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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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81.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城 《ネタバレ》 海底をバギーで疾走したときの高揚感に、我ながら驚きました。いい大人が、こんなにも胸を躍らせることが出来るとは!常識を覆す色鮮やかな海底。陸上を遥かに凌駕するスケール。未知の世界に酔いしれました。海底ハウスに、深海バーベキュー。夢のある仕掛けにガッチリ心を掴まれました。月夜の松茸づくしディナーには爆笑。なにゆえにマツタケ?遊び心のセンスがたまりません。海底人が登場する中盤以降は、前半と打って変わってシリアスモード。メリハリのある展開も劇場版ドラの魅力です。バミューダトライアングルの秘密など、その見事な設定にいつものことながら感心します。クライマックスに至るまで、きっちりドラマを組み立てているので、最後にはちゃんと感動が待っている。教訓も押し付けがましくサラリが丁度イイ。非常に満足度の高い作品でした。自分にとっては、海を再認識できたことが何よりの収穫。こんなにも身近に神秘の世界が広がっているなんて、本当は凄いことなんだ!子供の頃なら当たり前だった事実に、もう一度気付かせてくれたことに心から感謝したいです。[DVD(邦画)] 9点(2007-03-06 18:09:05)

82.  クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡 “普通に”面白かったです。まずクレしんらしいお笑い満載なのが嬉しかった。定番のギャグも健在でしたし、劇画調?転換シーンは爆笑しました(公共交通機関を使っていても急ぐ必死さが伝わる!)。アクションシーンも好調。さらに家族愛にホロリとさせられます。つまり、笑えて泣けて楽しめる、期待どおりの娯楽作品であったわけです。“普通に”面白いということは、本当は凄いことだと思います。本作は傑作というほどの出来ではないかもしれません。でも確実に、観客の求めるものを提供していると思いました。確かな技術とシリーズ作品に対する深い理解がなせる業だと感じます。私事で恐縮ですが、本作の制作(下請け)に妹が携わっております。一応スタッフロールにも名前が載っているのですが、本人はそのことに気づいていませんでした。陽の当たらぬ、数多くの縁の下の力持ちの努力なくして作品は生まれません。東京で頑張る彼女に敬意を表して+1点とさせてください。[DVD(邦画)] 9点(2006-12-23 18:37:33)(良:1票)

83.  WEEKEND BLUES ウィークエンド・ブルース 映画に限らず全ての芸術は、自分の思いを他者に伝える作業だと思います。でも簡単には伝わらない。思いを100%伝えることなど不可能です。ですから少しでも100%に近づけるように創意工夫を凝らします。本作は高いレベルで監督の思いを伝えることに成功していると思います。これはもの凄いこと。低予算だろうが、役者が無名だろうが関係ない。(もっとも本作の場合、役者も文句なく素晴らしいです。その素晴らしい役者を起用したことも含めて監督の手腕だと感じます。)本作と『運命じゃない人』を観ると“内田けんじ”がどういう人間か見えてきます。物語として面白いだけでなく、ちゃんと監督の主義主張が感じられる。もう手放しで褒め称えたいです。ただ気がかりはひとつだけ。不遜な言い方で恐縮ですが、この才能を日本映画界が育てられるのかということ。大人の事情やしがらみで才能を潰さないで欲しいということです。本作と『運命じゃない人』が監督の頂点とならないことを祈るばかりです。[DVD(邦画)] 9点(2006-12-07 18:49:43)(良:3票)

