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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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【製作国 : イギリス 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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1.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》  追い詰めきれない。 「君は、ぼくにとって最悪の結末を用意してくれたみたいだよ」そう言うと不服そうに彼は、 「そうでもないさ、こんなことじゃ誰も死なない。君だってそうだろ?事実、死ななかった」  死ななかったならそれでいいのか?そうじゃないだろ。ふざけんな。そう言いかけたが、僕は彼を殴り倒すことにした。そして近づいた瞬間に、視界は黒くなって、花の色のような輝きが僕の視界に現れると、ぼくはもううごけない。  なぜ、協力者がいると言う当たり前の発想に至らなかったのだろう。浮遊感を感じながらぼくはその中を泳ぎ切って、眠った。  と言うレベルの間抜けさが、ボンドに襲いかかる。2時間目一杯にだ。だけど、現代のボンドは昔と違う。間抜けな敵が助けてくれるかの如くヘマをするわけじゃない。相変わらず銃弾がボンドに命中するわけでもなく、捕まったり毒を盛られたりするのも通常操業だけれど、なんとなく自力で切り抜けてしまうあたりが新しい。  そう。ボンドはすっかり工作員として有能だ。米軍に一報入れれば10分で解決しそうな事案に男女でのこのこ現れて、秘密基地にまで乗り込んでしまうあたり、盤石のらしさではあるのだけれど、なんだろうかこの説得力は。だけど、ボンドに必要なのはこう言うことなんだったろうか。  どうしようもなく間抜けで無能でいい男なボンドの、スクリーンに映らない凄い部分を勝手に想像して、スクリーンに映らない凄いスパイを作り上げるという作業の素材なはずなのに、今のボンドは映画本編でそれをやってしまう。ずいぶんとお節介だ。[ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-09-20 22:05:17)《改行有》

2.  007/消されたライセンス 《ネタバレ》  残り、三発。弾倉を目視で確認してため息をつく。追いかけている側が、追われている人数以下の弾丸しか持っていない。明らかにストッピングパワーの足りない弾丸が3つ。不意に何をしに来たんだ、僕は。と自問自答する。  ふんだんに用意してきたんだろう。彼らは僕に好き放題威嚇の銃声を浴びせるわけだけど、応射が無い事に疑問を持ち始めたようだ。疑わずそのまま逃げていれば良いのに、いよいよまずい。煙草でも吸ってしまおうか、諦めが頭をよぎる。その内彼らのうちの1人がなにやら確信めいた足音を立てて僕の方へ歩いてくるのが分かった。  僕の手のひらサイズのこの拳銃とは比較にならない大きさの彼のベレッタは、まがまがしく光を吸い込んで。僕に近づいてくる。  ような、そんな展開が顔を見せ始める最初の世代の007な訳だが、やっぱり007はシリアスになりすぎると一体なぜ007でそれを?と言わざるを得ない。そこはそれ、007なんで。ライセンスの失効とか意味あったのか?とか、フィリックスを退場させる意味はあったのかとか、顔が写ってるときと、迫力のスタントでは動きのクオリティが違いすぎるとかそう言うことは気にしないのが作法だ。  僕は、僕がインストールされた肉体を失ったんだ。殺人を赦された僕の肉体はその許可の認証を取り下げられた。事実上、この肉体にインストールされた僕という魂は、一体誰の物なんだろう。陛下の物? それとも、僕の物? 政府の物? いま、それはもうどうでも良いことであるかのように、僕は、僕の憎しみを込めて赦されない殺人を繰り返すんだ。そして、それももうじき終わる。  みたいな、トレーラーの巧妙な脚本はどこにも見当たらず、いつも通りにいつもの人が間抜けな秘密兵器を持ってくるし、いつも通り迷いなくそれで死んじゃうの?な死に様で人がバタバタ死んでいく。  もしかして、作ってる人達は。恐ろしいことだが……この映画が007であることを時々忘れてはいないだろうか?その結果どうしようもなく007になっちゃっているところがこの映画が秀逸なできばえたるゆえんだ。(007として) [DVD(吹替)] 6点(2015-04-12 04:01:35)《改行有》

