みんなのシネマレビュー
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作国 : 日本 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
414243444546474849505152535455565758

961.  クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ踊れ!アミーゴ 《ネタバレ》 クレしん映画史上おそらく最恐。世界観がお子様向けであるため、ちょっとしたホラー要素でも殊更怖いものに感じられるのでしょう。親がいつの間にか別人に入れ替わっている。幼い子供たちにとって、親は特別な存在です。生活の基盤であり心の拠所。ニセモノと疑いつつも、お母さんが好きだという風間くんの気持ちは切ないですね。普段は意識しない家族のつながりの大切さをクレしん映画はいつも教えてくれます。前半のホラー部分は上々。事態収拾に向けての流れも悪くない。ただ、「尺稼ぎでは?」と思われるような描写が散見されたのが惜しい。また、逃げ惑うこんにゃく人間たちを、子供たちが一方的に消去していく描写は、見ていて気持ちが良いものではありません。殺戮に見えてしまう。シューティングゲーム的爽快感を狙ったのかもしれませんが、的外れ。反撃してこない敵を倒したところで面白くありませんし。長州小力は完全にだだスベリ。素直にゲストは鈴木亜美でよかったんじゃないかと。ボスと女エイジェントとのサンバ対決は、相当シュール。でもこんなのも嫌いじゃありません。ボニーピンク風、受け口ヒロインの健康的なエロさに+1点。[DVD(邦画)] 7点(2007-07-16 19:44:50)(良:1票)

962.  ハサミ男 《ネタバレ》 原作既読。とは言いつつも、随分前に読んだので細かい部分はすっかり忘れていました。ですから物語自体は新鮮に楽しめました。ただし、本作の目玉である“仕掛け”については忘れるはずがない。どう表現するのかと案じていると、冒頭から麻生とトヨエツの並び立つ姿が。「なるほど、そう来たか!」という感じ。でも考えてみれば、この方法以外無かったとも言える。あとはいかに観客に対してフェアに(嘘をつかずに)、かつ無理なく物語を進めていくかを注視することになります。この点については十分満足。ヒントも小まめに出ていましたし、致命的に不自然な描写は見受けられませんでした。繊細な気配りが感じられました。麻生久美子もこういう役にはうってつけ。トヨエツもいい感じ。キャストについて不満はありません。画の質感も好き。ただしBGMは趣味じゃない。それにネタバレ以降の展開がまどろっこしい。主人公のパーソナリティについて、カタをつけないといけないのは分かります。でも言い訳がましい。個人的には、父親の代わりに殺した娘の人格と今後はやっていくというのが面白いと思いました。[DVD(邦画)] 6点(2007-07-15 18:41:32)(良:1票)

963.  武士の一分 《ネタバレ》 個人的に危惧していた木村拓哉の演技は悪くなかった。殺陣もいい。壇れいの清楚な雰囲気も素晴らしい。総じて悪い部分は見当たりません。結末もハッピーエンドだし良かった良かった。ただ、前2作に比べると圧倒的に厚みが足りない気がする。それは心情が1色で表現されているから。例えば木村。根底にあるのは妻、坂東、そして己に対する憤り。渦巻く感情のせめぎあい、葛藤が感じられません。壇れいにしても、感じられるのは後悔の念ばかり。その結果、本作の見所は木村と坂東の果し合いに絞られています。むしろ決闘に行くまでの心情の描写がメインであった、前2作との大きな違いです。木村は最初から死を覚悟している。いや正確には、視力を失った時点で“武士として”既に死んでいる。一分は、彼に残された矜持。勝ち負け(生死)はもはや関係ない。立ち会うこと自体に意味がある。当時の倫理観をもってすれば、それは当然のことでしょう。彼の選択がオカシイとは思いません。ただし、山田監督が描いてきた時代劇は、そういうものではなかったはず。主人公に義務付けられていたのは、生きること。生きなくてはならないから、切ない。そこに観客は自身を重ねて、共感してきたのだと思います。本作にある共感は、いわば可哀想レベル。そこから更に踏み込んだ部分に価値がある。作品の出来は標準以上だとは思いますが、自分にはキレイすぎました。[DVD(邦画)] 6点(2007-07-14 18:13:27)(良:1票)

