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プロフィール
コメント数 3881
性別 男性
年齢 53歳

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1.  暗殺者の家 《ネタバレ》 この映画、原題は「知りすぎていた男」といって(笑)、要するに後のリメイク作は同じタイトルで作られた訳ですが、かなりの改変が行われています。キーワードとなる幾つかの設定は共通しているものの、殆ど別の映画、という印象。むしろ、リメイクでどこが再び採用されたか、なんてのも興味深いところ。 すぐに目につくのは、暗殺の直前に画面の右から左へ銃口が伸びてくる、あのシーンですかね。やはりアレは落とせない、と。一方で、暗殺の顛末をその瞬間には見せないのが、このオリジナル作。なるほど、そのテもあるワケですな。 この作品、リメイク作に比べるとかなり短く、尺にして3分の2に満たないコンパクトさ。まだサイレント映画の香りも残ってて、乱闘シーンにおける短いショットの積み重ねなど、コンサートシーンのクライマックスに劣らず印象的。 さらにはこの乱闘の騒動をオルガンの音でごまかそうとするあたりは、クライマックスに向けて我々に対し「音」に注目させようとする布石にもなってたり。 ラストは銃撃戦に発展し、この点に関しては、親子愛にスポットを当てたリメイク作よりも「大ごとに発展しちゃいました」というダイナミックさがあります。屋根の上という不安定さがもたらすスリル、そして伏線が効いたオチ。 子供を助けたい気持ちは父も母も同じ。という点は、オリジナルもリメイクも共通ですね![インターネット(字幕)] 9点(2022-04-10 12:21:54)《改行有》

2.  悪魔のバージン 写真撮影のモデルをすることになり、どこぞの寂れた田舎にやってきた姉妹。いざ撮影が始まると、「じゃあちょっと、脱いでみようか」、というお約束の展開が待っていて、やたらと脱ぎまくる。 そこは実は、何やらアヤしい宗教の信者が集うところで、彼女たちもその儀式に巻き込まれてしまう、というのが本作品の見せ場、であるハズなのですが、脱いでばかりでオハナシがなかなか進まず、「いい加減脱いでるヒマがあったら話を先に進めろよ」という気持ちにもなってくるのですが、大した事件も起こらないまま、中盤、ハダカ率がやや下がってくると、「せめて脱げよ」という気持ちにもなってきます。 結局、儀式といっても、ハダカ踊りとか乱交とかいった類であり、何一つコワい要素が無いもんで、私もコレをホラー映画に分類することには、強く強く反対したいです。ハイ。[インターネット(字幕)] 3点(2021-09-05 14:17:56)《改行有》

3.  アルフィー(1966) 《ネタバレ》 若き日のマイケル・ケインが色男の女たらしを演じていて、大丈夫なのかな彼につとまるのかな、と少し心配になりますが、他の男性出演者の容姿レベルを落とすことで何とかサマになってるような(?)。 恋愛観だか何だかをカメラの向こうの我々にしきりと語って聴かせ、とりあえず彼なりのコダワリはあるようなのですが、見ている限り、節操なく片っ端から女性に手を出してるようにも見えて、まるでその後の彼の俳優人生における役選びそのもの、と言ったところ。 好き勝手やってるようでも、実はシガラミに縛られてる訳で、何せ男女のこと故、「妊娠」ってのがそこに絡んでくる。子供が生まれてみりゃ、これもイイもんだ、と思ったり、はたまた堕胎の現実を目の当たりにしてショックを受けたり(その前触れのような、窓の外の雨)。 最後はドン・ジョヴァンニに地獄に堕ちちまえ、ってなもんですが、この程度では人間、なかなか地獄には墜ちないみたいですな。しかし歳とともに、上手くいかないことも増えてきて、何となく寂しい気持ちにもなって、反省する気はさらさらないけど、徐々に生活も変わっていく。さて、こんなヒトもいずれは、いいお爺ちゃんに、なるんですかねえ。[インターネット(字幕)] 7点(2021-09-05 13:07:56)《改行有》