3.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》  僕の最初の患者は、僕よりも少し年下の彼女だった。少し暑いくらいの部屋の空気に混ざる、朝の静けさは彼女の心にどう映っただろう。僕はそう言うことを考えられないまま、機械的な質問ばかりを投げかけた。本当は分かっていた。僕は彼女の事を、彼女たちと僕たちの持っている関係以上に考えてはいけないなんて言う事は、とうに。 「先生、明日帰りたい」  悪い笑顔でそう言う冗談を言う彼女に、僕は頑張って寝ていなさい、と言葉を掛けるけどそれ以上のことは出来ない筈だった。 「散歩、いこうか」  ナースの足音が遠ざかるのが聞こえて、え?と二人共が言う。言うつもりのなかった言葉がするりと口から零れていた。疲れていたのだと思う。けれど、僕の心の中に毎日少しずつ詰まっていく重いものがだんだんと大きくなっていった。  忍び足で、堂々と連れ出した彼女はいった。 「外ってやっぱり寒いんだね、先生」  悪い笑顔で車椅子を押される彼女は、僕の気持ちを知っているのかもしれない。  彼女がいなくなる日、熱病にうなされた僕はそこにいる事が出来無かった。  彼女が僕と過ごした部屋で、僕の心の重りは二度と外れなくなった。僕に力があれば。目を閉じて呟いた。  後ろから肩を叩く同僚が僕を励ます。彼女は無事に退院したから大丈夫。あとは僕に任せてよ、と。  余り違わないはずの僕らの、致命的スペックの差が、さらに大きい差を生む。僕よりもずっと上手く隠密行動をして見せたのだ。空いた時間にいくら呪ってみても、僕の呪いを跳ね返す頼りがいのある性能の彼には全くもって通じないのだった。  今日のジェームズは凜々しくて、知的で、機敏で。だけど何回死んでもおかしくないくらい、ヘマをする。  いつものジェームズも何回死んでもおかしくないくらいなんだけど、間抜けなんだ。見た目もいつもの彼らの方が精悍でとても業務に耐えられる感じがしないくらい端麗で見栄えする。でも、今日のジェームズの方がずっと仕事が出来そうだ。  たぶん、僕らが愛して止まないジェームズとは何か根本的に出来が違うんだろうな。  あれだけ大雑把で、毒を盛られて捕まって。通常操業のはずなのに、どうしようもなくジェームズなのに、意欲旺盛で頼もしいもんだから従来のジェームズをこよなく愛する僕たちは、新しいジェームズには敵意むき出しなのである。  そして、面白いだけになんか腹が立つ。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-03-21 00:20:35)《改行有》

4.  007/ダイ・アナザー・デイ 《ネタバレ》  愛である。007を愛するものは、こういったコラージュを特に好むのである。そして、アメリカの精密なスパイや、アクション。リアルなギミックを引き合いに出して007を取るに足らないとする輩にはエリザベス女王閣下の鉄槌が下るだろう。  これは007という、壮大な装置であって、この途切れないワクワク感を提供する唯一のメディアなのだ。  だからこそ言ってしまうのだが、これが007なのであっていつであっても過信してはいけない。予告編に足をすくわれるのは、デフォルトである。[DVD(字幕)] 7点(2013-08-17 01:37:56)《改行有》