84.  アカルイミライ 《ネタバレ》 未来に“明るい”という修飾語が付く場合、その多くは子供に対して使われます。“未来は明るいものだ”と言い聞かせるために。しかしこの言葉にリアリティはありません。あまりに漠然とした遠い先の話だから。そんな曖昧な希望の中を子供たちは成長していきます。そしてある日、手が届くところまで来ていることに気付くのです。でも気付かないふりをします。なぜなら怖いから。明るいと言われ続けた未来の形が、見えないから。恐怖は人を動けなくします。主人公もそんな子供のひとりです。子供が生きるために見本とするのは親。一番身近な大人です。しかし主人公の背景に両親の姿は見えません。彼が頼りにしていた守は自殺。彼は恐怖と不安に押しつぶされそうになります。心の平静を保つための、無意味で無謀な行動。そんな彼を受けとめてくれた大人が、守の父でした。親から受けるはずの愛情がそこにはありました。自分を受け入れてくれる、すべてを許してくれるという安心感が、恐怖に立ち向かう力になります。彼はやっと気付きます。守のGOサイン、大人になるGOサインは、とっくに出ていたことに。“明るい”はずの未来は、すでに手の中にありました。彼は屋上に登ってみます。もしかしたら未来が見えるかもしれないから。でもやっぱり見えません。未来は彼方に広がるものではなく、彼自身そのものだからです。もう“未来が明るい”などという無責任なアナウンスは必要ありません。だからアンテナも必要ありません。この現実が未来であると受け入れること。それが大人になるということ。本作は主人公の成長物語でした。と同時にもっと普遍的なテーマも孕んでいました。それは“生死について”。守の凶行とその末路、それに“クラゲ騒動”は、この問題を私たちに問いかけます。クラゲ=人間。人を殺すほどの毒を持ち、本来の生活圏以外にも適応する生き物。まさに人間そのもの。その姿は魂を思わせます。大挙して”母なる”海へ向かう様はまるで精子。「いつか(クラゲたちは)帰ってくる」という主人公の言葉。生と死を繰り返し、脈々と未来へ続いていく“人間の在り方”を表現していると感じました。誰にでも訪れる“アカルイミライ”は“死”でもあります。エンディングで群れをなして歩く若者たち。あてもなく、でも皆同じ方向に歩く彼ら。さながら“おたまじゃくし”。そのバックに『アカルイミライ』。彼らがたどり着く先にあるものは何でしょうか。そしてそれをどう捉えるのでしょうか。全ては彼ら次第です。[DVD(邦画)] 9点(2006-11-20 18:15:47)

85.  ガラクタ通りのステイン~エピローグ~ディレクターズカット 「ガラクタ通り」は文字通り、不要なものや使えなくなったもの、値打ちの無いモノの吹き溜まりです。“モノ”は“物”であり、“者”でもあります。毎回、ステインが拾ったガラクタに端を発する物語は、いつも可笑しく、ときに哀しくほろ苦く、驚くほど“毒”を含んでいます。そして「生きる厳しさ」や「幸せの意味」を問いかけてきます。本作『ハーモニカ』は、レギュラーの短編13話に比べて異色の作品です。毒気の薄いラブファンタジー。かなり一般向けにアレンジされた印象です。シリーズファンからすると物足りない。しかし本作がエピローグであることの意味はとても大きい。あのステインが、“生きている人間”に恋をしています。これは作品の世界観を揺るがす大事件。ステインの住むのは人間社会から隔離された世界。貧しくても、人間関係の棘はありません。生暖かな心地よさがある。そこから踏み出し、社会と関わり合いを持ち始めたエンディングに意義を感じずにはいられません。シリーズ全体としてなら満点ですが、本作単独なら6~7点といったところ。でも思い入れの分、オマケさせてください。心優しきステインとガラクタ通りの住人たち。笑いながら、彼らから大切なことを学びました。[DVD(邦画)] 9点(2006-09-28 18:58:28)

86.  たそがれ清兵衛 《ネタバレ》 貧困と日々の生活に追われる中、自分の身なりにまで気が行き届かなくなる清兵衛。そんな暮らしぶりでも、2人の娘の成長を見守ることに喜びを見出すことができる。成り行きとはいえ朋江の為に死合いをしたこと、彼女を慮って再縁話を断ったこと。様々な出来事、そして立ち居振る舞いから、清兵衛の実直な性格と清い心が感じ取れます。ですから清兵衛に強く思い入れることができます。藩命の名のもと、立会いを受けざるを得なかった清兵衛が抱いたであろう憤り、無力感、悲しみ、諦め、やるせなさ…。そして生死の境を目の前に朋江に胸の内を告げ、返事を聞いた時に感じたであろう後悔、失望、恥ずかしさ…。清兵衛の複雑な心情が伝わってきて、切なくも心を打ちます。メインキャストはもちろんのこと、全編にわたり“人”を丁寧に描いている印象を受けました。(本作の真田広之と宮沢りえは文句なく素晴らしかった!)自分は運命という言葉が好きではありません。でも縁という言葉は好きです。清兵衛と朋江がこのように再び出会い、結ばれたのもすべて人の世の縁という気がしました。良作だと思います。ただ、エンディングの井上陽水だけはいただけません。[DVD(邦画)] 9点(2006-08-30 18:11:59)(良:2票)