4.  アイズ ワイド シャット この映画が言わんとしていることは、額面通り受け取ると要するに、「トム・クルーズは奥さん以外の女性とエロい事しようと、仮面乱交パーティに潜りこもうとするけれど、どうせ仮面つけてて相手が誰か判らず、すなわち相手は誰でもいいんだから、奥さんに仮面つけてもらったらいいじゃない」、ってコトですよね、きっと。 そもそも奥さんってのがニコール・キッドマン、映画冒頭からやたらスタイルいいところを見せまくって、それは我々の目からは一目瞭然明らかなのに、(当時は実生活でも)身近であるが故にそれに気付いてないのか、イマイチ無頓着なトム・クルーズ。 そもそも彼は、そりゃ役どころは「ハンサム過ぎるお医者さん」ではあるけれど、身長がやや足りない。これで仮面被っちゃうと、ただのチンケなオッサンになってしまう。なんか、こういう時に限って、周囲の出演者の身長が妙に高かったりして。 そういう時はシークレットシューズを履けば良いのだけど、キューブリックは履かせなかった。確か、スタローンもブリジット・ニールセンより背が低かったけど『コブラ』出演中だけはスタローンの方が高かった、とかいう話、無かったっけ? とにかくそんな感じで(どんな?)、普通の作品なら主人公が次第に迷宮に誘い込まれるところ、本作では中盤に早くも迷宮世界に彷徨いこみ、早々に追いだされちゃう。だけど迷宮の外に出たところで、そこに待つのは、嫉妬心を始めとする、煩悩という迷宮。というわけで、後半、ややグズグズの展開になってしまった感もありますが。ラストは落語のサゲみたいにスパッとシメてくれました。 それにしても、あの前衛舞踏めいた乱交シーンは、キューブリックではなく石井輝男に撮ってもらいたかったなあ。 あと、使用されている音楽、今回は珍しく耳に馴染み易いチョイス(ショスタコーヴィチのジャズ組曲)、かと思いきや、途中からはやっぱり、リゲティのとびきりしつこい奴(ムジカ・リチェルカータ)となるのでした。[インターネット(字幕)] 7点(2021-06-05 17:56:19)《改行有》

5.  愛人/ラマン 《ネタバレ》 中国人青年を演じるレオン・カーフェイが、ジェーン・マーチと知り合ってからエッチするまでの場面で、初めてひとりでエロ本を買いに行く中学生みたいな演技をしていて、微笑ましいというか叱りつけたくなるというか、なかなか絶妙な演技を見せてくれるのですが、こういう描写は、原作小説にはほとんど見られない要素ですね・・・などと偉そうなコトを言えないのは、原作を読んだ記憶はあるのに内容をサッパリ覚えていないからで。久しぶりに本棚から取り出してパラパラめくり、まるで内容を憶えているかのごとくこうやってコメントを書くのも、我ながら、どうかと。スミマセンです。 映画の方は、途中からエッチシーンが連発され、昼日中にくんずほぐれつやってる一方で、表の通りには日常の喧騒があって。ってな描写が、退廃的で独特の雰囲気。ただ、それをいくら繰り返してもあまり変わり映えがせず、だんだん「こういうのは結局、映像では伝わらないよね」と投げやりになっていくような印象があって(ホントにアノーがそんな事を思っていたとは思わんけど)。 ラストの「ショパンのワルツに涙する」というのは、これまた陳腐な話だ、と思ってたら、これは原作にもあるエピソードでした(もちろん私はこれも覚えてなかったけど。スミマセン)。少なくとも、映画で見せるには、これは陳腐だと思うのですが、どうでしょうか。 三人称で語りつつも実際は一人称の物語である原作に対し(・・・スミマセン)、映像作品である本作には、幾分、客観的な視点があり、中国人青年の立場、というものも織り込まれているのだけど、何となく、「家畜人ヤプー」を白人の立場から描くとこんな感じになるのかな、とも思ったり。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-12-31 08:48:27)《改行有》

