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プロフィール
コメント数 3872
性別 男性
年齢 53歳

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101.  モスラ(1961) シン・ゴジラがユニークだったのは、ミニラがゴジラへ変身する過程をちゃんと見せたところ。いや、ミニラでは無かったですけれど、とにかく、ゴジラの形態を変化させた・・・というのはつまり、ゴジラをモスラ化させた、とでも言いますか。 モスラってのは要するに、映画の中で形態を変化させる怪獣、ですよね。幼虫と成虫、2形態で怪獣映画を楽しめる、というのもあるのですが、なんかこの過程が、神秘的、というよりは、不気味。 怪獣というものは、街を破壊するために現れる、いわば悪意の塊のような存在ですが、実際には、デカ過ぎることもあって(あるいは人間が小さすぎることもあって)、悪意があるんだかどうなんだかよくわからない。その最たるモノが、このモスラ。 小美人を誘拐してきて金儲けを企む人間どもの方が明らかにワルい訳で、モスラは小美人を救うためにやって来ただけ。しかしそれすらもよく判らなくって、モスラは淡々と破壊を続ける。その特殊効果が、お見事としか言いようがない。1954年のゴジラのモノクロ映像ならではの迫力に対し、カラーになってアラも目につくようになり、そりゃミニチュア撮影であることは丸わかりなんですけれど、それでもなお、ミニチュアでここまで表現できるのか、という驚きの連続。ほぼ、究極レベル。 ついに禁断の東京タワーまで破壊の手を伸ばすモスラ、しかしここで繭にこもりサナギと化してしまう。人間たちに対しトドメを刺すことも無く、我が道を行くその行動パターン、これ、十分に不気味です。 神、ってのは、そういうもんだと思う。 羽化してからの成虫モスラの羽ばたく姿も、これまたお見事。ホント、ここまで表現できちゃうんですねえ。 登場人物はゴジラで見たような面々が目立ちますが、その中心にフランキー堺の人懐っこい顔があって。破壊に次ぐ破壊が描かれる怪獣映画ながらも殺伐とせず、ユーモラスな雰囲気を醸しだしているのも、ゴジラやラドンとは一線を画していてユニークなところ。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:53:09)《改行有》

102.  関東テキヤ一家 喧嘩火祭り 《ネタバレ》 今回は「ごろめんひまつり」と読むんだそうです。 例によって多彩な登場人物。冷静に考えるとお馴染みのメンツが殆どのような気もするけれど、梅宮辰夫やら渡瀬恒彦やらが惜しげも無く投入されて物語は膨らむ一方。しまいにゃ、どう考えてもエキストラに毛が生えたような花屋のお姉さんまで、菅原文太の顔を見るや、「死んだ兄にソックリ」などと言って強引にストーリーに絡んできて、もう、定員オーバーです。 しかしそういう複雑怪奇な(というか、行き当たりばったり出たとこ任せの)人間関係を、物語の進行とともに見事に捌き切っている、これはまさに名人芸としか言いようがありません。 鈴木則文、おそるべし。 とは言え、渡瀬恒彦の起用は、少し勿体なかったですかね。あと、岡八郎。は、どうでもいいか。 地方の祭りの光景が映画に織り込まれていて、ちょっとトラック野郎みたいですが(実際、トラックも出てくる)、祭りの光景とリンチ・暴行が並行して描かれる凄まじさ。その勢いでクライマックスの殴り込みに突入し、銃を振り回す梅宮辰夫の姿は、前半の射的のシーンからの一種の変奏でもあるけれど、ちょっと、不良番長魂が降臨したかのような。 いやはや、盛りだくさん、でした。[インターネット(邦画)] 8点(2022-07-05 22:23:03)《改行有》

103.  千姫と秀頼 主演は美空ひばり。となると、途中に意味も無く歌が入ったりするんでしょ、と思ったらさにあらず。歌を封印し、しっかりと千姫を演じてます。 だったら主演は美空ひばりでなくてもいいやんか、ってなところですが、いや、これが見事にお姫様になりきってます。いかにもな女優さんが演じてない分、新鮮でもあり、妙に迫ってくるものもあります。ホントに、これぞキレちゃったお姫様、という感じ。 冒頭の大坂夏の陣の合戦シーンもダイナミックですが、映画全編を通じ、ロケ撮影の贅沢、スタジオ撮影の贅沢。双方をこれでもかと織り交ぜ、例によってエキストラも大量投入し、1時間半もない作品ながら、大作に引けを取ってません。 平幹二朗演じる出羽守の乱心シーンにおけるロングショットに圧倒され、千姫狂乱シーンにおける移動撮影に圧倒され、クライマックスの緊張感に圧倒され。このクライマックスシーンだって、こんなに大勢の人物を登場させる必要があるんでしょうか。 これぞ、贅沢。[インターネット(邦画)] 8点(2022-05-30 22:43:47)《改行有》