87.  運命じゃない人 《ネタバレ》 登場人物それぞれの視点でひとつの事象(及びそれに付随する事柄)を描くスタイルは、目新しいものではありません。しかしそれでも唸らされます。それほどにつくりが巧妙です。芋づる式に明らかになっていく真相。ごく普通のラブストーリーと思われた本作が、いつの間にかサスペンス、気付くとコメディに化けています。いくつもの顔を見せる作品に、どんどん引き込まれていきます。BGMの使い方も秀逸で、作品づくりの技術の高さを感じさせます。また、登場人物たちも皆いい味を出しています。人を疑うことを知らない男、友人思いの探偵、女詐欺師、組長さん、そしてひとりぼっちの女。それぞれに暑苦しくない、いい雰囲気がでていたと思います。そして主軸となる2人の恋物語。ラストがいいじゃないですか。物語の構成といい、偽りのエンドクレジットといい、観客をいい意味で欺き続けてきた本作。「運命じゃない人」というタイトルも、もちろんフェイクですよね。[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-08-08 18:42:49)

88.  となりのトトロ 《ネタバレ》 本作のイメージは「カレーライス」です。それも家で食べるごく普通のカレー。じゃがいもごろごろ、色は黄色の、あのカレーです。ときどき無性に食べたくなる味。理由は簡単です。それはお母さん(あるいはお父さん)が作ってくれたから。慣れ親しんだ、懐かしい味だからです。本作にも同じことが言えると思います。本作で描かれる田舎の生活は、まさしく子供の頃の記憶。おばあちゃんの家で過ごした、夏休みの記憶です。お母さんの入院にしても同じ。入院とまでいかなくても、親が風邪で寝込んだことはあると思います。そのときの切ない気持ち、不安な気持ちは忘れられません。迷子のエピソードにしてもそう。本作で描かれるのは、誰もが「こんなことあったな」「あったかも」と思うような出来事ばかり。そういう意味では極めて大人向き(少なくとも、さつきと同じ小学生以上向き)の作品といえます。それでいて、トトロの存在は幼い子供も惹きつけます。守備範囲が広いのです。物語はシンプルで楽しい気持ちになれるもの。だから何度も観たいと思えます。まさしく大人から子供まで人気の「カレーライス」。専門店のカレーは確かに美味いです。でも家のカレーの美味さは格別です。しかもトトロという魔法のスパイス入り。『となりのトトロ』はそういう作品と考えます。[地上波(邦画)] 9点(2006-07-31 18:13:22)(良:1票)

89.  ドラえもん のび太と鉄人兵団 宮崎駿作品、クレヨンしんちゃんと並ぶアニメ映画界の最高峰「ドラえもん」。宮崎、クレしんとの一番の違いは子供向けに徹しているところだと思います。本作でもその基本姿勢は崩さないまま、大人でも十分に楽しめる作品に仕上がっています。というか、むしろ大人に観てもらいたい作品。基本構成は、いつものメンバーが地球侵略に来るロボット軍団と戦うという、いたってシンプルなものですが、大挙して押し寄せる鉄人兵団や破壊される都市などハードな描写も目につきます。ロボットが地球侵略に来た理由、リルルの行動選択など、現実の世界に当てはめて考えさせられる部分が大いにあります。メッセージが照れることなくストレートに伝わってくる、子供向けアニメの素晴らしさがここにあります。最後はほとんど禁じ手のような結末ですが、素直に感動できる秀作です。ちなみにMVPはしずかちゃんですが、個人的にミクロスに敢闘賞を贈りたい。[DVD(邦画)] 9点(2006-05-06 23:15:24)(良:1票)