6.  アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル こういう作品はどうしても、「どこまで真相に迫っているのか」という観点で見られてしまう面があるのですが、その点、この作品は最初から「皆さんそれぞれ言い分があるでしょうけど」という立場を貫いていて、無責任と言えば無責任だけど、そこに適度にユーモアを交えることで、何となくはぐらかされちゃう。そもそも「本人へのインタビューを交えた再現ドラマ」であるかのような体裁をとっているにも関わらず、インタビュー部分も俳優が演じてるので、何でもアリ、なんですけれどね。ただ、「証言」がアチコチで食い違いつつ、時に彼らの「証言」をシンクロさせてみせる演出は、ちょっと面白い。何となくウサン臭いけど。 それにしても、アイススケートシーンが、実にお見事。ここがショボかったら、相当ウサン臭い映画になるところですが、CGも使っているのか、本当に高度な技を連発しているように見えて、迫真のシーンになってます。オリンピック本番の雰囲気と、その中で精神的に追い詰められていく彼女。靴紐云々の場面は、当時のオリンピック中継でも見た場面ではありますが、こうやって、彼女に寄り添った視点で舞台裏から連続して描かれると、やはり実際の中継映像とはずいぶん違った印象を受けることになります(で、ここで当時のことをふと思い出すのだけど、外野の騒ぎに流されてジャッジの点数までおかしくなってしまった、実に後味の悪い大会でした)。 全体的に、ややトーニャ・ハーディング寄りの描き方ながらも、何となく曖昧に終わらせようとしている部分があって、その点ではどうしても映画が弱くなってしまうのですが、それでも、肯定も否定も超えたところに、彼女の今を提示して見せるラストには、唸らされるものがあります。不運ではあったかもしれないけれど、不幸ではないんだよ、ってな感じで。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-07-23 17:47:12)(良:2票) 《改行有》

7.  悪党に粛清を クラマックスの決闘が、何ともシビれるんですけどね。ただ・・・。 駅馬車でチンピラと同席してしまったばかりに妻子を殺された男の復讐。しかし復讐は復讐を呼んで、やがて訪れる、対決の時。追い詰める者たちと、それを待ち受ける者、まさに「人間狩り」vs「人間狩り」とも言うべき銃撃戦が展開されて、手に汗握るクライマックスとなっています。 ただ全体的に、作り物めいた映像が、どうもいただけません。そもそも西部劇というジャンル自体がこれまで「雄大なる自然」を背景に描かれまくってきた歴史があるだけに、この映像には違和感を拭えません。そもそも、西部劇とCGの食い合わせの悪さ、ってのが露骨に出てしまっています(まあ、過去にはSF仕立ての西部劇もありましたけど、そういうのとは違う、根本的な違和感)。 非常に残念です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-01-28 21:11:02)《改行有》

8.  アンダー・ザ・スキン 種の捕食 《ネタバレ》 『スピーシーズ種の起源』っていう邦題もたいがい意味ワカランけど、『種の捕食』って一体、何なのよ。まーとりあえず「観ててよくわかんなかったら、あの映画同様、女性エイリアンが男を捕まえる映画(そして食う映画)だと思ってください」ってコトなんですかね。 スカーレット・ヨハンソンが宇宙から来た生物なのかどうか、なんだかUFOみたいなのが(この言い方もヘンですが)映ってたので、多分そうなんだろう、と。しかしそれはともかくとして、この映画、何だかえらく寂しいんです。最後に明かされる彼女の正体は、というと、真っ黒。暗黒。ようするに実体が何も無いんですね。前半は、ただただ、車を運転しながら、行きずりの男をかどわかす。そんでもって、取って食っちゃったのか何なのか、映画の描写としては、男たちが暗黒に引きずり込まれていく、という形をとってます。暗黒に引きずり込まれるとどうなるのか、よくわからんが、食っちゃったにしては、マズそうな男ばかり捕まえるなあ・・・というのはさておき、男たちは皮一枚になり、中身が無くなってしまう、らしい。 前半はそんな感じですが、後半、彼女は、ケーキ食ってみたり、男と寝てみたり、何やら見よう見まねで人間になろうとしているらしい(でもどれもうまくいかない)。で、正体が露わになるや、いきなり焼き殺されてオシマイ。 早く人間になりたい、と言いながら、最後は焼け死んでいった妖怪人間ベムを、いやでも思い出すではないですか! え、思い出しませんか。失礼しました。でもやっぱり、寂しいですよねえ。 この映画、ハッと息を呑むようなロングショットがいくつも登場し、ケッ、そうやって、「アートっぽいきれいな画」と言うとすぐロングショット頼みかよ、と陰口も叩きたくなるけど、確かに効果的で、なーんか孤独感が強められるのです。 音楽が、何とも気持ち悪くって、心地よい(どっちやねん)。耳鳴りのような、弦楽の特殊奏法。何かを叩くような音もしてますが、これも弦楽器を使った音なのかな?[DVD(字幕)] 7点(2018-08-08 20:08:44)《改行有》