104.  亡霊怪猫屋敷 《ネタバレ》 タイトルからしていかにもコワそうですね~何て読むのかわかりませんけど。ははは。 カイネコだとあまりコワく無さなさそうなのでカイビョウでいいんですかね~。 それはともかく。まず現代篇。青みがかったモノクロ映像が何とも不気味です。 走ってた車がネコをハネそうになってあわや海に転落するか、という場面。間一髪、車もネコも無事だった、というワケで、「ああ、良かった」となるのですが、いやいや、化け猫映画なんだから、ネコは車にハネられて恨みを持って死なないと、映画にならないんじゃないの、と心配になる。 しかしそこは心配御無用。いかにもアヤシげな屋敷へと舞台は移り、アヤシい老婆が出没して、襲いかかってくる。 いや、襲いかかると言っても、毎度毎度、チョロッとだけ首を絞めるだけ。命に別状は無く、単にド迷惑なだけの話。こんな攻撃力の乏しい化け猫(かどうかはまだ判らないけど)でいいんだろうか、とまたまた心配になる。 そこから、時代を遡り、時代篇へ。映像はカラーへと切り替わります。 で、殺人事件に端を発した奇怪な物語、化け猫騒動の発端が描かれるのですが、殺人事件のキッカケというのが、囲碁の勝負から始まったケンカ。何だかあの、将棋に負けて発狂して悪事に走った鉄人Qを少し思いだしてしまいます。 それにしても、現代篇のモノクロの不気味さもなかなかでしたが、時代篇のカラーを活かしたアヤシさも、なかなか。恨めしげに蘇る死人の霊、生者の姿がふとした瞬間に死者の姿に見え、狂乱する極悪家老。カラーならではのサイケ調の演出。 化け猫はヒョイヒョイと身軽な動きで屋敷の内外を動き回り、こういったシーンではスピード感があります。 そんでもって、壁の中の死体が不気味さにとどめをさして。このカタストロフは、結構、現代的な感覚、と言ってもいいのでは? 短い作品ですが、見どころの多い作品です。[インターネット(邦画)] 8点(2022-05-11 23:02:49)《改行有》

105.  少年探偵団 鉄塔の怪人 『かぶと虫の妖奇』に続く後編。前作のラストで「ぽよ~んぽよ~ん」と頼りない音をたてながら登場した謎の装甲カブトムシ、実はアレがさらに10台くらい存在するという、恐るべき事態。ってか、二十面相はいったい、何にお金使ってるんでしょうね。このカブトムシ軍団、意外に最後まであまり活躍しないしなあ。 二十面相の部下たちはヘンなヘルメットみたいなのを被って(しまいには二十面相自身まで被ってる)、もはやその姿は、地球を侵略しに来た宇宙人そのものです。捕らえた少年探偵たちに重労働を課してコキ使ったりしてるのが、まさに映画的宇宙人の発想(笑)。 一方で、アジトに単身のりこんできた明智も囚われの身となったはずなのに、二十面相一味は明智をほったらかしにして秘密基地「鉄塔王国」へ逃亡。なにやってんだか。 はたまた、二十面相はしきりに挑戦状ともいうべき自らの映像を送りつけてくるのですが、そのしつこさが、だんだん「かまって欲しい寂しいヒト」にしか見えなくなってきて。実は可哀想なヒトなんじゃなかろうか、と。 え~と、確か、狙いは原子炉の設計図でしたっけ。もう、どうでもいいですね。ははは。 この荒唐無稽さのまま、最後まで突っ走る、それが、素晴らしいんです。いやマジで。ラストで押し寄せる警官隊との攻防戦など、まさに007映画そのもの。もしかして少年探偵団シリーズを参考に007シリーズを作ったんじゃないか、とすら思えてきます。そんなワケないって? そんなワケないから不思議なんです。 明智も最後ばかりは大活躍、そして衝撃的なラストへ。 バカバカしいけど、バカにはできません。スゴいよ、これは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-24 21:22:23)《改行有》