5.  007/ロシアより愛をこめて 「これ、拾ったんだけど」  と、一万円札を拾ったかのようにうれしそうな含み笑いと、見せびらかす右手に握られてる拳銃が笑いを加速する。いや、笑わせようとはしてないんだけどと展開するストーリーに苦笑いするのはいつもの様式であるが、順不同で007観ていた少年は何とも熟成感の無いジェームズの腰の据わっていなさに当惑したものだ。  っていうか、これふざけてるでしょ?だからふざけてるんでしょ?いやいや、悪いジョークなんですよね?。三回訊ねても、いいえこれは本気です。という勢いで、大まじめなショーンコネリー型の007である。  明らかに名前だけが一人歩きしており、中身にびっくりする人も多いことと思う。だけど、これがいつものボンドの原型になる方向を決めたという意味で全く間違っていない。安心して007を堪能して欲しい。[ビデオ(字幕)] 6点(2013-07-27 21:39:45)《改行有》

6.  007/スカイフォール 《ネタバレ》 プロジェクトチーフは私にこう言った。 「最新の機材だの、ソフトだの技術だのはとりあえずはどうでも良い。どうやってやっつけるかは好みの武器の使い方を一つ身につけてから考えろ」  あの日、処理しても処理しても尽きないトラブルに巻き込まれながら、横目に隣のチーフを覗う。先のプロジェクトリーダーから引き渡された機械のアセンブリを解析しながらいつもの冷静な横顔を崩さないまま、両腕の動きははとめどない。  目を私自身が扱う部品に戻そうとしたとき、彼の額の汗がこの後のベトナム戦争のような泥沼を暗示していた。この不良品の開発を引き渡された瞬間、彼はこのプロジェクトチームが組織内で既に廃棄されたものと理解したに違いない。そして、自分自身が廃棄場にやってきてしまった事に気付いて慄然したことも想像に難くない。  しかし、彼は冷静に言う。一つ一つを雑に扱った事で起こったトラブルのリカバーは最初から丁寧にやるよりもずっとやっかいだ、と。そして合わないつじつまを一つ一つ回収し、解きほぐしていく。  いつもであれば美女とセックスして、自分以上にトロい敵を間抜けな新兵器で撃退していく。今回の事件もそうなるはずだった。しかし、アメリカ映画の流行において行かれてはまずい。本部が壊滅し、主要な武器も取り上げられてテロリストに蹂躙されなければならない。007にとってこれほど難しい状況を用意されてしまってはもう色々、お手上げだ。  二時間の間に何回死んでもおかしくないジェームスが自力で何とかするしか無い。そうなれば現代技術とデバイスにどう考えてもついて行けない彼が取ったのは、自分のグラウンドに相手を引きずり込む作戦であった。  女を抱いている余裕も無い。武器も、知識も、見透かされていた。こんな状況で彼は結局敵が足をすくわれるような幸運で生き残った。私もチーフも、講じたあらゆる手段が初期設計の時点で否定される運命にあったにもかかわらず、偶然のタイミングで基準が下がったという外的要因で踏みとどまる事が出来たのである。これも一つの強みに頼る術があったからこそ、転がり込んできた幸運であった。  最後には間抜けなブービートラップと、間抜けな心理戦。いつもの007がそこに居たのである。  とは言え、大事な暗号はきちんとパスワードジェネレータで作れよ。駅名を入れてしまう彼はどうしようも無くいつものボンドである。[ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 8点(2013-04-30 03:00:41)《改行有》

7.  007/ダイヤモンドは永遠に 《ネタバレ》  いや、まいった。いくらボンドでもボンド過ぎるとドン引きなのである。ちょっと待て。馬鹿社長とドラ息子って位の馴れ合いは見ていられない。ハンターハンターでも読みながら鑑賞するのが丁度良い位の出来である。  といって、ワタシはこの温さが嫌いなわけでは無い。と言うかむしろ好き。[地上波(吹替)] 6点(2012-12-01 18:24:29)《改行有》