9.  アウトバーン 2つの組織のはざまで命がけの戦いを繰り広げる主人公。と言いたいところ、なんだかグダグダになっちゃってますが。 それでも、ワイルドスピードがすっかり、物語も何もあったもんではなく、カーアクションを順番に見せていくだけの展覧会状態になっているのに比べ、一応は作品を通しての「戦い」を描いているだけ、まとまりがあるとは言えるかと。 まあ、ワイルドスピードに比べりゃアクションがもうひとつ、という声があるかも知れませんが、何もアソコまでする必要はなくって、クラッシュシーンを楽しむにはこれくらいで充分でしょう。 それにしても、ラストのあまりにもクドい説明の蛇足ぶり、メガマックスの方がなんぼマシなことか。もう一つノリが良いとは言い難い作品を、さらに失速させてしまって残念。[ブルーレイ(字幕)] 6点(2017-08-12 14:56:58)《改行有》

10.  アポロ13 ロケット打ち上げシーンの特撮の見事さ、無重力シーンの驚き。さらにはエピソードなり脇役なりも的確に配置されていて、実際の事件を取り上げつつも解説調にならないようにうまく組み立てられていると思います。 でも。 こういう題材は実際のところ、解説調のドキュメンタリーの方が、さらに緊迫感があって盛り上がっちゃったりも、するんですね。 そういう意味で、この映画、節度をもってうまく組み立てられてはいても、肝心の、地球から離れた宇宙空間における孤独感、「もう地球には生きて戻れないのか」という絶望感というものを、果たしてどこまで表現できたか。 映画をコケオドシにはするまい、ということなのかも知れませんが、そのためにかえって、事件そのものの描き方がいささか表面的になっていて。本来ならこんなオソロシイ体験というものはそうそう無いはずなのに、その「恐怖感」を十分に伝えきれていないようにも思えます。もう少し我々を怖がらせてくれてもよいのでは。[DVD(吹替)] 7点(2017-03-28 23:45:46)《改行有》

11.  アシャンティ その昔、日曜洋画劇場で観たこの『アシャンティ』とか『アイランド』、はたまた劇場で観た『ジョーズ’87/復讐篇』あたりの印象から、私はマイケル・ケインという人について、“プチ・アドベンチャーなオヤジ”という印象を持ってました。実際、自ら一生懸命泳いでみせたり、そこそこ体を張ってるとは思うのですが、どうも“プチ冒険”の枠を出ていないのです。この『アシャンティ』も、アフリカで黒人の妻を人身売買者に誘拐され、それを追跡する医者のオハナシでして、砂漠の過酷な追跡劇を描いた作品のハズなのですが、どうもあまりその過酷さが映画に見えず、どこかノンビリした印象を受けてしまう。「これは実話なんです!」と意気込んで見せても、なーんかヌルいのよね。挿入される音楽は大自然を思わせるどころか、えらく日常色豊かなユルい音楽だし、真面目な「実話」かと思ったら妙な呪術が登場するし。乱闘シーンはまるで気合いが入って無いし、チョイ役に甘んじるW・ホールデンにO・シャリフ、何しに出てきたのやら、単なる小遣い稼ぎかよ、と言いたくなっちゃう。そして極め付けは、その昔日曜洋画で観た時から脳裏に焼き付いて忘れられない、海面キラキラのラストシーン(いやむしろ、記憶よりもはるかにキラキラしてて、ビックリした)。この能天気な超ファンタジー色は、一体どういう発想から生まれるのだろうね。「実話だ」とか言いながら、まったく社会問題を提起する気、ないでしょ。いや、別に、映画でアジって欲しくないから、これはこれでいいんだけど……いいや、良くない、だって、感動を呼ぶハズのシーンで、笑いを呼んじゃうのだから。[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-03 08:18:31)(良:1票)