106.  網走番外地 南国の対決 「網走」に「南国」というミスマッチ感覚、これは要するに「行け!!南国アイスホッケー部」みたいなもんですかね。違うか。 今回の舞台は南国も南国、沖縄。北から南までを股にかけ、世間は狭いというか何というか。 だいぶギャング映画のテイストが入ってますが、日本刀振り回す任侠映画テイストもあり、さらには少年との交流、母子愛。これがまたエエ話なんです。 つまり、何でもアリのごった煮の世界。一種の治外法権。当時の沖縄が置かれた状況。とは何の関係もないと思うけど。 とにかくエエ話なんだから仕方がない。結構、シンミリさせられます。 と思ったら、終盤近く、例によってあのレジェンドが登場して爆笑を誘い(マジで笑った)、気持ちよくすべてをブチ壊しにしてくれます。素晴らしい。[インターネット(邦画)] 8点(2022-04-09 00:12:36)《改行有》

107.  ギャング同盟 《ネタバレ》 内田良平と佐藤慶が「いかにもギャングです」というイデタチで仲間を集めていて、そのあまりにギャングな格好が、どうにもダサいのですが、ギャングなんだから仕方がない(笑)。集められる仲間というのがこれまたサエない面々なんですが、サエなくてもそれなりに味がある、ので仕方がない。ダサかろうがサエなかろうが、いやむしろそれ故に、スタイリッシュな作品になってます。 で、彼らは何ゆえに仲間を集めているのかというと、その目的が、巨大組織(?)の会長の誘拐。武装して組織に乗り込み、派手に部下どもを殺しまくって、首尾良く誘拐に成功。ついでに誘拐してきたのが会長の娘。これがまた、よく見ると小悪魔的な美人ちゃん。しかしさらによく見るとそれは、若き日の三田佳子。ああ、歳月は残酷。って、大きなお世話。 とにもかくにも誘拐に成功し、身代金をせしめようとするが、そこからがうまくいかない。敵に囲まれ、絶体絶命。映画は籠城モノの様相に。 そしてクライマックス。ひたすら銃撃戦、これでもかと銃撃戦。クルマに積まれたダイナマイト(中盤に一度登場、そのシーンが格好いい)もさらに戦いに加わって、ド派手に盛り上げます。 何というか、低予算ならではの荒々しさ、みたいなものがありますね。これは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-29 22:30:30)《改行有》

108.  男の顔は履歴書 男の顔は履歴書、だなんて言われても、とても私の顔なんぞまるで履歴書っぽくはないのだけど、これが安藤昇だとドンピシャ当て嵌まる。「現在」の顔は眼鏡にヒゲの典型的な中年オヤジ風、しかし頬の傷は間違いなく、彼の過去を語ってます。さらにはこの、冷たい眼光。この顔ならば、セリフが棒読みであればあるほど、かえって迫力が。 そこから場面は敗戦まもなくの、闇市へ。この後も時代がアチコチに飛び、さらには中途半端な独白が入ったりして、多少ヘンな映画ではあるのですが、それでもなお、独特の迫力が。 朝鮮人の一味の横暴なども描かれるけれど、登場人物それぞれが皆、それぞれの言い分、それぞれの思いがあって。あ、菅原文太はあまり無さそうですけどね。 クールな安藤昇の弟役に、伊丹十三。「ゆーとぴあ」かと思ったぞ。とくに言い分が多そうな役で、映画を盛り上げます。 でもって、映画にさらに迫力をもたらしているのが、例によって独特のローアングル。そしてクローズアップは、被写体が画面からはみ出んばかり、まさに、はみ出るかはみ出ないかの臨界状態。 クライマックスの銃撃戦、斬り合いも、もはや、尋常なものではなく、凄まじいエネルギーを放ってます。 ちょっと意外な、しかしこれしかないだろ、という絶妙のラスト。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-17 22:52:23)《改行有》

109.  浮草物語 旅芸人の一座がとある町にやってきて、それがいかにも街道沿いの宿場町か何かみたいなことろ。風情があります。 で、その町には、一座の親方の元妻と元息子、いや息子に「元」は不要ですね。「元」をつけると何だか今では娘になってしまったみたいで、決してそうではありません。それはともかく、彼らの存在が嫉妬を呼んで、思わぬ展開となっていく。前半は(自分が実の父とは知らない)息子と一緒に釣りに行ったり、わりとホノボノしたシーンが続き、そこから後半は波乱の展開。余韻を残すラストまで、なかなか巧みな物語構成で、グイグイ引っ張っていきます。 クライマックスで、一座の娘が二階に上がり、息子と視線を交わす場面、その無言のやり取りの雄弁さ。まさにサイレントならでは。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-16 23:03:21)《改行有》