8.  007/黄金銃を持つ男 《ネタバレ》  これこれ。この様式美。  演技ってレベルじゃ無い劇団的ボンド。何回死んでもおかしくないボンド。意味不明なセックスアピールの女。訳の分からん的キャラ。必要の無い一騎打ち。間抜けなメカ。現地人をディスってる各種設定。  そしてもっさりアクション。これがいくつか欠けるとと007じゃなくなっちゃうでしょ?  今のボンドは全然ボンドじゃねえんだよ。これが正しいボンドである。[地上波(吹替)] 6点(2012-11-30 20:52:21)《改行有》

9.  007/サンダーボール作戦 《ネタバレ》  まずくないんだけど、間違いなく美味しくない中華定食屋「悟空」それが僕ら一味だけの学食みたいな物だった。カルキの味がしっかりするコップの中身とか、明らかにペタペタするテーブル。夏場は小さくて長細いゴキブリに似た虫が闊歩する店だ。後にその虫がチャバネゴキブリという立派なゴキブリである事を知って卒倒したのもここ。  一味の一人、ニッキーは特殊能力でラーメン屋の外観を見るだけでその店が旨いかどうかを完璧に当てることが出来、僕らは都内のあらゆる所でネットに載っていない旨いラーメンを掘り当てることに困ったことはなかった。ところが、ニッキーはこの薄汚い「悟空」が大好きで、その影響から僕らの作戦会議はいつもここで行われていたわけだ。どこか他所の旨いラーメンを喰ってから学校に戻って、本物の学食でだべれば良いのに、何故かここ「悟空」。  最近、サンダーボール作戦を見て思わず感傷に胸が切なくなったりした。子供の頃から何度も観たこの作品。作品って言って良いレベルかどうか判然としないくらいいい加減で、金は掛かっているけどチープで、突然エロティックで、ゆるいアクションで大団円。これを一言で言うと007な訳だが、僕はこの味わいが大好きだ。猫が膝に乗って動かないからトイレに行きたくても行かれないようなもどかしさが好きだ。腹が立たない微妙なラインなのである。  この店のアルバイターだった女の子の顔がはっきりと思い出せないのだけれど、一味の一人が彼女のことを好きになってしまった。割烹着を着た彼女と彼の話している姿は青春しちゃっている大学生そのもので、ゆるくて暖かい時間が流れていった。それがどう言うわけか頭によぎる。  なんだろう、実はあの娘は既婚女性で、そのことを知った時のアイツの魂の抜け方なんかの間抜けさなんかも、そのことをあの娘から伝えて欲しいと頼まれたときの面倒くささなんかも、やっぱり青春だったのかもしれない。  どうでも良い緩さと、それでも程々に事件やサスペンスが起こって、これでいいんだっけ?という終わり方をする007が大好きな僕は、やっぱりそう言うものに似た味わいの昔が忘れられないのかもしれない。  って、こんな事を急に思い出して、突然自分が死んだりしないかと自分が恐ろしくなってみたりする。[地上波(吹替)] 5点(2012-10-22 05:51:52)《改行有》

