇が願う恋にホテトル嬢は身を焦がし、遣り甲斐ある仕事に憧れる中越にとって、ルームメイトは羨む存在。でもホテトル嬢やイラストレーターが幸せかというと、そうではない。それぞれの神様が異なるように、幸せの捉え方は違う。同じなのは、みんな寂しいということ。エンディング、そんな4人がある浜辺に集います。波は荒く、空は淀んでいる。彼女らを取り巻く環境は相変わらず厳しい。でも彼女たちは諦めていない。人生を投げていません。泣いたり笑ったり落ち込んだり縋ったりセックスしたりショートケーキを頬張ったりしながら、強かに生きていく。神様を介して4人の人生が交差する刹那、池脇の「恋でもしたいっすねぇ」がラストカット。この切り方にやられました。想像が頭の中を駆け巡り、気持ちが昂りました。情感溢れる優しい余韻でした。何もかもが上手い。絶賛させてください。ただ、ご指摘の方も多いように、声が小さ過ぎるのが難点。劇場だと違うのかもしれませんが、自宅鑑賞ではストレスになりました。伝えるセンスに長けている監督なのに、観客へ声を届けることに無頓着なのは解せません。それでも賞賛したい気持ちが勝るのだから、自分と相性がいい作品なのでしょう。本作については、ぜひ女性レビュワー様の感想を聞かせて欲しいと思いました。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-12-07 18:22:27)(良:2票)

931.  幸福のスイッチ 《ネタバレ》 口を開けば文句ばかり。プライドだけは一人前。世間知らずもいいところ。上野を観ていると腹が立ちます。でもちょっと苦くて、むず痒い。自分自身を観ているようだから。間違いなく、ああいう時期が自分にもあった。というか、今もその傾向が無いとは言えません。なんともお恥ずかしい限り。だから彼女の気持ちや考え方はよく分かる。電気屋は家電製品を売るのが仕事。部屋の模様替えなんかに付き合っていられるか。ごもっとも。でもそれは普通の電気屋の考え方。それではライバル店には勝てません。ジュリー夫妻は開店当初、顧客開拓のために町内の家々を全て回ったという。さらに“売った製品の面倒は最後までみる“というポリシーを貫いてきた。他の店がやらないこと。だから価値がある。量販店が他では出せない低価格で製品を提供するのと同じ発想。商売で成功する秘訣をジュリーは知っている。しかもその仕事に喜びを感じ、みんなから感謝されている。こんなに素晴らしいことはない。外面の天才?それがどんなに凄いことか。学校の勉強では教えてくれないこと、経験して初めて分かることがある。彼女は直に電気屋の仕事に触れることで、ジュリーの偉大さに気付いたはずです。(もっとも素直にそう思えるまでは、もう少し時間が必要かと思いますが。)幸せのスイッチは”気付くこと“だと思う。それは大人の入り口にある灯り。人生を照らすひかり。彼女は今、パチンとスイッチを入れました。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-06 18:23:08)(良:3票)

932.   《ネタバレ》 葉月に憑かれた者は、みな殺人者に。相手を海水で溺死させるという手口。それは彼女が病院で折檻されていた手法と同じ。主人公だけは、彼女の居場所を突き止めたので赦してもらえた。終盤、事態は飛躍的に悪化。葉月自ら殺人鬼と化し、世界は終焉へ向かう。これが物語の外郭です。でも真相については判然としない。ここをどう解釈するか。それが黒沢作品のお楽しみ。ではいつものように自分なりの解釈を。押さえておきたいのが、葉月の心情。彼女は一人で寂しかった。誰も私のことを気にかけない。絶望の中、残像が焼きつく程長い時間、彼女は外を眺め続けた。幽霊となった葉月は、船で見かけた人の夢(意識)の中へ潜り込んだ(オダギリ説)。“自分を相手にしなかった者を殺してやる。”それが彼女の復讐。葉月に感化された者は、大切な人を手にかけた。医者と奥貫はその心情を吐露。ロン毛男も婚約破棄されている。全員、強い孤独と疎外感を抱えています。「全てを無しにしたい。」葉月と同じ想い。そこに付け込まれた。勿論、これは役所にも当てはまる。小西の行動から、生前2人の関係は疎遠になっていたものと推測されます。そこで疑問。何故幽霊の小西は、あんなに役所と睦まじいのか?役所を怨んで当たり前。「(殺されて)仕方がなかったの」なんて言うはずがない。幽霊の小西は、生前の小西とは別人です。その正体は…。役所は2人の遺骨を同じカバンに詰めます。ラストカットは小西の叫び。それまで叫んでいたのは誰。似たようなワンピース。2人が同時に出現していないこと。これらから導かれるのは、小西=葉月。役所は葉月にとって特別な人。記憶の中に自分を留めていてくれた唯一の人。葉月は彼を愛していた。「叫」は恐怖に慄く悲鳴ではなく、孤独な魂救済の叫び。そして切ない恋の叫びでした。世界に終わりが訪れたのは、誰もが孤独を抱えているから。みんな葉月を受け入れてしまう。ロマンス的に解釈するなら、“あなた以外は何もいらない”ということ。以上です。本作では観客の“思い込み”を巧みに利用しています。特徴的な赤い服、男のロン毛、タイトル。前半大いに惑わされます。このあたりの仕掛けは流石に上手い。ただ残念だったのは、全然怖くなかったこと。『LOFT』より演出的に冴えていたものの、やはり有名女優の起用は難がある。本作は怖くなければ意味がありません。ホラー⇒ロマンスの転換に驚きが生まれないから。[DVD(邦画)] 7点(2007-12-04 18:22:04)(良:2票)

