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1. マラドーナ
《ネタバレ》 サッカーは好きだが熱狂的なマラドーナファンというわけではない、という人間が観た感想ですが、個人的にはまあまあ楽しめました。マラドーナとクストリッツァの距離が近いので、映像的にはここでしか見れない価値のあるものばかりなんじゃないかと思います。時折入るマラドーナ教の紹介もおもしろかったですね。個人的なハイライトシーンは、マラドーナが「神の手」という自分のことを語った歌を歌うシーンです。なかなか歌が上手いし、曲自体もかなりよかったです。構成としては、素人には分かりづらいかと思います。シーンがブツ切りになっているので、前後関係は分かりづらく、これでマラドーナの人生が順序よく分かるかといえば「?」が浮かびます。[DVD(字幕)] 6点(2010-06-29 13:15:44)
2. ロスト・チルドレン
《ネタバレ》 この奇妙な世界観はかなり人を選ぶと思いますが、自分にはバッチリツボでした。登場人物も造型から性格まで全員が魅力的。もっさりしたバールマンを主人公に据える感性からしてすごい(笑)ミエットは可愛過ぎです。ストーリー的にもうひとひねりあるとよかったかな。[DVD(字幕)] 9点(2009-02-03 19:24:49)
3. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 一言ではジャンル分けできない、不思議な味のある作品。個人的には、ファンタジー映画の様相を呈した、ヒューマンドラマだと思っています。この映画は、表面だけをなぞれば、どうしようもなく暗くて辛い映画に見えるでしょう。そこにファンタジーの要素、つまり、オフェリアの空想が絡んでくることで、ある意味では作品の様相がすっかり変わってくるなぁと思いました。父は自分に愛情をそそいでくれず、最愛の母は難産の結果他界してしまう、そんな絶望的状況下の現実の中で、オフェリアはパン(空想)と出会い、ほんのわずかな希望を見いだしました。そしてオフェリアは、その空想を最後まで、それこそ命を落とすまで信じぬきます。辛い現実の中で幸せな空想を見ることが出来た、それはつまり、父・ヴィダル大佐を含むどんなつらい現実も、一人の少女の頭の中まで蝕むことが出来なかったということです。一人の人間が頭の中で考えることは自由だ、ということですね。オフェリアは大佐に撃ち殺されましたが、その瞬間まで空想を信じていたオフェリアの心の中は、とても安らかでした。つまり、心の有り様では、ある意味オフェリアの勝ちと言ってもいいのです。単純なハッピーエンドとはとてもいえない映画なので家族向けではありませんが、不思議な印象の残る名作だと思います。ひとつ疑問があるのは、ベッドの下の動く植物(マンドラゴラ?)を大佐が見つけるシーンですね。あの場面では、たしか大佐にも植物が見えていた気がしますが、あれは空想ではなかったのでしょうか。まぁ、実際には別の変なもの(ぬいぐるみとか、とりあえずベッドの下においてあったら変なもの)が置いてあって、オフェリアだけが変な植物だと空想していた、と考えればいいのかな…?[DVD(吹替)] 8点(2008-08-03 11:29:24)
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