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1. 世代
《ネタバレ》 どちらかというと暗い設定の映画のはずだと思うんですけど、主人公のスターショ青年(原語ではスタフとも読めるが字幕がスターショだったのでそのまま使います)を見ていると妙に明るい気持ちになります。これが若さなんでしょうね。秘密会合で一本の煙草を回し飲みするシーンとか、ドイツ兵を酒場で射殺するシーン、あるいはヤーショの最期のシーンとか印象深い場面がたくさんある名作ですが、やはり何と言ってもラストでしょうね。ちょっと言葉が出ないというか、心打たれますね。そんなにたくさん映画を観たわけではない自分が言うのもおこがましいですけど、ラストが印象的な映画を5つ挙げろと言われたら、真っ先にこれですね。戦争もの特有のドンパチはまったくといっていいほどありませんが、いい作品だと思います。[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-09-18 22:04:21)
2. クオ・ヴァディス(2001)<TVM>
《ネタバレ》 ポーランド製作だけあってキリスト教に対する深い思い入れを感じさせる本作。原作未読のうえ、時間が長く、登場人物も多そうなので解り難いかと思ったが、マルクスとリギアの恋愛話が基本ラインなので、ここだけ抑えておけばそう混乱することもないかと思います。派手なアクションシーンこそないものの、皇帝ネロの残虐性といったものもよく表現されているし、ネロの側近にしてマルクスの叔父であるペトロニウスの面従腹背ぶりもドラマをよく引き立てている。ただ皇后ポッパエアとリギアとの「女の戦い」といった要素があまりなかったのが少し不満なのと、章と章の間に入るクレジットが邪魔なような気がする。流れが途切れる感じがするので、こういうのはDVDでは消して欲しかった。あとは、まあ、なんといってもリギア役の女優マグダレナ・ミェルツァシュの美しさですかね。世の中にはこんな綺麗な人がいるんですねえ…。もうここまでくるとほとんど芸術作品ですな。一日見ていても飽きないという。まさに天は二物を与えた![DVD(字幕)] 9点(2007-09-18 23:21:31)
3. 影(1956)
松本清張の小説に「日本の黒い霧」というのがあるが、これはまさにポーランド版「黒い霧」のような感じの作品だ。戦時中に起きた3つの不可思議な事件をオムニバス風に取り上げているわけだが、それぞれの事件が独立して映画にできそうなほどストーリー的にとても面白い。ひとつの作品の中にまとめてしまうのがもったいない感じがする。日本でも第二次大戦中から戦後にかけて、例えば、帝銀事件や三鷹事件などGHQがらみ(と言われている)の謀略事件が頻発した時期があったが、戦争が引き金となって組織と組織、体制と反体制のせめぎあいが起こるのはどこの国でも同じのようだ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-02-26 18:40:01)
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