964.  スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ 《ネタバレ》 石川梨華が松浦に言い放った「お前の全存在がウゼえんだよ!」。斉藤由貴の娘である松浦が言う「親子どんぶり」。この2つの台詞があるだけでも、本作には価値がある。脚本家の執念(悪ふざけとも言う)を感じずにはいられません。さて内容について。正直、思っていたよりは全然悪くなかったです。真面目なつくりに好感が持てました。アイドル松浦のセーラー服姿は良かったですし(ブレザー制服の学院に無理矢理セーラー服。そのこだわりに脱帽。)、アクションも頑張っていたと思います。今の時代に「スケバン」は流石に厳しいと思いましたが、なかなかどうして。アイテムがヨーヨーである必然性は皆無ですが、「それがスケバン刑事だから」で納得させられてしまう。結末がショボイのもこの際関係ないです。次回作があるなら、加護亜依・若槻千夏・あびる優の風間3姉妹を希望。武器はそれぞれ、タバコ・ハズレ馬券・ダンボール箱でどうですか。[DVD(邦画)] 6点(2007-07-13 20:07:42)(笑:2票)

965.  DEATH NOTE デスノート the Last name 《ネタバレ》 前編に当たる部分の原作は既読ですが、本作の原作部分は未読。そういう立場での感想です。映画版デスノートが大方の原作ファンに受け入れられた理由。それはほぼ忠実に世界観を再現出来ているからだと思いました。マンガ原作の特性。それは観客が視覚情報を共有していること。月やLの容姿はみんなが知っている。だからキャスティングが重要です。イメージとかけ離れていては、誰も受け付けてくれません。超がつく原作の美形キャラに、誰をキャスティングするか。その部分を外さなかったことが、本作最大の勝因だった気がします。『NANA』の中島美嘉なんかもそう。あとは支持されている原作の流れに沿えばいい。ファンは概ね好意的に受け取ってくれる。原作に対する好意が、そのまま映画の評価についてもプラスに作用した。そのように感じました。では、そういうアドバンテージを外すとどうか。Lの捨て身の賭けには唸りましたが、それ以外はピンとこないというのが正直なところ。月は極めて論理的、合理的に思考するキャラ。そして狡猾で慎重なはず。その彼が切り札(デスノート)を手放す危険を冒すとは思えない。騒動のための騒動に見えてしまいます。そう思えるのは、キャラクターの描き込みが不足しているからとも言える。彼の“心のかたち”が見えれば、納得できる展開なのでしょう。世界観、すなわち上辺はキレイに繕ったが、中身には手をつけなかった。そんな印象です。原作の知識で足りない部分を補完できる人には満足出来ても、そうでない人には厳しいと感じました。ところで月は、デスノートに「夜神総一郎は、身近にいる甘党を銃殺したあとに自殺した」と書けばいいと思ったんですが、それってダメ?[DVD(邦画)] 5点(2007-07-10 18:33:39)

966.  ビッグ・リバー ビッグリバーは、グランドキャニオン。形作るまでに要した膨大な月日を思い遣ると、意識は現実から遠のいていくよう。雄大な大河の流れと対比するように描かれる小さな小さな人の生。川の支線が交わるように、3人の人生は交差した。旅は各人にとってひとつの契機だった。無類のロードムービー好き(©『マネーの虎』吉田栄作)の自分としては、嫌いな作品ではありません。ただあまりにも淡白すぎました。また作品へ望む姿勢も良くなかった。ビックリバー→びっくり・バー→サプライズ・棒と深読みして、「キーアイテムは、何か棒のようなものにちがいない!」と決め付けていたところ、全くそれらしき棒は出ずじまい。無理矢理、棒的なものを探そうとすれば、下品なイマジネーションしか湧いてこない始末。こんな紛らわしいタイトルを付けた監督が悪いのか、はたまた自分が悪いのか。もちろん100%後者でございます。せっかく作品登録していただいたのに、こんなアホコメントとは。本当にすみません(反省)[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-07-09 18:26:03)(笑:1票)

967.  助太刀屋助六 こういう人情もの大好きです。結末も気が利いている。お話だけで言えば、9点、10点付けたいくらい好み。でももうひとつ乗り切れませんでした。ケレン味の強い芝居、演出に違和感を覚えました。鈴木京香の言い回し、真田広之のオーバーアクション、小林桂樹の芝居。どれも居心地がわるい。テンションが自分と合わない舞台を観ているような感覚。落語のイマジネーションをそのまま映像化すると、こんな感じでしょうか。慣れればきっと、悪くないでしょう。[CS・衛星(邦画)] 6点(2007-07-05 18:10:46)