933.  ミッドナイトイーグル 《ネタバレ》 (すいません。大いにネタバレありですので、未見の皆様はご注意ください。)     雪山に挑む大沢と玉木。彼らが命を賭す理由が見えません。謎の集団に狙撃され、雪崩で荷物を失い、それでも目的地を目指すという。雪山での“勇気”が何かを、彼らはよく知っているはずです。玉木の「逃げたくない」では動機不十分。増援ヘリの出動も意味が分からない。吉田と大森の友達トークなど聞きたくない。トマホーク着弾までのおよそ10分間、核爆弾をテロリストから死守することがどれほど困難か。そんなときに呑気にカメラを拭いている大沢に呆れる。どれもほんの少しのフォローがあれば納得出来ました。吉田から2人に事情を説明して助力を請えばいい。ヘリは状況説明のために一機落す。大沢は銃が持てない程負傷すれば問題ない。難しい仕掛けは要りません。気遣いが欲しいのです。それが娯楽作品でのリアリティだと思います。他にも気になる点がある。キーパーソンは大沢の無線を受け取った濱田岳くん。民間人である大沢に最終手段を提案されるほど、当局は不甲斐無い。なら岳くんだって後半活躍できたはず。せっかくの良キャラを活かさないのは勿体無いです。大沢と竹内の関係性も希薄。重要な2人のドラマが迫って来ない。竹内の最後の台詞「許さない」が、単に冷たい言葉に聞こえてしまっては意味がない。大切なのは構想だと思います。一人のキャラ、一つの台詞を活かすためにどうするか。そのための尺はたっぷりとある。その場しのぎでは、どんな魅力的な人物も、深い言葉も、輝かないと思います。[映画館(邦画)] 5点(2007-12-03 18:15:45)(良:3票)

934.  星ノくん・夢ノくん 星ノくん、夢ノくんは宇宙人。彼らは地球に修学旅行にやってきたという。普通ならVFXなりCGを駆使して、彼らが宇宙人だと印象付けたいところ。でもそれをしていません。理由は2つ考えられます。ひとつは金銭的・技術的に無理なこと。そしてもうひとつは物語に余白を残す意味。2人は宇宙人であってもいいし、そうでなくても構わない。そんな設定の遊びが物語の雰囲気を柔らかくしています。キャスティングも素晴らしい。とくに星ノくんのキャラにはやられました。阿部サダヲ風のノッペリ顔。童貞気質丸出しの言動が確かに宇宙人っぽい。結局のところ演技の良し悪しはニの次だと思う。如何にイメージにあった役者をキャスティングするか。物語の中で役付けしていくか。監督の技量が問われるところです。あとは良い脚本と演出のセンスがあればいい。もちろん製作費はあるに越したことはない。でも絶対条件ではありません。大切なことは、監督が自分の武器を理解すること。お金が無いなら、そのことを逆手に取った演出を考えればいい。自主映画の良作を観ると、その事を再認識することが出来ます。星ノくんの“アノ時の顔”が忘れられません。彼の早業に敬意を表して+1点でお願いします。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-02 20:32:18)(良:1票)