90.  千と千尋の神隠し 自分の場合、宮崎作品に対しては、カリオストロの城やコナンに代表されるような「理屈抜きの面白さ」「破天荒なアクション」を求めてしまいます。その点からすると、本作はあまり該当しません。では面白くないかというとそういう訳でもありません。現代っ子の成長物語としてはよく出来ていると思います。また、最近の宮崎駿作品に決まって出てくる子供狙いのカワイイキャラがいない点は好印象です。あえて言うならカオナシかな(笑)。ただ、どうしても判らないのは、この作品が記録的大ヒットとなった点です。現代人が求めている「何か」が本当にそこにあったのでしょうか?ちょっと怖い気もします。(2014年12月追記)何言っているんでしょうね自分(汗)こんなに素晴らしい子の成長物語もないでしょうに。コナンやルパンのようにずば抜けた身体能力もなく、パズーのような強靭な精神力も持たない“普通の少女”が、困難を乗り越えていく部分に価値があるのに。繰り返しますが、何の取り柄もなさそうな(でもちゃんとある)、何処にでもいる女の子が主人公だから良いのです。千尋の武器はさしずめ“素直さ”ですかね。3人の娘の父となった今、全く観方が変わった作品です。点数も大幅アップしておきます。[映画館(邦画)] 9点(2006-05-02 18:26:59)(良:2票)

91.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 昭和のおもちゃ、レトロ家電、映画3丁目の夕日など、今「懐かしもの」ブームのようです。過去を振り返り「あの頃は良かった」と思いを馳せる。現実が厳しければ厳しいほどそれは心地よい行為です。現代人にとっては必要不可欠なのかもしれません。そして本作も「懐かしさ」がキーワードとなっています。登場する悪役は「古き良き昭和の時代」に世の中を戻そうと巧妙な手口を使って大人たちを誘惑します。心奪われるひろしやみさえ達大人。とうちゃんとかあちゃんを取り戻す、しんのすけ達のたたかいが始まります。昔を懐かしむことは決して悪いことだとは思いません。しかしそのベクトルが後ろを向いていることも忘れてはいけません。「昔は確かに良かったけれど、今だってそんなに悪くないよ」野原一家がそう教えてくれます。もしこの作品が実写だったら、気恥ずかしくて見ていられないかもしれません。「クレヨンしんちゃん」だからこそ素直に心に響いてくるような気がします。子供から大人までお勧めですが、これから親になる方(小さい子供をお持ちの方)には、何としても観ていただきたい、家族の絆に心打たれる傑作です。[DVD(邦画)] 9点(2006-04-21 23:55:39)(良:4票)

92.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 このサイトであまりに評価が高いので観ることにした作品です。いやー驚きました。もともと初期の宮崎駿作品や劇場版ドラえもんの質の高さは知っていたので、アニメに対する偏見はなかったつもりですが、劇場版のクレしんがまさかこれほど素晴らしいとは。笑いあり涙ありの感動作で大人の鑑賞に十二分に堪えます。さらに驚かされるのはその時代考証の精密さ。下手な時代ものを遥かに凌駕するものでした。たぶん本来のクレしん映画からは外れる(ルパンシリーズにおけるカリオストロのようなもの)のかもしれませんが、こういう一般大衆を引き付ける作品がシリーズに1本あるだけで、他の作品を芋づる式に鑑賞する観客もいることを考えると、クレしんシリーズ作品としても非常に価値が高いと思います。自分にとってはこの作品をきっかけに映画だけでなくクレしんを観るようになった非常に大切な作品です。[DVD(邦画)] 9点(2006-04-18 18:26:51)

