|
1. パフューム/ある人殺しの物語
《ネタバレ》 劣悪な環境で生まれ育った男は人を愛す/愛されることを知らない。道徳/倫理などもってのほかだ。ただ自分の感覚・本能に従って行動するだけ。「匂い・臭い」に執着しながらも自分にそれがないことを知ったとき、それを無我夢中で追いかける男の姿は滑稽にも哀れにも映る。処刑台の上で男は自分の犯した殺人の罪の意識と共に自分が本当に求めたいたものを知る。男の涙は自分の愚かさの象徴とともに失恋の痛みでもある。原作は未読だが、男が自分の人間性を認識する装置としてラストは必要だったのではないか。殺人は行き過ぎかもしれない。しかしもし男が普通の環境で生まれ育っていたならば調香師として成功し普通に恋愛し家庭を築いていただろう。私には男はとかく不器用な人間にしか見えない。彼の心の痛みは私達の心の痛みでもあるのではないか。[映画館(吹替)] 8点(2007-03-16 17:39:00)
2. サロメ(2002)
《ネタバレ》 アイーダ・ゴメスのダンスは文句なし。迫力あります。でも、映画の内容の問題と言うよりも、舞台の演出自体がちょっと不満。①七つのヴェールの踊りなんだけど、せっかく様々な色の布を重ねて衣装を作っているのに、あのダーク・オレンジの照明ではそれが生かされていない。②最後の最後で○○を出すなら、ダンスシューズも脱ぎましょう。フラメンコだから仕方ないかもしれないけれど、最後のシーンでは裸足だったし。③ヨハネの首にキスするシーンがどうも私には欽ちゃんの仮装大賞に見えてしまって…。というわけで6点です。生の舞台が見たい。6点(2004-03-12 19:29:18)
|