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1. 風、スローダウン
上映当時、京都の映画館で見て大号泣しながら、新京極を歩いていたことを覚えています。
ストーリーは陳腐なのかもしれないし、主演の石田靖もお世辞にも演技が上手いとは言えませんが、これほど青春の残酷さと美しさを描いた映画はないと思います。
監督の島田紳介はおそらく意図していなかったと思いますが、青春というのは、この映画にも出てくるバイクレースの様なもので、何時の日か否応無くシグナルは青に変わり、僕達は人生のレースに駆り出されるわけですが、そのレース前に許されるフォーメーションラップの1周の猶予の間に、僕達はどうしても夢や希望を持ってしまうわけです。
この映画に登場する若者達の夢は、残酷にもいともたやすく現実にいうものに打ち負かされ、消えていくわけですが、それがために、夢を追いかけている時の姿は、大阪の街は汚いし、演技は下手ですが、青春のはかなさと美しさに満ちていたように思います。
最後、石田靖がレースで転倒し、エンジンが使えなくなった時に、監督が交換用のエンジンを石田靖が売っぱらったと聞いて、そのときに浮かべた、「とうとう彼にもこの時が来たか」といわんばかりの笑顔が印象的でした。[映画館(字幕)] 10点(2005-06-24 06:44:53)(良:3票) 《改行有》
2. ウインダリア
本当は9点をつける程の映画ではないかもしれませんが、10年以上も昔に初めてみて、その時に号泣した記憶が未だに残っているもので…。その後同名小説を買って読み、また号泣。
いまでも、ラストシーン近くを思い浮かべると、涙腺がやばくなってきます。
「約束」をテーマにした悲しいお話が、美しい映像の中で展開されていきます。特にラストシーンのウインダリアの木の姿は、本当に美しく、自分の愚かさを悔やむ主人公の姿と対照的でした。9点(2004-03-13 11:48:49)《改行有》
3. 耳をすませば(1995)
30歳近くになって初めて見たのですが、やはり話の青臭さがちょっと…。僕も学生の頃は「人生を頑張ろう、よりよい人間になろう」と思い、努力したこともありましたけど、頑張ってもそれほど見返りはないし、それほど周りもいい人間ばかりではないことをわかってしまっているわけで、主人公の純真さ、けなげさに共感しきれませんでした。丁寧さは感じるのですが、物語に浅さを感じてしまいました。5点(2004-03-13 00:02:28)
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