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2. おくりびと 《ネタバレ》 いい映画なのに残念。テーマもいいし、本木雅弘や大御所らの演技もいい。淡々とした雰囲気もいい、ユーモアのセンスもいい。ただ、人間描写にリアリティーが感じられない。妻や友人、周囲の人が"納棺師"に対する偏見を、あんなに露骨に表すのは現代社会では不自然。あんな偏見があることを私は知らないし、もし、偏見を持った人がいたとしても、それを表面に出してはいけないことなど、現代の社会人ならわかっていて当然。"納棺師"の仕事を目の当たりにして、理解を示すようになる彼らの心の動きも、取って付けた様で違和感をおぼえる。彼らはバカなのか、とさえ思ってしまう。こういった真面目なテーマの映画は、もっと微妙な表現をして、現実みをおびてこそ、本当にいい映画なのではないかと私は思う。特に妻の役は、非常に難しい演技が求められる役どころ、もっとどうにかならなかったのか・・・。 [映画館(邦画)] 6点(2009-05-01 23:18:27)《改行有》 3. 人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 アニメで、このような表現ができるとは驚いた。アニメファン以外にも観ていただきたい作品である。 ・・・ 淡々とした冒頭のナレーションが、重々しい雰囲気を醸し出す。 荒廃した時代背景。下水道で作戦を企てるテロリスト達。高度な技術で描画されるトコトン暗いシチュエーションは、 これから起ころうとする何かを予感させ、緊張感を高めてゆく。その緊張感を突き破るように現れる特機隊、 この迫力は凄いとしか言いようがない。 アクションシーンは、これでもかとばかりに押し付けがましく見せられると辟易する。 また、同じアクションシーンでも見せ方によっては陳腐なものになってしまうだろう。 しかし、この「人狼」は違う。少ないアクションシーンを、静けさの中に見事に際立たせている。 静と動のコントラストが、迫力を増すのに素晴らしい効果を生んでいると思う。 登場人物の表情についても、同じことが言える。主人公の伏をはじめ、無表情なシーンが多いが、 だからこそ悲痛な叫びを表す表情に迫力が出るのだと思う。 終始喜怒哀楽を表していたのでは、大切なシーンでの表情が埋もれてしまったであろう。 ストーリーに童話の赤頭巾をオーバーラップさせ、悲恋の物語としているところも、絶品である。 多少難解とも思えるストーリー、さらに細かい説明を省略する手法は、観る者を検閲するかのように集中力と洞察力を要求する。 たが、ひとたび物語りに引き込まれると、自らの力で展開を解読してゆく快感から逃れられなくなる。 それゆえ、伏が雨宮を撃ち殺すラストシーンは、悲しいとか悔しいとか一言で表現できるものではなかった。そこには、 頭を何かで殴られたように、ただ呆然としている私がいた。10点(2004-07-20 00:41:15)(良:1票) 《改行有》 4. ラスト サムライ このように重厚に作られた映画を見るのは久しぶりだ。それぞれの俳優に存在感がある。音楽のマッチングもみごと。戦闘の場面は、静から動へと変わる映像により、より迫力を増している。オルグレンが勝元やサムライの魅力に惹かれていくなどの展開にも説得力かあり、シンプルなストーリーに物足りなさは無い。いくら歴史的に忠実に作ったとしても、いくら凝ったストーリーにしても、安っぽい映画は見るに耐えない。それに比べ、この映画は製作者チームの魂がこもった傑作だと、私は思う。9点(2003-12-16 19:37:02)(良:1票)
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