935.  バブルへGO!! タイムマシンはドラム式 《ネタバレ》 17年といえば2昔弱前。当時を過ごした人にとっては懐かしく、そうでない若者にとっては目新しい。何時の時代もそうですが、少し前の文化風俗は笑うには丁度いいネタ。バブル経済崩壊の後遺症が癒えつつある今、本作のような作品の登場は必然だった気がします。プロットは極めてオーソドックスな「タイムトラベルもの」。ですから安心して楽しめる。バブルのノリそのままにライトに仕上げています。ドタバタも面白かった。ただし、オチの付け方は全然ダメでした。正直キライです。“今”を完全否定したエンディングだから。確かに国の財政破綻は目の前。地獄の淵にいるのかもしれない。でもそれは明日の話。これから変えられる。変えなきゃならない。それに景気低迷の中、必死に生きてきた人たちの苦労が報われない。フィクションだからと受け入れるには、17年間は長すぎる。リアル過ぎる。やはりタイムトラベルの“お約束”は大事です。通達阻止は叶わず。バブル崩壊は食い止められなかった。でも伊武は失脚みたいな流れなら締まったと思います。広末が序盤に手にした200万円で、彼女は当面の借金生活から開放される訳ですし。それくらいのご褒美で十分だと思いました。本作は一見、能天気なハッピーエンド。全てが丸く収まったよう。でも発想は後ろ向き。自分は手放しで喜べませんでした。[DVD(邦画)] 6点(2007-11-30 21:29:31)(良:4票)

936.  夜のピクニック 《ネタバレ》 主人公の願い事。それは、ある同級生と話をすること。本当は何時話しかけたって構わないのだと思う。でも彼女はそれを先延ばしにした。一度先延ばしにしてしまうと、もうダメです。今日と同じ明日が来るなら、また先延ばしにしない理由はない。明日から始めるダイエットは成功しないのと同じ。彼女は何かキッカケが欲しかった。それが年に一度のピクニック。3年生最後の鍛練歩行祭でした。彼女の心境はよく分かる。そういうことってよくあると思う。小さな勇気をケチったばかりに、大きな勇気が必要になってしまう。願いを叶えることなく歩行祭を終える可能性は、実は高かったと思います。彼女はそこまで追い込まれていない。そういう意味で、ローサのおまじないは(ちょっとムカつくけど)有り難い。友達は大切です。それは主人公の母が遠回しにかけた、おまじないでもあったと思います。彼女は心の蟠りを解きました。心が軽くなれば高く跳べる。彼女と彼は、今日とは違う明日を迎えることが出来るでしょう。それは人生をより豊かにすることだと思います。いいお話でした。キャストも嫌味が無い。清々しい青春ムービーだったと思います。ただ惜しい箇所がちらほら。筋立てはシンプルなので、退屈しないように小ネタを仕込みたいのは分かります。でもそれは物語の雑味になる。必要ないと思いました。このテーマを扱うならば、勇気をもってシンプルな味付けで勝負して欲しい。[DVD(邦画)] 7点(2007-11-22 17:56:08)(良:3票)

937.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 現行の司法体制に対する問題提起。警察・検察の捜査姿勢や、裁判所の在り方に対して批判を込めた内容です。でも一方的に体制を糾弾している印象はありません。出来るだけフラットに、システムの不具合のみを指摘しようとする意図が感じられます。この姿勢は支持します。バランス感覚も素晴らしい。冤罪被害者を主人公に据えつつも、客観的な視点を忘れていません。ただ、そうであるが故にパンチ力を欠くとも思う。本作では主人公のパーソナリティに踏み込んでいません。彼が口にするのは、一般的な冤罪被害者が口にするそれ。その言葉は、検察や弁護人、裁判官が感じ取るレベルと同程度にしか観客に伝わってきません。観客は公判の傍聴人と同じ。主人公には同情します。憤りもある。でも柵の外。火の粉は我が身に届きません。それではやはり物足りないと思う。本作の立ち位置は、報道特番に近い。でもその土俵で勝負するなら、実例をダイレクトに扱っているドキュメンタリーには適わない。運転免許更新の講習で見る再現ビデオのほうが、よほど胸に迫ってきます。本作はドラマ。ドラマの武器を使わないのはもったいないです。“主人公は何故頑なに妥協を拒んだのか?”“裁判を通じて彼は何を感じたのか?”“結局彼は裁判したことを後悔していないのか?”主人公の心の内面を描くことで、観客を物語に引きずり込んで欲しいと思いました。丁寧なつくり。いい映画だと思います。社会的な価値もある。でも映画で何より大切なことは、”面白いこと”だと思います。[DVD(邦画)] 7点(2007-11-14 18:21:05)