93.  下妻物語 《ネタバレ》 本作をとても心地よく、そして清々しく感じるのは、主人公に思い入れが出来たからだと思います。自分も2人と同じ。もちろん、かつて美少女だったわけでも、ヤンキーやゴスロリファッション愛好者だったわけでもありません。同じなのは孤独だということ。人は誰かと共にいることを願う生き物。飾りなく言うなら「社会生活を営む動物の性」。その願いの形が「友人」です。強制的に所属する「家族」や、生殖活動を伴う「恋人」とは少し違います。しかしこの願いは、なかなか叶いません。望む友には簡単に出会えません。でも一人ではいられません。ですからとりあえず数多くの友を得ようとします。質より量で勝負。でも本作の主人公2人はそれをしません。そういう生き方をしてこなかったのです。不器用なのでしょう。桃子はファッションに、イチゴは単車と族に傾倒することで、心のバランスを保っていました。でもそれは代替手段でしかありません。イチゴのいた族も彼女の心を満たすものではなくなりました。やはり心の隙を埋められるのは友達。それも本当に信じられる友なのだと思います。親友、いや真友とめぐり合えた2人。清々しくも羨ましいお話でした。独創的な青春コメディを見事に体現した主役2人。土屋アンナは確かに良かったですが、個人的には深田恭子の方が印象に残りました。まだ役を選びますが、はまった時の爆発力が深田にはあります。今後の日本映画界に必要不可欠な女優になってくれることでしょう。笑って感動でき、何度も観たいと思う作品にはなかなか出会えないもの。オッサンが年端の行かない小娘に共感してしまう。それだけで結構凄いことだと思います。[CS・衛星(邦画)] 9点(2006-04-16 19:30:23)(良:3票)

94.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 この作品に高得点を付けていらっしゃる多くの方と同じように、自分もぶりぶりざえもんの大ファンです。救いのヒーローなのに強きを助け弱きをくじき、腕っぷしは無いけど結構器用で、法外な報酬を要求するけど結局は金ぬきで人助けをしてしまうぶりぶりざえもん。とても人間くさい愛すべきぶたです。正直、ぶりぶりざえもんが活躍してくれるだけで自分は満足なのですが、全編を通じて描いている「親子の愛」や下手な実写より数段上のアクションシーンなど一作品としても非常に素晴らしい出来だと思います。クレヨンしんちゃんは「食わず嫌い」な方が沢山いると思いますが、映画のクレしんを観ないのは本当にもったいないです。最後に、ぶりぶりざえもんの魅力を余すとこなく表現された声優の塩沢兼人さんのご冥福を心よりお祈りいたします。[DVD(邦画)] 9点(2006-04-15 10:26:00)(良:2票)

95.  鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 《ネタバレ》 『ゲゲゲの鬼太郎』は言わずと知れた国民的アニメ(漫画)ですが、『ドラえもん』や『サザエさん』のように長年に渡り継続してTV放送されてはいません。1968年に初めてTVアニメ化されて以降、1970年代、80年代、90年代、2000年代、2010年代とコンスタントにアニメシリーズが制作されてきた珍しいタイプの作品であります。日本で育った人なら誰もがどれかのシリーズに見覚えがあるのでは。先日『ブラッシュアップライフ』でお馴染み、子役の長尾柚乃ちゃんが鬼太郎のべとべとさんが好きだと言っていて驚きました。なんと幅広い年代から愛されているのでしょう。そんな大人気アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』は年代固定制を採用していないため、シリーズごとに社会背景が異なり世界観やキャラ設定も変化している気がします。思い描く「鬼太郎像」は世代によって違うでしょう。更に摩訶不思議なのは、鬼太郎や目玉の親父、ねずみ男等のキャラクターは有名でも、鬼太郎が何者なのか、彼の目的は何なのかはあまり知られていないような。かく言う私もごにょごにょしてしまいます。有名人なのに実は何者か分からない、そう鬼太郎はまさにアニメ界の「金太郎」なのです(あるいは某ファビュラス姉妹。こちらの方が妖怪っぽいか。コラ。いや美しさが異次元という意味です)。そこで本作。鬼太郎誕生の前日譚とのこと。鬼太郎ファン積年の謎(あるいは単なる勉強不足)が解消される待望のエピソードゼロでありました。時は昭和31年。敗戦の傷跡癒えぬ日本。とある田舎が舞台の妖怪奇譚。設定だけならトトロと大差ありませんが、纏う空気は真逆でした。荒廃したのは社会だけでなく人の心も同じか。終始切なく息苦しく、私が知る「ゲゲゲの鬼太郎」とはまるで別物でした。完全に大人向け仕様。でもこれが鬼太郎の本質なのでしょう。喩えるなら〇露丸の如し。私が処方されてきたのはさしずめ正〇丸糖衣Aというわけ。とはいえ、本作も糖衣が全て除去されたガチ正露〇ではなく十分オブラートに包まれていました。だからシリアスな内容に反して観易かったのでしょう。個人的には市川崑監督に本エピソードを実写映画化して欲しいですが、無理なので堤幸彦監督にお願いしたい。悪ふざけが過ぎますか?[インターネット(邦画)] 8点(2024-06-13 18:55:05)
《新規》