110.  暴動島根刑務所 いや~~~これはヒドい(笑)。アナーキズムの極致。全編コレ、人を殴る蹴るの効果音。 兎にも角にも、松方弘樹の反骨精神とバイタリティ。クライマックスではそれが周囲に伝染感染パンデミック、大暴動に発展して、これはもはや、囚人村と看守村との、ケンカ祭り。 そこまで、やるか。 リンチ、暴動、そしてラストの鉄橋のシーンまで、ひたすら突っ走り続け、呆れつつも圧倒されます。 それにしても恐るべきは、70年代東映。70年代というだけあって、どう頑張っても10年間しかないワケで。もしも70年代があと2~30年も続こうものなら、日本映画界はいったい、どうなってしまっていたことやら。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-07 22:47:05)《改行有》

111.  関東テキヤ一家 天王寺の決斗 《ネタバレ》 持ちギャグそのまんまでは無いですけれど、一応、冒頭から岡八郎の「えげつなー」と由利徹の「オシャマンベ」が続けて聞ける、これは貴重かも。 と、ユーモアが散りばめられてはいるものの、バイオレンス巨篇です、ハイ。「関東テキヤ一家」の菅原文太が、ひょんな事から一人、大阪は天王寺界隈にやって来て、悪徳業者の地上げ騒動に巻き込まれる。 天王寺の喧噪を高所から俯瞰したカメラは、今ならハルカスから撮影するところなんでしょうけれど、当然まだ建ってない。ハテ、当時どこから撮ったんだろうか。いずれにしても、今の天王寺とは一味違ったごった煮感が溢れてます。 それにしても、清川虹子のド迫力。ちょっと、夢に出てきそうな(笑)。 二組の「兄と妹」のストーリーへの絡め方も上手く、動きのある物語展開に、目が離せません。悪役の遠藤辰雄の如何にもワルそうな感じ、さらに小池朝雄は丸刈りで不気味さすら感じさせます。 リンチシーンあり、ブルドーザーでのバラック街破壊シーンあり、そしてラストの殴り込みシーンの凄まじさ。まさに見せ場の連続です。 一方、途中でなぜか一瞬だけ、殆ど脈絡なく舞台が高山市に移るのですが、ここでも祭りあり、雪を被った遠景の山々あり。脈絡なくてもやっぱり、いいシーンなんです。[インターネット(邦画)] 8点(2022-03-02 22:54:44)《改行有》

112.  嗚呼!!花の応援団(1976) ビーバップハイスクールの原点にして到達点!? いや、片や硬派の極致、片や軟派の極致、のはずなんですが、一周回って両者、ほぼ区別がつかなくなっているという・・・。 ひたすらおバカで、害虫なみの存在感しかない、南河内大学応援団の面々。そのひたすらおバカな生態が描かれて。取り柄と言ったら、不死身であることぐらいでしょうか。一体、何のための不死身なんだか、よくわからんけど。しかしこの、どこまでも無目的な生命力と、そこから生まれるアクションの坩堝。いや、素晴らしい。 そして、そんな彼らでも、いや、そんな彼らだからこそ、どうにもならない哀しみがあって。その先には、突き放すような突然のラスト。ロマンポルノ以上にロマンを感じてしまうではないですか。こんな映画なのに。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-28 22:37:56)《改行有》

113.  ビリケン 最近の通天閣では、別料金払ったら展望台の上のテラスみたいなところに上がらせてくれるんですが(前に行ったときはお土産にレトルトカレーくれた) 、なんとこの映画では、そのさらに上、テッペン中のテッペンのトンデモないところに人が立ってます。それを空撮でぐるりと周りから撮影して。いやはやホントにトンデモないシーンに、度胆を抜かれます。 最近でこそ注目の観光スポットに返り咲いている通天閣ですが、この頃はよほど閑古鳥が鳴いててロケし放題だったのか(?)、なかなか臨場感、コテコテ感が溢れる作品になってます。 大阪のユルユルでダメダメなところが、通天閣のグダグダなところと重なり、さらには、大阪人のセコさがそのまんま神様であるはずのビリケンさんのセコさにも投影されていて。もうこの時点でこの映画、何が起きてもおかしくない(笑)。物語の中心はオリンピック誘致に向けた地上げ騒動、だけど、そこにはさらに、笑いを呼ぶエピソードがたっぷり盛り込まれていて、個人的には大満足の作品です。ラストは雑踏に消えていく、何と庶民的な神様であることか。なぜか感動してしまいます。 それにしても、登場する光景はすべて新世界の近くなんですかね?ちょっと意表をつく光景も登場しますが。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-23 20:46:03)《改行有》