968.  サイレン FORBIDDEN SIREN 《ネタバレ》 タネが明かされた瞬間は、正直ガッカリしました。何だ、結局妄想オチかと。でもエンディングを見ているうちに、考え直しました。鉄塔から落ちるまでに市川が目にしていたものは、全て手帳に感化された妄想との解釈が可能です。だだし、4回目のサイレン後の行動は、それでは説明がつかない。彼女が手帳の続きを見ていない以上、殺戮を始める必然性がありません。別の要因があるはずです。目まぐるしいカット割りのエンドクレジット。その中で異質だったのが『人魚伝説』のくだり。島民が人魚を食べて不老不死になった御伽話が,再度強調されます。人魚は英語で「SIREN」。人魚伝説は本物だった。市川(阿部)は、殺された人魚に成り代って、島民(の末裔)に復讐を果たしたという見方が妥当でしょう。赤い衣をまとった高橋真唯は人魚の霊。彼女の姿を目にしているのは、島外者である森本と市川だけです。それなら辻褄が合う。ただ腑に落ちないのは、高橋に足があったこと。それは人間である証。では伝説はデタラメなのでしょうか。いや全てがウソとは思えません。島民が若い女性をなぶり殺しにした事実はあったのかもしれない。島には偶像崇拝の風習があります。流行り病が引き金となって、集団凶行に及んだのではないか。魔女狩りと同じです。鏡に映るとDOGはGOD、LIVEはEVILに見えるように、島民の目に彼女はどう映ったのか。自分たちの行動を正当化するために人魚伝説は生まれたのだと思います。惨劇は人魚の呪いではなく、少女の恨みによって引き起こされた。彼女にしてみれば、島民は全て化物に見えたでしょう。断末魔に耳にしたであろう“サイレン”は、民衆の狂気の叫び声か。終始物悲しい表情の彼女が一瞬だけ浮かべる笑みに、震えます。[DVD(邦画)] 7点(2007-07-04 19:06:55)(良:1票)

969.  好きだ、 《ネタバレ》 ポイントは顔の描写。序盤多用されるのは横顔の画。例えば宮崎姉。観客が見るのは、ほとんど彼女の横顔です。そこから見えない部分を想像するしかない。それは反対側の顔であり、正面の顔、そして心の顔。大切な人を失って少し増えた笑顔の理由を、私たちは想像するしかありません。瑛太の場合も同じ。彼の描写もほとんどが横顔です。横顔は、すなわちその人の半分。見せない部分がある。そこに心の壁を感じます。この2人と宮崎は少し違う。彼女も2人同様に横顔が多いものの、正面の顔を幾つか見せてくれます。半分ではなく全部をさらけ出している。その分彼女は少し強い。表情から読みとる彼女の心。口には出さなくても、彼女の振る舞いや眼差しから想いは伝わります。西島の場合も同じ。野波を助けたときの、加瀬に対する哀れみの気持ち。その想いは伝わってしまった。このときの彼は正面の顔です。大人になって強くなったということ。ただ、結果的に悲劇を呼ぶことになってしまいます。伝えたいのに、伝えられない気持ちもあれば、その気が無いのに伝わってしまう想いもある。なんて面倒なのでしょう。だからこそ、声に出して伝えることに意味がある。長い歳月をかけてやっと言えた言葉が、胸を突きます。それを口にしたのは永作。やはり女のほうが強い。“想い”に形はありません。色も匂いも質量もない。あやふやなものを頼りに、人は生きている。そんな曖昧な存在に形を与え、ときに色や匂い、重さを与えるのが言葉なのかもしれません。「好きだ、」はやっと辿りついた言葉。そしてそこから始まる。[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-07-03 18:51:00)(良:3票)