10.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》  その日、目を疑うような事件がテレビの中で起こっていた。冗談であるに決まっている、あるいはある意味でショウなんだろうと、心をだました。とぐろを巻く恐怖感が与える生々しさはしかし、現実にしか見えなかった。  あの人達は次々と、死んでいる。間違いない、死んでいる。画面に映る慈悲を乞うあの人も、絶望に包まれながら落下していくあの人も。確かな死をブラウン管が伝えている。 「この国には起きないだろうけど可能性はあるよね」なんて、時間がたつと有識者みたいなことを誰もが口走る。  十年前、誰の想像も及ばないこの事件が地球の裏側で起こって、僕も全ての人と同じように為す術が無いその瞬間をテレビで見つめ、眺めてため息をついた。  21世紀になった瞬間、負のパラダイムシフトを経験した世の中はずいぶん変わってしまった。暗くなった世の中で、事件や災害は絶えなかった。  その内に僕の側から離れて行ってしまったあの人も、猫も、風景も、何の手も打たないまま、記憶になっていく。 「将来に向けて頑張って行かなきゃね」なんていう冗談めかしたやりとりも、現実だったその時と一緒に作り物のような塊になって、心のどこかに転がっている。  もし、時間も、手放した何かも帰って来てもきっと今のこの世界にはなじまないのだろう。違和感を拭わないで放っておいてしまう僕はきっともう一度それを失ってしまうのだと思う。  ダークナイトで英雄という像のパラダイムを変えられてしまった僕たち受け手は、変わってしまった新しいパラダイムの中で新しい評価基準を植え付けられ、そして自分の中でも作り出してしまった。  少し複雑な主人公の事情と難しい危機が振りかけられたキラキラしたストーリーが、今では決して主流でも定理でもなくなってしまった。  この世界で、そんな以前の様な様式の新しいダークナイトを見たとき、僕は引っかかりを感じた。この10年間の間に僕から離れていった様々な物と同じ悲しさが、同じ違和感を作り出している。少し切なくなった。  膝の上で喉を鳴らす猫も、後ろ姿しか記憶にない彼女ももう居ない。少々のつじつまなど気にせずに目まぐるしく場面が飛んでしまう、出来の良いこのアクション映画を素直に楽しめる僕ももう居ないんだ。と思う。  で、昼間に何分か追いかけている内に真っ暗になる、中東から裸足で歩って帰れるゴッサムシティ。うん、まあいいか。[映画館(字幕)] 9点(2012-07-28 16:51:47)(笑:1票) 《改行有》

11.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 思ったより面白くなかった。 悲しさとかやるせなさとかを感じさせる意図が、プロットのおかしさで不自然さを生んでいないだろうか? 主人公の失明と貧困は切り離せない設定だと思うが、そこに嘘つきを加える必要はあったのだろうかこの話で。このアクロバティックかつ豪快な飛び道具を使ったせいでいらいらする。 彼女の正義は彼女の中のルールを守ることだけ。息子の手術代を守る母という「立場」を守ることに一貫して執着する。しかし台詞で息子のためとしゃべらせているだけなので、受け手が本当にそう思うかとかは後回しだ。前評判補正なしで客観視すると、意図もそうすることによる意味も感じ取れない行為を本当の良心であるかのごとく、しつこく受け手に思考的強制をしてくる。 これが非常に煩わしく、イラッとくる。 泣かせようとするときのセオリーなのだろうが、ルーチンが強すぎる。見ている途中に現実世界の良心が頭にあると絶対に感情移入できないだろう。 間違った誠実さにへのかたくなさと努力、人を欺すことを息子のためと押しつける妙な信心的頑強さ、これらを一人ではなく数人に向ければきっと綺麗な話になったのだろう。だけど賞はおろか注目されることも無かっただろう。 このような脚本や演出上の工夫だけでなく、監督と主演に世界的に世界的な有名人を使ってくるあたり。周到に、何重にも安全装置が掛かった作りになっている。受賞納得である。[DVD(字幕なし「原語」)] 4点(2011-06-05 17:09:32)《改行有》

12.  007/死ぬのは奴らだ 《ネタバレ》 そこそこ面白い。007を愛してやまない私はこの映画は結構好きであります。 海賊の財宝をアメリカに持ち込んでハーレムを作った黒人と決闘するため、イギリスの諜報員がFBIと共同でジャマイカに殴り込む。(だったと思った) 的な、いったい何の根拠でジェームスボンドなんだ?ってあたりを気にしたら負けだ。ロジャー・ムーアのボンドデビュー作らしいし、まあ良いんじゃないでしょうか。そもそも、007は荒唐無稽。訳わかんなくて当たり前なのです。 理にかなってたらそれはもうすでに007じゃない。さらに一作の中で10回は死んでてもおかしくないもっさりアクションが組み合わさったとき007になる。 大の大人が大まじめにこれを作ってるんだ。そして大の大人が真剣に見るわけだ。 実に面白い。 が、そう言えば大人になってからあんまり007って見てないな。[地上波(吹替)] 6点(2011-06-04 21:11:58)《改行有》