114.  噛む女(1988) 《ネタバレ》 永島敏行演じる主人公はアダルトビデオ会社を経営してて、ちょいと女性の扱いに荒いところがある。言ってみれば趣味と実益の境界が曖昧になってる、職業的エロオヤジ。 そうなると何となく、ロマンポルノの巨匠・神代辰巳監督にこの主人公の姿を重ねてみたくなったりもするのですが、多分そういう見方は適切じゃない気もする。しかしそれにしては、ラストの不思議な情緒は、一体何なのか。 ラストでこの不倫サスペンスの事件の真相が明らかにされ、こういう「真相の暴露」はしばしば映画を味気ないものにしがちなんですが、この作品はそうはなってません。事件の意外性よりも、人間の意外性、とでも言いますか。だからこその、余韻。 しかししかし、タイトルが『噛む女』で、実際、主人公が女性に噛みつかれるんですが、一体どういうワケで噛みつくんだか、よくワカラン。ははは。このワカラナサが、いい。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-21 22:46:40)《改行有》

115.  愛のむきだし タランティーノが『パルプ・フィクション』で取り上げたように、アメリカを代表するサブカルチャーがパルプマガジンの三文小説であるならば、日本を代表するサブカルチャーと言えば?マンガ?アニメ? いや、サブカルを名乗る以上は、もっと「サブ」で無いといけない、どからそれはやっぱり、「エロ本」でしょう、と。そこには間違いなく欲望と才能とエネルギーが渦巻き、クダラなくもスバラしい何かが生み出され続けてきたワケで。今やpanchiraは世界共通語。かどうかは知らんけど。かつてエロ本界を代表する雑誌の一つであった「投稿写真」の最終号には、社会学者の宮台センセのインタビューも載ってたっけ。などと思い返しながら観てたら、この映画にも一瞬、宮台センセ本人が登場して、ビックリした(笑)。 家族「愛」とか、男女の「愛」とか、作品のテーマは極めて一般的、普遍的なのに、どうしてここまでネジクレ返ってしまっているのか、壮大な、誠に壮大な廻り道。対極にある「孤独」をも描くからこその、廻り道でしょうけれども。 このネジクレてブッ飛んだ世界を、4時間やり切ったことがまず、素晴らしいです。4時間、退屈させないということがすでに、作品の動機の一つになってるような。 最後のThe Endで、映画が無事に終わったこと自体に笑いが込み上げてしまう。稀有の経験です。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-20 21:53:08)《改行有》

116.  太平洋奇跡の作戦 キスカ アリューシャン戦線についてはアッツ島玉砕ばかりが語られている印象で、私もこの英語が無ければキスカ島なんて、知らなかったかも。 戦争映画とは言え、撤退作戦を描いた作品。爆撃シーンが随所に挟まれるけれど、引き込まれるのはやっぱり、撤退作戦の行方。しかしまず、こんな極寒の地にも日本兵が送られてアメリカ軍と戦ってたんだなあ、という感慨こそ、この作品の映像がもたらす最大のインパクトかも知れません。 もちろん、大がかりなロケ撮影だけでなく、ミニチュアによる特撮もまた見せ場。というか、ミニチュアとの合成映像の巧みさが、とてつもなく効果を上げてます。 タイトルからして、作戦はどうせうまくいったんでしょ、という想像はつくものの、作戦の困難さにはヤキモキさせられて。その中で下される「決断」、これが映画を動かし、我々の心を動かす。 この後も泥沼のような戦局が続くとは言え、いったんは大団円。兵士たちの笑顔。たまにはこういう笑顔で終わる戦争映画があったって、いいじゃないですか。三船敏郎はハッキリとした笑顔を見せないものの、まるで笑みがこぼれるのをこらえるような、イイ表情で映画を締めくくってます。[インターネット(邦画)] 8点(2022-02-06 12:58:37)《改行有》