96.  大河への道 《ネタバレ》 通常の時代劇ではなく「もし伊能忠敬を大河ドラマにするならこんなプロットにしてみては如何ですか」と提案形式にしたところがミソ。目先を変えることが目的ではなく「ね、伊能忠敬を主人公にしなかったら大河ドラマにならないでしょ」が言いたい訳で。そう、本作は伊能忠敬没後にその意思を継ぎ日本地図を完成させた者たちが主役でした。なんと伊能忠敬はキャスティングさえ無し。思い切ったものです。歴史に名が残らぬ「庶民」にスポットを当てた物語は確かに大河ドラマ的ではないものの、むしろ私たち「庶民」の胸を打つ感動の逸話でした。遂に日本地図が完成しお披露目の時。大広間に敷かれた「大日本沿海輿地全図」に圧倒されます。まさに百聞は一見にしかず。地図を一目見れば、地図製作に費やされた膨大な時間や途方もない労力が瞬時に分かるというもの。この偉業に敬意を評さぬ者など居るはずもなく。しかもお上を欺き命を賭してまで大業をやり遂げたのは偏にこの国の民の為。その理念、いや意地と執念に自然と頭が下がり目頭が熱くなりました。これは掛け値なしに良いお話。本当に劇中劇そのままで大河ドラマにして欲しいくらい。タイトルは『日本地図』あるいは『伊能忠敬』で何の問題もありません。 それにしてもこの手の人情喜劇をやらせたら中井貴一は本当に上手い。安心して観ていられます。[インターネット(邦画)] 8点(2024-04-12 21:37:19)《改行有》

97.  スイート・マイホーム 《ネタバレ》 ネタバレあります。ご注意ください。 主人公の兄が言う「あちらこちら(家の天井や床下)にいる害なすもの」とは何でしょう。自分(兄)には見えるが、お前(弟=主人公)には見えないもの。一般的には「ネズミかゴキブリ」を連想すると思いますが、本件では本当に天井と床下に「害人」が居ました。この真相には脱帽!ネズミかゴキブリと大差ない点にも唸らされます。更に言うなら害人から発せられる「悪意」も害なすものに含まれるのでしょう。「憎悪」「敵意」さらに「背信」も。これらは人の命を奪う脅威となり得る恐ろしいものでした。厄介なのは、一見して判別できないこと。あの人の悪意は「親しみ」に擬態しましたし、かの人の「気遣い」は「嫉妬」に読み違えられました。残念ながら人は見た目に騙され易い。本物の悪意を見抜けず裏をかかれた主人公は大切な家族を失いました。もっとも最後に待っていた悲劇は主人公の身から出た錆。見なくてはいけないものは見えないのに、見せたくないものは見えてしまう皮肉。いや主人公の場合は現実から目を背け続けてきたのですから、見えないのは当たり前。溜まりに溜まったツケを払わされる時に破滅を伴うのは世の常と言えましょう。 冷静になれば「そんなわけあるかい」な設定ばかりですが、なかなか言い訳が上手い。空調の集中管理システムがネズミの生息を可能にすると。多分裏設定に「忍者の末裔」も隠されていることでしょう。知らんけど。そもそも「そんなやつに接客させるな(怒)」とも思いますが、慢性的な人手不足や日本の雇用制度を考えれば「無い話では無い」かもしれません。あな恐ろしや。 最後にひとつ確認を。主人公の兄を刺したのは誰でしょう。劇中では「あの人」ということで事件処理されていますが、警察のいうように所詮は「死人に口なし」です。悪意を見抜ける兄(大の男)が不覚をとる相手と考えれば、おそらく真犯人は「あの方」でしょう。いや「あの方」を狂わせた元凶を突き詰めるならば、最も責められるべきは言わずもがな。裏テーマは「不倫。ダメ、ゼッタイ」です。[インターネット(邦画)] 8点(2023-12-12 18:29:34)《改行有》