12.  悪魔の植物人間 マッドサイエンティストもの。実験台として誘拐してきた人間を実験で“植物人間”にしちゃう。冒頭から、高速再生フィルムによって植物がニョキニョキ成長する様を見せてくれたり、食虫植物の捕食シーンを見せてくれたり、いやいや、この映画、マッドサイエンスどころか普通にサイエンスしてますよ、なかなかに興味深い。でも、食虫植物って、植物なのに「捕食する」というその動物っぽさが、得体が知れなくて不気味な点なんだけど、ソレを人間と合成してもなあ。むしろ親近感が沸いたりして。やっぱり実在の食虫植物の方が、何とも知れず不気味なんです。で、しかも、この“植物人間”を巡るストーリー、サスペンスが、あまり面白くない。むしろこの映画で目を惹く点、そしてこの映画をカルト化しているのは、実際の障がい者が出演している見世物小屋のシーンの方、ですね。ビックリ人間大集合。見世物小屋のおどろおどろしさ、眉をひそめる見物客。実に正直な描写だと思います。足に畸形のある障がい者が、「僕は特に芸はできません。でも、この足は、動きます」と動かして見せる場面など、こんなセリフは脚本家の想像だけじゃ書けないですよね。で、そんな彼らにも当然、日常がある(日常があるどころか、彼らにはその人生しか、無い)。公演後、客のいない舞台で、ささやかなパーティをやってるシーンなど、実に印象的です(そしてそれがぶち壊しにされてしまうくだり!)。と言う訳で、この作品、イイ映画だ思いますよ。何と言っても多面性がある。ただ、肝心のメインの軸(要するにサスペンスの部分ですな)が、さすがにもうちょっと、何とかならんかったのか…。[DVD(字幕)] 6点(2012-06-24 09:35:29)

13.  アンノウン(2011) いやー実に実に面白かった、興奮しました。謎に満ちた発端がイイですね。テンポよく挿入されるアクションがイイですね。待ち受けているのは思わぬ展開(そりゃま、似たアイデアの作品は過去にあったけど、この程度の類似を見咎めて楽しまないのでは、日頃からミステリ小説なんて読んでいられない(笑))。そして何より、このサスペンスの雰囲気がイイですね。ミステリってのは、単なる「こんなトリック思いつきました」という報告書じゃなくて、本分は、そのトリックをいかに「語る」か、にある訳で。本作は、まずはその「語り」に徹している、その丁寧さに非常に好感が持てます。一体何が起こっているのか。誰が敵で誰が味方なのか。単純にプロットやトリックという意味での物語ではなく、それらを含めた、サスペンスの流れとしての「物語」、それをいかに「語る」か、どのようなカットを積み上げていくか。例えば“主人公が電話帳のページを破る前に辺りを確かめる視線”、などというレベルから、省略せずに描写をひたすら紡いでいく。この映画には「適当に色々撮って、後で編集で何としよう」みたいな発想は無く(そんないい加減な映画があるのかどうか知らんけど)、どのようなシーンにも強い意思が感じられて、しかもそれが、意思のための意思じゃあない、あくまでサスペンスを盛り上げ、映画を面白く「語ろう」とする意思であるのが、実に嬉しいじゃないですか。強いて文句をつけるなら……このタイトルはもうちょっと考えてつけてもよいのでは(こんなタイトル、どんな映画にもついちゃうよね)。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-05-20 08:34:54)(良:2票)

