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1. インスタント沼
いろんな小ネタ(シュール系)を混ぜ込むこういうタイプの演出が楽しいという人もいるのだろうか。この監督のギャグセンスは何もかも空回りのダダ滑り。
作り手が面白い(と思ってる)ネタを詰め込んだスクラップ帳をそのまま語り手の好き勝手なノリで見せ続けられていく感じ。
お笑い芸で例えるなら、自分のとっておき自信の持ちネタをとにかく全部見せたいがために口からツバを飛ばしながら聴き取れもしないくらい早口で捲くし立ててオチも不可解なまま「続きましてぇ~」と客をガン無視して独演会し続けている。
つまらない芸人の中でも特に忌み嫌われる最悪の芸風。
劇中のくだらないギャグの数々(セリフや風景などの細かい小ネタ演出)の速射砲のごとき連発はその1つ1つを受け手に味わってもらおうとする事すらハナから放棄している。
それらのネタ1つ1つを見る側にしっかり咀嚼させて感想を抱く暇すら与えず、自己満足なギャグ演出をただただ披露していくだけ。
面白い(と思ってる)ネタをひたすらマイペースに披露してマスターベーションしてるだけのこの監督には映画「キングオブコメディ」の主人公を思い出す。
声を張り上げ終始イライラ怒っているだけのヒロイン麻生にも魅力も愛嬌も感じられずミスキャスト。[DVD(邦画)] 2点(2014-11-09 11:28:52)《改行有》
2. Shall we ダンス?(1995)
この監督のかったるく野暮ったいセンスが少々苦手で、この映画で彼が(個人的好みだけで)起用した当時演技ド素人だった草刈民代→のちの監督嫁さんの棒読みロボット演技も、誰が見てもわかる通り最初から最後まで完全に大事故を起こしている。
本当によくまあ(個人的好みだけで)こんな能面レベルの乏しい表情で棒ゼリフを口から吐いて踊るだけのヒロインで最後まで撮りきったもんだと。よくまあ映画会社側もGOサインを出したもんだと観る度に感心させられる。
「この年こんな棒ヒロインに最優秀主演女優賞までやっちゃった日テレアカデミー賞って本当に画期的だなと思いました」(棒)
しかしそんな珍品映画でもたまに気まぐれに観たくなる理由は、やはり「渡辺えり子」。
彼女のまさに個性派キャラ女優としての本領発揮!卓越したバイプレーヤーぶりを存分に見せてもらえるから。
素人ロボット女優と同じ画面に並ぶ形になってその対比はいよいよ凄まじく、大会観衆のごとく「えり子ブラボー!!」と叫ばずにいられない。[DVD(邦画)] 5点(2014-07-13 21:22:00)《改行有》
3. 火垂るの墓(1988)
《ネタバレ》 原作小説は未読な為、あくまでこのアニメ映画に限っての感想として。「名作」「号泣必至」といった絶賛を各所で耳にしていただけに、こんな「ただの自業自得主人公」ストーリーだったとは驚いた。
このアニメで作り手側はいったい何を訴えたかったのか?ただ首をかしげたくなるばかりの物語。
戦火で親を失った不憫な境遇とはいえ、その後の主人公の取っている行動があまりに不遜で身勝手。
感心するほど同情の余地がない。あえて「同情できない主人公」という奇抜な演出設定なのかとすら思ったが作り手はそのまま「ほら可哀想でしょう」というスタンスなのが驚いた。
戦時下を生きて死んだ子供の物語で、まさかその子供主人公に苛立ち憤りまで感じさせられることになるとは。
ジブリとしてアニメーション描写はさすがに緻密だが、そこだけしか取り得がない、話の根幹が語るに全く値しないロクでもない話。
力の入ったアニメ描写で駄話をさも悲しげに語り、一部の(雰囲気に丸め込まれやすい)人達を煙に巻いてまんまとお涙頂戴している、これぞ悪質な「駄作」。
我が国で現実にあった戦時中という間違った料理などしてはならない極めて重い題材だけに、このアニメ屋達のズレた悲劇陶酔ごっこがつくづく腹立たしく許し難い。[DVD(邦画)] 0点(2014-05-30 13:17:10)(良:7票) 《改行有》
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