970.  バックダンサーズ! 《ネタバレ》 サクセスストーリーでありながら、障害を乗り越えていく感覚に乏しいのがツライです。苦悩は見えても、努力が描かれていません。解散したバックダンサーズが再び集う場面。彼女たちは「悔しい」と涙を流します。その想いは確かに伝わってきます。とくにサエコのブサイクな泣き顔が素晴らしいです。(基本的にカワイイから許される顔。彼女に比べると他の娘たちの泣き顔はまだ甘いかな。)彼女らが選択したのは、オーディションを兼ねたダンスコンテストに出場すること。イチからやればいい。ただ踊りたい。そう決断したのだと思いました。ただ、ここからの展開がいただけません。ステージ終了後、主人公は元マネージャーに訴えかけます。「私たちをなんとかして」と。彼女たちに他意は無いのでしょう。でもそれならば「私たちは踊りたい」が相応しいのでは。「なんとかして」という言葉からは、タレント意識が垣間見えてしまいます。落ちるところまで落ちていないから、這い上がる爽快感が薄いのです。最後のステージに向けて、サポート側の苦労はきちんと描かれています。でもその一方、彼女たちはほったらかし。レッスンに汗を流す姿をきちんと描くこと。丹念な描写の積み重ねが、最後の感動に繋がると考えます。正直、物足りません。でもキライってわけじゃありません。まあまあ好き。いや、はっきりと言いましょう。気に入りました!だって4人ともカワイイのですもの。平山は普通に可愛いし、サエコはギャル可愛いです。ソニンはマッチョ可愛いし、hiroはスピード可愛い。演技はイマイチでも許せてしまいます。主題歌の『いつか2人で』が何気にいいじゃないですか。劇中でバックダンサーズと陣内のバンドがセッションするシーンが、クライマックス以上にステキだったりします。[DVD(邦画)] 7点(2007-06-29 19:03:23)(笑:1票)

971.  コワイ女 《ネタバレ》 オムニバス作品のため、1話ずつ感想を述べます。まずは『カタカタ』から。最も分かり易かったのがコレでした。得体の知れない女に追いかけられる恐さ。もちろん女の髪はロング。定番ですね。ただ怖いっちゃ怖いけど、ベタすぎてギャグっぽくもありました。中越典子の演技は型どおりで低調と感じます。次に『鋼』。正直分かり難くいです。けど、コレが一番気に入りました。本作のコワイ女“鋼”は、ほぼ出オチ状態。怖いというより気持ち悪いです。ただ御御足はすこぶる美しく、そこにエロスを感じました。上半身は見えなくても、かわいく思えてくるから不思議です。最後に『うけつぐもの』。前2話は女の容姿に工夫を凝らしていましたが、本作はその細工は一切なし。内面の怖さに焦点を絞っています。恐怖の演出は控えめでした。3話それぞれに切り口を変えており、全体的なバランスはいいと思います。ただ、どの物語にしても起承転結がおざなりで、物語の体裁を成しておらず消化不良でした。コワイ女はみなチャーミングでしたが、その魅力が怖さに繋がっておらず勿体ないと感じました。[DVD(邦画)] 5点(2007-06-28 19:19:40)

972.  3-4X10月 《ネタバレ》 間(ま)が絶妙。それは時間の間。空間の間。2つの間の取り方が、キタノ映画の空気を作っています。この感覚は天性のもの。やはり北野武の映画監督としての才を感じずにはいられません。さて本題。事前に得ていた知識は、タイトルが野球のスコアを表しているということ。観終わってみれば、確かに逆転劇を食らったような。積み重ねてきたものが、最後の最後でひっくり返されました。ただ、主人公の頭の中だけのお話だとは思いません。本作のキーワード「振らないと始まらないよ」に意味が無くなってしまうから。主人公は確かにバットを振った(行動した)のだと思います。では、どこまでが現実で、どこからが妄想か。怪しいと思うのは、沖縄に到着した時点。喫茶店から、いきなりダンカンの野グソ。この端折り方は乱暴です。餞別を渡したダンカンが一緒に沖縄にいるのも変。たけしがらみで非現実的なカットも挿入されます。つまり沖縄のくだりから爆発までは、彼の願望ではないかと。ただし、全てが妄想とは限りません。現実が混在している可能性もある…。彼の現実は動いています。それは夏から秋へ、季節の移ろいから感じ取ることができます。ヤクザとの揉め事は解決していません。だから彼は復讐のシナリオをトイレの中で想像した。それはただの妄想だったのか、はたまたイメージトレーニングだったのか。ラストシーン、主人公から受ける印象は冒頭とは全く異なります。ちょっと走っただけなのに、積極性と自信が感じられる。その自信はどこから湧いてきたのでしょう。そして積極性は何に対して向けられるのでしょう。タイトルの×印は、野球の“サヨナラ”を現しているだけなのでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-27 18:27:02)(良:1票)

