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プロフィール |
コメント数 |
2112 |
性別 |
女性 |
自己紹介 |
周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。 映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。 |
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1. ホテル・ムンバイ
《ネタバレ》 ホテル・ムンバイの中に連れて行かれたような凄まじい臨場感でした。回廊の中を逃げ惑い、非常階段を駆け下り、背後からあるいは頭上から雨あられと銃弾を浴びせられるような。実話だということで恐ろしさは五割増し、ダイ・ハードを観ていた時の‶ハラハラを楽しむ”心の余裕はゼロです。
そう、マクレーンのような絶対的ヒーローが実話にはいないのです。アーミー・ハマーが手縄をこっそりほどくことに成功しても活躍には至らない。「元」プロ軍人のロシア人ですら丸腰では戦えない。地元警官二人も犯人狙撃に成功しない。この ‶上手くいかなさ”が痛いほどに現実的なのです。
それなりの存在感を与えられていた人物が容赦なく死んでゆく。誰が生き残るか全く読めない。テロのリアルな恐ろしさがここにあります。
犯人らの余りに非道な行いには震えるほどの怒りを感じるけど、こんな凶行に及んだ彼らの目線も織り込んであって考えさせられます。絶望的な格差社会の底辺で貧困にあえぐ彼らの家族。希望したレストランが満席なくらいで機嫌を損ねる金持ちがいる一方で、水洗トイレすら知らずに育つ若者がいる。そしてそんな貧者の心に宗教をもって入り込んで人殺しの駒に使う指導者。悪いのは誰なのか。単純に答の出せない今世紀の大問題をも提起した作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2021-10-16 23:17:26)(良:2票) 《改行有》
2. クラウド アトラス
《ネタバレ》 いや、始まってたっぷり一時間半は何がどうなってんのか、おそらく学生の頃必修物理を受けさせられていた時の顔になっていたと思う。だって六本もあるんだよブツ切りのお話が!「あれ、ええとこの人はどういった描写からスタートしてどこまで行ったんだっけ」と話が切り替わる度記憶を遡らなくてはならないし、その間も話は進むしで、客に親切な作りではないですねえ。ワタシはほぼ根気試しみたくなりました。
でも中盤を過ぎるとようやく外枠を掴めてきます。ソンミの命をかけた想い「きっと誰かに届いている」がそれこそ全六話に通じていたのだと判ったときは感動を覚えますし、彼女の「死はひとつの扉にすぎない」も輪廻をざっくり言い表したフレーズで印象的でした。
けど三時間もの長尺、深遠そうなテーマ、何人分も演じた役者の仕事ぶり、お金のかかってそうな画、と構えがとにもかくにも大仰。残念ながらそれに見合うような鑑賞後の充実感には遠いです。「ああ、そういう仕掛けだったのねなるほど」どまりの感想になってしまうのはなんかねえ、残念ですよね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-03-14 16:41:03)《改行有》
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