13.  ダイ・ハード4.0 《ネタバレ》 そこそこいける。ダイハードのどれかをまだ一つも見たことがないならなかなか面白く観ることができるだろう。 今回は現実世界に閉じ込められるっていう設定なんだろうけど、上手く伝わっているだろうか。ちょっと心配だ。けど、現実世界であがいてもネット世界で好き勝手されると悪役が引き立つという設定はなかなか面白い。 とはいえ、商用インターネットから軍の制御とか社会インフラの破壊とか無理でしょ普通に。そこに気づかないふりができるかできないかで、かなり面白さが変わってしまうだろう。気づかないふりができない映画初心者にはハードルが高いかも知れない。[DVD(吹替)] 6点(2011-02-12 14:33:53)《改行有》

14.  ターミネーター 《ネタバレ》 面白い。箱庭的で閉鎖的な世界をそう感じさせない程々のリアリティと、そうは言っても取り除きようのない脅威が迫り来る息苦しさを終始感じさせる閉塞感の構築が信じられないほどうまくいっている。スゴい。 タイムトラベルものとして、時間軸の整理がおおざっぱなのは昔の映画ならでは。ループの解決を図らなくても、ラブストーリーとしての運命性を感じさせる描写の方が強くて全体の完成度に影響がない。このあたりは偶然なのかもしれないけど、良い。 それから寓意や人生訓が特に入っていないのは後味がスッキリしている。[地上波(吹替)] 8点(2010-05-20 23:54:42)《改行有》

15.  タイタンの戦い(2010) 《ネタバレ》 こりゃあそこそこ面白いぞ。 わかるわかる。個人的な思い込みと変な決意より大事なこと。それを捨てれば丸く収まるならさっさと捨てちゃえば?と、かなり人間くさい。人間くささが神話っぽかったりする。ならいいか。 旧作のペルセウスの冒険っぽさは、完全にどこにもない。どこにもない良さもあるかな、と思わせるCGの迫力には大変満足感がある。やっぱ劇場で観るCGはたまらん。BDで観るCGはそのくっきりさが効果をスポイルすることもしばしばだが、劇場は良いなぁやっぱり。 ストーリーとか、描写とか。そういうものは神話と同じでどうでも良いのかもしれない。誰が何して。主役が立っていて。融通きかなくて。ちょっと教訓があったりして。そういう意味ではなるほど神話。が、神話を知らない初見の人が観たら原典でも創作でもどっちでもわかりゃしないんだろうな、とか思った。[映画館(字幕)] 6点(2010-05-11 22:32:53)《改行有》

16.  007/ドクター・ノオ 《ネタバレ》 まさにそこそこ。大昔の冒険活劇という意味では手塚漫画とかナショナルキッドだとか、そういう遺跡から出土した様なお話に感じられることもなくはない。 この映画はまさに手塚治虫の初期作品を見てしまった様な、時代性を脳内変換しながら読み進んでよく考えながら何がよくできているのかを理性で再構築しながら見る必要がある。 で、むやみやたらに格好つけたボンドが、痛快に抱いたり殺し合ったり、捕まったり殺し合ったり、ラスボスと殺し合ったりしたりすると。実に007的な、緩い世界観がそこにはある。出てくる全員が大根役者にしか見えない様な不思議な間で作られるそれぞれのシーンは、後の007への道筋をいくつか示している。 そして007がとった道は、第一作からちゃんと存在するなんだかんだいってオッチョコチョイだよね、の一言で済ませられるあの味だったというのがやっぱり痛快であった。[ビデオ(字幕)] 6点(2010-04-30 01:31:38)《改行有》