938.  オトシモノ 《ネタバレ》 デモリッシュな脚本とエキセントリックな演出、そしてプリンセスエリカ。この三位一体の連鎖のもとに生まれた奇跡。それが「オトシモノ」だ。もはや既存のジャパニーズホラーのモノサシで本作を語るのはナンセンス。カエルの子はオタマジャクシ、ポメラニアンの子供がコポメラニアンなんて常職に捕らわれたらダメだ。それは足枷に過ぎない。「オトシモノ」を楽しみたいなら、全ての常職をオトシモノべきだ。  ………一見すると、リアリティを欠く場面が目に付く。というかそんなシーンばかりだ。例えば消えた男の子の家を訪ねる沢尻。チャイムも押さず、いきなりドアノブに手をかける。さして家人を気にかける様子も見せず、ズケズケと室内に上がり込んでいく。本来であればリアリティの無い「ダメだこりゃ」な演出だ。でもいかりやはもういない。今や時代はオッパッピー。「そんなの関係ねぇ」何だってアリなのだ。沢尻節のオンパレード。女優オーラ出しまくり。随分お手軽に演じているように見える。勿論それを責めるなら、そんな演技を許した監督に非があるというべきだろう。でもエリカ様に逆らえる人間がいったいこの世にどれだけいるというのだ。むしろ舞台挨拶で「別に」と言わなかっただけ、マシというものだ。もっとも舞台挨拶があったのかどうかは知らないが。トンネルの中の秘密。謎の空間。異形の神のような(というかハエみたいな)モニュメント。事件の真相は一体どこにあるのだろう。青沼八重子も被害者だって?あの赤ん坊が花と蛇?サッパリ分からない。妹だけが生きていたのも不思議。でも分からないからこそ考える楽しみがある。この物語を読み解いてくれた人には、心の中でそっと何かを差し上げたいと思う。象印賞あたりでどうだろう。オチは“友情は素晴らしい”。全くもって取ってつけたようなメッセージだが、何も無いよりはいい。点数的には3点が限界だ。でもよくみて欲しい。これでも平均点は上がる。[DVD(邦画)] 3点(2007-11-13 18:54:03)(笑:1票) (良:1票)

939.  ゆれる 《ネタバレ》 良い噂は耳にしていましたが、納得の出来栄え。確かに素晴らしい。役者はみな上手いし、脚本、演出共に申し分ありません。テーマも心に沁みます。山奥の吊り橋で起きた転落事故。それは本当に事故なのか。真相を知るのは当事者である兄と目撃者の弟だけ。当然事故で処理されるはずの事案。しかし兄は殺人であると自供します。ここから真相は事件と事故の間を揺れ動きます。同時に兄と弟、そして彼らの周りの人たちの心をも揺らします。各人の心の内を慮かることが本作の楽しみ方。とくに事故時の兄の心情が最も興味深い。高所の吊り橋、川の音、空気、風、それまで彼が歩んできた人生、もちろん表情や筋肉の動きに至るまで、提供される全ての情報を基にして彼の心情を読み取ります。ただしあくまで推測。彼の心情は彼にしか分からない。絶対に。“彼はどう思ったか”は“自分ならどう思うか”と同義。彼を通じて観客は自分自身を量ることになります。模範解答は“事故”だと思います。でも判決どおりの“殺人”でも間違いだとは思いません。真実はあやふやなものです。何故弟の偽証を兄は黙って受け入れたのか。ラストの兄の笑顔の意味は?最後まで観客自身への問いかけは続きます。とても深い映画。自分の文章力ではそれを伝えることは出来ません。どうぞ直接ご覧になって、自分自身と向き合ってみることをオススメします。[DVD(邦画)] 8点(2007-11-11 19:50:18)(良:1票)

940.  雲のむこう、約束の場所 「平行宇宙」だとか、「神様のみる夢」だとか難しい単語は詳しく理解しなくてもOK。塔と彼女の因果関係、約束の場所が2人の青年と少女にとってどんな意味を持つのかを押さえておけば問題ないと思います。美術は相変わらず素晴らしいし、作画のクオリティは前作『ほしのこえ』より向上しています。出来としては決して悪くないと思いました。ただ、映画として好きかと問われると厳しい。気になる表現が多々ありました。吉岡秀隆の声が辛気臭い。どこかで聞いたような単語と台詞の羅列。壮大なスケールを小さな物語に閉じ込めたのはいいけど、奥行きが感じられない等々。自分の心のヒットポイントとズレていました。要するにノれないということ。俗っぽいのは好き。ベタは大歓迎なのですが、監督が得意とするセンチメンタリズムが肌に合わないみたいです。顔が大きめの少女のデザインなんか「萌え」ポイントだと思うのですが、全然心に響かない。(というか「萌え」文化が好きになれない。)自分にとっては、ストーリー以上に、作品の受け取り方が難しい作品でした。[DVD(邦画)] 5点(2007-11-08 18:33:40)(良:1票)

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