117.  逆噴射家族 家族のために買ったマイホーム、だけど、家族あってこそのマイホーム。家族がいなきゃ、意味が無い。 最初の方で皆で寿司を食べる場面があって、凄絶な紆余曲折があった挙げ句、最後はまた皆で食事をするシーン。 食卓を囲むから、家族なんだよね、と。 しかし、そこに至るまでに、いやはや、ここまで回り道をしなきゃいけないんでしょうか、という、果てしなきハチャメチャバトル。シャイニングも八つ墓村も真っ青、といったところ。 幸せって何だろう、という点では何の参考にもならないけれど、それを考えるキッカケにはもしかしたらなるかも知れないし、ならないかも知れない、そんな映画。[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-31 22:31:36)《改行有》

118.  天使のはらわた 赤い淫画 《ネタバレ》 お気に入りのエロ本のモデルの実物に接することができれば・・・などというのは、世の男性にとってまさに夢のような話、それも決して実現などしない、してはいけない禁断の夢、なのであって、もしももしも万が一にも、そんなコトが実現しようものなら、もう刺激が強すぎて、男は死ぬしか無いでしょう。ははは・・・。自分のドッペルゲンガーに出会うより、致死性が高そうな気がする。 と言う訳で、そんな目にあってしまった男は、必然的にその罰を受けることになるのだけど、それにしたって、変質者と間違えられて人々の憎悪を一身に受けながら絶命する彼は、そこまで罪深い存在だったのか。 という男の哀れさが、この作品では物語の中心ではなく、片隅で描かれている、というのがまた、スゴくもあり、エゲツないところでもあります。物語の中心はあくまで、彼の崇拝の対象である女性の方。だけど、女神サマでも何でも無く、ひとりエッチにふけったり、会社の上司の不倫相手となった挙げ句に捨てられたり。彼女には彼女の孤独がある。 じゃあ、ますます哀れな男の孤独はコレ、どうしてくれるんだ、と。いや、どうにもなりなせん、ハイ。そういうもんです。所詮、コタツ以下の存在なのです。 で、そんなオレだけど、せめて傘だけは、返しておきたかったんだ、と。 いかん、この書き終わり方ではまるで、安部公房の「ユープケッチャ」ではないか。[インターネット(邦画)] 8点(2022-01-30 10:30:16)《改行有》

119.  実録外伝 大阪電撃作戦 何がどう「実録外伝」なのか。『日本暴力列島 京阪神殺しの軍団』に続いて明友会事件を取り上げたから、ということなのかもしれないけれど、『日本暴力~』の方は「すべてフィクション」という断り書きが入っており、内容も特定の事件をフォーカスしたものでもなく。一方の本作は、やはりフィクションだという断り書きは入っているものの実際の事件を基にしていることは認めていて、実際の事件に沿っている部分も多いようです。 作品の特徴は、事件で「敗北する側」を描いたこと、滅びの美学みたいなもの。 最後の晩に乱痴気騒ぎやって、一気にに追い込まれていく姿、しかしその中でしっかりと、今で言うところの「インディー魂」みたいなものを見せつける。 松方弘樹はコワモテの演技が堂に入ってて、さすがと思わせますが、渡瀬恒彦は完全に目が据わっていて、うわー何だかホンモノだなあ、と。ちょっとレベルが違う。けど出演者全員がこのレベルに達してしまうと作品が成立しなくなっちゃう。 敗れ去る者を描くが故の、独特の迫力があります。[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-18 20:25:43)《改行有》

120.  新・仁義なき戦い 組長の首 とうとう、これはフィクションです、というテロップが冒頭に登場し、もはや仁義なき戦いでも何でも無くなってしまったのですが、これが意外に面白い。とは言っても、こんなのを面白がってていいのか、という不安は何となくあるんですけど、面白かったんだから仕方がない。 刑務所で過ごした7年間の補償として500万円を要求する、菅原文太の狂犬ぶり。というほど自身で何をするわけではないけれど、それでも「何をやらかすか判らない」という危険な匂いがプンプンと。それ以上に異常な、山崎努の狂人ぶり。それって、いつも通りじゃないの、という話もありますが、兎に角、危険な匂いが充満していて。 若者が呆気なく命を落としていく、という点、仁義なき戦いの世界を感じさせる部分ではありますが、芋クサく泥クサいカーチェイスは実録路線から大きく逸脱していて、意表を突かれます。さらにはひし美ゆり子姉さんの脱ぎっぷりの良さ。確かにこりゃ、フィクションだ。 という、だいぶ変な路線にはなってますが、単純に欲望が突っ走ってる感のある内容が小気味よく、これはこれで、魅力的な作品だと思います。[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-14 22:45:23)《改行有》

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