14.  アフリカの女王 オッサン船長とオバチャンがオンボロ船“アフリカの女王”号で川を下る、その道中に待ち受けるは、敵国ドイツ軍、急流、滝(まあ、お約束ですな)、蚊の大群にヒル、ってな訳で、冒険また冒険。これが美男美女の組み合わせなら、「ええい、勝手にエッチしてろ」となるところだけれど、まあ、これなら安心感があります(何の安心感やら)。ハンフリー・ボガートが、ムサいオヤジの役柄の割にやっぱり何ともダンディなのが(自分の船なのに屋根の無いところで寝て、雨が降ってきてもレディに気を使うあたり)、そんな訳ないやろ~と言いたくなる、と言うか、冒険に主眼が置かれ過ぎて2人の関係の描写がテキトーに感じる部分でもあるのですが。あと、共に苦労し彼らの命を救う“アフリカの女王”号という船、最初から破壊される運命にあると言うより、もう「破壊する気(破壊される気)マンマン」みたいなところがあって、ちょっと描き方に思い入れが少な過ぎるんじゃないの、と、扱いの悪さが気になるところ。しかし本作を見ていると、「スピルバーグは“オルカ”号を創造するにあたって、きっとこの“アフリカの女王”号を念頭においてたんじゃなかろうか」という気がしてしょうがないのです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-12-31 08:52:59)(良:1票)

15.  アバター(2009) え~、劇場で3Dで観なかった以上、本作を観るつもりはなかったのですが、レンタル屋店頭に大量に残ってたもんで、はい、出来心です、すみません。とりあえず、2Dでもなかなか楽しめました。内容的には『ミッション』のようで『もののけ姫』のようで『ポカホンタス』のようで、要するに結構、ベタなのかも知れませんが。ナヴィ族が変な顔だと言う声もありますが、どうしてどうして、観てると違和感なくなってきます。髪型的には、今は亡き軍事評論家のエバター氏を思い出したり。それはともかく、本作の、この入魂のCG映像には、頭が下がります。ただ、2Dで観てしまったからなんでしょうけど、これは「これまでの集大成」的なCGであって、何か「今までできなかった」ような新しい世界が開けたような気はあまりしないですね。作り物、っぽい感じ、実写に似せようとして似せ切れないアニメ。内容的にも、気になる面はあります。主人公は実生活においては下半身不随で孤独の身、一方アバターを操っている間は飛んだり跳ねたり自由の身。ってコレ、要するに、主人公がナヴィ族にシンパシーを感じるとか何とか言う以前に、そもそも自分自身の利害、打算がありますやんか。そう言って悪いなら、ナヴィ族側につくにあたって、得るものこそあれ失うものはなく、何ら「苦悩」や「決断」の必要がないじゃないですか。またこの映画、やたら長尺のくせに、この映画が終盤に近付いてくると、明らかに物語を「端折って」慌ただしくなります(違和感ありあり)。いや長尺だからこそ、この辺りでグンとスピード感を出したいところなんでしょうけど、観る側がそろそろ退屈しやしないか、という、一種の媚のようにも思えます。そんなコトが心配なんだったら、そもそももっと映画を短くすれば(可能ならその分CGのクオリティを上げれば)いいやんか、と思ってしまいます。で、クライマックスの戦闘ですが、近代兵器を操る人間たち相手に、圧倒的不利で絶望的な戦いが続くかと思いきや、実はやたら強かったりするのがナヴィ族の可愛くないところ。でもまあ、このハチャメチャな戦闘シーンが、何だか『トゥルー・ライズ』を思い出させて、ちょっとうれしくなったりもするのですが。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2010-08-13 23:14:56)

16.  アース あれはハマったなあ、NHKで放送されてた『プラネット・アース』。で、こちらの映画は、というと・・・まったく一緒やんけ、あはははは。ニッポンの吉野の桜まで出てくるもんなあ。NHK版が緒形ケンなら、こちらは渡辺ケン、ってか(吹替は観てないけど)。そうそう、NHK版では、驚愕の映像のもたらす緊張感が、トボけたケンさんの登場で急速に弛緩しまくってしまうのでした。これが味わい深かったなあ、関係ないけど。本作の方は、さすがによくまとまっています。シロクマで始まりシロクマで終わる構成も印象的。圧巻は、アシカとおぼしき獲物をホホジロザメがジャンプして捕えるシーン!パクッ!すげー!美味そう!(アホか) まあ、地球のありのままを記録した映画というよりは、「えへへ、こんな珍しいシーン撮れちゃったよ」ってのを集めたような映画で、ややキワモノ的なところもありますが、見ごたえはありますね。[DVD(字幕)] 8点(2008-09-29 07:25:42)