98.  コンビニエンス・ストーリー 《ネタバレ》 三木聡監督待望のファンタジーコメディ。いや「ホラー」ですよね。さらに「ミステリー」でもある。複雑怪奇な味わいですが、これが三木聡節です。万人に勧められる映画ではありませんが「好きな人にはたまらない」のも間違いありません。それでは私なりの解釈を。誤読、思い込み、頓珍漢、ご容赦ください。 大筋は以下のとおり。主人公は自動車事故がキッカケで、あの世の手前にあるコンビニ(リソーマート)に辿り着きました。刺青がある店主の南雲(六角精児)は物の怪の類。閻魔大王の配下でしょうか。その妻である恵子(前田敦子)は、大量殺人事件・通称「江場土事件」の生き残りとのこと。しかしこれは南雲の作り話。あの世へ行くはずだった恵子を南雲が見初め引き止めたのです。立場的には「捕獲されたムカデ」と同じ。ちなみに彼女はガソリンを使って殺されたのかもしれません。囚われの恵子は、迷い込んできた脚本家・加藤(成田凌)を利用して南雲の元から逃れようと画策しました。一方そのころ加藤の恋人ジグザグ(片山友希)は、彼があの世の手前で彷徨っていると看破します。彼女には霊感あり。メガネ男(おそらく裏社会の霊能力者)に冥界への出張捜索を依頼しますが、南雲の手にかかり殺されます。恵子の手助けもあり再び現世に戻ってきた加藤ですが、そこは自動車事故に遭う直前の世界。運命は変えられませんでしたとさ。ちなみに自動車事故以降の出来事は、全て加藤が執筆していた幻の「コンビニ物語」との見立ても可能と考えますが、やや解釈としてはつまらない。コンビニを題材とした物語を執筆中にコンビニで事故死したからコンビニへの執着が強く、その結果♪あの世のコンビニ・リソーマート(ファミマっぽく歌おう)に迷い込んだとの見立てが適切ではないでしょうか。以上です。 最大の謎(関心事)は、結局加藤はどうなったのかということ。自動車事故の直前、レジで恵子は何やら囁きます。唇の動きをみるに『ふりかえらないで』。あの世から加藤を送り出す際にも口にしていた台詞。“起きてしまった事は悔いても仕方がない”という意味ならば、今度はすんなりあの世へ行って欲しいということでしょう。それは恵子自身に向けられた言葉でもあった気がします。 三木聡監督のファンである私でさえ、ほぼ毎回「なんだこりゃ」と戸惑うのがお約束。今回も観終えた直後の満足度は高くありませんでした。コメディとして分かりやすく笑える箇所もありませんし。しかし、1時間、半日、3日と時間が経つごとに自分の中で熟成されました。これは本サイトに「感想を書く」ための脳内反芻の効果でもあります。考えれば考えるほど「良く出来ている」事に気づかされました。例えば劇中最大の嘘「自動車に撥ねられても無傷」を何の違和感もなく差し込む手際の良さ。加藤の不思議体験を「太陽光の喩え」を用いて補足説明する抜かりなさ。只事ではないでしょう。「面白い」とも少し違う「よくわからないけど好き」という感情で溢れています。ちなみに「好き」には、キャスティングが大きく影響していました。これは毎度の話ですけども。常連の芸達者さんたちが「旨い」のは言うまでもありませんが、主要キャストの皆さんが素晴らしい。成田さんの力みない佇まいは霊体にピッタリでしたし、六角さんは説明不要で物の怪でした。片山さんの「エロス」は「生」の象徴であり死者の世界を際立たせます。そして何より前田敦子さん。醸し出される「憂い」が絶品!演技の良し悪しはわかりませんが純粋に凄いと思いました。「旅のおわり世界のはじまり」も良かったですが、また一皮剥けたのではないでしょうか。残念だったのは、松重豊さんが不在であったこと。やはり三木映画では、岩松了さん、ふせえりさん、松重豊さんの3人が揃わないと寂しいです。[インターネット(邦画)] 8点(2023-09-14 18:22:24)(良:1票) 《改行有》