973.  日本以外全部沈没 “いい意味で”は、魔法の言葉。付けるだけで印象が変わります。例えば、いい意味で露出狂。社交的な感じがします。ただし、本質は変わらない。露出狂が服を着るわけではありません。本作にもこの言葉を使いたいと思います。いい意味でダメ映画。内容はもうホントに酷い。悪ふざけなんてもんじゃない。ただし、隠されたメッセージは悪くありません。地球を桃に例えるならば、陸地は皮の部分。ほんの僅かな部分に住んでいるのが人類。いがみ合うなんてバカらしい。みんな仲良くしましょうよ。童話の例えも分かり易い。何気にエンディングテーマ曲もいいですし。ですから、ダメはダメでも、救いようがない訳ではありません。それなりに味わえる映画。ただし、ダメ臭が強烈過ぎて、食べる気が失せるほど。例えるなら、クサヤといったところでしょうか(あるいは某有名なニシンの缶詰)。ですから口に入れてみれば、案外イケルのかも。もっとも、ただの生ゴミである可能性も否定できません。もちろん、いい意味で。[DVD(邦画)] 4点(2007-06-19 18:23:31)(笑:1票) (良:1票)

974.  ジョゼと虎と魚たち(2003) 《ネタバレ》 小洒落たタイトル、妻夫木くんが主演、池脇千鶴のヌードの話題先行など、個人的に食指が動かない作品でした。(すいません。嘘です。最後のセンテンスには興味津々です。)でも観てみるとコレが自分のツボ。もう大好き。ほんとに好き。妻夫木を初めて上手いと思いましたし、池脇も魅力的でした。ばあちゃん、板尾、「いてまうど」の兄ちゃん、荒川良々等の濃いキャラも旨味を発揮していました。重いテーマですが、物語と向き合わせる手法に長けていたと思います。死別や結婚という安易な結末に逃げなかったのも好印象。とくにジョゼの気持ちが心に沁みます。動物園で虎の見学。恐怖に対峙したときに、自分を守ってくれる人がいること。これほど心安らかなことはありません。でもこの幸せが長く続かないことも彼女は承知しています。いずれ彼は去っていく。だから車椅子を買おうとしなかった。少しでも長く彼の背中に触れていたいから。乳母車を新調しなかったのも、押してくれる人がいなくなるのを知っていたから。彼女が妻夫木に言う「私をおぶえ」という台詞。それは遠まわしなプロポーズでもあったと思います。頭では彼との別れを予期していたとしても、幸せな結婚生活を夢見ないはずがありません。しかし彼女の願いは叶わなかった。その直後のシーンもたまらない。トイレに入ったジョゼを覗く妻夫木。彼女は「あっち向いてて」と言います。「出て行って」ではなく。その想いに胸がつまります。水族館で見られなかったお魚たちをラブホテルの映写装置で見る彼女。自由に泳ぐ魚たちの中で、至福の時を過ごすジョゼ。貝殻ベットの中の彼女は、まるで人魚姫。幸せを知ってしまった彼女は、もう海の底へは戻れないと言います。彼と過ごした日々を受け止めようとする彼女。切ないほどに強い。いや、強くあろうとする姿に心打たれます。それに比べると男のほうは情けない。でも彼を責める気にはなれません。彼が怖気づいたのも分かる。彼は彼が思う幸せを求めて生きていくでしょう。でも心の傷はずっと残るはずです。それも仕方がない。悲しいこと、苦しいこと、切ないこと。人生には嫌なことの方が多いかもしれない。でもそれを知らずして、幸せを知ることもありません。ラストは料理をするジョゼの姿。食べることは生きること。海の底とは違う世界を、喜びも悲しみもある世界を、彼女はこれから生きていく。ジョゼは死を選ばなかった人魚姫です。[CS・衛星(邦画)] 9点(2007-06-18 18:02:04)(良:9票)