17.  007/美しき獲物たち 《ネタバレ》 そこそこ面白いんだよなぁ。 残念ならが明らかにおじいちゃんになってしまったロジャームーアがこの作品で降板してしまったが、クオリティは非常に高かった。お約束の一つになっている雪上アクションから始まり、なんかどっかで観たことがあるシーンばかりで作られた安心して楽しめる世界観が実に心地よい。 けどやっぱり、誰だよ?とおもったらスタントだったりするアクションシーンなど007のテイスツを忘れていないあたり良い仕事しております。全編通して割とハラハラさせるのに、予定通り秘密基地にちゃんと潜入して、その後もさらにラスボスと決闘までしてしまうという(007的)ツボを押さえまくった作りは007の中でも良作だ。 ショーンコネリーの時代の007と違ってアクションと話がうまくなってるからロジャームーアのほうが好き。ショーンコネリーのときはボケ全開の世界観だったが、ロジャームーアになってからは「んーなんかおかしくねえかな?」っていう塩梅で、その微妙(でもないが)な味わいがたまらなくオッチョコチョイなのである。[ビデオ(吹替)] 6点(2010-04-25 17:27:14)《改行有》

18.  007/私を愛したスパイ 《ネタバレ》 面白い。文句なしにボンドで一番好き。 容赦なくいいとこ取りをし、あたかもトッピング全部入りの豚骨ラーメンのような体に悪いがウマいから良いじゃん的な味わいを30年前に完成させている。あのモッサリしたアクションも、カッコイイからまあいいや。ロジャームーアってなんか良いんだよなぁあの雰囲気。ボンドって感じ。スパイって感じじゃなくてあくまでもボンドって感じ。 それにしてもたった二時間に、よくぞこれだけ007らしい要素を詰め込んだものだと思う。ボンドガールもセクシーだし、よくやった。 しかし今作、気絶したあとなぜか的の秘密基地で目を覚ますとか、2時間捕まってたか余計なことしてただけだけど、女を口説いたから助かったとか、そういう成分が足りないのは残念だった。 ワタシはそんなオッチョコチョイな007も大好きなのだ。[地上波(吹替)] 7点(2010-04-19 00:28:47)《改行有》

19.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 全く役に立たないボンドや、オマエフザケテンノカ?といわせたいとしか思えないオッドジョブといい、実にくだらない妄想にとりつかれたゴールドフィンガーとその女たち。 良いなぁ、実に良い。 役に立たなそうなギミック満載なボンドカーや、ゆるみまくった格闘シーン、頭の悪そうな秘密基地。実に良い。ボンドのエッセンスにあふれている。 基本的に007ってこういう馬鹿全開な設定を全く疑いなく見させるその腕力が最大の魅力。とくにこのゴールドフィンガーはそのバカ度をバカ度という尺度で計らせない勢いが良いのだ。アメリカに陰謀が迫っているのに気づいてるなら軍隊なり、国防総省なりにすぐ連絡してあげたらいい。ボンドよりも上手にあっという間に解決してくれるはずだ。だけどそれじゃぁ間違いなく尺が余るからボンドも気にしない。 そんなおっちょこちょいな007が私は大好きだ。[地上波(吹替)] 6点(2010-04-17 23:47:16)《改行有》

20.  007は二度死ぬ 《ネタバレ》 かなりコケていて、その恐ろしいネタの数々を誰かに話したくなる完成度であることは間違いないのだが、面白くないかというとなんと言っていいのか分からないところが巧妙なできばえだ。 私が持っている印象で007は、雪山とか海、ステキグッヅの数々をむやみに披露する、敵の秘密基地に進入して挙げ句の果てに暴れ回る、正装のイギリス紳士という感じ。で、これを観たとき何かの手違いでこうなったのか?と思ったがよくよく考えると、日本以外の人が観るといつも通りの007なんだろう。そう思うと納得。 いっつもこんななのになぜか大作のように扱われる007だが、私はそんなオッチョコチョイな007が大好きだ。[地上波(吹替)] 3点(2010-04-16 01:06:28)《改行有》

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