99.  ケイコ 目を澄ませて 《ネタバレ》 主人公の台詞はほぼ無し。BGMもありません。無表情、あるいは不機嫌そうな顔ばかり。化粧っ気なし。腫れた瞼。それが主人公の日常です。そんな彼女の表情に感情が現れるのがボクシングでした。嬉しそうにミット打ちをする姿に何だか救われました。多分彼女はボクシングを通じて会話を交わしていた気がします。普段はままならぬ他者とのコミュニケーション。「打てば響く」心地よい時間は「生きている実感」そのものだったことでしょう。会長がくれた宝物のような時間。「チャンピオンになりたい」ではなく「会長や仲間と練習したい」が本心だったのでは。ですから「会話」にならぬ「怒鳴り合い」はそこまで楽しくありませんし、話し相手を失うジム移籍は論外でした。 会長との2人シャドーのシーンがたまりません。至福の時間。でもこれが最後。恋人を、いや父を失う感覚でしょうか。大切な時間が消えて無くなる寂しさや辛さは察するに余りあります。しかし誰もが通る道でもあります。人生に永遠などありません。彼女にも人生の岐路が訪れたということ。主人公と何ら変わらない、顔を腫らした対戦相手とリングを下りて対峙した時、彼女の胸に去来したのは何だったのでしょう。もし彼女がボクシングを続けるのであれば、その目的は今までとは全く違うものになるはずです。誰よりもよく観察して、彼女は自分の進むべき道を走って行く。 岸井ゆきのさんは各種映画賞受賞も納得の熱演。三浦友和さんの演技は個人的に好き過ぎました。あの声、あの佇まい。憧れます。刺激的な描写や展開はありませんが、シーンの切り取り方に独特な間合いがあり惹きつける力がありました。後からしみじみ感じ入ることが出来る良い映画だと思います。[インターネット(邦画)] 8点(2023-06-24 17:21:36)《改行有》

100.  BLUE GIANT 《ネタバレ》 原作既読。というより大ファンです。大好きな故に、期待より不安の方が大きかったのですが・・・杞憂でした。大変素晴らしかったです。特にライブシーンの映像表現、そして何より音楽が。身体を震わせるジャズの音圧は自宅では味わえぬご馳走。これは劇場で観て正解でした。ずっと観ていたい(聴いていたい)と思える120分。あっと言う間でした。物語についても原作の魅力を理解しており好印象。やはり「一生懸命」は胸を打ちます。ずっと半泣き状態でした。玉田はもっと評価されていい男です。原作エピソードの取捨選択については概ね納得出来ました。問題はクライマックスの変更部分。これはファンなら賛否両論出るだろうなと。あれはある意味ファンタジー処理だったと考えます。救いがあり感動もありますが甘口に味変しているため、苦味を知る(原作の結末を自分なりに昇華した)ファンからすると「それは違うんじゃないの」と感じるかもしれません。「観客の望みを汲み取り区切りを付けた」変更の意図は理解できるものの、JASSのドラマは続編できっちりフォローしているため、余計なことしたな感は拭えません。熟成する前に出来立てワインを開けてしまったような「勿体なさ」を感じる訳です。まあ、好みの問題でありファンならではの拘りの範疇の話でありますが。 それにしても本当に音楽が想像以上でした。ジャズっていいなと思わせた時点で映画化した意味は十二分にあったと思います。[映画館(邦画)] 8点(2023-05-13 17:16:40)《改行有》

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