17.  アラビアのロレンス 完全版 そういうわけで(どういうわけ?)、やっぱり、結局、何だかんだ言っても、とどのつまり、この映画、なんですねえ。わたしゃ実話の映画化ってのにどうもヨワイんだけれども、ロレンスが実在の人物とかいうことより、あの砂漠が実在の光景、ってことの方がはるかに重要。壮大、広大、圧倒の世界。こうなりゃ当然、そこに騎馬隊、騎ラクダ隊(?)でも疾走させて、膨大なるマスゲームでも展開させたくなるのが、スペクタクル映画。しかし砂漠はビクともせず、すべてを飲み込む。アラビアの独立のため、なんぞという「個人の」野望なんぞ、当然ひと呑みにされるわけで。この砂漠という、すべてが取り払われた世界では、建前なんぞ通用しない。ロレンスは挫折する。アンソニー・クイン演じるアウダというキャラクターがユニークで、一見、単なる俗物のようでいながら、最も冷静に世界を眺めている。彼の存在の前で、理解と対立を繰り返す、ロレンスとアリ。映画史上屈指の名コンビの苦悩をさらに冷静に見つめるのは、砂漠そのものに他ならない。そして、<完全版>なるこの映画そのものもひたすら長く、すべてを包み込み、最後には、挫折したっていいじゃないか、という気分にさせてくれる。こういう長さもまた、いいもんだ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2007-10-14 11:06:45)

18.  アリス(1988) 人形アニメ地獄。です(笑)。観てるうちに、「人形アニメ」の部分よりも「実写」の方がアブノーマルに見えてきちゃうのが不思議(←不思議がってる場合じゃない、という気もする)。と同時に、アリス役の女の子、もしかして騙されてこんなコトやらされてるんじゃないか、と何だか心配になってしまうのは、これは余計なお世話でした。ところで、引き出しのノブ、これってまさか男性のアレの象徴だとか言うんじゃないでしょうねえ、まさか。イテテテテ。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-11 11:34:12)

19.  荒鷲の要塞 まず冒頭、飛行機の映像に乗って流れるテーマ曲が、カッチョええねえ。元気が出ます。特に小太鼓のリズムが、映画後半の銃撃戦の銃声の予告にもなっております。さらにカッチョいいのが、イーストウッドの髪型!あわやリーゼントかという見事な決まり方、ストリート・オブ・ファイヤーのウィレム・デフォーにだって引けはとらない。そう、この髪型のトンガリ具合こそ、猛禽類を彷彿とさせ、まさに「荒鷲の要塞」と呼ぶに相応しい・・・。それはともかく(笑)。映画前半は、難攻不落の要塞への潜入が描かれますが、潜入にあたってドイツ軍人になりすましたもんだから、ありゃ、何だか楽勝ムード(?)。手ごたえがなく、このペースでは上映時間も余りそうですな。しかーし映画後半に至って、驚くべき展開が!このあたりから見どころの連続。至近距離での銃撃戦、スバラシー!そしてアクションまたアクションと畳み掛け、まさに息もつかせぬ展開。大興奮であります。そしてラストシーンはまた、冒頭と同様の飛行機の映像によって締めくくられ、ホッと一息つくのでした。しっかしそれにしても、アクションシーンでは、ドイツ兵が面白いようにバタバタ死んでいきます。はっはっは。いくらなんでもこりゃヒドイ。もしも、あなたがドイツ人であるか、あるいはドイツ人の友人がいるか、だとしたら、さすがにあまり楽しくはないかもね。9点(2004-05-23 02:22:43)

20.  悪魔の受胎 まあよくわからん(ストーリーだけはよくわかる)ホラーでして、宇宙探検の女性隊員がエイリアンに襲われて身籠ってしまうという映画。このエイリアンが、遮光器土偶をパクったようなナイスなデザインで、チープながらも日本人のルーツを感じさせる懐かしいお姿です。で、お話はというと、件の女性隊員が母性愛に目覚めたか、お腹のエイリアンを無事出産せんがために大暴れする、という困った展開。最後は例のごとくお約束通りでトホホ。積極的に楽しもうとする暖かい気持ちで観れば、楽しめると思います。5点(2003-08-30 22:20:57)

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