975.  その男、凶暴につき 主人公の行動原理は単純です。殴りたいから殴る。躾されていない子供のようです。自分は彼に賛同できません。暴力=悪だと躾られてきたから。でもその一方、無茶をする彼に爽快感も覚えるのです。しかし行き過ぎると、また眉をひそめてしまいます。この矛盾。戸惑い。それは社会が抱える矛盾でもある気がします。問題解決の手法としての暴力を人は認めています(もっとも、暴力という言い方はしません)。その代表が公権力=警察です。主人公が警官である意味が此処にあると考えます。人は生まれながらにして、問題解決手法としての暴力を獲得しています。教えなくても子供は叩くことを知っています。生まれ持ったものなのに、押し殺すように教育されのです。そもそも其処に無理があるのかもしれません。暴力を容認された警察でさえそう。力を振るえず、挙句チンピラに殺される姿は滑稽ですらありました。主人公の“正しくない”行動は、現代社会が抱える矛盾を明確に表していました。本作は北野武の初監督作品。処女作で、これほどスタイルが完成されているのは驚きの一言。監督の“人となり”が伝わってくるのも素晴らしいです。やはりベースは芸人「ビートたけし」の顔でしょうか。シニカルなコント風味の演出が、陰鬱な作品に上手く同調していたと思います。自分が特に気に入ったのは、たけしの蹴り。「バカヤロ、コノヤロ」と聴こえてきそう。芸人、監督、役者の顔が全て垣間見られる、見事な蹴りだったと思います。「長渕キック」と併せて『日本3大キック』と名づけたいくらい。残る一つは…後で考えます。暴力に対する問題提起はOK。これに対する監督の答えは何なのか。それが伝わってくれば、完璧でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-15 18:07:28)(良:1票)

976.  県庁の星 体裁は典型的なサクセスストーリー系娯楽作品でありながら、爽快感が無いのが致命的。織田の演技が辛気臭いです。公務員キャリア像を意識しすぎているように感じました。彼のキャラクターにも合っていない気がします。県庁さんの負の要素を打ち消すほど明るいキャラがいれば、また違ったのかもしれませんが、柴咲にそれを望むのはムリ。やはり娯楽作品は明るくないと楽しくないです。本作のテーマを扱うならば、シリアス&シニカル路線の方が相応しい気がします。[地上波(邦画)] 4点(2007-06-13 18:07:56)

977.  ドラえもん のび太とアニマル惑星 子供向けの作品として手堅い出来。環境問題を扱っており、教育的にも良さそう。いわゆる大人が子供に見せたい映画だと思います。自分も親なので、こういう作品はありがたいです。ただ、好きかといえば、そうでもない。それはアニマルプラネットがあまりにも完璧すぎるから。動物たちは争う必要がなく、環境が破壊される心配もない。良いことずくめに思えます。でもそれって、つまらない世界だとも思います。いろいろ不都合があったほうが、歯ごたえがあって遣り甲斐がある。もっとも今の世の中は、遣り甲斐あり過ぎですが。[CS・衛星(邦画)] 5点(2007-06-10 02:59:40)

978.  LOFT ロフト(2005) 《ネタバレ》 黒沢作品恒例“自分はこう読んだ”から。主人公はミイラ。彼女の恋物語と捉えてみます。彼女は、トヨエツ(自分を湖から救い出してくれた恩人)と愛し合いたかった。でも今の姿ではその想いは叶わない。そもそも彼女は自身の美貌を永遠に残そうとするほど、美への欲求が強かった。自分に相応しい生ける肉体を求めます。最初に求めたのは安達の体。その美貌、スタイル(同じ身長)は生前の彼女と酷似していたものと推測されます。安達にとり憑くミイラ。しかしすぐにその肉体を失い,再び相応しい体を捜すことに。安達にゆかりのある西島経由で、中谷を見つけたミイラは、中谷を操り安達の後釜としてあの家に住まわせることに成功します。(冒頭、中谷は泥を吐いていることから、この時点でミイラの関与が伺えます。)トヨエツにお姫様抱っこをされる中谷の姿は、移動の際に抱っこされるミイラの姿と重なります。ミイラは死後の世界の住人。トヨエツと添い遂げるにはあの世でなくてはなりません。トヨエツを湖底に引きずり込み、万事OK。本体を焼かれたミイラは、安達の死体を新たな魂の器に。トヨエツとミイラは湖底で永遠の愛を成就させましたとさ。そういえばトヨエツの貴族顔は、ミイラ世代にモテそう。LOFT=屋根裏部屋(物置)は、魂の置き場所(肉体)を意味しているのかなと思いました。いつもの黒沢テイストは感じられます。でも惹き付けられるものがありません。多分、画に問題がある。上手い画は随所にあります。でもオハコの怖い画に力が足りません。そういう画を撮るのが抜群に上手い監督なのに、どうしてしまったのか。幽霊が普通の人間にしか見えません。ミイラにしてもそう。ホラー上手の監督とは思えません。結果的に淡白な印象に。難解でも“もう一度みたい”と思わせるのが黒沢作品の魅力。その魅力に欠けていたのは残念でした。[DVD(邦画)] 6点(2007-06-06 19:39:08)(良:3票)

979.  大日本人 《ネタバレ》 (松本人志の笑いは好きですが、ファンというほどではありません。また、パンフレット等解説書類には目を通しておりません。そういう立場での感想です。)序盤はおとなし目、中盤から終盤にかけて徐々にペースアップ。淡々としたリズムがボディブローのように響いて、笑いを誘います。MAXは板尾の獣と、ラストの実写。笑いを噛殺すのに必死でした。そしてこの時、本作が映画である理由が分かったような気がしました。映画(映画館で鑑賞すること)の特徴は、不特定多数で時間と場所を共有すること。隣の席には他人がいます。このことに意味がある。満員でノリノリの空気が出来上がれば、笑いは笑いを生みます。そうでない場合は他人の手前、声を出すことをはばかるはずです。つまり“笑ってはいけない”というシチュエーション。これほど“可笑しい”状況はありません。どちらにしても、映画館でしか味わえない笑いです。タイトルに“大”が付くことで若干ニュアンスが弱まっていますが、監督の日本人観を描いているのは間違いなさそうです。さらに映画論も垣間見られます。主義主張は伝わってきますし、どこを切り取っても“松本人志”を感じることが出来ます。本作は映画。それも映画館での鑑賞に意味がある映画です。正直、鑑賞直後の満足度はさほど高くありませんでした。でも思い返すとニヤニヤしてしまいます。六代目大佐藤の一挙手一投足が、あの受答えが頭から離れません。最後に公開直前に放送された番組『ゲツヨル』(5月28日放送・NTV系)について。この番組での松本の不遜な態度や、インタビュアーのヨイショぶりは目に余るものでした。何でこんなに自分でハードルを上げているのか不思議なくらい。しかし、これは本編に対する壮大な前フリ。この番組でカチンときた人ほど本編で笑えると思います。[映画館(邦画)] 8点(2007-06-05 17:50:04)(良:1票)

980.  銀色の髪のアギト 《ネタバレ》 率直にいって『未来少年コナン』+『風の谷のナウシカ』という感じ。そういえばタイトルの語感も『ナウシカ』っぽい。もっとも、後発作品ゆえ設定や世界観が先行作品に似通ってしまうのは、ある程度仕方が無い。問題なのは、物語としての出来が芳しくないことです。本作の肝は、何故アギトはトゥーラを奪い返しに行ったのかということ。森を助けるという目的は2の次。2人には(少なくともアギトの方には)強い恋愛感情があったはずです。口を開けば「トゥ~ラ~」と叫ぶ、サカリの付きっぷりを見てもそれは明らか。だのにアギトがトゥーラに恋する過程が描けていないと感じました。自分は2人が初めて出合ったシーンが本作の最重要シーンと考えます。ここに全精力を注ぎ込む必要があった。いかにトゥーラを魅力的に描くか。アギトの一目ぼれを印象付けるか。この娘のためになら命を賭してもいいと思えるほどに。ココさえ押さえてしまえば、全ての流れに必然性が出る。アギトの決意に感情移入できます。最初の躓きが作品全体の躓きに思えました。火山のエネルギーがイストークの源動力といいつつ、地面を離れて立ち上がってしまう等、不合理な設定も目に付きます。それでもキャラクターに魅力があれば印象は良くなるのですが、誰一人として“生きている”感じがしませんでした。これは声優の力量不足も当然影響しています。メッセージは理解できますが、表面的な部分で終結していると感じました。軍事国家ラグナの位置づけを単純悪で片付けてしまうのは浅い。[CS・衛星(邦画)] 3点(2007-05-27 00:29:39)(良:1票)

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS